D.A.C No.8

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Issue No.8 2009

時空を超えた旅情報誌

Issue No.8 2009

始源号 Discovery Series —とことんアンコール8—

扶南街道を往くⅠ 地下に眠るいにしえの王都の面影 暗雲に銃弾貫く ダメ-ジング・タイランド

マップ付


時空を超えた旅情報誌

次号予告 ISSUE #8

モンスーン便り No.8

Discovery Series      知られざるサンボープレイクック

モンスーン便り

Amazing Travel

自然派宣言 VI

総崩れのなかに創造が始まる

●頑張る日本人・カンボジア人 あなたの周りで頑張る日本人・カンボジア人、ユ ニークな活動をしている人を紹介して下さい。自 薦・他薦は問いません。

●投稿コラム カンボジアでの生活されていて感じたこと、日本と の違い、面白かったことをコラムにしてみません か?

●投稿記事・新情報・その他もろもろ あなたのお勧めレストラン、喫茶店、観光地、看 板娘、その他もろもろの情報を募集しています。 送り先  E-mail:dac_info@online.com.kh ▲ ▲

「なんだか世界は総崩れの感がある」と 昨年初めに評した80歳を超える日本の思想 家がいる。08年後半の未曽有の金融危機は 世界を大きく揺るがしている。21世紀は20 世紀とは全く相貌を異にしたものになるに ちがいない。危機を産みの苦しみととらえ るなら、誕生の喜びが来る。総崩れの様相 のなか、創造が始まっている。Discovery (発見)は「温故知新」につながるもの。 ならば、D.A.Cにとって雄飛の年になるに ちがいない。折から円高、これを有効に活 かさない手はない。旅もまた創造的なもの になるにちがいない。 D.A.C.発刊から2年目を迎える8号。お 陰様で多くの読者から反響をいただいてお ります。シェムリアップ、プノンペン、シ ハヌーク・ビル、カンポット、ケップを拠 点にD.A.C.を配布してまいりましたが、こ のほどバンコック、ホーチミンでも読者の 皆様の手に入るようになりました。発刊2 年目を迎え、「初心に帰れ」を自戒にもう 一歩踏み込んだカンボジアの魅力を伝えて いきたいと編集子一同、願っています。

*採用された方にはホテル宿泊券をプレゼント致 します。 表紙について 寺院で見かける梵字は、古代インド起源で仏教 と同時に伝来したものでブラフマー(梵天)の気 息より生まれたとされるブラーフミー文字から発 展したもの。やがて紀元4世紀にグプタ文字とな る。古来、日本では梵字を悉曇(しったん)文字と 呼び、50音の元となった。カンボジア最初の王国; 扶南にもグプタ文字が伝わり、それが古クメール 文字につながっている。また、現代のサンスクリ ット文献はその表記に梵字を使用している。表紙 の「 」(あ)は、二対の仁王像が「あ」形、 「ん」形と呼ばれるように、生きとし生けるもの のすべての始まりを表わす言葉である。

D.A.C. (Discovery Asia in Cambodia) 始源号(ISSUE#8) 2009 年1月発行 年間 4 回 発行:NEW SAI TRAVEL SERVICE CAMBODIA (Publisher) 編集 / 制作:G-Production (Editing/product) 写真:Gon Kishiyama, Chor Sokunthea /Reuters, G, 協力:カンボジア観光省 (Cooperation:Ministry of Tourism) カンボジア国立資料館 (National Archives of Cambodia) 上智大学アジア文化研究所 (The Asia culture research institute of Sophia University) 日本政府アンコール遺跡救済チーム (JASA) 協力者: Mr.Lim Sokharaksmey, Mr.Owari Kouichi Contact us Address:#377Eo-b, St.Sisowath, Phnom Penh Tel:+855 (0)23 991 651 E-mail:dac_info@online.com.kh ※本誌を無断で複写、複製、転載することを禁じます。


時空を超えた旅情報誌

ISSUE No.8 Discovery View

P. 6

グラビア

Discovery Season

P.25

歳・時・季

Discovery Series

折込地図

Travel Triangle/定点観測 ・プノンペン P. 37 ・シェムリアップ P. 59 ・シハヌークビル P. 93 ルポ:カンボジアで釣りがしてー?!! ルポ:アンコールハーフマラソン ルポ:暗雲に銃弾貫く ルポ:国境越え体験記

P. P. P. P.

お勧めの一冊 一期一語

P. 14 P.110

P. 42 P. 67 P.103 P.110

P.26

とことんアンコール第8弾 「扶南街道を往くⅠ」

寄稿:地下に眠る王都の面影 寄稿:クメール陶器について 寄稿:水辺便り 寄稿:のほほーんカンボジア暮らし

44 66 82 90

・全国図 P. 17 ・アンコール遺跡群 P. 21 ・プノンペン市街図 P. 48 ・シェムリアップ市街図 P. 69 ・カンポット/ケップ地図 P. 98 ・シハヌーク地図 P.105

旅の基本情報

P.116

読者の皆さんへ 情報誌:D.A.Cの発行は今号で2年目を迎えます。アンコール・ ワットの国・カンボジア、ガイドブックを片手に訪れた皆さんが 出会うD.A.C.。 「もう一歩踏み込んだカンボジア」を伝えたいと 発行しているものです。自在な視点でのびやかに、時に鋭く貪欲 にカンボジアの魅力を伝えられたら、幸いです。ちょっとディー プな話題の提供で、皆さんの新たな旅のはじまりにつながること を願っています。


PREAH VIHEAR SIEM REAP

PHNOM PENH


プリア・ヴィヘア寺院 プリア・ヴィヘアとは「聖なる寺院」の意。 プリア・ヴィヘアは2008年7月7日にユネスコの世界遺産 に登録された。そこは主神シバ神に捧げられた寺院でり、 古代より聖地として歴代クメール王たちの巡礼地であった。


なご

和み プノン・バヨーン・カオの周囲は見渡す限り一大デルタの水郷 地帯、水辺に暮らす人々の営みはゆったりしている。 水の引き際に沿って掻き揚げた土で畔をつくれば水田となる。 田植えもよし、直播の浮稲でもよい。稲作に伴う細々とした作 業があろうとも、自然の循環に即した暮らしは変わっていない, 夕暮れ、堀端に上がった家鴨の群れが帰路につく。 そこには1000年の時を超えて変わらぬ暮らしの原型がある。


SIEM REAP

PHNOM PENH

PHNOM BAYONG

Feeding Ducks In Takeo

ベトナム帰りの宅急便 人が見えますか?


サンボー•プレイ•クック遺跡:7世紀初頭にクメール真臘がこの地を 都城とし、かつては扶南の属国であった真臘が7世紀には逆に扶南を 併合した。そしてここを基点にアンコール王朝は国内統一を計ってい った(北寺院グループ)


SIEM REAP SAMBOR PREY KUK KAMPONG THOM

写実的な咆哮する獅子像が遺跡を守る(北遺跡第一嗣堂)

ATSU Primary - Secondary School

PHNOM PENH

厚•小•中学校 平成5年、カンボジアでUNTACのメンバーとして総選挙支 援のボランティア活動中に射殺された中田厚仁さん。中田 氏の死後、父親が子の意志を引き継ぎ、ボランティア活動 を行った。そしてその場所がサンボー•プレイ•クック遺跡近 くである事はあまり知られていない。厚学校では遺跡の行 き帰りに学校を見学する事も可能だ。 (迷惑になるので事前に確認が必要:016-339217)

密林に埋もれた状態の遺跡も数多い


バー•ストリート

々その規模を増していくバー・ストリートのNEW YEARS EVE PARTY、経済危機の影響で観光客が減少している 中でも例年以上の盛り上がりを見せた。この日、バー・ス トリートで旅行者は朝まで踊りまくっていた。

とて もし あ わ せ な ひ と 時


洗練空間でいただくクメール・フレンチ料理

Wat Damnak, 7 Makara Street Siem Reap Angkor, Cambodia Center Town Old Market Tel: (855-63) 964 940 Fax: (855-63) 964 990 E-mail: alliancecafe@online.com.kh


とことんアンコール第8弾 ふ なん

扶南街道を往くⅠ きつ りつ

リンガ山に屹立する祠堂 プノン・バヨーン・カオ

ノンペンの南郊、タックマウの街のロータリーから別れる国道2号線、右手にしばらく進み、やがて一気にタケオの街に向かって南下す ⇒ 扶南街道と呼ぶ。地図に眼を凝らすならば、プノンペン南郊からワット・タ・プローム、ワット・ジェイポー、ワット・プノン・タマウ 跡以外は12世紀とされているが、プノン(山)の頂に寺院遺跡を構えることは平野にそびえたつ地形を聖山として崇め、そこに寺院を建立 であろうか。(バッタンバン郊外のワット・バナン寺院はミニ・アンコールワットと呼ばれる10世紀頃の遺跡であるが、7世紀頃の仏陀像 周辺では多くの扶南時代の優品が発掘されている。 ⇒ さらに眼を凝らしてみると、タケオ南郊外の特異な山容に気づく。北に大きな湖、南に向かって開口する馬蹄形に山並みが続く。さらに小 ベトナムの国境を越え、オ・ケオからタ・ケオ遺跡を経て、ラー・ギオ遺跡にて外洋に至る。扶南街道は、実に175余㌔になる。

特異な山容、聖山;プノン・バヨーン・カオ

中央部の広い高原状の鞍部を抱え込むかのような山容は麓からは窺い知れない。あたかも並列する山並みに見える。そのため地元では北側 ⇒ が点在する。知る人は少ないが、プノン・ダ遺跡と肩を並べる扶南時代の貴重な遺構である。水に浮かぶ聖山、麓では古代から変わらぬ人々 からの景観によって確かめられるが、聖山を囲むかのように広大な水辺がベトナム領まで続く。雨季にはあたかも水に浮かぶ聖山と化す。 ⇒ 山道を辿れば、一大パノラマが眼前に開ける。地平線まで続く水田地帯、幾何学模様に走る無数の運河、雨季には広大な水没地帯となる。 掻き揚げただけの畔を仕切り、田植えや直播が始まる。未だ自然の循環に即した農業が古代より営まれている。


SIEM REAP

PHNOM PENH PHNOM BAYONG

る。一方、ロータリーを南に直行する国道21号、バサック川の蛇行に沿って道も曲がりくねる。共にベトナム国境へ至る道である。これらを が国道2号線沿いに並び、国道2号線と21号線との間には、プノン・チソール、プノン・ダが続く。いずれも古代寺院遺跡である。プノン・ダ遺 する扶南時代(2~7世紀)からの伝統である。ならば、12世紀の寺院遺構の下に扶南時代の寺院遺跡が埋もれている可能性を誰が否定できる (国立博物館所蔵)が発見されている。事実、プノン・ダ及びその近郊のアンコール・ボレイ(扶南の王都、6世紀に*バー・プノンから遷都

山が点々と南に向かって並び、やがて扶南の外港として知られるオ・ケオ遺跡を見下ろす聖山プノン・バテに至る。扶南街道はカンボジア―

の山並みをプノン・バヨーン・カオ、南側の山並みをプノン・キリボンと呼ぶ。人々に仰ぎみられことの多い北側の山並みに扶南時代の遺跡 の営み雨季の終わりに訪ねれば素晴らしく開けた景観に出会う。タケオの街から南下すること30分、青々とした稲田はやがて湖に至る。山頂 メコン・トンレ=バサック水系の壮大なデルタ(三角州・低湿地帯)が遠く太平洋まで拡がる。雨季から乾季、水の引き際にそって底の土を

プノン・バヨーン・カオ全景、山頂にかすかに祠堂が確認できる


りんね

輪廻とは自然の循環に包まれた人々の実感 インド洋に突き出たインド亜大陸の形状をみて、ある人が『暑さに 喘ぐ牛の舌、そのよだれの一つがセイロン島』と評した。確かにカン ボジアにおいても乾季(特に3・4月)の焦熱は耐えがたい。雨季の始 まりは、生きとし生きるもの、恵みの雨である。緑は生き生きと蘇り、 しゅうう そこ彼処で子どもたちが驟雨の中を走り回る光景を眼にすることがで きる。変わることのない雨季と乾季の循環、季節の移り変わりは、驟 雨(スコール)の時間と降り様によって知る。まさに自然の摂理が人々 を圧する世界、それが東南・南アジアの風土である。ここに輪廻の哲 学が生まれた。 輪廻という生命の循環はヒンドゥー教(バラモン教の大衆化)の教 えの根幹をなしているが、元々は先住民の信仰を取り入れ、高度に哲 学化したものである。人々の実感によって支えられる教え、ここにヒ ンドゥー教の根強さがある。 *ヒンドゥという言葉;ヒンドゥ教という言葉はインドにはない、インド人自ら 称することもない。「ヒンドゥ」という語は古代サンスクリット語でインダス 川を意味する「スインドゥ」が古代ペルシャ語の「ヒンドゥ」に転訛したもの で、「インダス川の東側の地域」を意味していた。16世紀にインド亜大陸に 侵入しムガル帝国を建国したムスリムも「ヒンドゥ」を踏襲し、イギリス統治 時代に至りインド土着宗教の総称として公用文に用いた。 *ヒンドゥ教;ヒンドゥの教えは、紀元前2000年頃、現在のイラン・アフガニス タン地域から侵入したアーリア系の人々が土着の信仰を取り入れながら、体系 化したものである。

森に埋もれた祠堂 プレア・バヨーン・カオからプレア・コーを望む


扶南王国はバラモン僧の渡来によって誕生する 既にD.A.C.No5「とことんアンコール5-忘れられた都;バ-・プノン-」でも触れたことであるが、渡来したインド系バラモン僧 (名前:カブジャ)が土着首長(女王)と結婚するというモチーフの扶南建国神話がある。東南アジアの諸地域はいずれも海上交易の 進展とともに渡来したインド系バラモン僧のもたらす高度な宗教体系・知識・技術によって文明化する。それは、土着の人々を圧倒し かんがい たと言っても過言ではない。文字から灌漑施設に至る文明化はメコン川、トンレサップ=バサック川のデルタの風景を一変させる。扶 南の外港として栄えたオ・ケオは、現在の海外線より24㌔ほど内陸にあるが、それは河川の堆積作用によるもので古代の海外線は現在 よりずっと内陸に入り込んでいたものと思われる。また、海岸近くの湿地帯に繁茂するマングローブ林に見られるように、海水・淡水 の混在は稲作の不適地である。むしろ内陸部のデルタ地帯こそ稲作適地となる。インデイカ米がこの地域を席巻するのも「扶南王国」 以来である。


まさにリンガの山 山頂に祠堂あり

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扶南遺跡のある所に運河あり かっぱ

『遺跡のある所に王道あり』と喝破したアンドレ・マルローであるが、それはア ンコール王朝に限る論証である。むしろ、『扶南遺跡のある所に運河あり』であ る。プノン・バヨーン・カオの山上から眺めても自然の河川であるか運河である か、見分けることは素人眼には難しい。が、グーグル・アースやNASAのランドサ ット画像と地図を比べてみれば、「幻の(扶南)の都:バー・プノン」、「扶南 衰退期の都;アンコール・ボレイ」「リンガの山・プノン・バーヨン・カオ」 「扶南の外港;オ・ケオ」の周辺に無数の幾何学模様の線が見て取れる。いずれ も道ではなく水路である。運河に結ばれた都市国家連合、これがカンボジア最古 の王国「扶南」の姿ではないか。 「河川崇拝」は古代インド伝来のもの。「母なるガンジス」は川の水そのもの がシバ神(生命力の化身)の身体を洗って流れる生命の源(聖水)である。当地 の人々が日課とする水浴を沐浴として宗教儀式に高めたのもインド系バラモン僧 であった。ならば、バラモン僧はメコン、トンレサップ=バッサク川を故郷イン しんろう ドの聖なる河に模したに違いない。やがて扶南王国を継承した真臘(チェンラー) 王国(7-8世紀)がトンレサップ湖に注ぐセン川沿いに、さらに真臘王国直系の アンコール王朝はシェムリアップ北方のクーレン山をシバ神の住むヒマラヤに模 した。大河こそないが、真臘王国―アンコール王朝へと古代インドの理想郷建設 が「扶南」以来継承された。大河と運河網が巨大なバライ(聖池)に変わってい ったのも、真臘王国がラオス南部から浸透したクメール民族の内陸性に由来する ものに思われる。海洋交易国家から内陸の水利農業国家へ、王国の基盤は大きく 変化したが、バラモン僧を黒衣とする神政政治、水を尊ぶ民俗は扶南以来の伝統 として継承された。

