チャンネル vol.11 : 古道具の魅力

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チャンネル十一号 古道具特集で 御座います。


大安吉日 です。

4 月 2 4 日( 水 ) 朝 7 時 3 0 分 から c h . b o o k sで 朝 カフェ はじめます。 テイクアウトもできます。 ※

コーヒー(HO T /ICE)¥ 2 5 0 /チャイ(HO T /ICE)¥ 3 0 0 /スコーン ¥ 2 0 0 /パウンドケーキ ¥ 2 5 0 and more! 至 信大教育学部

至 善光寺

ホテル国際 21 県庁

合同庁舎

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1杯ずつエスプレッソ マシンでお淹れするので、 忙しい朝もお待たせせず、本格的 な味わいをお楽しみいただけます。

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中央通り

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南県町

長野駅

八十二銀行本店

ch.books 長野市南県町 1069 ☎ 0 2 6 - 2 17- 5 6 8 7 h t t p : //w w w. c h a n - n e l . j p m a il @ c h a n - n e l . j p

※月〜金曜 7 時 30 分〜 9 時 30 分頃まで


写 真=前田 聡 子 フォトグラファー。札幌出身。1982 年生まれ。長野県の山間部にある限界集落に移り住み、人間らし い暮らしや昔と変わらない生活に感銘を受け、写真を撮りはじめる。 「人物や自然のあたたかさ」をテー マに撮影を続ける。Blog「ドイナカ日記」日々更新中。http://sakko-do.jugem.jp/

チャンネル vol.11 発行日

2013 年 4 月 25 日

編集長

島田浩美

デザイン 青木 圭 ライター くぼたかおり(Lantana) 写真

内山温那(ナノグラフィカ)/前田聡子/阿部宣彦(Local Switch)/大井川茂(スタジオハイブッシュ)

印刷

有限会社サンライズ

発行

合同会社 ch .

〒 3 8 0 - 0 8 3 6 長野市南県町 1069 ch.books 2F チャンネル編集室

☎ 0 2 6 -217- 5 6 8 7

e -ma i l ma i l@ cha n-nel .jp U R L ht t p: //w w w.cha n-nel .jp

(本誌掲載の写真、イラストレーション、記事、ロゴの無断転載および複写を禁じます) © ch . 2 013 撮影協力:Granary モデル:卯之原里穂


美しい日本の歩きたくなるみち500選認定コース 「第6回いけだまち北アルプス展望ウオーク」 池田町で残雪の北アルプスを眺め、さわやかな風 を感じながら歩く6コースのウオーキングイベン トを開催。5 月18日(土) ・ 19日(日)8 時受付、9 時開始、2日参加 2000 円・1日参加1000 円(高校 生以下半額) 、おにぎり・豚汁のもてなし付 池田町観光協会 ☎ 0261-62-9197 公式HP http;//www.ikeda-kanko.jp/walking2013.html

長野市・桜華書林で赤木明登 「普段使いの器と平面作品」展

長野市・ナノグラフィカで 「朝比奈克文陶展 鳥と葡萄の木」

大手出版社の編集者を経て、20 代半ばに東京から 輪島に移住し、漆の職人のもとで修業後、独立し て約 20 年となる塗師・赤木明登の作品展。日常に 使える漆器のほか、今回は新しい平面作品も展示 する。5月10日(金)∼ 5月19日(日)11 ∼ 18 時、 会期中無休 ( 入場無料) 、11日(土)は作家在廊予 定(桜華書林☎ 026-286-2091)

郷里・牟礼村(現飯綱町)にて五山焼(いつつやまや き)と称して作陶を続け 23 年となる、朝比奈克文 の作品展。独自に調合した「緑呉須」と呼ぶ絵の具 で、濃淡を活かしてラフに一気に描き上げた磁器 の新作や、定番の器やカップなどが並ぶ。5月1日 (水)∼ 27日 (月) 12 ∼ 18時、火曜休 (ナノグラフィ カ☎ 026-232-1532)

長野市・パブリックスペースOPENで 「OPEN MARKET」開催

浅間山麓の北軽井沢・ルオムの森で 「北軽マルシェ【käki】キャキ」開催

毎日更新安曇野ブログ

安曇野時間

http://beatmini.exblog.jp/

小 さ な 広 場 を MARKET( 市 場 )に 見 立 て て、 OPENメンバーが知ってほしい商品や人をつなげ るイベント。無農薬の野菜や焼き菓子、弁当販売 のほか、フラワーアレンジメントや藍染めのミニ ワークショップなどを開催。善光寺花回廊のつい でに立ち寄りたい。5 月4日(祝・土)10 ∼ 16 時 (OPEN LLP 担当くぼた☎ 090-1555-1345)

群馬・長野両県からハンドメイド雑貨やオーガニック フード店が 25 店ほど出店。 「キノ・イグルー」の北欧ア ニメーション『Olle Eksell in Motion』上映、ノルディッ ク料理教室、軽石に植える季節の花盆栽作り、蔓カ ゴ編み、フィンランドスライドショー&トーク、アウトド ア玩具 「モルック」 トーナメント等を開催。5月11日 (土) ・ 12(日) 10 ∼ 17時(ルオムの森☎0279-84-1733)

tonicoで「ぽちぽちポーチ (と、てくてくバッグ)展」 「夏の帽子店」

長野市「私の部屋」 完全閉店セール開催中

松本市・ tonicoでふたつの企画展を開催。4月18日 (木) ∼ 5月6日 (月・祝) は長野県内で活動する4人の 布作家が作る個性的なポーチが並ぶ。5月10日 (金) ∼ 27日 (月)は帽子作家・西舘亜矢子の作品展。ラ フィアなどで編んだ帽子に合わせ、アクセサリー作家・ mauveが作るハットピンも紹介。12∼18時、店休日 については要問合せ (tonico ☎0263-34-6621)

2008年に移転オープンし、美しく豊かな日本の暮らし を提案してきた雑貨店「私の部屋 長野店」が 4月30 日 (火) をもって閉店する。現在、在庫一掃完全閉店 セールを開催中。キッチンツールやステーショナリー、 生活雑貨、キッズ用品など、店内全品を大幅割引にて 販売しているほか、什器等も販売。長野市三輪 2-55、☎026-241-6373、10 ∼ 18時30分、木曜休

この風景は いつから この風景 だったのか。 誰もいない 安曇野の道で クルマを とめて ふっと そんなことを ひとり思う春。

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P23 掲載・沖田修一監督作品『横道世之介』 長野松竹相生座・ロキシーにて絶賛上映中!

長野市のオープンアトリエ「風の公園」で 企画展「はなてん∼花展∼」開催中

P23でインタビューを掲載した沖田修一監督が、吉田修一の人気小説を映画化。 長崎の港町に生まれ、大学進学のために上京した18歳の横道世之介 (高良健吾) は、嫌みのない図々しさが人を呼び、人の頼みは断れないお人好し。そんな世之 介とガールフレンドの与謝野祥子(吉高由里子)をはじめ、周りの人々の青春時 代とその後の人生が描かれる。そして世之介に起こったあるできごとが、人々の 心に愛しい日々と優しい記憶を蘇らせる……。観る者全ての記憶に残る、幸福感 溢れる人間ドラマは必見! ∼ 4月26日(金)一般1800円・学生1400円(その他 各種割引サービスあり) (長野松竹相生座ロキシー☎ 026-232-3016)

絵画・立体・映像・音楽・ダンス等、 「花をモチーフ」にしたさまざまなジャンル の作品を、プロアマ問わず広く募集し、展示する参加型の企画展。現在 23 名 の作家が出展中で、会期中にさらに展示作品を増やし、次々と花が咲くような イメージを描く(子どもの作品の持ち込みも可) 。開催中∼ 5 月31日(金)11 ∼ 18 時、水曜休、4 月21日(日)14 時∼は玉井夕海の弾き語りライブ、5 月 25日(土)14 時∼は高山賢人の二胡ライブも開催。いずれも1000 円、定員 40 名(風の公園☎ 026-217-6819)

茅野市で新たな室内型ロックフェスが誕生! 「OTOSATA Rock Festival 2013」開催 茅野市民館を会場に2日間開催される室内型ロックフェス。長野県を拠点に活躍 するアーティストも多数出演。出演アーティストは10-FEET、9mm Parabellum Bullet、te'、KEYTALK、OGRE YOU ASSHOLE、envy、TOTALFAT、80KIDZ、 タテタカコ、片平実、THE NAMPA BOYS、THE INRUN PUBLICS 他。6月29 日 (土) 、30日 (日)10時開場、11時開演、チケット発売中。2日券1万 2000円、1 日券 6500円、プレイガイドはローソンチケット(Lコード 2日券 73214 / 1日券 73217) 、チケットぴあ(Pコード 2日券 780-510 / 1日券196-050) 、CNプレイ ガイド(☎ 0570-08-9999) 、e+(http://eplus.jp/otosata/)http://otosata.net/ (ALECX ☎ 0263-38-0050)

