チャンネル vol.11 : 古道具の魅力

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昔懐かしい江戸時代の宿場町の風 情を色濃く残す奈良井宿。かつて木曽 や家具は小平さんの手作りで、加えて

そう話すのは、店主で木工職人の小 平こずえさん。店内に並ぶ木製の雑貨

新 し く 作 る ものには 出 せ ない 古 道 具 な ら で は の 味 、深 み

宿で最もにぎわいを見せ、今でも多

﹁場 所柄、フラッと立ち寄った観光   客が気軽に買えるよう、小さい器類を

など。

に並ぶのは、古い陶器や漆器、古家具

存在感を放ちながら佇んでいる。店内

な町の空気に馴染みつつも、個性的な

くの観光客が訪れる。 ﹁湖月堂﹂はそん

成した独 特の味でおいしいのだろう

るたびに﹃食べることができたら、熟

﹁けれど、やはり古道具には新品に   は絶対に出せない味わいがあります。

ること﹂が好きなのかが伝わってくる。

いうから驚き。いかに小平さんが﹁作

手染めの麻バッグや猫つぐらも手製と

前と違 うものがあると感じてもらえ

リピーターが多いので、何度来ても以

ところ。自分の作品も、いつかこうし

100 年以上使ってもらえるのが良い

な ﹄と 思 いま す。木 製 品 はこ う して

使い込まれた手垢の塗装や丸みを見

充実させています。それに奈良井宿は

るよう、商品の回転を考えて価格はお

て古道具屋に並べば嬉しいですね﹂

ジナルの瓦作品も並ぶ。

葺きの仕事で訪ねた蔵や解体現場か

片付け目的で陳列していたが、今は瓦

は家の中に取 り残 されていたものを

てもらえたら﹂

らではの良さを多 くの人に再認識し

できます。古くより伝承されたものな

良さから再利用して長く使 うことも

割高ながら上品な仕上がりで、質感の

ら譲 り受けた古 材 や建 具、器 や雑 貨

﹁いぶし瓦は現在一般的に使われて   いるチャカチャカ光る陶器瓦に比べて

を揃 えるほか、 ﹁昔 ながらのいぶし瓦

が見守っている。

そう話す小笠原さんを、屋根の上か らあくびをしながら、いぶし瓦の銀猫

さんが、かつて質屋だった建物にわず

猫の箸置きや瓦コースターなどのオリ

かに手を加えて開いた古道具屋。当初

長野 市の善 光 寺 門 前 町にある﹁銀 猫﹂は、瓦職人兼写真家の小笠原勝之

量 産 品 と は 作 り も 思いも 違 う 、 建 物 も 含 め た 古いものの 価 値 観

銀猫

の良さを知ってもらいたい﹂思いから、

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小笠原さんは普段は瓦職人の仕事をしているた め、基本的には仕事に出ない平日と土日、祝日を 中心に営業。店を訪ねてきた人の瓦や建築に関す る要望に応えたり、家の中や古物の片付け、解体 なども請けている。建物はいずれしっかりと改装を 加え、伝統建築のモデルルームのようにする予定

長野市長野西町 577-1 ☎ 026-232-2187 9 時∼日没 瓦の仕事に出てない平日と土・日曜、祝日を中心に営業

G I N N E KO

11 さえめです﹂

かつてご主人の父親が営んでいた同店名の和菓子屋の建物を1年かけて改装し、2008 年 にオープン。1階には陶器や漆器、木工雑貨など小さいもの、2階には古家具など大きい木 製品が陳列されている。オーダーメイドの家具、小物制作の注文も可

湖月堂 KO G E T S U D O

塩尻市奈良井 724 ☎ 0264-34-3073 9 ∼ 17 時頃 不定休


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