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峰そのものが、リンガであった カンボジアの多くの山々が砂岩の山塊であるように、聖山;プノン・バヨーン・ カオもまた山全体が砂岩である。砂岩の山塊の多くは、独立峰ならお椀を伏せた 形状、連山なら頂上部はテーブル状に平坦地をもつものが多い。プノン・バィヨ ン・カオ山上部はゆるやかな高原状の地形となり、そこにいくつかの峰が重なる。 ひ 中でも一番東北側の峰は、その特異な山容でひときわ眼を惹く。ゆるやかな山稜 にそそり立つ峰そのものが*リンガの形を示す。*リンガ;男性器形状でシバ神を象徴

遺跡保護の手が入ったのは昨年から—登坂道へは観光省の看板が目印 国道2号線から湖の南岸に広がる山麓の村;プム・トンロアップで右折するとリ ンガ山への登坂道に至る。右折の目印は観光省の看板、プノン・バィヨン・カオ遺 跡はようやく昨年になって観光省の管理するところとなった。登坂道は悪路で路 肩のもろさが気になる。4輪駆動がお勧め。両側の雑草・灌木林のいたる所に地 雷危険の看板が立てられている。地元民によれば、「地雷はない」ということで あるが、国境近くの要害として斜面に地雷の埋設や不発弾があってもけして不思議 ではない。祠堂に奉仕する老婆によれば、徒歩では下り1時間、登り2時間の距離に なる。

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リンガの付け根から参道石段が頂の祠堂へ パーキングの看板がある所がリンガ地形の付け根にあたる。そこからラテライトの参道石段がある。12-13世紀に修復・増築を繰り 返したプリア・ヴィヘア遺跡(世界遺産)の石段よりも崩壊が少ない。砂岩に比べ、歳月による摩耗の少なさか。急な石段を登ること 15分ほど、頂上部の祠堂が身近になったところで狭い踊り場のような場所に出る。そこからは側壁のあるラテライトの石段が設けてある。 切り石積みの見事さは古代橋;スピアン・コンポンクディ(13世紀)を見るがごとくで、保存状態の良さに驚く。いよいよ頂上部の祠 堂に到る。

祠堂は二重構造、まさにインド直伝のヒンドゥ寺院。 祠堂は、四辺を回廊に囲まれ、塔門も設けられていたようだ。祠堂遺跡の北側にわずかな平坦地。僧院の跡だろうか。祠堂はレンガ 積み造り。開口部は東側で三方は偽扉で密閉されている。開口部下部はラテライトの切り石積み、上部や壁面はレンガ積み、浮き彫り は残っていない。暗闇の中に入って驚いた。祠堂内にもう一つ祠堂がある。祠堂は内部に奥堂を持つ二重構造になっていた。二重構造 を持つ祠堂はここプノン・バヨーン・カオと同じく扶南遺跡のプノン・ダ(6世紀)遺跡に続く山稜にあるアスラーム僧院(プノン・バ ケン)のみである。その後、真臘王国の都となったサンボー・プレイクック遺跡(7世紀)にもレンガ造りの祠堂群がみられるが、二重 構造の祠堂はない。まさにカンボジアのヒンドゥ寺院遺跡でも初期に属するものだ。 祠堂内部の奥堂もレンガ積みで風雨にさらされていない分、保存状態がよい。奥堂前には、地元民が置いたと思える極彩色の神像が 数対ある。部派仏教(南伝仏教)の堂守もいるが、置かれた神像はヒンドゥ世界、古代の霊気が漂っている。祠堂内には大型の蝙蝠が 多数生息し、祠堂と奥堂の間を一巡する私に同行者が『蝙蝠に噛まれると狂犬病になりますよ!』と声をかけられた。その時、わが身 に霊気だけではない怖れが走った。 *カンボジア国民の95%はクメール民族、その大部分は仏教徒である。仏教は、日本に伝来した北伝仏教(西域―中国―朝鮮・日本の大乗仏教)と伝来を異 にする南伝仏教(スランカ―ミャンマー・タイ・カンボジア、部派仏教)で僧侶の修行を在家が支えることが明確である。したがって寺院の建立は在家の 寄進による。 1. 峰そのものがリンガだ、プノン・バヨ-ン寺院は左側の山頂に建ち、真中に砂岩のリンガと見られる祠、右 端にはプリア•コーの嗣堂が確認できる。 2. 参道の保存状態の良さには驚かされる。 3. 02号線からこの看板が見えたら右折、のどかにも近くの湖で捕れたタニシを洗っていた。 4. 嗣堂内は二重構造になっている。ここはまさにインド直伝のヒンドゥー寺院だ。 5. ここから上へ!落石などに注意の看板、地雷に注意の標識ではない。 6. 山頂にいた男の笑顔は最高だった。しかしこの金歯は怪しすぎる。(笑)


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祠堂南面;浮彫群・神々の宮殿の見事さは、サンボー・プレイクックを超える 祠堂南面には見事な浮彫・神々の宮殿が残されていた。他の三方の面は風雨の浸食のためか、見るべきものはない。不思議に南面の 浮き彫りは保存状態がよい。南面中央に密閉構造の偽扉、両側に柱部、柱上部は古代ギリシアの神殿建築を思わせる浮彫が施されてい る。柱部分にも浮彫が施されているが、摩耗が激しい。扉の上部にリンテル(眉庇)があって浮き彫りが施されているが、レンガを迫 り出しただけの簡素な造り、さらにその上には唐破風のような大きな屋根が偽扉を覆うように迫り出す。あたかも*桃山期の立派な唐 破風付の門を見るようだ。*桃山期:秀吉・家康-家光の時代・16-17世紀。例;西本願寺・唐門。日光東照宮・陽明門。 偽扉左右が、所謂「空中宮殿」と一般に紹介されているもの。浮き彫りは一部異なるが宮殿の構造はほぼ同じである。偽扉の柱とは まびさし 別に左右に柱を設け、リンテル(眉庇)・屋根で覆う仕組みは偽扉と同じ。よく見れば、「空中宮殿」と称されるものは、実は「空中 宮殿」はない。そこは二重構造となった内側の宮殿、言わば奥殿にあたる建物である。基盤の礎石を四重に積み上げ、2階を設け、さ らにその上をドーム型の屋根が覆い、頂きには法輪のような彫刻が施されている。また、屋根には鎌首を上げるナーガ(蛇神)の装飾も 見られる。これは、アショカ王が紀元前3世紀に建立したサンチの仏塔(世界遺産)ではないか。まさにドーム型の屋根は、古代インド起 源のストゥパー(塔)である。それは、ヒンドゥ世界では神々の宮殿なのだ。 いま 祠堂自体が二重構造、外側祠堂の壁面に描かれた浮彫の「宮殿」もまた二重構造。まさに神々は奥深いところに坐す。

宮殿の空中浮遊はサンボー・プレイクック遺跡以後 「空中宮殿」の名は、サンボー・プレイクックの祠堂群の浮彫で知られるが、空中に浮遊したかの如く描かれたのはサンボー遺跡以 後である。サンボー遺跡の祠堂は規模も大きくなり、宮殿構造もプノン・バィヨン・カオに比べ複雑化する。そして何よりもサンボー 遺跡の祠堂では宮殿が天空に浮遊する。規模の拡大とともに壁面浮彫の様式化・装飾化が進んだ結果である。

浮彫は写実性を特色とし、神々は喜びに満ちている 古代、遠近法や立体描写の手段を知らず、二重構造の宮殿をレンガに浮彫を施すことによって表現している。奥殿一階には妻を抱く シバ神、二階には三尊像のような神々が描かれ、姿態はのびやかで寛ぐ神々の姿に見える。後世のように様式化された三尊像ではない。 何よりも神々の世界は喜びに満ちている。 外郭の神殿のリンテル(眉庇)部には、*ガルーダ群の浮彫。その写実性に驚く。あたかも水鳥の群れのごとく描かれている。後世 の半神・半獣のような威圧や誇張はない。神々への憧れは、人々の具象的な世界から出発している。リンテル部の上は奥殿同様にドー ム型の屋根、さらに上部に宮殿を何段も重ねる。あたかも三重・五重の塔を見るようである。そして各階には神々の寛いだ姿が施され ている。創建当時、祠堂は人々の眼前で神々しく輝いていたに違いない。

ラー・ギア

タ・ケオ オ・ケオ プノン・バテ

タイ(シャム)湾

*ガルーダ群;浮彫表現が写実的なため水

614m

710m

郷地帯の水鳥と紹介するものもあるが、当 時、バラモン僧の権威が圧倒的であること

ドン・チャンパ

からも神鳥として彫られたものに違いない。 274m 293m

235m

ティンビエン

また、「鵞鳥に乗るヴァルナ(司法)神」

プノン・キリヴォン

(10世紀)が出土したこともあって、鵞鳥と

プノン・バヨーン トンロアップ村

も見える。が、サンボー・プレイ・クック

316m

の空中宮殿では、ガルーダ群が宮殿の支え ている。そのことからもサンボー・プレイ クック遺跡に先立つプノン・バヨーンの鳥 群の彫刻はガルーダ群と考えるのが自然に 思える。バラモン僧の指導下、当時の工人

N

扶南遺跡

屋敷森・樹林

はガルーダという神鳥を身近な鳥から想像す

主要な村

水田

るしか術がなかったのであろう。

道路 国境

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参道の保存状態は良好

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ハリハラ神像(プノム•ダー様式):プレアンコール期はハリハラ信 仰が盛んだった。ハリハラ神像は左半身をヴィシュヌ神、右半身が シヴァ神。写真の立像はプノム•ダーの洞窟から発見された。 ギメ国立東洋美術館蔵

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ゴーヴァルダナ山を持ち上げるクリシュナ像:アンコール•ボレイ近 くのワット•コーで発見された。 プノンペン国立博物館蔵

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仏陀の頭部:アンコール•ボレイの僧院ワット•ロムロークで発見さ れた。インドの古典様式を忠実に受け継いだ名品。 プノンペン国立博物館蔵

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至タケオ

ベトナム

国境

プノン・バヨーン プレア・ヤン・カオ

山頂近くにある砂岩の祠(リンガ”)に描かれていた仏陀。 レンガ造りの中央嗣堂。 横顔で描かれているメダリオンのような浮彫り。

プノン・キリヴォン

プレア・バヨーン・カオ プレア・コー

至ベトナム国境 トンレアップ村

南面の浮彫りはきれいに残っている。 写実的な鳥の浮彫り、ガルーダのようにも鵞鳥のようにも見て取れる。

至タケオ

寺院祠堂遺跡 国境


横顔のメダリオン、横たわる神像はビシュヌ神か 特筆すべきは重なる宮殿上部の横顔の神と横たわる神像であ る。横顔の神が描かれた浮彫、ことカンボジアの古代遺跡では か ぶん 寡聞にして他に知らない。神の横顔は迫り出したレンガでドー ム型に縁どられている。あたかも古代ローマのメダリオンの如 く。彫りの深さによる鮮明な横顔は後世の人々に強い印象を与え たようで、地元の人はこの横顔を*「プノン・バヨーン・カオ」 と呼ぶ。聖山の名が横顔の神の名となっている。メダリオンは 南から見て右手宮殿の上部に、横たわる神像は左手宮殿の最上 部にある。絡まる雑木の枝と遺跡に根を下ろす若木に遮られて 見にくいが、砂岩を掘ったような滑らかさと深みのある浮彫り 神像、ゆったりと横たわり、右手を伸びやかに差し出す姿はビ シュヌ神であろうか。

扶南は古代ローマに通ず メダリオンという言葉が思わず口をついてくる神像横顔、それ はけして不思議なことではない。広大なメコン、トンレサップ= バッサクのデルタを後背地に持つ扶南王国は、一方、海上交易で 栄えた国である。その交易は遥かローマ帝国に通じていた。扶南 の港;オ・ケオ遺跡からは、皇帝の横顔を刻んだ古代ローマの金 貨が発見されている。 *メダリオン(=仏語メダイヨン);大型のメダル

*バヨーン・カオ;伝説の出家した扶南王の名。

プノン・バヨーン →

プノン・バヨーン・カオ遺跡 プレア・コー遺跡 プレア・ヤン・カオ遺跡 ベトナム領の山岳

プノン・キリヴォン


所々に赤い標識、「地雷に注意」の看板が見られる。地元民の話では地雷は無いとの事だが安易 に草むらを歩く気にはなれない。奥にはチィエン・ルン湖が見える。

リンガの頂に立てば、絶景が拡がる 標高316mのリンガの頂、西に広大な高原状の鞍部、背後の山並みはプノン・キリヴォン、北には大きなチィエン・ルン湖、北から東に は地平線まで拡がるデルタ、南東はプノン・バヨーン・カオの山並み。山上からはリンガ山頂上の祠堂以外に4ヶ所祠堂が見て取れる。 リンガ山の麓近くのプレア・コー、さらに近くの丸みを帯びた稜線を描く山の頂に祠堂(プレア・ヤン・カオ)、中腹の麓の村近くにも 眼を凝らせば二つ祠堂が見える。地元民に訊ねても、五つ祠堂以外は知らない。また、リンガ山頂から東側からとは別に南に降る参道石 段跡がある。

聖山;プノン・バヨ-ン・カオは一大寺院遺跡群 祠堂の点在を見るに、リンガ山頂の祠堂を中心とした一大寺院遺跡であったことがわかる。山上の森に寺院遺跡が点在する姿は、シェ ムリアップ北東のクーレン山に似ている。クーレン山もここプノン・バヨ-ンもまた、未だ人知れず森に眠る寺院遺跡があるに違いない。

f麓の祠堂

プリア・コー

崩壊した麓の祠堂

祠堂を守る老婆

シバ神とリンガ シバ神は、ヒンドゥー教の3最高神の一柱。創造神ブラフマー、維持神ヴィシュヌに対して彼は破壊を司る。日本ではシバ神・シバ(湿婆)ともいう。 ヒンドゥー教のシバの寺院では、神体としてシバ•リンガがシンボルとして安置されており、それが礼拝の対象になっている。シバ•リンガは、リンガとヨニの 2つの部分からなり、内側が受け皿状の円形または方形のテーブルの横に油が流れ出る腕が付いているヨニの中心部に、リンガと呼ばれる先の丸い円柱が立っ ている。ヨニは女性器の象徴で、リンガは男性器の象徴であり、性交した状態を示す。ただし、我々は性交しているシバを女性器の内側から見ている形にな っている。これは、シバ神が女性と性交をして現われたのがこの世界で、それが我々の住んでいる世界という意味になっている。ヨニは普通の岩であること が多い。 クーレン山 こ アンコール地域の北方、シェムリアップから1時間の東西に連なる山並み。アンコール王朝の歴代の王たちは、クーレン山をシバ神の坐すヒマラヤに凝して いた。 扶南最後の光芒;プノン・バヨ-ン・カオ遺跡 プノン・バヨ-ン・カオ遺跡を7世紀と記す書もあって、「真臘」時代と紹介するガイブックもあるが、本書では「扶南」遺跡としている。7世紀前半、ラオス 南部のチャンバサック地方に興ったクメール民族の真臘(チェンラ)王国が扶南王国を侵食・吸収したとされ、やがて8世紀初めに真臘は北の陸真臘、南の水 真臘に分裂する。扶南王国が真臘の圧迫に耐えかねてバー・プノンからアンコール・ボレイに遷都したのが6世紀後半、この時代を代表するプノン・ダ遺跡は 6-7世紀とされている。また、プノン・バヨーン・カオ遺跡が二重構造の祠堂を持ち、壁面浮彫の神々の宮殿も二重構造として描かれていることから、明ら かにサンボー・プレイクック遺跡に先立つものと考えられる。プノン・バヨ-ン・カオは、たとえ7世紀であったとしても、私たちはそこに「扶南」最後の光 芒を見る想いでした。 *扶南王国は7世紀前半、真臘に吸収された後もマレー半島の沿岸部でしばらくその命脈を保っていた。 *プノン・バヨーン近傍に8世紀に分裂した水真臘の都「パリディティヤプラ」があったようだが、その所在は詳らかではではない。