長野県内の魅力的な雑貨ショップが集結! 24th NAGANOカントリーマーケット 今回で 24回目の開催を迎える雑貨マーケット。長野市若里市民文化ホール 2F のプロムナードギャラリーを会場に、ナチュラルやアンティークなどさまざまな 雰囲気の雑貨店が出店する。参加店は、CountryHeart、GAKO、Still、野の花、ブ リーディングハート、ウエスタンスター、サンルイスハヤシ。ゲストショップはビ クトリアンクラフト、アンの家(5月31日)Runa*Runa(5月31日) 、つぼみ(6 月1日) 、ままおーぶん(6月1日)の全12 店。5月31日(金) ・ 6月1日(土)10 ∼ 17 時(6月1日は∼ 16 時)http://www12.plala.or.jp/country-m/(ウエスタンス ター☎ 0266-82-0101、サンルイスハヤシ☎ 0268-82-8666)

24th

NAGANO カントリーマーケット


第1回 岡谷街歩き古本市

長野門前古本市

5月1日(水)~ 5月6日(月・祝)9 時 30 分~ 18 時

門前即売会:4月27日(土)~ 5月6日(月・祝)11 ~ 19 時 門前一箱古本市:5月4日(土) ・5日(日)10 ~ 16 時

第1会場:笠原書店本店 2 階ギャラリーあすなろ(岡谷市塚間町 2-1-15) 第 2 会場:オーガニック・マーケット カンビオ2 階(岡谷市塚間町 2-6-8) 第 3 会場:イルフ童画館1階ミュージアムショップ(岡谷市中央町 2-2-1)

門前即売会:カネマツ(長野市東町 207-1) 門前一箱古本市:ぱてぃお大門(長野市大門町 56-1)

紅白いろとりどりの見事な八重桜が咲く時期に合わせ、岡谷の町中をぶらぶら歩きなが ら、3 つの会場で古本探しが楽しめる古本市。県内外の古書店16 店舗が出店し、第 1 会場には、 「おとなの本」 と題し、幅広い品揃えと豊富な量の古本が揃う。第 2 会場には、 食や暮らし、環境、社会問題をテーマにした「くらしの本」が並び、第 3 会場には、絵本 や児童書を中心とする「こどもの本」が集結。各会場は、それぞれ徒歩数分の距離にあ るので、歩いてめぐることで岡谷の良さを再発見することができるはず。本とともに、 知られざる岡谷の魅力に触れてみては。

昨年に引き続き、今年も善光寺花回廊の開催と合わせて、長野門前古本市を開催。前回 同様、カネマツが巨大な古本屋と化す「門前古本即売会」は、プロの古書店による個性 あふれる品揃えを一堂に堪能でき、期間も拡大して実施する。ぱてぃお大門の中庭で行 われる「門前一箱古本市」は、参加者が一箱に売りたい本を持ち寄って販売する青空古 本市で、プロアマ問わず誰でも参加が可能。こちらの一箱古本市は、現在出店者を募集 中(出店料両日・ 1日ともに1000 円) 。また、現在、長野駅から善光寺までのエリアに位 置する古本を扱う店舗を掲載した「門前古本地図」も市内各所で配布中。

岡谷街歩き古本市実行委員会 ☎ 0266-24-1851(カンビオ)☎ 0263-88-3809(書肆月影)

長野門前古本市実行委員会 ☎ 026-217-5559(遊歴書房)

この春出かけたい、 本にまつわるイベント あれこれ。 日に日に暖かくなり、足取りも軽くなる春。 ちょっと遠出を楽しみたい。そんな人におすすめの、 本にまつわる魅力的なイベントが揃っています。 新しい本との出合いを求めて、気ままに繰り出してみませんか。

敷島。本の森:ブックマルシェ 5月11日(土) ・12日(日)11時~日没 5月11日:敷島公園・百年の黒松林(群馬県前橋市敷島町 262) 5月12日:フリッツ・アートセンターの庭(群馬県前橋市敷島町敷島町 240-41) 群馬県前橋市の敷島公園で 2日間にわたって行われるイベント「a day in the park」の 一環となるブックマルシェ。出店は、キジブックス(北軽井沢) 、キュリオブックス(高 崎) 、greenpoint books & things( 横 浜) 、suiran(高崎) 、ch. books(長野) 、OLD / NEW SELECT BOOKSHOP 百年(吉祥寺) 、ぱらり書房(前橋) 、ロバの本屋(前橋) 、 book pick orchestra(東京) 。ほかに 5 月11日(土)15 時~はあがた森魚が詩人・萩原 朔太郎の詩を朗読して歌う「あがた森魚音楽会」 (1500 円・要予約) 、18 時 40 分~は正 田醤油スタジアム群馬で映画『ボブ・マーリー/ルーツ・オブ・レジェンド』を野外上映す る「しきしまナイトスクリーン」 (前売1000 円)を開催。チチリの庭「春のバザール」や ワークショップなども同時開催する。 フリッツ・アートセンター☎ 027-235-8989 http://www.shikishimapark.com/

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信州小布施 まちとしょテラソ一箱古本市 4月20日(土)10 ~ 16 時、21日(日)9 ~ 15 時 30 分 曹洞宗陽光山 玄照寺回廊(上高井郡小布施町大島 90) 毎年、春の恒例イベントとなっている禅宗の古刹・玄照寺の「境内アート小布施×苗 市」 。その共催として、小布施町立図書館「まちとしょテラソ」が開催する一箱古本市は、 境内の回廊で行われ、くだものの町・小布施ならではの古い木製のリンゴ箱に中古本を 入れて販売するフリーマーケット。敷地内では、境内でアート作品が展示され、参道で は苗市が行われるほか、骨董や、熟練したクラフトマンが作り出す工芸品の展示販売 も。多くの飲食店の出店もあるので、小布施の自然を感じながら、さまざまな楽しみ方 を堪能したい。 小布施町立図書館 まちとしょテラソ ☎ 026-247-2747


3 0 0 歳 を お 祝 い し て は じ め る び ん ず る さ ん の 手 づ くり 市

2013 年 6月-11月 毎月第2土曜日

自 分 で つくったものを 善 光 寺 で 見 せる 商う 伝 える 募集 出展者

運営:元善町・西之門町青年部・東之門町・

~ あ の 頃 わ た し は 若 かっ た ~

島田浩美 しまだひろみ

信州大学在学中に読んだ沢木耕太 郎の「深夜特急」にわかりやすく影 響を受け、 歳だった2003年7 月から2年間、 アジア、中東、 ヨーロッ パ、中 南 米 を 旅 して2005 年 に 帰国。飲食店兼出版社勤務を経て、 オープン 2011年に ch.books

皆無のバングラデシュの田舎

で寝 転んでいる多 数の患者

着いてす ぐに目に入った のは、ベッド数が足りず廊下

尖ってないか ら 手の甲 なの

せる け ど、う ちのは 太 く て

か?」と聞くと「日本の針は

第十一回 「バングラデシュの憂鬱」

町でカメラを盗まれ、自暴自

たち。さすが人口密度世界一

しい答 え が。結 果 的 に 何 と

よ」という訳わからない恐ろ

細くて良い針だから腕に刺

棄になって生水を飲んで腹を

なだけで VIP 扱いの私に

の国 だ ……。しかし 外 国 人

(前回のあらすじ)観光客が

聞の取材を受け、カメラが見

下した私。その状態で地元新

か 回目で成功……するも、

の液体を嘔吐した───。

猛烈な吐き気に襲われ、緑色

になることに。そんなある日、

個室だというのに、私の周り

ベルの VIP 待 遇。そ し て

帳をかけてもらう、というレ

からないよ うベッドには蚊

蚊に 刺 されてマラリアにか

え、病 室の窓ガラスは割れ、

し、注射器風のもので逆血を

ナースは 管のつなぎ 目 を 離

定、血 が 逆 流。そ れ を 見 た

と不審に思っていると、案の

「 本 当にこれで 良いのか ?」

ド 脇 に く く り 付 け ら れ た。

点滴台がなく、点滴袋はベッ

は個室が用意された。とはい

「ヒロミ、どうしたんだ 」 と聞くお父さんに対して「実

には常に十数人の見物客が

つかるまで記者の家でお世話

堂の生水飲んじゃって」と話

食べる時に手を洗う水だよ!

すと「Oh ! あれはカレーを

なく、じっと凝視) 。

……( 特 に 何 か す る訳でも

ポ タ ポ タ を 速 く し てい く。

のって!さらに、なぜか見物

押し戻す。それが痛いのなん

顔) 」ということで、すぐに病

替で口と目の粘 膜の色を調

て良いの?」と、わからない

ないけど、これ勝手に調節し

「え? 私、初点滴でよく知ら

客が点滴のダイヤルを回し、 現地人でも飲まないよ(呆れ

院へと連れて行ってくれた。

夫なのか……? 続いてナー

べるのみ。こんな診察で大丈

どういうことなんだ……。ベ

客が速度を速めていく。一体

戻すと、なぜかまた別の見物

初 入 院で初 点 滴。そんな 私

ながらも 自 力でダイヤルを

の手の甲に針を刺すナース。

ンガル語がわからず、見物客

スが 点 滴 を 打つためにやっ

……と、その瞬間、猛烈な痛

く理解不 能の世界に来てし

た ち と 会 話 が 通 じ ない。全

まったようだ……。 (つづく)

みが! どうやら神経に刺し

腕に針 を 刺 すんじゃないの

たらしい! おい!「 普通は

てきた。実は私、これが人生

4

検索 善 光 寺びんずる市 主催:善光寺びんずる市実行委員会 共催:善光寺

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はカメラ盗まれた悔しさで食

3

一応 VIP なだけあって、 担 当 医 は 人ついたが、交

!?

