自宅の一室を旅行者に提供する宿 泊施設・民宿。経営者家族と宿泊客は
ひとつ屋根の下で寝起きし、寝室以外
は全て共用。家族の温かさが感じられ
る反面、生活感が漂い、宿泊するには
少し不便さを感じることもある。
しかしこのたび白馬 村 観 光局を中 心に生まれ変わった﹁新民宿﹂は、今ま
客 室を分け、共 有 部 分はシンプルに、
での民宿と少し違う。まず家族空間と
料理は旬の食材で美しく盛りつける。
調度は天然素材で温かみのあるものに
変え、チェックイン・アウト時間に余裕
を持ち、個人客を気 遣う。つまり﹁お
もてなし﹂をより大切に考えたのだ。
こう 書くと当 然と感じるかもしれ ないが、白馬民宿の長い歴史で築かれ
た文化を変えるのは容易ではない。実
最初は﹁飾っていたお客様からのお土
際に新民宿に改装した﹁はばうえ﹂も、
産を片付けるのは申し訳ない﹂と、と
まどったとか。それでも﹁冬はスキーが
外観は従来の民宿のままに、食 卓からは畑が見えるように、部屋 はノイズをなくして清潔感があふ れるしつらえに変えた
あっても、夏は目玉がなく引け目を感
客様が満足しているのがわかる﹂と明
じていたが、居心地を優先する今はお
さはあるが、 ﹁新民宿﹂は宿の選択肢と
BE-PAL 編集部 900円/小学館
るく話す。もちろん従来の民宿にも良
アウトドアの聖地徹底ガイド 白馬
民宿の可能性を広げたと言えそうだ。
ch.books に こんな本あります
民宿発祥の地・白馬で 生まれた新しい民宿の形 白 馬 新民宿 はばうえ ● 白馬村 北安曇郡白馬村北城 11236 ☎ 0261-72-2531 1 泊 2 食付 8500 円、1 泊朝食付 6000 円、 素泊まり 5000 円
経営する宮田公江さん、 康子さん母娘。康子さ んが 10 歳の時に両 親 が民宿を始め、 「周囲の 民宿が少なくなっても、 あくまでも民宿にこだわ りたかった」と話す
常念岳は日本百名山のひとつでも あり、山頂では穂高連峰槍ヶ岳を はじめ360 度の雄大な北アルプス の大展望が楽しめる。常念小屋は テント場も併設していて、飲料水 を購入することもできる
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標高 2857m の常念岳は初心者にも比較的登り やすい山で、北アルプスのパノラマコースの拠点 として人気がある。その山頂直下の「常念小屋」 は、1919(大正 8)年開設の北アルプスで最も古 い小屋のひとつで、常念岳と横通岳の鞍部の標 高 2450 m に建ち、約 90 年の歴史がある。建物 はヒュッテや山荘ではなく、あえて「小屋」という 名称にこだわっているのだとか。安曇野市内の 中学校では学校登山で利用されることもあり、収 容人数は 300 名と山小屋の中でもかなり大きい。 1986 年からは、ボランティアの医師や看護士、 信州大学医学部山岳部の学生が常駐する診療所 も開設しており、登山客に安心感を与えている。
これも ひとつの 山の宿!?
常念小屋 日本アルプス常念小屋 ☎ 090-1430-3328 (営業は 4 月 26 日頃〜 11 月 5 日頃) 1 泊 2 食 9500 円、1 泊夕食 8500 円 素泊まり 6500 円、テント 600 円 弁当(パン)1000 円 松本事務所 松本市沢村 1-11-18 ☎ 0263-33-9458