「扶南」遺跡探訪の楽しみ方 1.プノンペンが起点 多くの日本人観光客が訪れるアンコール遺跡群、その壮大さと古代の叡智に人々は驚く。が、プノンペン南郊にアンコール文明に先 立つこと300年以前、遠く古代ローマに通ずる「扶南」の文明の素晴らしさを知る人は少ない。アンコールに先立ちながら、アンコー ルとは異なった開放性、世界性を持つ扶南文明。広大なメコン、トンレサップのデルタに点在する扶南遺跡の魅力はアンコールだけ では味わえない。 2.扶南を知るには、先ずプノンペン国立博物館へ 「扶南」文明の素晴らしさはその出土品をもって知ることができる。かのルーブルにおいても超一級品をもって扱われる扶南時代 の神像・仏像の数多くが国立博物館に所蔵されている。ギメ東洋美術館(フランス)以外に常時見られるところはここをおいて他にな い。アンコールの遺跡群は見られても、その造形の優品の多くはここ国立博物館に所蔵されている。 国立博物館を見ずしては、理解も感動も片手落ちとなる。事実、クメール美術史において造形美術の高さはバンテイスライ(10世紀末) の彫刻群までで、その後、芸術的には衰退期に入る。扶南の神・仏像は、外来インド文明を消化したクメール美術の精華である。そ れは、仏像造形において白鳳・天平時代に頂点を極めた日本の美術史に似ている。 3.扶南遺跡は、ピクニック気分で -「遺跡はちょっと」と思う人でも絶景に魅了される- 遺跡の知識に自信がなくとも、メコン、トンレサップデルタの絶景には魅了されるはず。扶南遺跡のほとんどが、デルタ(低湿地) に点在する丘や山。頂からの絶景こそ、カンボジア。地平線まで拡がる水田、縦横に走る水路、熱帯樹の森に埋もれるかのような村々 のたたずまい。遺跡の祠近くで寛げば、2000年の時を超えて吹きわたる緑の風が心地よい。 プノン・バヨーン・カオには身近な絶景ポイントがある。麓の村の寺院から徒歩で登ること20分。砂岩の大岩盤に至る。すぐそこ に扶南時代の祠堂跡。絶景を眺めながらお弁当を拡げてみたくなる。緑の風に深呼吸、リフレッシュすること間違いなし。 4.ベテラン・ガイドが付けば、時空を超えた旅になる。 「扶南」遺跡への旅は、一歩踏み込んだカンボジアの旅になることは必定。そこで旅行社選びが鍵になる。カウンターでのアドバ イスが的確かどうかで紹介されるガイドの質がわかる。

砂岩の大岩盤から水郷地帯を望む

プノン・バヨーン;旅のプランとルート プノン・ペン起点 タ・クマウ

プノン・ペン 20 分

国道2号線 1 時間半

30 分

5分

プノン・バヨーン プノン・バヨーン・カオ

バヨーン・カオ遺跡参道下 30 分

徒歩:15 分

プレア・コー

*半壊祠堂 2 ヶ所はトンロアップ村の寺院裏 から砂岩塊を登る。(徒歩登坂 20 分)

ベトナム国境 10 分

プレア・ヤン・カオ 他半壊の祠堂遺跡2ヶ所

車で登坂できない *

トンロアップ

タ・ケオ

T字路左折

(ロータリー右折)

線上・下で遺跡への登坂ルートが異なる。 地元民に確認することが必要。

(観光省の看板;左折) 旅の日程でのご注意! ・徒歩記載以外は車の所要時間です。 ・四輪駆動を使用する。 ・信頼できるドライバーを確保する。 ・食堂は市場以外にない。 ・登坂及び遺跡見学で歩道を歩く場 合、地元民にガイドしてもらう。 地雷危険の看板あり。 ・麓集落から遺跡への急勾配の道は 慎重な運転が必要。 (事故等は自己責任になります。)


プノンペン ヘッ ド ライ ン

トラベル・トライアングル

市場案内 MAP

ヘッド•ライン•ニュース 寄稿:地下に眠る王都の面影 ルポ:カンボジアで釣りがしてー?! 市場案内図 信頼のホテル•レストラン•ショップ

www.discovery-asia.com

D A C 紹介

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ヘッドライン アジア開発銀行の基金が得られたらタイとの鉄道がつながる  ソン•チャントル公共事業運輸大臣によるとカンボジアの鉄道は近くタイの鉄道と繋がる可能性があ るとのことだ。ロイター通信が伝えた大臣の発言によるとカンボジアはアジア開発銀行から8000万ドル ヘッ ド ライ ン

の資金を得、シソフォンからポイペトまでの48km区間の鉄道復興を2010年までに終わらせる予定であ ると言う。さらにこの8000万ドルの一部はその他の鉄道修復にも使用される。  カンボジアにはプノンペンからシハヌークビルとバンテアイミアンチェ イ州のタイ国境までの2つの線路があるが、この2つの線路は老朽化が激 しく、1995年ごろからASEAN内の鉄道構想の一環として修復が求められて きた。またこの構想中では、プノンペンからベトナム国境までの線路2 5 7 kmが欠けている。ソン• チャントル大臣によるとこの線路建設だけで5億ド ル 規 模 に なると言う。はたしてタイ、ベトナムとの鉄道がつながる日は来 るのだろうか。

列車は古く何とチェコスロバキア 製だ。(1918∼1992にかけてヨー ロッパに存在した国家。現在のチ ェコ共和国及びスロバキア共和国 により構成されていた。)

オートバイ運転手にヘルメットの義務化  2009 年1月よりオートバイ運転手のヘルメット着用が義務化された。先月よりプノンペンの路上でヘルメット屋が急に増え、安い ものは3ドルから売られている。  2007年、交通事故による死亡者は1500人を超え、人口比の死亡者数では日本の約2.6倍になる。なかでもヘルメット着用者は数%に 過ぎず、交通事故数の激増とともに死亡者数の急増は深刻である。首都プノンペンに限れば、交通事故は怪我にいたらぬ接触事故な ら、日常的な光景になっている。義務化の始まった1月、プノンペンの主要個所では警官による取り締まりも始まり、ヘルメット着用 者が急増したが、夜間は非着用者の方が多い。警官立哨中は守るがいなくなれば守らないというのが、信号機設置の交差点では日常 的な姿。だから夜の信号機付交差点の横断ほど注意が必要である。運転手のマナーの悪さが事故の激増につながっている。また、警 官が補足する違反者も場当たり的なため、マナーの改善につながらない。  数年前、バックミラーがオートバイに義務化された。が、数か月もすると取り締まりもなくなって、元の木阿弥。今回も同様と思 っているカンボジア人も多い。ちなみにヘルメット違反者は5000リエル。在留邦人にも罰金を払った人がでている。

セントラル・マーケット(中央市場) が 改修工事  首都プノンペンの臍とも言うべきセントラル・マーケットの改 装 工 事 が08年暮れより始まった。近くのソリア・デパートが開店 するまでは、地元の人たちにとっては文字通りの総合百貨店がセントラル・マーケットであって、ちょっとおしゃれして行く所であっ た。また、その独特の外観と所狭しに並べられた品物に魅かれて観光客が訪れるスポットである。  改装工事は、外観はそのままに補修と内装工事を主としている。建物内にあっ た店は、外周の道路に設けられた特設プレハブ建築内に移動して商売を続けて おり、以前と同様に同業種が店を並べる光景は変わらない。  1月現在、内部の全ての店が移動を完了してはいない。また、星型建物の間の テント張り店舗は従来通りの場所で営業を続けている。特設プレハブが道路の 片側半分を占拠しているため、交通渋滞が激しく、大型観光バスを止める場所も なく、観光地としての魅力は半減しているが、地元民の話によれば、工事は8月 までに完了し、元の姿に戻るということである。

アマタ・ビューティースパが本誌読者に特別割引!  Amatak Beauty Spa が、本誌(D.A.C.8号)に 掲 載されている同スパの広告をご覧になった方だけに特 別 サービス!! 来店 時 に「D.A.C.の広告を見た」と言って頂ければ、すべてのスパ、ビューティーセラピー等で通 常価格から10%∼15%をディスカウントしてくれる。  同スパは、ホテル「ル・ロワイヤル」のスパでの実務経験を 持つオーナーが2007年11月にオープン。全 室エアコン完備のヴィラスタイルのスパとして、特に欧米人、日本人観光客らに人気が高い。 住所 : #4, Street 228, Sangkat Chak Tumuk, Khan Daun Penh  TEL: 023 722 029/ 012 360 490 E-mail : amatakbeautyspa@yahoo.com   営業時間 : 9:00 - 22:00


「カンボジア・竹と風の学校」支援にチャリティー・ショウが開かれる  本誌・連載の「風便り」で知られる「カンボジア・竹と風の学校」 (プノンペン・児童・生徒・学生在籍:109 名)の支援のため、昨年11月に宮崎都城市4ロータリークラブが 一昨年に続く2 度目のチャリティーコンサー

企画されたもの。「竹と風の学校」では小学校課程の時間割りに音楽・図工・朗読/作文を位置づけており、 そのための多目的教室を必要としていた。このほどロータリークラブの代表が学校の「卒業・進級式」を訪 れ、基金と共に贈呈プレートを手渡した。

最もイヤな外国人観光客にフランス人が選ばれ、もっとも歓迎される観光客一位は何と日本人  新華社ワシントン(米国):フランスのあるインターネット観光サイトが発表した調査結果によると、「最も歓迎されない欧州の観光 客」はフランス人だという。その理由は、フランスの観光客は礼儀知らず、傲慢でケチばかりつけ現地の習慣に従わず、旅行先地の 言葉を話そうともせずチップはケチる、というものだ。  アメリカの週刊誌が報じたところによると、フランスの「Expedia.fr」というネットサイトはドイツ、イギリス、フランス、カナダ、 アメリカの約4000のホテルの従業員を対象にアンケート調査を行った。調査の結果、「最も歓迎される外国人観光客」には日本人が 選ばれた。その理由は、日本人は礼儀正しく、おとなしくて清潔だからだという。日本人に続いて歓迎されているのは、ドイツ、イ ギリス、カナダ人観光客だったとのことだ。  円高が進む日本、今年は日本人観光客が各国で重宝されそうだ。円高で海外旅行を楽しもう!

シェムリアップ航空が EU のブラックリストに  欧州連合(EU)は、2008年11月17日付けでカンボジアのシェムリアップ航空(FT)をブラックリ ストに加えると発表した。同14日にEU乗り入れ禁止航空会社リストの9度目のリスト更新を行い、 今回の更新で安全性に問題があるとしてシェムリアップ航空の乗り入れが禁止された。  シェムリアップ航空はカンボジアの首都プノンペンと世界遺産の町、アンコールワットのあるシェ ムリアップを中心に観光客向けの路線を開設しており、欧州への路線は開設していない。だが欧州 からの観光客が利用するケースも多いことから、EUは同社の企業努力を促すために今回の措置を実 地した可能性が高い。現在はバンコク• 航空(PG)が国内線の運行をしているが、シェムリアップ航空は元々バンコク航空から航空 機をウェットリース* していた。 保有機材: エアバスA320-2003機、エアバスA319-100(4機)ボーイング717-2003機、ATR72(9機) * Wet Lease:飛行機だけでなく乗務員、整備、保険も含めてLease Agreement を結ぶことを言う。飛行機だけをLeaseし、その他は自分で手配する場 合は Dry Leaseと言う。

ベトナム航空、新路線「ハノイ∼カントー線」 が就航

ベトナム国内線、競合路線で運賃規制摘発

2009年1月4日よりベトナム航空は新たにメコンデルタで有名なカン

ベトナムの財務省と運輸省はこのほど、複数の航空会社

トーに新規路線として ハノイ∼カントー線 の就航を開始し始めた。

が競合する国内路線で航空運賃の決定を自由化した。運賃

スケジュールは下記の通り。(2009年1月4日∼3月28日)

上限を撤廃するもので、一部路線では値上がりが予想され

便名:VN289 ハノイ発  14:30∼ カントー着 16:40

ている。例えば、HAN/SGN(ハノイ―ホーチミン)間で

便名:VN288 カントー発 17:30∼

はこれまで運賃の上限が170万ドン( 約9700円 )に設定さ

ハノイ着  19:40

フライトはデイリーで運行されます。

れていたが、今後はそれを超えて需要に応じた運賃設定が できるようになる模様。<タインニエン(電子版)>

外資系クルージング会社が運行を開始  JUPITER CRUISES社がベトナムで初の外資系会社としてクルージング事業に乗り出した。ジュピタークルー ズ社は4星クラスの客船「ジュピター号」所有しており、今後ベトナムの海岸線を中心にインドシナ方面を含 めた旅を提供していく模様。ベトナムには世界遺産に登録されているハロン湾を筆頭にビーチリゾートとして 名高いニャチャンにダナン、それにベトナム戦争時は監獄だったコンダオ島など数千に及ぶ魅力的な島々があ り、今後 ベトナムではスーパーデラックスな船旅事業に期待が出てきている。 <ベトナムネット(電子版)>

ヘッ ド ライ ン

トを開いた。同ロータリークラブは一昨年から「子どもを育てるには先生から」の趣旨に賛同し、月々の寄金 という形で支援を始めている。2 度のチャリテイー・ショウはそれとは別に新校舎増設のための基金集めで


ヘッドライン ラオス•ビエンチャンのトゥク•トゥク (ジャンボ) が走行禁止に  ラオスで観光客に人気の乗物、トゥク•トゥクが首都ビエンチャンでの下記の通りが部分 的に走行禁止になっている。ランサー通り、セタティラート通り、サムセンタイ通り、カイ ヘッ ド ライ ン

ソンポンヴィハン通りの大通りの四カ所。  尚、上記通りを横切る場合や21:00∼05:00の混雑していない時間帯については従来通り 走行が可能となっている。

ビエンチャンに国際空港建設計画が浮上  ラオス政府は旅行客の増加に伴い、2015年よりサイタニ省の敷地に(5000ヘクタール)新空港建設の着工を始めると発表した。政 府は現在首都にあるビエンチャン空港の規模では今後の旅行•ビジネス客の需要に対応できないため韓国企業に国際空港建設計画の実 行可能性調査を依頼した模様。  ラオスは昨年ニューヨーク•タイムズの特集で訪れたい国ナンバーワンに選ばれた事もあり、欧米人を中心に爆発的な人気が出て来 ているが、宿泊所、ガイドは不足している。特に日本語ガイド不足は深刻で、旅行会社によってはまだ片言の日本語しか話せない 学生にガイドをさせ、何の事前説明もせずに通常のガイド料を徴収している旅行会社もあるようだ。事前にきちん と確認しないと、現地でガイドを雇っても何を言っているのかまったく解らない場合もあるので、注意が必要だ。  ちなみに新空港が完成するとビエンチャン空港は政府高官専用空港かパイロット養成空港として利用する。今 のラオスの人気ぶりを見るとパイロットと共にガイド要請学校も早急に建設した方が良さそうだ。 <参考資料:ビエンチャン•タイムズ>

タイ•ノービザでの滞在日数変更のお知らせ  「微笑みの国」、タイにおける滞在許可に関する変更が発表された。国際空港に空路で入国した場合は従来通りで30日間の滞在許 可に変更はないが、陸路での調査免除(ノービザ)については30日から15日に変更された。 Web: http://www.th.emb-japan.go.jp/jp/mamechishiki/thaivisa.htm