※雨天決行

善光寺境内にて10∼16 時まで アート・クラフト・ワークショップ・農産物など

【出展料】 1ブース (約2m×2m) 3000円  【ジャンル】 アート・クラフト・ワークショップ・農産物など  【出展条件】 出展者がつくったものを本人が売ることを基本に、 場合によりその関係 者や団体、 地域のぐるーぷなど、 実行委員会が認めた方  【応募期間】 開催日の2ヶ月前より開始∼1ヶ月前に締切り  【応募】 応募用紙をメールか郵送にて  【お問合わせ】 善光寺 びんずる市事務局 かまなりやTEL&FAX▶026-262-1665/E-mail▶binzuruichi@io.ocn.ne.jp/HP▶応募用紙のダウンロードや出展に関する詳細などがご覧になれます

第一回 6月8日/第二回 7月13日/第三回 8月10日/第四回 9月14日/第五回 10月12日/第六回 11月9日

善光寺表参道ギャラリーライン 事務局:かまなりや

※これはあくまで 2003 年当時、私が旅した先のバングラデシュの話です。あしからずご了承ください。

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絶賛 公開中 !!

映画『横道世之介』沖田修一監督インタビュー 現在、4月26日 (金) まで長野相生座・ロキシーで上映している映画『横道世之介』 。今回初めて小説の映画化とフィルム撮影に挑んだ沖田監督にお会いしました。

▶ 脚本づくり 初稿はいつも自分で書きますが、今回は時間がなかっ たので、中高の同級生・前田司郎くん(劇団「五反田団」 主宰)に任せ、僕はどうしてもやりたい部分を伝えて、 あとは好きに書いてもらいました。ふたりで「原作を壊 さず、そのおもしろさを表現できたら良いね」と話しま したが、これで友人関係が壊れるのではと若干心配も ありました(笑) 。

▶ キャスティング これまでに3 作高良くんを撮りましたが、初めて撮影し たドラマでの、よくいる若者役の印象が残り、世之介に 近いものを感じたし、世之介と同じ九州出身なのでちょ うど良いなと。ただ衣装合わせで、高良健吾にこんな 格好をさせる映画は大丈夫かと思いましたね(笑) 。祥 子は現実味のなさとリアリティのバランスが難しい役 でしたが、吉高さんがうまく演じてくれました。

▶ 時代設定 '87 年にとらわれないよう意識しましたが、楽しくなって きていろいろ作り込んだ部分はあります。ただ、どうし ても再現できない部分もありました。例えば下北沢駅 前のイタトマでパスタを食べる当時のトレンド。ではど うするか考えた時に、大事なのは若者が集いそうな場 所で世之介と祥子が W デートをし、祥子が食べ慣れな いものを食べて印象づけることだと思ったのです。再

現できないことを逆手に、映画ならではの表現ができ るのではないかと。だから、むしろそういうシーンは注 目してほしいですね。

▶ 岡谷ロケ 入院シーンは都内にイメージに合う病院がなく、岡谷市 で撮影しました。病院ひとつ探すだけで都内にないの は驚きましたね。そして土地の風情ではなく、病院を撮 りに行くのが新鮮でした。ロケ地探しは大変でしたね。

スタッフもキャストも、良い映画を撮ろうと時間 をかけて作り上げました。当時を知る人は懐か しんでも良いし、映画として素直におもしろがっ てくれても良い。誰が見ても何かしら世之介か ら感じ取れるものがあるのではないかと思いま す。いろいろな見方ができるので、ぜひひとりで も多くの方に見ていただきたいですね。

▶ アドリブを活かす ワンシーンだけでも19 歳の男の子の自然な会話を入れ たいと思い、風呂場で話す世之介と倉持にはアドリブ で演じてもらいました。夜遅くまで何テイクも撮り、い ろいろと映ってしまって大変でしたが(笑) 、そのライブ 感を伝えたくてわざわざワンカットで撮影しました。今 回は若者の会話がリアルに見えるよう、自由に動ける土 台を用意しましたね。

▶ 35mmフィルムでの撮影 フィルム撮影はいつかやりたいとずっと思っていまし た。今回カメラマンやプロデューサーと「時代物なので フィルムが良いか」との話になったのですが、僕はこれ でフィルム撮影は最後になるかもと思ったし、もはや理 由なくやりたいと思っていました。実際に作品を観ると、 映画の世界観ととてもマッチしていると感じています。

Profile 沖田修一(おきた・しゅういち) 1977 年、埼玉県出身。日本大学芸術学部映画学科卒業。短 編『鍋と友達』 ('02)や商業映画デビュー作『南極料理人』 ('09) 、 『キツツキと雨』 ('12)などで数々の賞を受賞している。

※映画『横道世之介』の上映情報はP00「LIVE IN NAGANO」のCINEMAでご紹介しています。

相 談 お酒を飲むとどこでも寝ちゃうんです。先日なんて、 気づいたら見たこともない場所で泥だらけになって 寝てました。のび太みたいな自分がいやになります。 私ってなんてダメ人間なのでしょうか。 1 2

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確かに、酔っぱらうと寝てしまう人は少なくありません。でも、 答 せっかくの楽しい飲み会で寝てしまうともったいないですよね。

そんなあなたには、 『ドラえもん』 でのび太から発せられた、この1コマを。

いちばんいけないのは じぶんなんか だめだと思いこむことだよ

ドラえもん

日本を代表する漫画家・藤子・F・不二雄による国民的児童漫画。勉強もスポーツも だめで何をやらせてもドジばかりの小学生・野比のび太のもとに、ある日、22 世紀 の未来からネコ型ロボット・ドラえもんがやってきて、 「ひみつ道具」でのび太の願 望をかなえ、物語が展開していく。 著者:藤子・F・不二雄 出版社:小学館(1975年)

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好きな猫ができ、恋煩いをするドラえもん。それを見て、はじめはバカにし たリアクションをとっていたのび太も、冷静になった後は助言したり励まし たり……。そんななかで出たひと言が、こちら。まさかのび太からこんな言 葉が発せられるなんて! この1コマを読むだけで、妙に励まされた気持ち になるのではないでしょうか。それを物語るようなドラえもんのこの顔も秀 逸。最終的には、しずちゃんを相手に、女性をおだてる姿をシミュレーショ ンするなど、 ドラえもんに恋愛作法を教授(!) したのび太は、うまいことし ずちゃんにハメられ、留守番を頼まれることに……。結局、単身で好きな 猫のところに向かったドラえもんは、見事、友だちになることに成功したの です。めでたし、めでたし。ま、つまりは、自信を持つことが大切ってことで すね。とはいえ、酔っぱらいは周囲にも迷惑ですから、お酒はほどほどに。


吉井和哉

K a z u y a Yo s h i i

TOUR2013 GOODBY YOSHII KAZUYA 3.23 SAT @ ホクト文化ホール 写真・文=大井川茂

吉井和哉というアーティストに出会って20 年。2004 年に解散したバンド 「THE YELLOW MONKEY」 伝説の6thアルバム 『SICKS』 で 「僕が犯されたロッ クンロールに希望なんてないよ あるのは気休めみたいな興奮だけ それだけ さ」と唄う吉井さんの音楽に、僕はずっと「希望」あるいはそれに似た何か「光」 のようなものをもらいながら生きてきた。 3月23日。ライブツアー「GOOD BY YOSHII KAZUYA」 。ソロデビュー 10 周年を迎え、初のベストアルバムとなる『18』を引き連れて、吉井さんが長野に 来てくれた。 まさに吉井サウンド。ヘヴィーなドラムと、それを包むようなベース。かき鳴ら すギター、優しいキーボード。そしてしなやかで伸びのあるボーカル。ロック特 有のハラハラするような緊張感をもって会場中に響き渡る。ライブ前半から、会 場のテンションはMAXだ。 タネがあったって仕掛けがあったっていい。それにしてもかっこ良すぎる。生 き様なんだと思う。漂うオーラに嘘はない。 「 『スタイルもギャラのうち』ってミッ クジャガーが言ってた」って、吉井さんはインターネットラジオで笑ってた。 「空 は紫色だった」と語るデビュー当時、抱いた夢の大きさに胸がざわめく。 「未来 は邪魔だ」とあっけらかんに踊っちゃう、バンド時代のざらつき感がたまらない。 「平和のうそつき」って言っていたLOVINSON時代の曲は、今でも胸を締めつ ける。 「夢って?」 「地球は丸い」と教えてくれる独特の詩の世界に魅了されっぱ なしだ。 「日曜日の朝は、したたかでムカついていたんだ」と唄って「日曜日の朝 がきて、歯を磨いたらここはまだ平和な場所」と奏でる矛盾が大好きだ。 アーティスト吉井和哉の過去と現在と未来を紡ぐようだった。華やかなのに、 はかなくて。きらびやかなのに、危うくて。それでいてとても強く美しい。 「さよな らごめん」と言った言葉に、熱い希望をもった濃い血が流れていくのを感じた。

本ツアーの最終公演地・福島で 「YOSHII UTSUKUSHIMA」開催決定! 2011年春ツアー「YOSHII KAZUYA Flowers & Powelight Tour2011」で、グッズ販売収益金 225 万 5000円とツアー収益金一部を、直前・直後に訪れた宮城県七ヶ浜町に寄付した吉井和 哉。震災直後に計画した本ツアーの最終公演地・福島では、1日限りの地元コラボレーション企画 「YOSHII UTSUKUSHIMA」の開催を決定!こちらの収益金はすべて福島県の復興支援活動へと寄 付される。 【TOUR FINAL@ 福島・あづま総合体育館】 日時:5月18日 (土)16時開場、17時開演 場所:あづま総合体育館(福島県福島市佐原字神事場1/ tel024-593-1111) 料金:6800円(全席指定/ 5 歳以上チケット必要) チケット発売:5月17日 (金)19時~ 取り扱い:ローソンチケット (Lコード 28918) 、チケットぴあ(Pコード186-901) 、e+(http://eplus.jp) 【YOSHII UTSUKUSHIMA】 日程:2013年5月18日 (土)13 ~ 21時 場所:あづま総合体育館サブアリーナ(入場無料) 内容: 1.YOSHII MARKET 吉井和哉ステージ衣装、私物などのフリーマーケットや、吉井和哉が地元飲食店や福島中央テ レビ、カメラマン・デザイナーとタイアップしたオリジナルフード・グッズ、パンフレットの販売 【吉井和哉 TOUR 2013 GOOD BY YOSHII KAZUYA 後夜祭(オールナイトイベント)開催】 日程:5月18日 (土)22時開場・開演 会場:福島club NEO 料金:2000円(18 歳未満入場不可)※1ドリンク500円別途 取り扱い:ローソンチケット (Lコード:21997) 、チケットぴあ(Pコード:197-727) 、e+(ファミリーマー トのみ)

問合せ:ジー・アイ・ピー ☎ 022-222-9999

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信念を忘れずに、 これからもお客様のためのピッツァを 一枚一枚心を込めて焼いていきたい ││中澤雄介

僕たちの開店がきっかけで、 街の人に﹁ピッツァを食べにいく﹂感覚が 定着していたらうれしいね ││栗原拓実

ふたりの母校である長野市内の中学校にて撮影


PIZZA TIKU-

昨 年、長野市初となる薪 窯 焼きの ピッツァ店が立て続けにオープンし た。仙台の名店で修業を積み、 月

ることは一生ないと思うよ。

態は保てない。ピッツァ作りに納得す

ピッツァはいい!﹂と思っても、その状

を格安で提供している店もたくさんあ

ら不安だった。それに駅前ではランチ

ムで、中澤くんの人柄も知っていたか

中澤 そうですね。でも﹁いいな﹂と思   うものが焼けた時はお客様がどう食べ

ると思っていたけど、単純に他店と戦

ツァの大きさを見たら納得してもらえ

る。うちのランチは1000 円で、ピッ

るか気になって、目で追っちゃいます。

まで人気が続いてくれていてありがた

るしかないとも思っていた。おかげさ

を開店し、本場イタリアの味を提供す

月 日に、長野駅前でピッツェリア

カ月 後の

栗 原 味に関 して 言 え ば、僕 たちの   ピッツァは正反対だよね。中澤くんの

介 さん。そしてちょう ど

は人柄が表れるやさしい味わいで、年

いよね。 年前に比べると互いの店の

が粉の個性が出やすい分、一歩間違え

かり焼いてしっかり焦がす。そのほう

中澤 年目は多くのお客様に来てい   ただき、感謝の気持ちが何よりですが、

スタンスも確立してやりやすくなった。

れば焦 げすぎじゃないかといわれる。 でも、その焦げがおいしいと言われる

使い分けているんじゃないかな。

住み分けができているし、お客さんも

年目からがより大切だと思っていま

す。それに今後は長野にもっと同じよ

うな店が増えますよね。

栗原 それが僕らの開店がきっかけか   も、と思うと嬉しいし、店が増えれば

街が豊かになり、お客さんの選択肢が

栗原 開店は中澤くんのほうが早かっ   たから、最 初はやっぱり意識したよ。

1979 年生まれ、長野市出身。大阪辻調理師 専門学校卒業。軽井沢の一流フランス料理店を 経て、一時、別の職業に就いたが、料理雑誌に 載っていた仙台の有名店﹁ピッツェリア・デ・ナプ レ﹂の記事に魅了され、2004 年、同店にて 修 業開 始。2011 年の東日本大震 災を機に 地元に帰り、2012 年 月、善光寺門前町に ﹁薪窯焼 PIZZA TIKU ﹂オープン。

中澤雄介︵なかざわゆうすけ︶

増えるのも良いよね。でも、そのなかで

中澤 開店時期については、僕はいず   れ地元でお店を開こうとは思っていま

選ばれる店になることが大切。そして

人だったから全く経験がなかったんだ

もできない奥深さにハマってしまって。

たら、思い通りにいかず、味見も修正

ピッツァが街に根付けば一番嬉しいな。 た。仙台で震災があって、最初は店を

だ帰って来るつもりはありませんでし

再開させる方向で考えていたんですけ

したが、東日本大震災がなければ、ま

毎日試行錯誤の連続。最初はお客さん

ど、電気もガスも水道もなく、それで

中澤 そう! すごくわかります。   栗原 当時はスタッフが誰も作り方を   知らなくて、見よう見まねで作って、

も来なくて大変だったな。

んですが、そこで初めて TV で津波が

も電気は 週間ほどで早めに復旧した

中澤 僕も今、大きくブレないよう少   しずつ配合を変え、日々試行錯誤です。

と見極めて、一枚一枚に魂を込めて焼い

店のカラーは違えども、かなり人気だ

くの人が亡くなった事実を目にして、

の夢に突き進もうと思ったんです。

﹁自分は生かされたんだ﹂と思い、自分

あったと知って。一瞬で隣りの地域の多

生かすも殺すも自分次第で、それぞれ

栗原 時間もかかるし、でき上がった   生地全員が異なる表情になる。それを

生地作りは本当に難しいですよね。

えるのかと。ただ、強い信念を持ってや

る栗原 拓 実さん。どちらも 満 席 続き

身中学も一緒のふたりに、開店から 年が経過した今の想いを聞いた。

僕 がピッツァ作りを 始 めたの   は、東京から地元に戻った時に誘われ

と嬉しいよね。偶然、同時期に開店し 店だけど、スタイルは真逆だから

業したから。それまでフレンチの料理

た料理店で、新たにピッツェリアを開

栗原

配の人も食べやすいけど、うちはしっ

の人気店であり、同世代で偶然にも出

日に善光寺門前で店を開いた中澤雄

11 1

ていく。その焼き上がりがイメージと

栗原拓実︵くりはらたくみ︶

1978 年生まれ、長野市出身。エコール・キュリ ネール国立︵現・エコール辻東京︶卒業。東京のフ ランス料理店を経て、2002 年、長野市の﹁カ フェ・ダル・ドージェ﹂でピッツァ職人に。2006 年、姉妹店﹁トラットリア・ジョイア﹂でシェフを 務め、2009 年渡伊。本場で 年間修業を積 み、帰国後は東京で働いて、2012 年 月、長 野駅前に﹁ピッツェリア・カスターニャ﹂オープン。

4

薪窯焼

3

と知ってたし、全国的にもピッツァブー

1

1

の生地を見て﹁この子の適温はこれだ﹂

1

1

11

けど、最初は﹁作れるだろう﹂とナメて

2

2

4 違う時もあって悩むよね。それに﹁この

3

-

1

中澤雄介

ピッツェリア・カスターニャ

栗原拓実

取材・文=島田浩美 写真=内山温那

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この 連 載 も 十 回 を 数 え る。

き る よ う に な っ た 。そ し て そ れ が 結 局 今 の 仕 事 に つ な

れ 、書 く こ と に よ っ て 友 人 た ち と ま た 会 う こ と が で

き た 。そ の よ う な こ と は あ ま り あ る こ と で は な い 。

書 店 で 手 に し そ の一文 目 か ら ス ー ッ と 文 章 が 入 っ て

知 の 著 者 だ っ た 。こ れ が 彼 の 初 め て の 著 作 に な る 。

ト の 世 界 で は 有 名 な 人 の よ う だ が 、私 に と っ て は 未

( 二 〇 〇 四 年 ア ル フ ァ ブ ロ ガ ー ・ア ワ ー ド )と し て ネ ッ

年 二 月 )と い う 本 を 読 ん だ 。 ア ル フ ァ ブ ロ ガ ー

最 近 、 finalvent と い う 人 の『 考 え る 生 き 方 』 ( 二 〇一三

が る こ と に なった 。

大 学 を 卒 業 し 、新 入 社 員 に な っ て 社 会 に 入 っ て 行 く 自 分 の 姿 を 、思 い 出 し な が ら 書 い て い る 。 当 初 は もっと 明 る い 感 じ で ユ ー モ ア を 交 え て 書 こ う と 考 え て い た が 、ど う に も そ う い う 感 じ に な ら な い 。 先 日 、連 載 を 読 ん で く れ て い る と い う 方 に お 会 い し た。 「 連 載 の イ メ ー ジ を 裏 切 ら れ ま し た 」と 言 わ れ た 。 本 来 、自 分 は 何 も 考 え て い な い 人 間 で あ る 。と き ど き ラ ジ オ に 出 演 す る 時 な ど 多 少 キャラ を 演 じ て い る が、 ど ち ら か と 言 う と 落 ち 込 ま な い タ イ プ と い う か 、妻 に