タイ政府、韓国に恐竜の化石返還を要求  タイ東北部で発掘された恐竜の化石を手に入れた韓国人実業家が、返還を求めているタイ政府に対して約20億バーツの支払いを要求 している。この問題についてタイ政府は韓国の実業家に対して金銭の支払いは一切行わない考えを改めて明らかにした。国連教育科学 文化機関(ユネスコ)の規定では違法に持ち出された化石の商取引が禁じられているほか、タイ国内でも既に同様の法律が施行されてお り、これらをたてに話し合いで韓国政府に返還を求めていく方針だ。  問題となっている化石は1億3000万年前に生息していたとみられる大型の草食恐竜6体分、約1000個。韓国人実業家は当初、ゾウかウ シの化石だと思って購入して、調べたところ後々恐竜の化石だったことが判明した。韓国人実業家は「タイ政府が金銭の支払いに応じ ない場合は日本の収集家に売り渡す」と話しているが、ゾウかウシだと思って購入して、結果が違ったのであればユネスコの規定を 尊重するべきだろう。


Hotel Cambodiana Luxury On The Mekong

悠久のメコンを眺めながら 時を忘れてください ゲストルーム

メコンガーデン・コーヒーショップ

スイートも含め、アメニティ充実の全238 ビュッフェ形式及びアラカルトのメ 室。雄大なメコン川、歴史ある王宮の威容 ニューです。朝食から夕食まで、豪華 など、各お部屋からの素晴らしい眺望をご に食事をお楽しみ下さい。 堪能下さい。

ホテル施設ご案内 * ロビー・バー * フレンチベーカリー L’Amboise * レストラン La Brioche Doree * 結婚式場として * ケータリング・サービス * 会議 / 各種パーティ会場 * 24時間ルームサービス

* スパ センター * フィットネス・ジム * テニスコート * 子ども遊戯場 * ランドリー / 給仕サービス * ビジネスセンター

スイミング・プール

プールサイドからの眺めも魅力。 メコン川越しに望む日の出や夕 焼けの感動的シーンをお見逃し なく。

Qba

首都プノンペンで今、最もフレッシュでス タイリッシュなナイトクラブ。ファンキーな バーで自慢のカクテルを味わうもよし、夜 毎に街一ホットなバンドが出演するライ ブを楽しむのもまたよし。

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No 313 Sisowath Quay, Phnom Penh, Kingdom of Cambodia Tel: (855-23) 218 189 / 426 288 Fax: (855-23) 426 392 Email: luxury@hotelcambodiana.com.kh Website: www.hotelcambodiana.com


サンボー・プレイ・クック遺跡群 いにしえ

地下に眠る古の王都の面影 下田一太

アンコール遺跡から3時間,木立の陰にひっそりとたたずむ サンボー・プレイ・クック遺跡群。観光の中心地アンコール 遺跡の位置するシェムリアップと,首都プノンペンとのちょ うど中間,カンボジア王国の真ん中に,クメールの古代都市が残 されている。アンコール・ワットの建立に遡ること500年,西暦7 世紀にクメール民族はここに新しい王都を築いた。この古代都市 の跡地には,たくさんの煉瓦造の祠堂が残されていることが確認 されつつあるが,遺跡の全貌は森に覆われ,いまだに多くの謎を 残したままである。 2つの巨大な文化圏,インドと中国の間に位置するインドシナで は,古くから両国間をつなぐ貿易の中継地として多くの港市が栄 えていた。カンボジアの歴史はそんな港市国家の一つであったフナ ンという王朝に始まる。西暦2,3世紀ごろに始まるこの時代に, カンボジアは首長世界という部族共同体の時代から専制国家とし ての体制を整えていったようだ。特にインドからの文物がこの地 を潤し始め,土着的な文化と融合して社会を成熟させていった。 しかしながら,西暦7世紀にいたると,フナンは内陸部におこった 新興勢力に呑み込まれてしまう。おそらく,造船技術の発達に伴 い,インド-中国間の貿易船の寄港地が間引かれていく中,中継 港としてのフナンの役割が薄れていったのが勢力交代の一因であ ろう。代わってカンボジアの内陸,大湖トンレサップの近くに拠 点を構えたのが,チェンラと呼ばれる王朝であった。そして,こ の王都が「イーシャナプラ」,今にいう,サンボー・プレイ・ク ック遺跡群である。 かつてこの都市には,『2万戸の家屋が建ち並んでいた』と中国 史料には記されている。1戸あたり6人が生活していたとして,人 口は12万人。ほぼ同時代に栄えた平城京に推測されている約10万 人という人口に匹敵する大都市である。内陸に拠点を設けたこの 国が農業立国であったことは間違いない。雨季には田植えを終え た鮮やかな緑の水田が一面に広がり,乾季に入るころには金色の 稲穂が豊かに頭を垂れ,この大都市の住民の生活を支えていたこ とであろう。 遺跡群付近の航空写真からは,四角形の溜め池が無数に認めら れる。農業用水であったのか,生活用水であったのかは定かでは ないものの,年の半分を占める乾季の間に,多くの人口を支える ために,これらの溜め池は不可欠なものであったのだろう。 アンコール遺跡の寺院の多くが,力強い造形をもって,その規 模と迫力とで訪れるものを圧倒するのと違って,サンボー・プレイ・ クック遺跡群は,寺院を構成する祠堂がそれぞれ離れて構成され ふかん ており,森の中に点在するそれらの全体像を俯瞰的に把握するこ とは難しい。また,煉瓦で造られた各祠堂も木々に包まれ,老い て朽ちつつある儚さに満ち,心安らぐ静かな聖域を醸し出してい る。風に揺さぶられる梢のざわめきと,鳥の声の中でたゆたうな か,空気をつんざく小動物の鳴き声が時の緩やかな流れをはたと 気付かせてくれる。 ここ数年,観光客が少しずつ増えてきたが,それも遺跡全体の 中でも寺院が集中するごく一部のエリアのことである。遺跡の大 半は,豊かな森と草木地,そして水田に覆われている。1998年よ り早稲田大学理工学部建築史研究室では,この遺跡群の調査を進 めている。20世紀前半にフランス人の考古学者数名が,この遺跡 を切り拓き,アンコールの歴史を考える上できわめて重要な痕跡 であることを指摘したが,あまりにも巨大なアンコール遺跡群の整 備や研究に追われた彼らに許された時間は微々たるものであった。 近年新たに進められている調査では,寺院が集中する地域の周 囲に,様々な古代都市の痕跡が残されていることが明らかにしつ つある。調査の方法は,航空写真やGPSを使ったナビゲーションシ ステムを用いたり,GISを構築して空間情報を蓄積したりと,一部

には科学技術を援用しているものの,現場での調査は実に地道で 原始的ともいえる作業である。遺跡群内に住む農民への聞き込み を頼りに,あとはひたすら歩く。茂みが多いために,自動車やバ イクは利用できず,とげのある蔓草に絡まり,時に赤蟻の狂気に 満ちた攻撃に耐えながら,草をなぎ倒して進まなくてはならない。 雨季には一面が水浸しの中で足をひきずり,調査後に浴びるシ ャワーでは,何匹ものヒルに食われた傷痕から血がとめどなく流 れ続ける。乾季は強烈な日射しとの戦いで,昼食をとる元気があ るのは調査開始後の数日だけである。地表面に残る様々な痕跡を ひろうために,同じ地域でも雨季と乾季の二度の踏査を行う。雨 季には広い範囲が冠水してしまうが,ほとんど真っ平らな大地の 中で,うっすらと張った水は,かすかな地面の起伏を読みとるの を助けてくれる。その結果、乾季だけの調査では分からなかった 人為的な工作痕が見つけられることがあるのだ。 ナビゲーションシステムを作ったとしても,結局は地元の協力 者による案内が最も重宝する。コンポン・トム州の文化芸術局に 勤めるヒム・ソフォアンは,この遺跡を最も熟知する人物だろう。


歩くGPSという異名をもつ彼は,人間に帰巣能力があることを信じさせてくれ るほどに,どんな深い森に入っても,はたまた一面の草原で何の目印がなくな っても,目指すべき地点に最短距離で辿り着き,また必ず同じところに戻って くる。彼が同行しない調査では,GPSの利かない森の中で日が沈んでしまった こともある。 こうした数年間の踏査の結果,遺跡群には新たに100近くの煉瓦造寺院跡, そして多数の土木工作跡が記録された。一辺2kmの環壕に囲まれた都城の痕地 からは,寺院跡の他にも土器や陶器,瓦などの様々な遺物が収集された。これ らの遺物は,かつてここに栄えた「古の王都」 の存在を静かに感じさせてくれる 貴重な手がかりであり,また石造や煉瓦造といった不朽の宗教施設に加えて, 木造の王宮や官衙施設が立ち並んでいた,かつての雄大な都市の姿を私たちに 思い抱かせてくれる。暑さに朦朧とする私たちの眼前に蜃気楼のように浮かび 上がるそんな白昼夢が,調査隊の尻をたたいて,次の一歩を踏み出させるのだ。 次号に続く

下田一太;日本国政府アンコール遺跡救済チーム技術顧問・「サンボー・プレイ・クック遺跡保全事業」フィールドディレクター 日本国政府アンコール遺跡救済チーム http://www.angkor-jsa.org/ サンボー・プレイ・クック遺跡保全事業 http://www.hist.arch.waseda.ac.jp/SPK/web-content/top.html アンコール遺跡の保全と周辺地域の持続的発展のための人材養成機構 http://www.jst-cambodia.net *サンボー・プレイ・クック遺跡では、早稲田大学建築史研究室(中川武代表)とカンボジア文化芸術省の共同事業として「サンボー・プレイ・クック遺跡保全事業」が,遺跡の保存・ 研究・文化開発に取り組んでいます。当事業は, 「文化財保護・芸術研究助成財団」ならびに「住友財団」からの支援を受けて進められています。

Breakfast 6:30am to 9:30am Lunch Buffet

ランチビュッフェ(クメール料理) 毎日ご用意しております

Alacarte Menu 昼食のお弁当、テイクアウト、誕生会、 ケータリング、会議室の貸付受付中

フリーWIFI ANZロイヤルカード、ビザ、マスター、 Outdoor Catering Service JCBカード可 Meeting Room Rental Free Wireless Internet All you need is the Card Open from 6:30am to 9:30pm (Mon - Sun) ANZ Royal Debit Card Visa, 営業時間:6時30分から21時30分(毎日営業) Master Card and JCB cards

Address: #23, St. 288, Sangkat Boeung Keng Kang I , Khan Chamkamorn, Phnom Penh. Tel: 023 221 501 H/P: 012 30 60 75 E-mail: hc@hagarproject.org


D.A.C.第一回釣り大会•プノンペン編

「カンボジアで釣りがしてー〜!!」

りがしてー?!!そんな思いから12月初旬,D.A.C.発行2周年を記念して第一回釣り大会を首都プノンペンの釣り堀で行った。参加 者は何時もお世話になっているD.A.C.日系広告主さん。 今回は、慌ただしく前日に普段お世話になっている広告主さんにとっておきの娯楽情報として電話を掛けてお話しをもちかけ、釣り 大会を強引に決行。うれしいことに強引な誘いにも関わらず参加者が7名も集まってくれた。 「第一回D.A.C.釣り大会」と言う事もあり、何としても‘ボウズ’は避けなければという事で今回はプノンペン近郊のタックマウ地区に ある中華系カンボジア人が経営する釣り堀をフィールドに選んだ。 * ボウズ:対象魚が一匹も釣れないことの意

ト ッ

カ ン ポ

ビシュヌ神立像

ンボジアに釣り堀があることはあまり知られていない。 カンボジアでは東南アジア最大の湖、トンレサップ湖が 有名だが、湖の範囲も広い上、未だどういった魚が生息してい かはあまり知られていない。 日本人にとっての釣り堀はただ単に魚を釣ってリリースする のが常だが、カンボジアの釣り堀は釣った魚を毎回買い取らな ければならない。要は釣った後に家に持ち帰って家で食べるの が一般的。ようするに魚は全て食用に養殖されているのだ。 ここの釣堀は看板も出ておらず、場所は非常に分りにくい。 口コミで噂が広まって最近は週末になればカンボジア在住の中 国人、韓国人、ベトナム人が大勢釣り糸をたらしにやってくる。 (残念ながら日本人は見かけた事がない) 敷地内にいくつもの池があり、客の入りによって池を客に開 放していく。ちなみにスタッフはクメール語、中国語以外はまっ たく話せないので言葉に自信が無い人はガイドが必須。

タ ケ オ

対象魚: 鯉、鮒、草魚、レン魚、ナマズ数種、テラピア、ゴビ•フィッシュ、 雷魚、ナイフフィッシュetc タックル: 釣具は持込可能で餌釣りでもルアー釣りでも何でもOK。釣り堀でタッ クルのレンタルもやっているので手ぶらで行ってもOK。その場で手竿 と練り餌を貸してくれる。 料金:竿レンタル料USD$1、魚の買い取り価格1kgUSD$3

Dentist

→ → →

釣堀

駐車場

271

Bridge

St

Norodom

Monivong

住所:Prek ta long village, sangkat chak angre krom, kann meanchey Phnom penh 電話番号:011-603838 016-266696


カフェ寿司オープ ン記念でDAC8号持 参の方は 生ビール一杯サー ビスします。 (2月末まで)

カンボジアのバス旅なら 「メコンエクスプレス」 です。 プノンペン〜シェムリア ップはUSD$11 プノンペン〜シハヌーク ビルはUSD$7 プノンペン〜ホーチミン はUSD$13です。

メーター級のレン魚を抱える「カフェ寿司」の登氏 今回は大物は掛からなかったがメーター級が釣れる事も

しかし、 何時もなら始めてすぐに当たりがあるのに こういう日に限ってまったく当りがない。小1 時間が経過して編集部に焦りが出て来たその 時、釣り場を移動して餌をミミズに変えてい た「メコン•エクスプレス」の藤田氏に当りが! 「うぉーでかい」参加者に緊張が走る。 しかし一発目は竿が大きくしなっていたが釣 れたのは25cm程のテラピアだった。 その後、当りの無かった参加者も池の反対 側に移動して釣り糸を垂れると今度はガンガ ン当りが来だして入れ食い状態に。「うぉー きたきた」プノンペンのスラムにNGOの学校を 運営しているA氏にも当りがあり、一気に魚を 引き寄せるとこれまた25cm程のテラピアが掛 かってきた。テラピアばかり釣れていたとこ

Bronze featerback

ろにクーリエの老舗で新聞•雑誌を販売している、 「OCS」のN氏にもでかい当りが!「おー、草魚 だ!」こちらは引きが強く竿がビュンビュンし なる。釣れたのは40cm級の草魚、餌は持参した 練り餌の‘大ゴイ’だった。 これで後、ボウズなのははるばるシハヌーク ビルから駆けつけてくれた「カフェ寿司」の寿 司職人の登氏のみ。どうも合わせのタイミング が合わないようで餌だけ無くなっていたところ に当りが!「うりゃ」ここからはコツを掴み、 立て続けに3匹を釣り上げる。 最終的に最初の小1時間で釣れなかったのがう そだったかのように鯉、鮒、草魚、テラピアにナ イフフィッシュなどが釣れ、全員で18kg、計 USD$54分も釣り上げ、 「D.A.C.第一回釣り大会」 は急な開催にも関わらずひとまず大成功(?)の うちに終り、カンボジアの釣堀が週末の良い暇 つぶしになることが証明された。

草魚

テラピア

ご安心下さい。日本の味です。 カンボジア初の無煙ロースター を備えた本格焼肉店です。 年中無休、ランチメニューも充 実しているよ 焼き肉ガーデン「四季」

D.A.C.第一回釣り大会結果報告 優勝:該当者無し (シハヌークビル、インディペンデンスホテル宿泊券)

準優勝:メコン•エクスプレス 藤田氏 (シェムリアップ、リンラタナックホテル宿泊券)

*優勝は一番の大物を釣上げた人だが今回 は該当者無し、商品は第2回大会に持ち 越しに、準優勝は一番沢山釣上げた人に。 *釣り堀では飲物、スナック類は販売され ており基本的に持込は厳禁。ビールを飲 みながら釣りを楽しめる。 *第2回大会の開催地はカンボジア屈指の ビーチリゾートのシハヌークビルの海釣 り!船をチャーターして釣りまくります。 乞うご期待! 参加資格:D.A.C.の広告主である皆様。

ナマズ

D.A.C.お勧めの一冊 カンボジアは長い内戦の影 響もあり、まだ魚について も学術的な研究が成されて いない。そこで役立つのが 左写真の淡水魚図鑑、カン ボジアに生息している魚が 写真付きで200種以上紹介 されている。値段もUSD$1 と安い上、どこの本屋でも 購入できる。D.A.C.お勧め の一冊です。

今回の参加者の中でもっとも うまかったレストラン「四季」 のマスター平岩さん。 鯉を狙って見事二尺近い鯉を 立て続けに釣上げていた。 うーんまさにカンボジアの 「魚紳」さんだ。 魚紳さん:漫画「釣りキチ三平」 で風来坊釣師として名をはせてい る天才釣り人

お酒に関してはカンボジアで もっとも豊富な品揃えです。 日本食レストラン「銀河」

今回は不参加だったレストラン‘銀河の 日本人板長の鈴木さん。

ロータス・ヴィラ Serviced Apartment and Office Space 設備も充実したサービス・アパートメント No.5, Street 81 (Wat Koh), Sangkat Boeung Rang, Khan Daun Penh, Phnom Penh, Cambodia. Tel: (855-12) 805 633, Fax: (855-23) 214 733 E-mail: Ivoem@online.com.kh

Office

Office

Office

Bedroom

Kitchen

Living room



シェムリアップ ヘッ ド ライ ン MAP 市場案内

トラベル・トライアングル

ホテルフロンティア ヘッド•ライン•ニュース ルポ:アンコールハーフマラソン 寄稿:クメール陶器について 市場案内図 信頼のホテル•レストラン•ショップ ルポ:暗雲に銃弾貫く ルポ:国境越え体験記 レストランフロンティア

www.discovery-asia.com 55

D A C 紹介

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洗練のデザイナーズホテル 全7室という超プライベートなデザイナーズホテル 「Viroth’s HOTEL」。フランス人デザイナーがデザイ ンしたこのホテルは建物も室内も白で統一。無機質さ を装いつつスタイリッシュな外観、内装はカンボジア らしさは排されている。1階にある青々とした水を称 えるプールサイドでゆっくり午後のひととき、カクテ ル片手に読書をするも良し。ルーフトップの屋外スパ で心地よい風に吹かれながら疲れを癒すも良し。夕暮 れ時には、ルーフトップラウンジにてグラスを傾ける のも格別。クメール料理を堪能し洗練の空間でゆっく りとまどろむ、そんなリラックス空間がそこにはある。 Add: No.0658 Wat Bo Village, St.23, Siem Reap E-mail: viroth-hotel@online.com.kh Room: 全7室 $80∼

Tel: 063-761-720

Fax: 063-760-774

Web: www.viroth-hotel.com

アメニティ:A/C、ケーブルTV、インターネットアクセス、バルコニー

設備: カフェレストラン、スイミングプール、スパ、ジャグジー クレジットカード: Visa, Master, JCB

Open: 2007 MAR

PAVILLON D’ORIENT 気分は南欧で過ごすバカンス、 南国の植物で彩られたプチホテル 2008年1月にオープンしたばかりの全18室のこじんまりとしたプチホテル。 オーナー、フレッドさんは8年前にフランスからカンボジアにやってきて、シェ ムリアップ市中心に高床式木造建築を利用したレストランも営む。そんな彼 の人柄とセンスが感じられる居心地のよいホテルだ。 全客室に備えられたバルコニーからは、南国植物にあふれた庭とプールが望 める。建物はフレンチコロニアル様式。床のタイル模様や客室内に置かれたホ テルオリジナルの陶器のティーセットなど、 ふとしたところにこだわりを感じる。ターン Add: Road No.60, after Psah Leu Market, Siem Reap Tel: 012-620-276, 092-753-027, 063-760-646 E-mail: mail@pavillon-orient-hotel.com

ダウン時、ベッドの上には寝物語にとカンボ ジアの民話がそっと置かれる。そんな細かい

Web: www.pavillon-orient-hotel.com

心配りに気持ちが温かくなる。おしゃれだけ

Room: DLX 全18室 $90(シングル)、$100(ダブル)

ど気取らない、暖かい雰囲気が滞在する者の心

アメニティ:A / C 、T V 、シャワーブース、バスタブ、

をほぐしていく。

セーフティボックス、バルコニー 設備: カフェレストラン「Le Planteur」 スイミングプール「Les Bains d Orient」 スパ「Parfrume d Orient」 クレジットカード : Visa, Master

Open: 2008 JAN

※ 空港送迎やトゥクトゥクの無料サービスあり

南国の空気とどこか感じるフランスのエス プリが、南欧で過ごすバカンスはこんな感じ だろうかと想像させる。忙しい日常を忘れて 穏やかな休日を過ごしたい人にここPAVILLON D’ORIENTをお勧めしたい。


THE ONE HOTEL HOTEL BE ANGKOR 市場の喧噪を見下ろす異空間 たった4部屋だけのとてもユニークな TH E O N E H OTELとHOTEL BE ANGKORは地元の人々や観光客でごったがえすオールドマーケット に面している。アーティストが住む大都会のアパートのようなパー ソナルで斬新なホテル。 「大型ホテルにはまねできない全く新しいタ イプの宿泊空間を提案したい」と隣接のバー「Linga Bar」も経営す レストラン「A H A 」、ギャラリー、スパとつながる複合ビル。

るオーナーのマーティン氏。

男性のためのスパ「Linga spa for men」は2F。

2 0 0 6 年 にオープンしたT H E ONE HOTELはその名の通りスイート

Saffron Room のイメージを手掛けたアーティスト (Loven Ramos)

ルーム1室のみで特別な時間を約束してくれる。加えて 2 0 0 8 年 、

の作品はロビーで販売されている。Sepia Room のJohn McDermott

HOTEL BE ANGKOR3室が完成した。それぞれSaffron Room、Bamboo

氏のギャラリーはホテル1階ロビーに併設されている。

Room、Sepia Roomと名付けられ部屋の間取り、内装、コンセプトが

THE ONE HOTELの朝食はバルコニーに用意される。

ホテル周辺はオールドマーケット、バーストリートがあり

異なる。カンボジアで活躍する異色のアーティストとコラボレーショ

HOTEL BE ANGKORは階下の「AHA」で朝食。

ンした個性的な部屋。まるでギャラリーのような空間は、部屋から 見下ろすアジアの喧噪とのギャップが宿泊者を刺激する。

レストランやお土産屋が所狭しと立ち並ぶエリア。

Add: On the Passage Old Market area, Siem Reap Tel: 063-965-321 アメニティ:A/C、TV、WiFi、 iPod docking station 設備: レストラン、スパ クレジットカード: visa, master, JCB, American Express [ THE ONE HOTEL ] E-mail: md@theonehotel colllection.com Web: www.theonehotel collection.com Room: 全1室 $250 Open: 2006 APR [ HOTEL BE ANGKOR ] E-mail: 2be@hotelbeangkor.com Web: www.hotelbeangkor.com Room: 全3室 $95 - $150 Open: 2008 MAR ※各ホテルの料金は時期によって変更される場合がありますので、ご利用される前にご確認下さい。

D.A.C.information

メジャーになったD.A.C.!! バンコク、ホーチミンで D.A.C. を Get  創刊 2 周年を迎えた「時空を超えた旅情報誌・D.A.C.」 が、カンボジア以外でも手に入るようになりました。日本 からカンボジアへの旅となれば、中継点はタイ、ベトナム、 なかでもバンコク、ホーチミン経由がほとんど。また、バ ンコク、ホーチミンは在住日本人のメッカ。そこで耳寄り 情報!ー D.A.C. 新刊がバンコク、ホーチミンで手に入るよ うになりました。残部 少ですが、D.A.C. バックナンバー のご要望にもお応えできます。

配布店 バンコク 紀伊国屋書店(伊勢丹6F) 東京堂書店(スクンビット店) 泰文堂(タニヤプラザ1F) DD ブックショップ(スクンビット店) サンブックス(プロンポン店) ブックオブワールド(プロンポン駅内) ホーチミン BOOKAZINE{ドンコイ通り No28}

Ⅰ部;5$ (カンボジア国内) 1000 円 (日本へ送料込)

バックナンバーのお問い合わせ先 Tel: 023 362 590 Fax: 023 991 651 E-mail: saicam@online.com.kh


ヘッドライン 「マーライオンのあるホテル」が シェムリアップにオープン  国 際 観 光 都 市シェムリアップでは2008年中も新ホテルやゲストハウ ヘッ ド ライ ン

スが続々開店したが、国道6号沿いの通称ホテル街道ほぼ中央に同年11 月オープンしたばかりのリーホテルもその一つだ。以前のプリアカン・ ホテルをシンガポール人の新オーナーが全面改装し、全く新しいホテ ルに生まれ変わった。  マネージメントにはホテル業界で15年以上の経験があるスタッフば かりが集結し、きめ細かなサービスで「一 つ上のランク」と評価される だけの中味を目指したいという。アメニティも一新し、全館で無料W i F i サ ー ビスが受けられる。もちろん、レストラン、バー、スパ、プール、 コンファレンスルーム、テンプル・ケータリング等も充実。またスパの 特別割引など、日本人ゲストへは各種特典も用意されている。シンガ

客室数 : 128 部屋 デラックス・シティービュー

$188 / S、$218 / D・T

デラックス・プールビュー    $228 / S、$258 / D・T Le Ree スイート

$488 / S、$488 / D・T

S = シングル、D = ダブル、T = ツイン

ポール・オーナーらしくホテル玄関前にはマーライオン像が立っている。 住所 : National Road 6, Phum Grous, Sangkat Svay Dongkum, Siem Reap TEL: (855) 63 766 888

FAX: (855) 63 766 889

Web: www.reehotel.com

E-mail : info@reehotel.com

カード : Visa,Master, Amex, JCB

安心トクトクに乗るならメコンエクスプレス・バス  日本製リムジンバス、日本並みの長距離バス・サービスを目指すメコンエクスプレス・バスがシェ ムリアップで「安心トクトク―特約」サービスを始めた。  近年、カンボジアでは道路整備の進展もあって、長距離バス運行の競争が激化している。中継所や 駐車場で少しでも優位に立とうと競争するバス、運転中に携帯電話をかける運転手と、けして安全と は言いきれない。また、無制限な荷物の持ち込みには禁制品や生き物もありえる。メコン・バスの乗 客サービスは車内だけでなく、制限速度の社内規定や駐車場の選定など、当地では先駆的な取り組み

バス停に集まるトゥクトゥクの客引き

をしている。そして昨年末からシェムリアップで「トクトク―特約」制を始めた。事のきっかけは、バスが到着するや強引な客引き、 一人旅の女性にセクハラまがいの行為を目撃した社長、「バスを降りるや、身構えるのではカンボジアのためにならないわ」と、 さっそく決断。トクトク組合と交渉し、メコン・バス会社との契約制にした。契約順守で供託金を納め、順番制にしたトクトクのみ 専用駐車場に入れる。料金も近場、何人でも2ドル。それを越えて3ドル枠、それ以上遠いところは、交渉制。3ドル枠にほぼ街場の ホテル・ゲストハウスは納まる範囲。現地の人が利用する料金価格である。「これもメコンのサービスよ。」と利潤はなくとも社長 さんは太腹。が、それでも中には、料金記載地図があるにもかかわらず、途中で料金を釣り上げる悪徳運転手はいる。「きちんと相 手が特定できれば、供託金没収のうえ、契約を打ち切る」とのこと。トクトク―特約チケットは車内で販売している。

人気のフランジパニ・スパが2号店をオープン!  2002年よりオールドマーケット近くにあった「フランジパニ」が新たに2店目をオープンさせ た。以前からあるフランジパニは、隠れたおしゃれなショップが並ぶ「裏バーストリート(クリッ クストリート)」にあり、センスの良い内装で在住者はもとより通りすがりの観光客にも人気のス パ 。2店目「フランジパニ」はアンコール小児病院の1本南の閑静なエリアに2008 年10月にオー プンした。思わず目を引く素敵な外観で、中に入るとまるで家のリビングルームに通されたよう な居心地の良さを感じられる。テラピストたちはこのフランジパニでマッサージテラピーのトレーニングはもちろん、ホスピタリティー や英語のトレーニングも受ける。1号目のオープン当初のスタッフが今でも働いていることからも分かるとおり、スタッフも自分た ちのお店、そして仕事に誇りと自信を持っており、実際にセラピーを受けてみるとその暖かいホスピタリティーが感じられる。  アロマオイルはタイにてオリジナルブレンドを調合。友人やカップル2人でテラピーを受けるならぜひ「 VIPルーム」をリクエスト してみて。窓から入る心地よい風と緑が優しくより一層リラックスさせてくれます。 住所 : No.617/615 Hup Guan Street Mondul 1, Siem Reap Web: www.frangipanisiemreap.com

TEL: 063-964-391 / 012-982-062

E-mail : info@frangipanisiemreap.com

FAX: 063 964 391


ワールドワイドな評価を得て ― カンボジアのゴルフコースに熱い視線 ―  アンコールの地でホールイン・ワンの醍 醐 味ならソフィテル・ゴルフ&スパのゴルフコースとは、知る人ぞ知る評判であるが、 ワールドワイドの評価を得てカンボジア・ゴルフツアー熱がいっそう高まるに違いない。このほどニューズウィーク誌では、ソフ で開催された国際ゴルフツアー展示会「国際ゴルフトラベルマート」にはタイ、ベトナムと共に初めてカンボジアから出展された。 新興ゴルフ場の世界レベルの評価への登竜門として知られる同展示会、新たなゴルフツアー先と注目を集めそうだ。  さらにフランス統治時代の避暑地として知られるプノン・ボコールにもソッカーホテルが36ホールのゴルフ場の建設に着手した。 08年現在、カンボジアには高級ゴルフ場が4か所、09年にはその数が倍増する予定、ゴルフ・ツアーの新興地としてカンボジアに 今、熱い視線が注がれている。

カンボジアン・オープン2008  アジアン・ツア ー の一環である世界的なゴルフ・トーナメント「ジョ ニーウォーカー・カンボジアン・オープン2008 」が 昨 年 12月11∼14日、 シェムリアップ 郊外のフォキトラー・カントリークラブで開催された。4 日間の熱戦の結果、タイのトンチャイ・ジャイディーがトータル264、 24アンダーのスコアで優勝し、優勝賞金4万7,550ドルを獲得した。  昨年に続き2回目。今回は世界中から41パーティ計123人の有力選手 たちが出場し、技を競った。12月の過ごしやすい気候とはいえ、亜熱 帯の強い日差しが連日照りつ け る 中 、百 戦 錬 磨のゴルファーたちがそ れぞ れ 持 ち 前 の テ ク ニ ッ ク を 披 露 。ナイス・ショットが決まるたびに 集まったギャラリーたちから大きな拍手が沸き起こった。  ジャイディー選手は安定したゴルフで68-66-64-66とスコアを伸ばし、2位のラム・チー・ビン(シンガポール)に6打差という 大差を付けて勝利を飾った。大会の9日前に二人目の男の子が生まれたばかりというジャイディー選手は「息子が幸運を運んでき てくれた」と喜びを語った。3位はタイのチャワリット・プラポンで16アンダーだった。  フォキトラー・カントリークラブは、カンボジア初の国際レベルのゴルフ場として2006年にオープン。シェムリアップ地方の特 質上、起伏のあまりないフラットなコースだが、その分ウォーター・ハザードを多く配し、南国らしくコース全体にたくさんのヤシ の木が並んでいる。緑と水が豊かな美しいゴルフ場だ。ハザードが多いだけにテクニックも要求され、中でもクラブハウス前の18 番ホール(588ヤード/パー5)は、ゴルファーの腕と忍耐力が試される難しいホールとされている。  最後の見せ場となるこのホールのグリーン周辺では、大会を通して常に多くのギャラリーが観戦。バンカーショットのピンチか ら挽回し、あわやカップインという素晴らしい一打などが放たれると、観客から惜しみない拍手が送られていた。  同ゴルフ場は、クラブハウス近くに11世紀のアンコール時代の遺跡「ロルー橋」があることでも有名だ。 TEL: 063 964 600