昨 年 五 十 五 歳 に な っ た 彼 は 、自 分 は い わ ゆ る 人 生 の

成 功 者 で は な いと 書 く。

こ れ か ら 人 生 の 一発 逆 転 な ん て も の は 見 込 め な い

し か し 二 十 代 前 半 の こ と を 振 り 返 っ て み る と 、な ん と

も よ く「 あ な た は 楽 天 的 で い い わ ね 」と 呆 れ ら れ る 。

な く こ ん な 文 章 に な っ て し ま っ た 。自 分 っ て こ ん な に 暗

し か し 、偉 業 を 成 し 遂 げ た 者 で な い か ら こ そ 、世 の

し 、自 分 は 世 に そ の 名 が 知 ら れ る こ と も な い 尊 敬 に

社 会 人 二 年 目 に な っ た あ る 日 、大 学 時 代 共 に 同 人 誌 を

中には若い頃の希望に挫折してその後の人生をそれ

か っ た っ け 。悩 ん で い た っ け 。今 日 か ら 過 去 の 私 を 眺 め

作 っ て い た 友 人 か ら 、ま た 雑 誌 を 作 ろ う と い う 手 紙 が 来

な り に 生 き て い る 者 が 大 半 で あ る か ら こ そ 、自 分 も

値 し な い 人 間 で あ る と。

た 。そ れ を 受 け 私 は 、久 々 に 文 章 を 書 く こ と に な っ た 。

今 、か ら っ ぽ な 人 生 な り に 考 え て 生 き て き た こ と を 書

る と 、同 じ 自 分 な の に も う 他 人 み た い だ 。

大 学 を 卒 業 す る か ど う か と い う 頃 、何 を 書 い て い い

暗 い 。失 恋 を し 、社 会 に 挫 折 し 、先 が 見 え ず 、ひ と り

第 一章 の「 社 会 に 出 て 考 え た こ と 」の 文 章 は と て も

こ う と 思った と 。 詩 み た い な 言 葉 だ け で 、友 人 た ち に は カ ッ コ つ け る な よ

の か さ っ ぱ り わ か ら な く な っ て し ま っ た 。出 て く る の は

と 言 わ れ た が 、う ん 、本 当 に ち ゃ ん と し た 言 葉 が 出 て こ

「 人 生 、成 功 し な い か も し れ な い け ど 、考 え て 生 き

ぼっち だ 。 そ の 頃 に 比 べ る と 、社 会 人 生 活 と 労 働 に よ り リ ハ ビ リ

て い け ば な ん と か な る ん じ ゃ な い か 。な ん と か な っ

な かった 。

が で き た の か 、少 し は 書 く た め の 言 葉 が 出 て く る よ う

て 、日 々 、そ れ な り に 生 き て い る 実 感 み た い な も の を

考 え て 見 つ け て い け た ら 、そ れ で い い ん じ ゃ な い か 」

に なった 。 今 、当 時 雑 誌 に 寄 せ た 文 章 を 読 む と 若 書 き だ し 、無 理

誰 も が一度 は 世 界 に 絶 望 の 呪 い を か け る 。そ れ で も

彼 が 市 民 と し て 、仕 事 人 と し て 、生 活 者 と し て 、考 え

を し て い る し 、下 手 な ピエロ を 演 じ て い る よ う で イ タ い 。 で も そ の 時 な り に 、一所 懸 命 言 葉 を 発 し よ う と し て い て

な が ら 踏 ん ば り な が ら 生 き 辿 り つ い た 場 所 は 、と て

も あ た た か く や さ し い。

微 笑 ま し い 。頑 張 っ て く れ と 応 援 し た く な る 。 仕 事 を す る こ と に よって 少 し ず つ 自 意 識 の 鎧 が は が

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文=森山裕之 1974 年長野市生まれ。獨協大学外国語学部卒。大学時代に 友人たちとリトルマガジン『みえない雑誌』を創刊。印刷会社 の営業マンを経てフリーライターとして活動後、カルチャー雑 誌『クイック・ジャパン』編集長を務める。現在、ヨシモトブッ クス編集長。共著に『文化系トークラジオLife』 、 『冬の本』が ある。雑誌『毎月あだち充』でエッセーを連載中。

森山裕之(もりやま・ひろゆき)

第十回・考えながら生きる


【 第九回 】

では来客の9割がから揚げ定食︵ 个

今日は﹁大きなから揚げの店﹂とし て有 名な﹁みや川﹂に行こうか。ここ

「から揚げ定食」

伊那市「みや川」

① 1000 円以下 満点 ② ボリューム し ③ サービスよ

げをじっくり 分もかけて揚 げるっ

るらしいんだ。1個250g のから揚

710 円、5个 1000 円︶を注文す

3

年。当 時は1個 オープンは昭 和 100 g だったけど、料 金を 値 上 げ

わらかいんだよ。

り火が通っていて、肉はふんわりとや

うね。だけど、おかげで中までしっか

て言うから、店主はさぞかし大変だろ

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取材・文=くぼたかおり 写真=内山温那

市営伊那野球場のすぐそばにあり、配膳や片付けは自 分で行うセルフスタイルの定食屋。伊那名物のローメン (並650円、大790円)もおすすめで、毎年6月4日 の「ローメンの日」は、同店を含む伊那市内の飲食店の ローメンの金額が安くなり、 一律料金で食べられる。遠 方から来る場合などは予約をしてから出かけたい。

たおいしさが味わえておすすめだよ。

みのタレやソースで食べるとまた違っ

食べる時は、表面をパリッとさせて好

食べ切れなくても安心してよ。自宅で

ニール袋に入れて持ち帰ってるから、

できる人は少なくて、みんな専用のビ

きさになってしまったんだとか。完食

増やした結果、ソフトボールほどの大

するごとにサービスで少し ずつ量を

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伊那市中央 524 ☎ 0265-72-7451 12 ~ 14 時(13 時 LO) 月・火曜休

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h aluta p a cking c ase

+北欧家具

デ ン マ ー ク から 直 輸 入 の ビ ン テ ー ジ 家 具 上田市を拠点に、ベーカリー、カフェ、インテリアを扱うライフスタ イルショップを展開するhaluta。1 ∼ 2カ月ごとに北欧(主にデン マーク)で買い付けたビンテージ家具やアンティーク雑貨、食器な どをコンテナで入荷し、保管、メンテナンスしているのが packing case だ。現地にて直接買い付け、メンテナンスも全て自社で行っ ているので、商品は市場価格よりもかなりお値打ち。そのため、県 外からの来客も多いという。オンラインストアでの通販も人気で、 現在、4 月28日までは東京・表参道にも期間限定ショップを出店 中。大好評を博している。 上田市御所 583 ☎ 0268-71-3005 10 ∼ 18 時 火曜休(オンラインストアも火曜休) www.haluta.jp

OLD RIVER

+生活雑貨

+古本

古 い も の が よく 似 合 う 、 個 人 の 夢 が 詰 め 込まれた 空 間

古 本を仕 入れる業 者 市で興 味 が 湧き、 古道具の販売へ

自宅の一角を改装した店内に並ぶのは、東京・下町の老舗問屋・松野屋 の商品を中心とした心地良い生活の道具。リサイクルのガラス瓶やカ ゴバッグなどが陳列された棚は、ほとんどが店主の古川増美さんの手 作りだ。 「どうしてもお店を開きたくて、自分で作ってみたらできたんで す」と笑う古川さんの話を聞くと、 「強い気持ちとズク(!)があれば、夢 は叶うのだ」と感じさせてくれる。棚だけでなく内装も1年間かけてほ ぼひとりでのリノベートしたという。この、ささやかな幸福感と家庭的 な温かさが広がる空間には、おばあちゃんの嫁入り道具だという裁縫 箱や大正∼昭和時代の陳列棚がよく似合う。

昨年、長野市の権堂アーケード内に 2 号店を出店した古本屋の団地堂。 店主の飯田剛さんは、当初は業者専用の古本市で商品の仕入れを行っ ていたが、 「古物の市でも古本が出品されている」と聞いて出かけたの がきっかけで古道具に惹かれ、取り扱うようになった。 「古物は人によっ て関心を寄せるものが全く異なり、意外なものが売れておもしろい」そ うで、今はほぼ毎日、全国のどこかで開催されている業者市に仕入れに 出かけているという。独特なセンスでセレクトされた店内の古本ととも に、味わい深い古道具を楽しみたい。

長野市篠ノ井二ツ柳 1933-6 ☎ 090-2478-2157 営業日・営業時間はブログ(http://oldriverhp.exblog.jp/)にて要確認

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団 地 堂 アーケード店

長野市権堂町アーケード内 ☎ 026-235-0444 10 時 30 分∼ 19 時 無休


古道具

古道具の販売とともに、 「+α」で魅力的なものを扱う、 特別な楽しみを感じる店をご紹介。

O rch e

+ イベントスペ ース

作 り 手 、使 い 手 の 思 い が 詰 まっ た 古 道 具 長野市篠ノ井の日本料理店「まちの円居食の団欒丸十」を経営する 有限会社マルジュウが、昨秋、新たに開いた店。篠ノ井駅前の旧銀 行を改修した建物で、半分が古家具や作家ものの器、暮らしの道 具を扱うショップ、もう半分がパーティなどに使える多目的スペー スとなっている。丸十はかつて「丸十温泉」という100 年以上続く 銭湯で、2008 年に惜しまれつつ店を閉じ、今の店舗の形を作り上 げたのが、取締役の久保田盛雄さんだ。 「銭湯だった頃は湯沸かし のために材木を焚いていたので、周りは常に木で れていました。 そのためか古い木の家具には懐かしい居心地の良さを感じます。 店にはそういった思いが感じられるものを並べています」店内の床 板は、近所の小学校体育館の取り壊しの際に引き取った床を再利 用したもので、備品にも長く使われ続けた木材を設えていて興味 深い。そして商品はどれも丁寧に汚れを落とし、修理されてるとこ ろからも、久保田さんの古道具に関する心遣いが感じられる。 長野市篠ノ井布施高田 846 ☎ 026-214-9745 12 ∼ 19 時 水曜、第 1・3 木曜

c afe b a rba ra

古着 +喫茶と

独 特 の目利きによって 選 ば れ た 型 に は まら な い 古 い も の た ち 善光寺門前町の、喫茶と古着屋も兼ねる古道具店。 営むのは見るからに個性的な 原夫妻で、古道具は 「小学生の頃から古いものがひたすら好きで、そこに 絶対的な価値を見出していた」というご主人・崇さん の審美眼によるもの。DIYで作り上げられた店内には 独特の味わいが感じられるランプや古い焼き物、置 物が並んでおり、食事やドリンクメニューも古い有田 焼の器で提供されている。そして訪れる来客もまたユ ニークな人が多いのがおもしろい。喫茶店に立ち寄る 感覚で気軽に訪れたい。 長野市長野東町 142 ☎なし 12 時∼なくなり次第終了 火・水曜定休

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昔懐かしい江戸時代の宿場町の風 情を色濃く残す奈良井宿。かつて木曽 や家具は小平さんの手作りで、加えて

そう話すのは、店主で木工職人の小 平こずえさん。店内に並ぶ木製の雑貨

新 し く 作 る ものには 出 せ ない 古 道 具 な ら で は の 味 、深 み

宿で最もにぎわいを見せ、今でも多

﹁場 所柄、フラッと立ち寄った観光   客が気軽に買えるよう、小さい器類を

など。

に並ぶのは、古い陶器や漆器、古家具

存在感を放ちながら佇んでいる。店内

な町の空気に馴染みつつも、個性的な

くの観光客が訪れる。 ﹁湖月堂﹂はそん

成した独 特の味でおいしいのだろう

るたびに﹃食べることができたら、熟

﹁けれど、やはり古道具には新品に   は絶対に出せない味わいがあります。

ること﹂が好きなのかが伝わってくる。

いうから驚き。いかに小平さんが﹁作

手染めの麻バッグや猫つぐらも手製と

前と違 うものがあると感じてもらえ

リピーターが多いので、何度来ても以

ところ。自分の作品も、いつかこうし

100 年以上使ってもらえるのが良い

な ﹄と 思 いま す。木 製 品 はこ う して

使い込まれた手垢の塗装や丸みを見

充実させています。それに奈良井宿は

るよう、商品の回転を考えて価格はお

て古道具屋に並べば嬉しいですね﹂

ジナルの瓦作品も並ぶ。

葺きの仕事で訪ねた蔵や解体現場か

片付け目的で陳列していたが、今は瓦

は家の中に取 り残 されていたものを

てもらえたら﹂

らではの良さを多 くの人に再認識し

できます。古くより伝承されたものな

良さから再利用して長く使 うことも

割高ながら上品な仕上がりで、質感の

ら譲 り受けた古 材 や建 具、器 や雑 貨

﹁いぶし瓦は現在一般的に使われて   いるチャカチャカ光る陶器瓦に比べて

を揃 えるほか、 ﹁昔 ながらのいぶし瓦

が見守っている。

そう話す小笠原さんを、屋根の上か らあくびをしながら、いぶし瓦の銀猫

さんが、かつて質屋だった建物にわず

猫の箸置きや瓦コースターなどのオリ

かに手を加えて開いた古道具屋。当初

長野 市の善 光 寺 門 前 町にある﹁銀 猫﹂は、瓦職人兼写真家の小笠原勝之

量 産 品 と は 作 り も 思いも 違 う 、 建 物 も 含 め た 古いものの 価 値 観

銀猫

の良さを知ってもらいたい﹂思いから、

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小笠原さんは普段は瓦職人の仕事をしているた め、基本的には仕事に出ない平日と土日、祝日を 中心に営業。店を訪ねてきた人の瓦や建築に関す る要望に応えたり、家の中や古物の片付け、解体 なども請けている。建物はいずれしっかりと改装を 加え、伝統建築のモデルルームのようにする予定

長野市長野西町 577-1 ☎ 026-232-2187 9 時∼日没 瓦の仕事に出てない平日と土・日曜、祝日を中心に営業

G I N N E KO

11 さえめです﹂

かつてご主人の父親が営んでいた同店名の和菓子屋の建物を1年かけて改装し、2008 年 にオープン。1階には陶器や漆器、木工雑貨など小さいもの、2階には古家具など大きい木 製品が陳列されている。オーダーメイドの家具、小物制作の注文も可

湖月堂 KO G E T S U D O

塩尻市奈良井 724 ☎ 0264-34-3073 9 ∼ 17 時頃 不定休


売できないか﹂との要望に応え、見た

前ページでも紹介のグリーンファー ムは、地元農家の﹁規格外農産物を販

あり野 菜 ﹂のほか、日用 品、花 卉、食

目が悪いだけで品質には問題ない﹁訳

商 品 はどれも格 安 で、野 菜 を卸 す農

品等を販売する地域密着型産直市場。

家、購入する人々、観光バスも停まり、

常に活気に満ちている。古道具は冬と

夏に特設コーナーが設置され、これま

た好評。雑然とした店内は東南アジア

の市場を彷彿させておもしろい。

そもそも同店で古道具を取 り扱い 始めたきっかけは、先述のように﹁困っ

が反映している。農家にとって農閑期

ている人を助けたい﹂小林社長の思い

頭の商品も少なくなる。そこで各農家

の冬 場 は販 売 物 がない。結 果 的に店

取りを呼びかけたところ、蔵に眠る骨

に、商品として家にある不要物の買い

董・古 物 が持 ち込 まれるようになり、

現在のベースになったという。

社 長の人 助け精 神 は、市 内の自 転 車 店﹁CLAMP﹂に も 影 響。ア ウ ト

ドアに造詣 が深い店主夫妻を後押し

具が違和感なく並べられており、自転

し、開店を支援した。同店内にも古家

車と同様に購入できるのがうれしい。

3

ほかにも姉 妹 店 として洗練された くさ ね 風情の花と器の店﹁草の音﹂を経営し

CLAMP

ており、こちらはこれまでの店舗を

月に閉店し、現在、 月の移転オープ

ンをめざして準備中。趣が異なりなが

らも、古道具という共通点を持つ 店

舗のおもしろさを実感してほしい。

3

6

クランプ

岡山出身で、大阪の自転車店勤務を経て茅野市でアウトドアガイドを行っ ていた店長の武村信宏さんと、大阪出身でアウトドアブランド店の店長を 勤めていた奥様の由紀子さんが営む、南信初の本格派サイクルショップ。 共通の知人が縁で小林社長と知り合い、援助もあって2012 年 3月に同店 をオープンした。タイヤ店だった倉庫を改装した店内には、スポーツタイプ の自転車・カスタムパーツやサイクルウェアのほか、 「リンセン古道具の会」 の倉庫からピックアップした古家具も販売されている。 「誰が来ても楽しい と思える店づくりをめざし、自転車を通して多くのお客様につながってもら いたい」と武村店長。各種ツアーやイベントも開催している。ちなみに「リ ンセン」とは花卉の仲卸業者の名前で、かつては「リンセン古道具の会」を 開催している倉庫を市場としていたが、現在はCLAMPの駐車場を利用し て週 3回の卸を行っている。さまざまな横のつながりがまた興味深い。 伊那市山寺 249-1 ☎ 0265-96-0109 13 ∼ 20 時 木曜休