Web: Phokeethragolf.com

ポイペトに新バスターミナルがオープン

コーケー遺跡近くにゲストハウスがオープン

タイ国境に臨む表玄関の街・ポイペトに昨年10月

コーケー遺 跡 群 の 料 金 所 近 く に 昨 年末、「Mom Morokod

末、新しいバスの発着拠点となる「ポイペト旅客国際

K o h K e r ゲストハウス」がオープンした。全11部屋と規 模は小

バスターミナル」がオープンした。ここからシェムリ

さいが、部 屋 は 清 潔 で 広々としている。レストランはま だ 建

アップ、プノンペンなど国内各都市へ向けてバスが発

設 中 だ が 、頼 め ば 食 事 も 可 能 。コーラ2000リエル、ビール

着する。ポイペト市街からは数キロ離れているため、

4000 リエル∼とドリンクも注文可能。プラサット・トム等数

市街とターミナルを結ぶ無料のシャトルバスもある。

々 の 遺 跡 が 残っているコーケー。じっくり遺跡観 光するなら

昨年12月初めの時点ではま だ 建 物 が 完 成 しただけの

Mom Morokodへ泊まる事をオススメします。

段 階 で、オープンしたとはいえ内装はこれからという 状況だった。ポイペト―シェムリアプ間の道路舗装整 備も着々と進んでおり、隣国タイとの本格的な物流時 代が訪れるのも近い。 * 英名は「ポイペト・ツーリスト・パッセンジャー・インターナ ショナル・バス・ターミナル」

住所 : コーケー遺跡群 料金所近く TEL: 012 865 900 011 477 811 099 751 175 011 935 114 料金 : USD$10 / 1 部屋

ヘッ ド ライ ン

ィテル・ゴルフコースを世界の名門コースとともに「世界の50コース」の一つに取り上げている。また、11月11−14日、スペイン


2500人が世界遺産アンコール遺跡を快走 ―第13回アンコールワット国際ハーフマラソン2008

大なアンコール・ワットやバイヨン遺跡を眺めながら突っ走れ―。世界遺 産・アンコール遺跡群内を走るという世界でもユニークな長距離レース 「アンコールワット国際ハーフマラソン2008」(カンボジア陸上競技連盟、 カンボジアオリンピック委員会主催。AIMS公認)が、昨年12月7日、同遺跡内に設 定された特別コースで開かれた。13回目となる今大会には、41カ国・地域から全 種目合計で過去最高の2500人を超える参加者がエントリー。豊かな緑と歴史遺産 に囲まれたコースを爽やかに疾走した。 同大会はカンボジア唯一の国際マラソンで、現在も同国内で人々に被害をもた らし続けている対人地雷の被災者支援などを目的に、1996年から毎年開催されて いるチャリティー・レース。前年までで20万ドルを超える寄付金が集まっており、 義手義足の支援、エイズ予防教育などの青少年育成活動等に活用されている。 競技はアンコール・ワット前の特設会場をスタート/ゴール地点とし、暑い気候 を考慮してまだほの暗さの残る午前6時過ぎにスタート。21キロのハーフマラソン (国際認定レース)だけでなく、車椅子(21キロ)、10キロ、5キロ、3キロの各 レースもあり、車椅子レースを皮切りに、距離の長い順に逐次スタートの号砲が 鳴った。記録や順位を賭けて真剣勝負に挑むハーフマラソンのランナーだけでな く、“参加することに意義あり派”や、遺跡観光も兼ねてカメラ片手にスナップ しながらジョギングする5キロ、3キロコースの家族・友人グループなど、さまざ まな選手たちが早朝のすがすがしい空気の中を走った。 ハーフマラソンは、アンコール・ワットの環濠沿いに半周した後、プラサート・ クラバン、バンテイ・クデイ、タ・プロム、タ・ケオなどの有名寺院遺跡群の間を 縫いながら進み、勝利門をくぐって古の都城アンコール・トムに入城。続いて象の テラス、バイヨン、南大門を通過してプノム・バケンを右手に見た後、アンコー ル・ワットに戻ってくる周回コース。10キロ以下は、アンコール・トム内に設けら れた各コースごとのターニングポイントでそれぞれ折り返してくる。どのコース も、森の中から次々と姿を現わしてくる美しい石造寺院群を左右に眺めながら走 るという、実に贅沢な設定だ。一帯を濃密に満たしている歴史ムードに浸りなが ら、ランナーたちはみな心地よい汗を流していた。 第1回大会に招待選手として参加以来、大会運営に協力する日本のNPOハート・オ ブ・ゴールドの代表理事として毎回競技をバックアップしてきたオリンピック・メ ダリスト有森裕子さんも参加。「スポーツを通じて世界をつなぎたい」という前 日の前夜祭での挨拶そのままに、参加者たちと励まし合いながら走る姿が印象的 だった。 11年前にバッタンバン州で地雷に触れて右足を失ったスリ・バンナラーさん (41)は、義足を着けて10キロコースに出場し、日ごろから鍛え上げている健脚 を披露した。見事完走してゴールラインを駆け抜けた後、「足を失くしはしたけ れど、義足があればまだ走れる。スポーツを楽しむ中では障害のあるなしなんて 関係ない。みんなで一緒に走るのが大好きだよ」と息を弾ませていた。また、東 京、千葉からそれぞれハーフマラソンに出場した北原麻衣子さんと近山佳代さん は、ホノルルやニューヨークマラソンなどにも参加経験があるランナー。今回初 めて訪れたカンボジアだが、子どもたちと触れ合うボランティアも体験した。二 人は「子どもたちが沿道で応援してくれたのがうれしかった。アンコール遺跡を 見ながら走れるなんて本当に素晴らしい。とても楽しかった」と話している。 熱戦の結果、ハーフマラソンの優勝は、男子が北京五輪ランナーでこの大会4回 目の制覇となるカンボジアのハェム・ボンティンさん(1時間13分53秒)、女子が アメリカのメリッサ・トッドさん(1時間22分44秒)だった。 10年以上も大会を強力にサポートし続けている有森さんは「自分の意思で始め、 自分の意思と力でやり遂げるスポーツには、何かを変える力がある。走り終え、 目標を達成し終えた後には、自分には何かができるという自信がきっと生まれる。 確かにカンボジアは悲しい歴史も経てきたけれど、人は誰でも未来に向けて変わ ることができるのだと思います」と熱く語った。

前夜祭には篠原日本国大使と 観光大臣の姿も

ボードを掲げる有森裕子さん


クメール陶器について

9

石川悠子

世紀から13世紀にかけて栄華を誇ったクメール帝国は今日のカンボジア国よりもはるかに大きく 、 インドシナ半島に広大な領土を支配していました。かつてのクメール王国の都は壮麗な石造寺 院アンコールワットおよびバイヨンで知られ、今まで多くの国々によって研究されていますが、 アンコール黄金時代の陶器の伝統はほとんど知られることもなく、その存在に関心がもたれるようにな ってから未だ1世紀にも満たない状態です。しかしそれ以前にも各地で目に触れることはありました。 発掘中のクメール遺跡からはもちろんですが、ヨーロッパ、中国や日本との交易船が難破し、海中から 様々な宝が見つかったときにも。その中に中国、日本の陶磁器に混じり、形や色合いに独特な特徴のあ るその当時どこのものとも特定できない陶磁器があり,長い間謎とされてきたのです。 現在もカンボジア人にとって陶器といえば、コンポンチュナンに代表される低火度焼成による無釉の 素焼き土器が主流です。日本で言うと縄文、弥生式土器で今はもう作られていませんが、カンボジアで は、古代クメール人が何千年も前から手びねりでたたき板と受け板を使って仕上げ野焼きした技術が、連綿と今日まで伝わっているの です。 一方高火度焼成された施釉陶磁器は、アンコール帝国とともに生まれその衰退とともに消滅し、その技術も途絶えてしまいました。 これが現在クメール陶器と呼ばれています。今世紀になってからアンコール帝国支配地域であった現タイ及びカンボジア国領土の窯跡、 クメール遺跡から発掘された多くの陶器の研究が盛んになり、長い間の謎が解けました。実に様々な形の陶器が発掘されました。大中 小の瓶、神事器、瓦など建築材、有蓋器などが独特のモチーフで作られています。 早い時期のものは印度ヒンズーの影響を受け、金属性神事器を模したものや、中国の 影響を受けたビン形器や有蓋箱がつくられましたが、その後はその影響から脱しクメー ル人独自の成型となりました。その自由な発想から生み出された独特なデザインには今 も人々を惹きつけてやまない魅力があります。特に際立った形としては、動物の形の器 で、あるものは写実的に、または神話を素材に作られ、クメールの精神的な象徴となっ ています。鳥と象の形のポットが初期からの代表、そして後に兎、馬、亀やありとあら ゆる動物が加わります。一方シンプルな波状模様の壷にもクメールの特徴があります。こ の形の真髄は広い口、高い肩部、狭い底部、首部と肩部に施された幾何学模様彫りの飾 りです。シンメトリックな形とバランスのとれたプロポーションは、陶工の技術力と美 学的センスの賜物といわれています。 今もこれらのクメール陶器は日本の国立博物館やフランスのギメ美術館など世界中に陳 列されています。プノンペンの国立博物館でも見ることが出来ます。 このようなすばらしい技術は途絶えてしまいましたが、何度戦争があっても質の良い 土や釉薬の材料となる石や木はカンボジアの地からなくなったわけではありません。15 年前に土探しから始め、釉薬、窯つくり、発掘調査などを経て、クメール陶器の復刻ま でたどり着きました。今はともに学んできたカンボジア人たちが立派な陶工として育ち、 自立できました。彼らはLO-YUYU というプロの陶芸家集団としてシェムリアップのバコ ンで仕事をしています。遺跡見学の折、お立ち寄りください。カンボジアの土に触れる 陶芸教室も随時開いております。 プロルンクマエ陶芸織物トレーニングセンター アドバイザー ローユウユウ顧問

LO-YUYU

Khmer Ceramics Production

Workshop: in Prolung Khmer centre road to Bakong, Siem Reap Tel: 012-576 715 012-393 896 E-mail: yuko@online.com.kh


暗雲に銃弾貫く ―世界遺産・プリア・ヴィヘア遺跡に被害― PREAH VIHEAR D.A.C.No7で『暗雲に晴れ間あり』と報じたプリア・ヴィヘア寺院 遺跡周辺をめぐる国境紛争は、昨年10月15日の軍事衝突でにわか に緊張した。タイ政局が混迷度を深めるなか、6月より国境へのタ イ軍の増強、さらにタイ側主張の国境線への進出に反発したカン ボジア軍の対抗処置で起きた国境紛争は、7月の小規模な小競り合 いの後、暫し沈静化するかに見えた。 8月後半の現地取材では、紛争地域で両軍の兵士が歓談する姿や カンボジア側では家族の慰問も見られた。また、麓の村では軍駐留 によって活況を呈し、登山道には小屋掛け店も現れ、山上の遺跡入 口広場では食堂なども増えていた。カンボジア側国境ゲートは二 重・三重に有刺鉄線が巻かれてはいたが、警備する兵士もカメラを 向けるや笑顔を返してきた。 7月「世界遺産の指定」、両軍の小競り合いの頃、愛国心と物見 高さに駆られたカンボジア人が大挙して寺院に押し寄せたが、8月 後半の取材時は、ひと頃の騒ぎも収まり遺跡は閑散としていた。 参道両側にはソラーパネルの街灯設置等、「世界遺産の指定」で一 躍脚光を浴びる観光地として準備を進めてきたカンボジア当局で あるが、今回の国境紛争はそうした動きに冷水を浴びせた格好で ある。閑散とした遺跡の周囲にはゴミがあふれ、壁には大書の落 書き、遺跡近くまで迫った軍用トラックの轍跡、「指定」以前よ り荒廃したかのような光景であった。 国境紛争もまた、歴史的遺産 タイ側主張の国境線によれば、プリア・ヴィヘア寺院そのもの の所有権を求めているではない。この点、日本で報道されている 情報はあいまいである。既にプリア・ヴィヘア寺院遺跡は元国王; シハヌーク殿下の劇的な行動によって世界に知られ、国際司法裁 判所によって寺院遺跡がカンボジア領であるとの判断が下ってい る。が、周辺の国境については、未確定で両国の主張が異なる。

坂の途中にも塹壕が多く見られた兵士の表情は穏やかだった

20世紀初頭のフランスによって制作された地図の国境をカン ボジア側は主張し、タイはそれに対抗して自ら測量した地図に よる国境を1954年にアメリカ合衆国に提出している。タイにす れば、他の地域ではダムレク山脈の稜線を国境としているのに プリア・ヴィヘア寺院遺跡の価値に気付いたフランスによって 寺院遺跡をもぎ取られたものという想いがある。当時、タイ はイギリスによるビルマ、マレー半島の領有、フランスによる インドシナの領有による両国の圧迫の狭間にあり、植民地化の 危機に遭遇していた。が、タイが現在主張する国境線は、プリ ア・ヴィヘア寺院のある600m標高線の砂岩台地の下を取り囲む 地域である。これでは、カンボジア側にしてみれば、寺院は断崖 上に孤立したのも同然、事実、唯一カンボジア側から到達でき る車道も寸断されてしまう。

10月15日の武力衝突はタイ軍の浸透によって 始まった。 カンボジア側の登山道(車道)右手、寺院遺跡まで100mほど 手前の現代寺院の境内にタイ軍兵士が侵入して7月に小競り合い が起きた。そして10月、今度は遺跡周辺のタイ主張の国境線へ タイ軍が浸透した。ここに武力衝突が発生した。カンボジア側 の取材によれば、タイ軍の発砲によってカンボジア軍中尉が撃 たれたことをきっかけに双方が至近距離で撃ち合いになったと のことである。報道ではカンボジア側に2名の死者と負傷者、タ イ側にも負傷者が出たとのことであるが、実際は双方とも相当 数の死傷者を出した模様である。タイ軍の浸透には、カンボジ くく ア側の反発を高を括っていたようだ。 プノンペンからの支援物資を受け取る遺跡保存警察にも笑顔が溢れる

10月15日の交戦によって流れ弾が多数遺跡にも着弾… (〇印;地図参照)


600m

参道石段 参道(古道?)