産直 市 場グリーンファーム

「CLAMP TEST RIDE ☆」- みんなで楽しむ自転車大試乗会 CLAMP では長野県下最大規模となる自転車試乗会を開催。薪ストーブとガーデ ンツールの店「DLD」が開催する「DLD ガーデンフェスティバル」と同時開催で、 マウンテンバイク、ロードバイク、クロスバイクのほか、小径車、ジュニア&キッ ズバイクなど約 80 台の試乗車が い、乗りなれた人はもちろん、初心者や家族、 夫婦で楽しみたい人にもおすすめ。 5月25日(土)10 ∼ 16 時(小雨決行、雨天の場合 5月26日(日)に順延) 会場:DLD 伊那ショールーム敷地内(伊那市高遠町上山田2435) ☎ 0265-94-6133 見学・入場無料 試乗(損害保険料含む) :前売1500 円、当日1800 円 詳細は www.clamp-bike.com まで

1994 年に伊那市の高台にオープン。広い駐車場には引っ切りなしにクル マが、盛況ぶりがうかがえる。店内には新鮮野菜や天然キノコ・山菜、植 物、イナゴや蜂の子などの珍味、ジビエ、農薬や農機具、文房具、日用雑 貨、ソフトクリーム、作りたて大学芋などとともに古道具が所狭しと並び、 掘り出し物も多々。さらに、これまた「困っている人を助けたい」精神で引 き取った動物が飼育されているミニ動物園があり、野生のクマやサル、イ ノシシのほか、諸事情で譲り受けたポニー、クジャク、ダチョウ、ウサギ、 チャボ等々……を間近で見ることができて、とてもエキセントリック! 伊那市ますみヶ丘 351-7 ☎ 0265-74-5351 8 ∼ 19 時(1・2 月∼ 18 時) 1 月 1 日休

12


RINSEN

ズに応えていたら今の形 が確立した ので、決して狙っているつもりはあり ません。元々、古い物が好きで、幼い 頃から粗大 ゴミ捨て場のものを拾っ

形 が曲 がった野菜にも魅力 があると

て き て は 直 し て 使 って い ま し た し、

感じています。だからこそ、この大量

あると思っています﹂

消費の時代に気づく古道具の魅力が

では、小林社長にとって、古道具の 魅力とは? ﹁全てにストーリーがあること。も   のにはそれぞれ命 があり、昔 のもの を使い続けることに尊さを感じます。 古いものを大切に使 う文化 がもっと

そのためにも必要以上に高値は付け

県 内 で広 がれ ば お も し ろいで す ね。

ない。気に入った人に使ってもらい、 営業を続けることが大切 だと思って います﹂  それと同時に﹁困っている人を助け たい気持ちは常にある﹂という社長。 ﹁ 十 年 前 に骨 董 品 屋 を開 き ま し た   が、あえなく一年で閉店。力技で開店 して も 意 味 が ないと 気 づき ま し た。 今はマネージャーとして夢や実力 が ある若者に出資 することで新しいお 店 ができ、地 域 文 化 が広 がることが 大事だと思っています﹂   農 産 物から古 道具の取 り扱い、そ して若 者 の後 ろ盾 まで。社 長の力 強

のセレクト だけで な く、一歩 先 行 く

い言 葉 からは、センス溢 れる古 道 具

じた。

経 営 方 針、そして何 より地元 愛 を感

11


衝 動 買いしたくなる古 道 具 で 地 元 の 文 化 を 盛り上 げ たい リンセン古道具の会

毎月 15 日開催 会員(6000 円/年)は店頭価格よりさらに 2 割引 ☎ 0265-74-5351(産直市場グリーンファーム骨董部担当/保坂)

が手がける会員制の業者専用古道具

﹁リンセン古道具の会 ﹂は、伊那市   にある産直市場﹁グリーンファーム﹂

卸 売 業 務。この グリ ーンファームに ついての詳細は次ページで紹介 する

毎月

回、県 外の業 者 市 で

トント

ので割 愛 するが、古 道具 の仕 入 れは

台 分 が入 荷 するほか、県 内

2

日に会員にのみ卸値で開放す

名 ずつ会員が増えていく 3

﹁当店は創業 年。当初から地域の   人にとって必要 があるものは何でも

を聞いた。

さ て、こ の 倉 庫 開 放 の 発 案 者・グ   リーンファームの小林啓治社長に話

話にて問い合わせを。

そうなので、気 になる人 はま ずは電

毎月

面 的 に担 当 す る保 坂 正 樹 さん曰 く、

から来 客 もいるという。仕 入 れを全

的 な店 舗の店 主 が多 く、遠 くは京 都

の会員は主に伊那・木曽エリアの個性

達 したい人 には特 におす すめ。現 在

並 ぶので、業 務用の商品 や資 材 を調

什器、照明器具 などの多 様 な商品 が

こ れ は 今 年 一月 か ら 始 ま っ た 新 サービス。食 器・雑 貨 類、家 具、店 舗

るのが﹁リンセン古道具の会﹂だ。

毎月

れている。これらを保管する倉庫を、

から掘り出した商品を定期的に仕入

ラック

3 2

15

2

だと思っていま す。その各 々 のニー

きない、地域に根 ざした商 店 の役 割

手 伝 いました。それ が大 型 店 にはで

取 り、蔵 の片 付 けをしたいと聞 け ば

引きとってもらえない農作物を買い

扱 おうと考 え、農 家 からは農 協 では

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「古道具を普段の生活のなかで使い込んでもらいたいので、誰もが手が届 く価格帯で設定しています」と話す北谷さんは、とても気さくで話しやす い雰囲気。店内には、シンプルなデザインの木製の古家具やブリキの雑 貨、ガラス瓶などが並ぶ。年に1度、海外にも買い付けに出かけているそ うで、今年は 2月にフランス、ベルギー、オランダに行き、毎日蚤の市を 巡って、合計100kg 以上のアンティーク品を仕入れた。現在はこれらの在 庫をストックするための倉庫を探しているとともに、常々古い不動産物件 もチェックし、 「行く行くは古い建物も紹介していきたい」のだとか。5月中 は営業日を拡大し、日曜日も営業する

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TSUBAKURO

古道具 燕

松本市城東 1-5-18 ☎ 0263-88-2177 13 ∼ 18 時 日∼火曜休(5 月中は日曜営業、月・火曜休)

建 物 から も 感 じる 、 長 く 使 われてき た もの 特 有の 格 好 良 さ

耳にした﹁初い﹂という言葉。これは

いて、醤 油 屋の建 物 の雰 囲 気 がぴっ

にな、誰 かやらないかな﹂ 、と思って

そんな経 緯 で、古 いもの好 きのひ とりとして、 ﹁松本にあったらいいの

と思うようになりました﹂

主に、蔵 や民 家 に保 管 されたまま人

市 や壊されるお宅に出向いて集めた

うぶ

目に触れていない︵二次流通していな

プン。商 品 は開 店 を決 めてから骨 董

たりだと感じた古道具店を自らオー

古道具にも﹁鮮度﹂というものがあ るようだ。今回の取材を通して、よく

そんな初い商品を並べる古道具店の

い︶品 を表 す。この﹁ 古 道 具 燕 ﹂も、

ひとつ。

品々がぎっしりと並んでいる。

﹁昔から古い建物が好きでした。あ   る日、無 添 加 の看 板 に惹 かれて入っ

ければならないと思われがちですが、

経 営 の店 は、入ったら何 かを買 わな

コレクションするのではなく、普段か

﹁古道具には、使われ続けたからこ   そ醸 し出 す魅力 があります。それを

そ う。今 で は 店 内 に は﹁ 初 出 し ﹂の

うぶ だ

店舗はかつて老舗醤油店 だった建 物で、店主でグラフィックデザイナー でもある北 谷 英 章 さんは、ほぼ当 時

た醤 油 屋 さんで﹃ 数 カ月 後 に閉 業 し

のまま使用している。

て建物は壊す﹄と聞き﹃もったいない。

たものがなければ買わなくても良い

僕は長く使ってほしいので、気に入っ

寄ってほしいですね﹂

と思っていま す。だから気 軽 に立 ち

ら使ってほしいです ね。そして個 人

を説得。でも借り手を探しながら、こ

絶 対 に借 りたい人 がいる﹄と経 営 者

が使わせてもらうのが正しいのかも、

れも何 かの縁 なので、やっぱり 自 分

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アラジンのランプ長 野店

道関連の品など、さまざまな年代物で

れたおしゃれとなり、古布を縫い合せ

かった昭 和の戦中は襦 袢 が内側の隠

﹁大正期の着物の華やかな色使いは   今 では斬 新 だし、ぜいたく ができ な

手がけている。

う。そして、最近は着物のリメイクも

古 い も の を 愛 し み 、長 く 使 い 続 け て も ら う ためのリ メイク を 提 案  日常使いの古道具から美術品のよ うな高 級 感 漂 う骨 董品、大正から昭

溢れる﹁アラジンのランプ長野店﹂ 。実

和期の着物、マニアにはたまらない鉄

に多彩な品揃えで、気軽な買い物感覚

メイクし、洋服として形を変えること

づらいと思うので、ひと手間加えてリ

す。ただ、なかなかこのままでは使い

で、多くの人に使ってもらえるし、緻

て工夫されていたのがおもしろいんで

持されている。

通 う骨 董ファンまで幅 広い客 層に支

密さやリアルさも感じてもらえます。

す外国人、レアな品物を求めて足繁く

﹁近頃は買い手の趣味も多様化して   いるため、多様なジャンルの古いもの

それに昔の布の模 様にはそれぞれに

で訪れる若者から、古い日本製品を探

すのは、店長の岩崎工彌さん。リピー

を揃えるように意識しています﹂と話

くのも楽しいんですよ。古いものは奥

意味や遊び心があって、それをひも解

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ターも宝探し感覚で楽しめ、常に新鮮

「京都など他都市のように、街なかでも庶民のための骨董市 があれば良い」と話す岩崎さん。4月27日(土) ・ 28日(日)9 ∼ 16 時には、須坂市の味噌醤油醸造元「塩屋醸造」の特設 会場で第 3回となる「蔵の町須坂 古民具・骨董・古布の市」を 主催する。両日ともに、着物のタイムセールも開催。詳しくは 電話(026-217-1116)にて問い合わせを。

強です﹂

第 3回 「蔵の町須坂古民具・骨董・古布の市」

深くて常に新しい発見がある。日々勉

店舗は国道18 号線沿いに位置する。中野市でリサイクルショップを営んで 15年となる 「アラジンのランプ本店」の姉妹店にあたる

な感覚をもって商品に出合えるよう、

店内には、岩崎さんの鍛え抜かれた目利きによる古道具や骨董が溢れる。商 品はより身近に感じ、興味を持ってもらうため、自宅にあるような雰囲気でディ スプレイしているという

仕入れにはかなりこだわっているとい

若者の来店も多い。岩崎さん曰く 「若い人は感性が豊かで、発想の転換で従 来の方法とは異なる古道具の使い方をするのがおもしろい」のだそう

長野市北尾張部 110-1 ☎ 026-217-1116 10 ∼ 18 時 年末年始・お盆休

ARA JIN NO L AMP


「昔のものは想像をはるかに越える」と話すヤッチョさん1番 のお気に入り。現在では決して作られない無駄具合が見事

商品の1つひとつに付けられた「突っ込み」 ともいえるコメントか ら、ヤッチョさんのユニークな人柄がうかがえる

ninjinsan

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り、今 回 はそれに先 駆 けた出 店 とな

ランドオープンすべく改装を進めてお

んは、現在、この近所に古道具店をグ

しい貴 重品 袋。 ﹁なんだろ。 円でど

に貴重品入れたくない﹂と書かれた怪

その思いは、各商品に付けられた手 書 きのコメントに表 れている。 ﹁絶 対

﹃道具 LOVE﹄の気持ちがある﹂

ンテージには詳しくないけど、僕には

なければいけないと思っています。ビ

驚 き と 発 見 と 笑いが 楽 し める 独 自 視 点 の セレク ト   下 諏 訪 町 御 田 町 のすみれ洋 裁 店 階に 月 日にプレオープンする 4

﹁ ninjinsan ﹂ 。絵画や小物制作といった 作家活動も行う店主の〝ヤッチョ〟さ

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人にとってはガラクタでも、別の人に

﹁古いものは一つひとつにビックリ、   ドッキリがあるから飽きないし、ある

さがある古家具や雑貨、器など。

る。並ぶのは独特の味わいやおもしろ

笑える﹂コレクションも全て商品にし

回は今まで集めた個人的な﹁ほんのり

そして﹁全力でやらないと人の琴線 には触れられない﹂と話すように、今

こそがヤッチョさんの愛情なのだ。

うかな﹂と書かれた箱。この突っ込み

は狙い目。箱を開けたら、またおもし

ているという。だからこそ、開店当初

ろいものがあったと思われる﹁掘り出

はその価値 を見出した人の手に届 く

なりの道具を買ってくれるのが嬉しい

のが一番良いと思っているし、その人

は価値があるのがおもしろい。古道具

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し系﹂の陳列にしていく予定だそう。

ヤッチョさんに紹介されて出かけた下諏訪駅前の「髪床はっ こ」 。1000円均一床屋!? とは信じ難いしゃれた店内に古道具 が並んでいる

ですね。だからこそ真面目に付き合わ

現在、すみれ洋裁店のすぐ近くにある、これまたおもしろい物 件を改装中。来春のオープンをめざしている

諏訪郡下諏訪町御田町下 3210 ☎ 0266-27-8386 12 ∼ 18 時 日曜休

n injinsa n

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SOFUBO

生活の視点を変えるきっかけがもらえる 魅力あふれる古道具たち

店 舗 などを訪 ね、解 体 を手 伝 う労働

完 成させた。商 品 は解 体 前の民 家 や

友人と2人で半年近くかけて改装し、

使 われていた建 物 を、大工見 習 いの

入れようかと想像するのがおもしろい

えたり、自分の生活のなかにどう取り

ると、どうやって使うんだろう? と考

うじゃないですか。でも昔のものを見

﹁今って何でもインターネットで検   索 すればかんたんに答 えが出てしま

う。そこから古道具の収集が始まった。

の対価として譲ってもらったり、同業

道具の魅力かな﹂

です。答えを自分で探し出せるのが古

電気ストーブに出合ったのがきっかけ

ケットで錆 び付いた戦 前の消 化 器 と

地よさが漂う。

んの家におじゃましているような心

められた﹁ソフボ﹂は、まるで大場さ

使 い手 に託 したい。そんな想 いが込

使 い続 けてきたものを、また新 たな

かつておじいちゃん、お ば あ ちゃ ん、さらにはもっと前の世代が大切に

命の出合いを感じるものだけを選ぶ

店主の大場雅彦さんが古 道具に興 味を持ったのは 歳の時。フリーマー

ようにしている。

者 から仕 入 れ、 ﹁これはいい!﹂と運

今年3月にオープンしたばかりの ﹁古 道 具 ソフボ﹂ 。かつて住 宅 として

伊那市西町 4885 ☎ 090-6162-1963 火∼金曜 13 ∼ 17 時、土曜 11 ∼ 18 時 日・月曜休

だったが、自宅に持ち帰ると、今 まで

1階にはキッチン用品や器、雑貨など小物が中心で、良心的な価格 帯のものが多い

「手にした商品から、その人のことが少し知れたような気になりま す。それがまた楽しいんです」と店主の大場雅彦さん

2階の畳の部屋には人生の師匠と大場さんが尊敬する陶芸家の作 品が展示されている。ちょうど撮影時期にサクラが咲き始めて、気 持ちのよい眺めが広がっていた

古道具 ソフボ あったものと相性が合わなかったとい

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古道具の魅力

時を重ねた、古くて味わい深いものを見ていると、不思議とワ

クワクした感覚を覚えます。そして近頃は、敷居が高い骨董店

古いものを取り扱うお店が増えているようにも感じています。

のような雰囲気ではなく、雑貨店のように気軽に立ち寄れる、

これらのお店に並ぶのは、店主のこだわりと独自の美意識によっ

て集められた、いわゆる一点ものの商品。異なる趣味の人にとっ

ては﹁単なるガラクタ﹂にもなり得る品々は、なぜ、こんなにも

特定の人々の心をくすぐるのでしょうか。そして、なぜ今、この

ようなお店が増えているのでしょう。今回はささやかな幸福感

OLD RIVER︶

を感じさせるような、古いものを扱うお店を紹介します。

取材・文=島田浩美・くぼたかおり︵P5︶ 写真=内山温那・阿部宣彦︵P ∼ ︶ ・前田聡子︵P 10

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4


チャンネ ル

vol .

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隔月発行

特集 4

古道具の魅力

古道具ソフボ/ ninjinsan /アラジンのランプ長野店 古道具 燕/リンセン古道具の会/湖月堂/銀猫 古道具 +α

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めしでも行きますか 伊那市「みや川」の「から揚げ定食」

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はあるかぶり 第十回 森山裕之のコラム

18

薪窯焼 PIZZA TIKU- 中澤雄介とピッツェリア・カスターニャ 栗原拓実

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吉井和哉ライブレポート 映画『横道世之介』監督インタビュー/ 漫画一コマ人生相談

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二十四の浩美

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ch.Information

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寝顔美人

LIVE in NAGANO

「チャンネル」は、 長野市の小さな本屋「ch.books」から発行しているフリーペーパーです。 「LIVE IN NAGANO」をテーマに、長野県に生きる人やものに対して、 派手に飾り立てずに手を抜かず、 マジメすぎずにバカすぎず、丁寧に掘り下げていきます。 今回は、そのものズバリの「古道具」の特集です。 私たち ch.books の店内には、ところどころに、 長く使い込まれた味わい深さを感じる古家具や什器を設えています。 いつ頃から、このような古いものを好むようになったのかは覚えていませんが、 確実に、以前よりも古いものに親しみを感じ、心惹かれている自分に気がつきます。 そして、世の中を見渡しても、従来の、ちょっと敷居が高い骨董店とは 少し意味合いが異なる、 気軽に立ち寄りたい店が増えてきているように思います。 これらの店を訪ねることで、古道具がもつ独特の魅力を探ります。 そして、特集の内容とは異なりますが、 今回、個人的に思い入れがある記事が、連載企画「と」。 1 年前からオファーをしていた、長野市で話題の ピッツァ店の店主ふたりの対談もぜひお楽しみください。



チャンネル十一号 古道具特集で 御座います。


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