ナーガ欄干

参道(巡礼古道)

第一塔門 600m

は銃弾を確認した場所 主に四箇所確認できた

遺跡内では即席の散髪屋も出店、遺跡内の雰囲気はいたって平和

銃撃が始まるや山上の住民は逃げまどい、その多くは麓に避難したが、なかには寺院遺跡内 に身を隠す者もいたようである。遺跡に残る銃弾跡12月の取材では、遺跡に4ヶ所の銃弾跡 を確認している。また、遺跡参道階段入口の横断看板は双方の銃弾が貫通した跡がある。遺 跡の銃弾跡は故意によるものといいうよりも、武力衝突時の流れ弾である。かつてポル・ポ ト派の難攻不落の要塞と化した遺跡、幸いポル・ポト派の解体で戦火を免れた。が、7月の 世界遺産指定の喜びもつかの間、遺跡にも一時とはいえ、戦火が迫ったようだ。

聖池

第二塔門

世界遺産は人類の宝

第三塔門

600m

両国とも遺跡にとって前向きな対応を;保全活動こそが第一 12月、遺跡にはユネスコの看板が立てられ、遺跡の清掃、ゴミ片付けが行われていた。遅 ればせながら、カンボジア当局によって保全活動が緒についた。また、遺跡の倒壊危険個所 には補強材、さらに立入禁止区域の設定も見られる。遺跡から北を望めばタイ領のなだらか な山並みとそこを縫うアスファルト道路が見える。かつては遺跡見学の唯一のアクセスがタ イ領から。有刺鉄線に象徴される対立は、双方にとってマイナスであることは明らかである。 遺跡修繕も国境紛争という火薬庫の上で作業するようなものであるから、各国の支援も二の 足を踏む。天空の神殿が崩れゆく遺跡であってはならない。先ずは、双方の前向きな対応が 望まれる。

第四塔門 前柱殿 中央祠堂

断崖

断崖

*ちなみにグーグルアースで確認すると国境線はタイ側の主張通りになっている。

遺跡内の清掃員、遺跡内は見違える程きれいになっていた

H E R I T A G E

ツーリングで向かう欧米人は多い

T H E W O R L D

世界遺産指定とその後の国境紛争で世界の耳目を集めたプリア・ヴィヘア寺院遺跡。古代 の人々が神々への憧れに駆られて人智を極めて創造した「天空の神殿」、それ故にこその人 類共通の遺産として「世界遺産」登録であったはず。先ずは一国を超えた人類の遺産という 共通認識から出発しなければ、カンボジア―タイ国境に屹立するプリア・ヴィヘア寺院遺跡 は常に発火点の低いナショナリズムによって危険にさらされることになる。双方に強い自制 が求められる。


悪路よさらば 二つの国境越え体験記 歴史的にカンボジアとタイはともに、インド文化の影響をその ベースとして発展してきた国々であり、風俗習慣、言語、伝統芸 能等で共通する部分が多い。それでもひとたび両国の国境をまた ぎ越えると、互いに明らかに異なっているという印象を受ける。 それぞれ別の民族・国家なのだから、そこに当然ある基本的な相 違というものは置くとしても、そう感じさせる要因のひとつに、 両国の経済力格差があるのは確かだろう。 中でも道路の良し悪しというものは、陸路入国してきた者へ与 える印象を大きく左右する。これまで道路などのインフラ整備で 両国には明らかな差があった。片田舎の隅々まできちんと舗装さ れた道路網を持つタイと、幹線道さえまだ完全には整っていない カンボジア――こうした現実があるのは事実であり、両国の道を 走るとその快適さに差があったのも確かだ。 だが、カンボジアにおける近年の道路整備は、こんな先入観に 修正を迫っているといえそうだ。例えばカンボジアを代表する二 つの観光都市、シェムリアップおよびシハヌークビルと、タイの バンコクをそれぞれ結ぶルート、つまりこの国の主要観光道二本 が今、変わろうとしている。特に前者などは、かつて「世界三大 悪路」に数える人もいたほどその悪路ぶりで名を馳せていたもの だが、現在その汚名を返上しつつある。今回それを実際に確かめ てみようと、この二つのルートを走ってみた。 往路はシハヌークビルから、コッコン-ハートレック国境を経 由してバンコクへ向かった。国内随一のこの臨海観光都市から、 バンコクをはじめとするタイ国内各都市へ向かうバスの運行が始 まったからだ。 当日、バスは午前8時半前にシハヌークビルのターミナルを出 発。座席の高い快適な大型バスでほぼ満席になっている。緩やか な起伏が続く国道4号を滑らかに北上し、1時間余りで左折して48 号線に入った。幾分標高が高いところを走り出したせいか、クラ ヴァン山脈らしい山並みが遠くに見え隠れするようになる。見晴 らしがよくなって気分がいい。10時ごろスレーアンベル橋に着き、 袂のローカルレストランで休憩した。乗客のほとんどは西洋人観 光客だったが、みな地元料理を楽しんでいるようだ。 ここからコッコンまでの約2時間半、道は次第に山がちになっ てくる。さらに三つの橋を渡ったが、そのどれもが目の覚めるよ うなブルーの水面をまたぎ越していたのが印象的だった。山を降 りるといよいよコッコンの街。コッコン橋を越えた数キロ先に国 境があった。ここまで道路は完全に舗装されており、快適なバス の旅だった。 この日、イミグレーションにはバス2台分約100人ぐらいが列を作っ ており、約1時間の待ち時間で出入国手続きを終えてタイへ入国 できた。国境中間地帯のすぐ脇はタイ湾を望む海岸で眩しい波頭 のきらめきを背景に、両国の国旗が仲良く並んではためいていた。 タイ側で行き先別にワンボックスカーに分乗。途中で車を交換 した後、よく整備されている幹線道を一路バンコクへ向かう。ちょ うど反政府グループがスワンナプーム国際空港等を占拠していた 時期と重なったせいか、車内の会話もそれに関するもので持ち切 りだった。帰国のフライトを心配していたイタリア人は「だれか この国から脱出する方法知らないか?」と半ばヤケ気味に尋ねて いたし、隣のマーロンブロンド似のアメリカ人も「どうしようも ないね」と肩をすくめた。バンコクに入ったのは夜だった。午後 8時半、終点である世界的に有名なゲストハウス街・カオサンで 車を降りた。 バンコクでの用事を済ませた後、帰路はアランヤプラテート-ポ イペト国境を通ってシェムリアップへ向かった。かつての「世界 三大悪路」の一つである名物路線ポイペト-シェムリアップ間 (国道6号。もっとも10年前のカンボジアの道路といえば、大半 がそんな大変な道ばかりだった)は、果たしてどこまで良くなっ ているのだろうか?

バスのチケットはニューサイトラベルで申し込めばコッコンまでUSD$12だ

結論から言えば、悪路でがたがた、タイヤのパンクで修理待ち、 途中の小橋が壊れてまた待機……等の(いつもの)ハプニングで 400キロ程のバンコク-シェムリアップ間が21時間(!!)-某氏 の実体験-などというのは、すっかり今は昔の話となっていた。 まだまだ工事中及び未舗装区間は相当残ってはいるものの、舗装 に向けて整地が済んでいる箇所も多く、いわゆる“天然悪路”は もうあまり残ってはいない。特にポイペトから途中のシソフォン まではかなり仕上がっており、そこでは車が土煙をもうもうと舞 い上げて走る姿ももう見られない。ただ乗ったバスは旧来どおり の年代物で、エンジンをかばったゆっくり運転だったためか、ポ イペトからシェムリアップまでで6時間ほどの道のりだ`った。 国内の主要幹線でほとんど唯一残っていたこの区間が全線舗装 完了となれば、新車両の導入等も期待でき、アンコールの町とタ イが一気に近くなるに違いない。カンボジアを陸路で渡る旅行者 に とって、「悪路」は早晩、過去のものとなってしまうのだろう。 …昔、激しく揺れる車の中で本を持ち、上下動に合わせて器用 に体を動かしながら読書をしていたつわものの友人がいた。シェ ムリアップ空港の隣で、滑走路さながらどこまでも真っ直ぐに伸 びる真新しい国道6号を古バスが珍しく目いっぱいの力走をして いた時、なぜかふと彼の姿がフラッシュバックした。

車内は欧米人で満席。今後このルートは日本人にとっても 一般的になってくるだろう。

シハヌークビル発、各種チケットのお問い合せは ニューサイまで! 012-940368(日本語可) #025, Ekreach St, S. 4, K. Mitapheap, Sihanoukville (CAFE SUSHI横の#025ゲストハウス内) Tel : (855-34) 933 760 E-mail : saikos@camintel.com.kh


ダメージング•タイランド?!「微笑みの国」は何処へ

イの首都バンコクを中心に昨年11月に起こった反政府勢力「市民民主化同盟(PAD)」の空港占拠による政治混乱についてタイ人の 8割近くが対外イメージの悪化を懸念し、「非常に恥ずかしい…」と感じていたそうだ。一時は日本人渡航者だけで1万人以上が足 止めされ、観光客全体では足止め人数は何と35万人以上に上った。 タイ最大の航空会社“タイ航空“は、首都の2空港閉鎖に伴う損失200億バーツ(約520億円)をPADに請求する訴訟を起こすこと を決定、格安航空会社の“エア•アジア”も3億2000万バーツの損失が出たとして賠償請求を検討中という。今後空港占拠で打撃を 受けた各企業による訴訟問題が波及する可能性があり、観光立国を自任するタイ観光省のキャッチ•コピー“アメージング•タイランド” どころか完全に“ダメージング•タイランド“状態となったとも言える。 PAD側は「国益のための行動」と反論、賠償などを拒否する方針だが、現実問題として賠償を認める判決が出てもPAD側に支払い能力は なく、PADではなく占拠を許した政府を相手とした損害賠償訴訟が起こされる可能性もある。ちなみにタイ政府は足止め状態となった外 国人旅行者に対して2000バーツ(約5400円)を食事•宿泊代として支給し、支出総額も24億バーツ(65億円)に上がった。政府は2009年、 タイを訪れる観光客数が例年の約半分に落ち込む可能性を示唆し、中小企業の観光関連ビジネスに100億バーツ(270億円)以上を支援す ることを計画している。 中国の反日暴動に嫌気がさした企業が暴動後にベトナムへの投資を拡大したのと同様に、2008年には低迷して落ち目になっていたベト ナム観光ブームがタイの騒乱によって再び息を吹き返す可能性が出て来た。今回の件でもタイから出国出来ない観光客の多くがカンボジ アのシェムリアップ経由で出国していった。ベトナム航空は当然連日満席、年内のカンボジアへの旅行計画についてはタイ経由だったも のが、ベトナム経由に切り替えられるケースも報告されるなどチャンスの風はベトナムに吹いているかもしれない。ラオスも人気が高ま っているが、宿泊施設とガイド不足は深刻で今以上の観光客を受け入れる体制が整っていない上、カンボジアと同様に日本からの直行便 は無いため、どうしても隣国に頼らざるを得ない。そこで比較的に受け入れ態勢が整っているベトナムに注目が集まっている。 まさに“ダメージング•タイランド”、首都周辺で行われた世論調査でも35%以上のタイ人が「タイはもはや、<微笑みの国>とは言い 難い」と回答した。<微笑みの国>の代名詞は隣国カンボジア、ラオスに取って変わられてしまうのだろうか?今回の空港閉鎖事件はタ イにとって高くついてしまったようだ。 と、言っても腐っても鯛(タイ)はタイ、バリのように今後もタイ•フリークは何があってもタイをめざすだろう。早く本来の「微笑み」 を取り戻してほしいものである。 *悪いことは重なるもので1/1にはバンコク市内の高級ディスコ「サンティカ」で火災が発生し64人が犠牲となった。 タイへの“ダメージ”は続く。。。

Association Cambodian Art & Crafts

フェア・トレードの店 ラジャナは カンボジアの職人たち 一人ひとりを応援する クラフト・ショップです

Silk, Jewellery, Clothes, Cards and More...

Phnom Penh Rajana 1, Rajana 2 #170, St.450 Near Russian Market Tel:(+855)023 993 642 Siem Reap Rajana 1 Between Red Piano & Angkor What? Near Phsar Chas Market Tel: (+855) 012 481 894 Rajana 2 House 153, Street Sivatha (infront of street to Night Market), Group 5, Phum Mondul I, Sway Dongkhum, Siem Reap rajana.association@gmail.com www.rajanacrafts.org

日本人で初めて、

第 11 回「ロレックス賞」を受賞 (スイス、ロレックス社)

No.472 Viheachen Village Svay Dangkum, Siem Reap Open: 9:00 - 17:00 (12:00 - 14:00 昼休憩 ) Close: Sunday Web: http://esprit-libre.org/iktt

IKTT


L’Angelo

ランジェロ

洗練された空間で、芸術的な本格イタリアンを  アンコール遺跡に最も近い高級ホテルとして知られる「ル ・メリディアン アンコール」内にある本格イタリア料理のレストラン。ホテルと同じく2004年 のオープンで、トスカーナ地方の郷土料理など同国北部の味を身上とする。数 あるシェムリアップのホテルの中でも直営イタリアンとしては唯一の店で、イ タリア本場の味を惜しみなく提供してくれる数少ない貴重な存在だ。  西洋人や日本人客等に人気の店だが、中でも日本人から好評を博している メニューが、ビーフ・カルパッチョ、ワイルドマッシュルームと鴨胸肉の薫製 のリゾット、子羊ローストのパイ包み、ビーフフィレ・トリロジーなど。さらに 見逃せないのが日替わりメニューで、深い味わいのフォアグラが絶品の「フォ アグラのテリーヌとイチジク・ピューレ」やコクのあるパスタ料理「メコンロブ スターのフェトゥチーニ」など、シェフが腕を振るった名品が楽しめる。  味の冴えの秘密は、イタリア料理には欠かせない味の決め手であるサンドラ イド・トマトをはじめ、調味料のほとんどが自家製であること。化学調味料等 は一切使用しておらず、もちろん食材の品質面でも万全を期している。事実、ラ ンジェロを含む同ホテル内レストランは、「スターウッド」社(ル メリディアン 、 ウエスティン、シェラトン等の有名ホテル9ブランド約900店舗を世界中で展 開) のうち、日本を含む約160店舗がエリアとなるアジア太平洋地区の食品衛生 管理ランキングで2007年、堂々の第一位に輝いた。社内的評価ではあるが、日本 やオーストラリア等の先進国を抑え、カンボジアのホテルが「最も衛生的である」 と太鼓判を押されたわけだ。これは凄いことだといえよう。2008年分の発表は まだだが、上位5位中に入っていることは既に確定しているという。 Add: Vithei Charles de Gaulle, Khum Svay Dang   Kum, Siem Reap.「Le Meridien Angkor」内 Tel: 063 963 900 Web: www.lemeridien.com/angkor 営業時間 : 18:00 - 23:00(年中無休) 座席数 : 60 席 カード : Visa, Master, JCB, American Express

ランジェロはイタリア語で「天使」の意。店 舗デザインにも清潔感が漂って おり、白と黒を基調にした落ち着いた店内はゆっくりと夕食を楽しむのに申 し分のない雰囲気だ。選択に迷ったらコース・メニューの「ミニ・アラカル ト」 (1人32ドル/税・サ別)もある。最後に、デザートも豊富な品揃えだが、 中でも「アーモンドのクリームブリュレ」の心憎いまでの柔らかさは、是非お 試しあれ。


シハヌークビル ヘッ ド ライ ン カンポット &ケップ

D A C 紹介

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MAP

トラベル・トライアングル

旅案内 ヘッド•ライン•ニュース カンポット& ケップインフォメーション 信頼のホテル•レストラン•ショップ 寄稿:水辺便り 寄稿:のほほ~んカンボジア暮らし 一期一語

www.discovery-asia.com


旅案内 カンボジアのビーチリーゾートと言えばまず思い出されるのが、シハヌークビル。この一年で新しいホテル、レストラン が続々と誕生しており、ビーチを取り巻く環境にも変化が見られる。期待されていた各「島」へのアクセスは確実に増え、 愛称バンブーアイランド(ルッセイ島 Koh Russei)のバンガローなどは欧米系観光客の「隠れ家」のようで、連日大盛況で ある。08 年のハイ・シーズン(10 月~ 3 月)までに島のバンガローもさらに増える勢いだ。また、地元民に人気のあったイ ンディペンデンス・ビーチは 10 階建てのホテルを建設するため殆どが立ち入り禁止区域となっている。

Koh Russei

バンブーアイランド(Koh Russei)とタケウ島(Koh Ta Kiev) シハヌークビル空港前から海軍施設へ、施設手 前の海岸に海の家が並ぶ。ここからボートを手 配し、乗船30分でバンブーアイランドへ。島に はバンガローが40棟余、簡素ながらレストラン、 バーもある。タケウ島にもバンガロー建設中。 ユニークなジャングルキャンプスタイルの低料 金宿泊も可能だが、乾季営業なので事前確認が 必要。手つかずの自然、珊瑚礁でのシュノーケ リングも楽しめ、「まったり」できる。

Victory Beach Koh Dek Koul(Mirax resort)

ビクトリービーチ

デクコール島(ミラックス•リゾート) 昨年にオープンした個性豊かなカンボジア唯 一のプライベート•アイランド•リゾート。 部屋は全て豪華なスゥイート•ルーム。島で はプール、スパ、レストランにジェットスキ ーのレンタルが可能。島からの景色は絶景で ひと味違ったリゾート気分を楽しむならミラ ックス•リゾートがお勧め。 お部屋代; USD$300〜USD$3000 www.miraxresort.com

波打ち際に大型ホテルや海鮮レストランが立 地し、大型船が停泊する港に最も近いビー チ。また、ホテルやゲストハウスが集中す る「気象台」から最も近いビーチである。 近年ロシア人経営者による投資が加速し、 堤防、レストラン、海の家が続々とビーチ 沿いに建てられ、盛り上がりを見せている。

デポット•ビーチ(フンセン•ビーチ)

ハワイ•ビーチ

コッコン行きの船着場を10分程越えたところ にあるまだ手つかずで、遠浅なビーチが魅力 のデポットビーチ。まだ知られていない分、 静かで魅力的なビーチだが、その分売店も何 もないので行く前には飲み物くらいは持って いく方がよい。今後注目のビーチだ。

ビクトリー•ビーチの南に隣接するビーチ。 現在大型ホテルの建設が行われており,かつ ての美しさが失われてしまった。海岸から一 番近いポス島も近く、アイランド•トリップ 用の船や釣り船を手配するにはここからが一 般的。試みる価値はある。

レアム国立公園 街から車で20分ほど国道四号線を戻った、空 港の北側の丘凌・海岸、島が国立公園。総面 積2万1千ha、トゥーク・サーブ川の6キロも 続くマングローブ林や大型の爬虫類(蛇、1m 近い水トカゲなど)サイ鳥類、水鳥、虎など の野生動物が生息している上、海岸ではピン クドルフィンを見る事もある。公園内にはマ ングローブ遊歩道がJICAシニアボランティア の支援により作られていたが、その先に新た に高さ12mの展望台も完成した。


オーチティルビーチ カンボジア人・欧米系旅行者に人気のビー チ。白砂の浜が3キロ余も続く。デッキを 借りて休んでいれば、イカの炭火焼や海老、 新鮮なフルーツ、菓子類からネイル・マニ キュアまで様々な人が来る。近年、浜辺近 くに多くのゲストハウスやレストランが立 地している。南東部は大型リゾート・ホテ ル開発計画がある。(地図参照)

Koh Pos ポス島 ハワイ•ビーチからボートを手配してポス島ま でわずか数分。北側を回って入江の奥に美し い白浜がみえる。現在、島まで橋を建設して おり将来的には歩いて島まで行けるようにな る模様だが、現時点では往復USD$20支払っ てボートを手配して行く必要がある。もっと も簡単に訪れられる「島」としては、対岸の ビーチに比べて水は澄んでいて、島のビーチ も鳴き砂でお勧めである。*ビーチ使用料と してUSD$5/一人を支払う必要があります。

ソッカービーチ ソッカーホテルのプライベートビーチが大部 分を占めている。ホテルのカフェテリアを抜け るとプールがあり、その先の公園のように手 入れの行き届いた庭先にきれいなビーチが広 がる。ソカーホテルのプライベートビーチの 長さは何と1500m。ソカーホテルの敷地外にも 狭いがビーチがあり、近くにはバンガローが 数軒あり、眺めも良い。

オートレスビーチ オートレスビーチはオーチティールの南東に 隣接し、長さ3kmにわたって広がる白砂のビー チが魅力。またオーチティールのように、観 光客で混雑することもない。市街地から丘を 越えてビーチに至る道は最近開通したばかり で、ビーチもまだほとんど開発されていない。 所々にビーチパラソルと、屋台風のバーが並 でいるがまさにこれからのビーチだ。大型ホ テルの建設地候補にもあがり始めているが D.A.C.編集部お勧めのビーチである。


ヘッドライン

Sea Side

シーサイド

ケップの海岸通りに レストラン・バンガローがオープン  カニ市場から白馬像方面へ向かう道 路は知る人ぞ知る火炎樹(フレーム ヘッ ド ライ ン

ツリー)の並木道。その道沿いに 昨 年 秋にオープンした「Le Flamboyant 」 (ル・フランボヤン)はのんびりと静かな時間を過ごしたい人にはお 勧 めレストラン・バンガローだ。シハヌークビルでレストラン・ビラを 経営 していた 仏人オーナーがケップに移り住んで開いた。料 理 は 有機栽培 の 素 材を使ったフレンチ&クメールで、美しい庭を眺めながらゆったり食 事ができる。  ひとつひとつ丁寧 に 作り込まれた4 棟 のバンガローはオーナー自 ら の 設 計で、メキシコ、アフリカ、バリなどのスタイルを取り入れたユニー クなデザイン。すぐ 眼 前 にはケップ国立公 園の緑滴る美しい山々がある。 ここには騒々しいBGMもなく、あくまで自然 とのハーモニーの 中で過 ごしてもらおうというのがコンセプトだ。 「 潮 風の 香りや小 鳥のさえずり を楽しみながら、のん びり寛 いで 下さい」とオーナー。 住所 : Kep, Cambodia

TEL: 016 713 823

客室数 : VIPバンガロー 4 部屋 (USD$50)エアコン、プラズマT V、 DVD等 完 備。 【レストラン】日替わりメニューあり

プレック•アンピール•リゾートに プライベート•ビーチ•リゾートが近日オープン!  カンポット市内から車でわずか15分の場所にあるプレック•アン ピール•リゾートにいよいよプライベート•ビーチ•リゾートが誕生 する。このリゾートの建設によりビーチは以前より整備され、16 部屋のバンガローにレストランも2月位を目処にオープンする予 定。宿泊者以外もくつろぎに来るのは無料だが、飲食の持込は禁 止になるようだ。  敷地内にはヤシの木が繁茂し、彼方にはベトナム領のフーコック 島が眺められ景色と雰囲気も良くまったりできる。が、海の透明 度は今イチ。今後ビーチが整備されれば面白い存在になりそうだ。

カンポットにピッツァの美味しいG.H「Mea Culpa」がオープン  カンポットの新しいゲストハウス「Mea Culpa(ミア・クルパ)」が、2 0 0 8 年 1 1 月オープンした。アイルランド人オーナーが 付 け た G .H名は「マイ・ミス テイク」という意味のラテン語。国に帰って働く代わりに東南アジアに居つく ことになってしまった息子のとんだ「過ち」に溜め息をつきつつも、開店に協 力してくれたオーナーの父親の口癖に由来するとか。「ここが『 私の過ちの結 晶(?)』という意味で、ちょっと冗談っぽくG.H名を付けてみた」とオーナー。  全6室のプチG.Hだが、内装のセンスは良く、庭はとても広い。カンポット市 街の南端近くにあり、静かな環境が魅力。眺めの美しいコンポンバイ川まで歩 いてもすぐだ。イタリア料理の心得があるオーナー手作りのピッツァも試して みる価値あり。庭にある自作のオーブンで焼いてくれるので、パリっとした焼 きたてを食べよう。 住所 : No. 44, SovannSakor (behind the Governors Mansion), Kampot E-mail : meaculpakampot@gmail.com

TEL: 012 504 769

料金 : USD$ 20 ( 1 Double / 5 Twin )


AKASHI CAFÉ で本格的なマッサージを!

ル • フランボヤン

カンポットにある、自家製パンやケーキが人気の明石 カフェで、マッサージが受けられるようになった。マッ サージは「水辺便り」でもお馴染みの明石さんの旦那さん が 行 なっている。タイで1 0 年 修 行 をつんだというだけ あって、腕は確か。1セッションは1時 間 半∼2 時 間で完 全 予 約 制。カンポットに行ったら是非、明石カフェで

オーガニック•レストラン + VIPバンガロー

食 事 をしマッサージを受けてリフレッシュしてみては? 住所 : ニューブリッジの 手前を右に曲がって 1ブロックの所 TEL: 092 775 900 E-mail: akshicafe@ hotmail.com ※ 営業時間など詳細は   お問い合わせ下さい。  (ランチタイム不可)

シハヌークビルのバス・ステーションが移動  2009年1月7日より再 開 発に伴ってシハヌークビルのバ

016-713 823 Kep, Cambodia

ス・ステーションが 移動しました。新バス・ステーションは 旧 バス 停から1㌔ ほど 東北東の 01通り沿いの* 市 場 横 。 従 来 、バス会社によってはチケット売り場前から乗車し、 バス・ステーションに寄るコースであったが、新バス・ス テーションへの移動以降、各会社の対応はまちまちである。 チケット購入時、発進場所の確認が必要。

Mea Culpa ミア・クルパ

* 本書P108 シハヌークビル地図・市街図を参照

バス旅で国境 越え、料金値下げのお知らせ

Bar Pizzaria Guesthouse

シハヌークビル → コッコン  USD$13( 4時間) シハヌークビル → コ• チャン USD$23 ( 7時間) シハヌークビル → バンコク  USD$27(9時間30分) シハヌークビル → パタヤ

USD$27( 8時間30分)

シハヌークビル → コ• サメット USD$27(8時間 ) ※お問い合せは NEW SAI TRAVEL へ日本語でどうぞ!   TEL 012 940 368

012 504 769 meaculpakampot@gmail.com


カンポット&ケップ information

Kampot Kep

山紫水明の街・カンポット カンポットは古い街である。19 世紀、探検家アンリ・ムオが 初めてカンボジアを訪れたのもこの街を通るコンポン・バイ川 の河口である。シアヌークビル港ができるまでは唯一の海に開 しょうしゃ

けた港町であった。そのため河岸には瀟洒なフレンチ様式の 街並みが残っている。20 世紀半ば、プノン・ボコールやケップ そび

の保養地に向う基地としての機能を持ち、高く聳える屋根を持つ 当時の鉄道駅舎も残っている。現在、河岸の観光客の集まる地域 カンポット&ケップ

を除いてはかつての賑わいを失っているが、近年、海辺の保養地・ ケップの観光再開発や自然・文化遺産としてプノン・ボコールの 人気の高まりで漸く活気を見せてきた。河岸にはカフェ・レスト ランが増えてきているが、宿泊は設備の整ったケップ保養地がお 勧めである。 カンポットの街の楽しみは、ボコールの山並みや川沿いの熱 帯樹木を眺めながら鏡面のようなゆるやか流れの川を下るク ルーズや現地の人たちの行楽地である河原テックチュ-ンの景 至プレック•アンピル• リゾート

観、熱帯動物園である。熱帯動物園ではボコール国立公園に生

Prek Ampil Resorts

息している動物や鳥類を見ることができる。また、コンポン・ バイ川河口の三角州(デルタ)にはマングローブ林が見られ、 干潟の動植物の多様さは見逃せない。 カンポット町から観光地までのアクセス → ケップ市〈20分〉/ → ボコール国立公園入口〈10分〉/ → プノン•チュヌック 〈30分〉/ → テックチュウ•リゾート&動物園〈10分〉

至カンポット

Mea Culpa

至コンポン・ トラッチ

Kampot map

至ケップ・ ビーチ

週末は「まったり」 とケップへ!

トゥガイ・バン・チャット

Le Flamboyant

外国人がカンボジアのビーチ•リゾートと聞いて真っ先に思い出

セイリング クラブ

バンナ・ バンガロー

N4

されるのが、本書でも紹介しているシアヌークビル。が、近年、 欧米人の間で隠れ家的なリゾート地として密かに人気急上昇中 なのが、ここ「ケップ」である。 ケップはお隣のシハヌークビルに比べて観光化が遅れてい る分、物価も安く、人々ものんびりとしていて穏やかで心身 共にリラックスできる。さらに、近年インフラが整備されて 首都プノンペンからケップまで片道2時間 30 分で行ける事 を知る人は、まだまだ少ない。 ケップを拠点にして、人気の観光地ボコール国立公園、プノン•

至ケップ 市場

Botaniea

チュヌック、ラビット•アイランドなどへのアクセスが全て 30 分 以内と実に便が良い。特にボコール国立公園に行く旅行者は殆ど拠 点をカンポットにしており、まるでカンポットでなければいけない ような錯覚に陥っている場合が多い。が、実は宿泊施設に関して言 えばカンポットよりケップ市の方がレベルも高く施設は充実してい る。それに何てたってケップに泊まれば日本人の大好きな「海」辺

警察

にまったりといられるのがうれしい。夕暮れ、サンセットと沖合に 見えるフーコック島(ベトナム領)でも眺めながら新鮮なカニ料理 でも食べれば、カンボジアの新たな魅力にとりつかれること間違い 無し! ケップ市から観光地までのアクセス

Kep map

緑字:D.A.C.広告掲載

→カンポット 〈20分〉/ → ボコール国立公園入口〈30分〉 → プノン•チュヌック 〈20分〉/ →ラビット•アイランド〈15分〉


カンポット&ケップ周辺の観光スポット プノン•チュヌック / Phnom Chhnork

ラビット•アイランド / Rabbit Island(Koh Tunsay)

石灰岩の洞窟の中にプレ•ア

ラビット島はココナッツや 熱 帯 植 物 が 沢 山

ンコール期のヒンドゥー 教 の

生い茂っている、南国情緒あふ れる島である。

嗣 堂 が 残っている。リンテルが

ローカルボートに乗って20分もあれば島に着

ほんの少しとリンガが残ってい

いてしまえるのがいい。島に珊瑚礁は無いが魚

る。規模は小さいが貴重な遺 跡

は沢山いるのでスノーケリングなどは楽しめる。

と言える。推定*7世紀。カンポッ

だ が、島にレンタルはないので道具は各自持

ト、 ケップから車で20分あれば到

参する必要がある。  ボートは船着き場で手配が可能。船着き場に

まで田んぼの畦道を歩いて5分。お寺に子供がいる

ある LONG VILLA RESTAURANT(ロングビラレス

ので道案内をしてくれる。回りの景色もなかなか良い。

トラン)でも手配業務を行っている。ラビット•ア

*前号まで4,5世紀と表記していましたが、祠堂の保存状態及びリ  ンテルの装飾から7世紀以前には遡れないように思える。

イランド以外の島にもこの島からボートを手配すれば行ける。  簡素だが、島にはバンガローも数件あり、泊まる事ができる。予約は船着き場で可能だ が、ホットシャワーもないのでかなり原始的な滞在を覚悟する必要がある。また、島にはレス

プノン•セダ•アウン /Phnom Sla Ta Aun (Phnom Seda Aun)

トラン、バーが数件有り。 ボート代 : 往復USD$15(11人乗り)バンガロー宿泊代 : USD$10以下(ファン有り、水シャワー有り)

プノン•チュヌックから車で5分程の場所にある石 灰岩の洞窟。洞窟の規模はこちらの方が大きく歩け る範囲も広く、洞窟 内に地元の人の案内無しで入

プレック•アンピル•リゾート / Prek Ampil Resorts

る事 は お 勧 めしない。上を見上げると大きな岩 が 今 にも落ちてきそうに見える。ここにも以前はレン ガ作りの嗣堂があったそうだが、内戦時にポルポト 派によって破壊され た そうだ 。が 、詳しい 事 は 解 っていない。洞窟内にレンガが散乱している。懐中 電灯は必須。

カンポットから車でわずか15分の場所にある海岸 リゾート。海の彼方にはベトナム領のフーコック島 が眺められ、背後にはボコール山が眺められる。 名前 は 未 定 だ が 現 在 バンガローとレストランを建 設中。宿泊料はUSD$50位を予定。オープン予定は2 月中。 ビーチはまだ完全に整備されていないが、今後 注目したい新しいリゾート地だ。

テックチューン動物園 コープレイ / Zoo Of Teok Chhou (Kor Prey)  コープレイは「幻の野生牛」 とも言われ、目撃情報は極めて少ない。1937年にカンボジアで発見された野生牛の新種で、当時の 推定で1000頭余であった。コープレイは、ベトナム・ラオス・カンボジアの国境が接する山岳地帯に生息しているといわれるが、 この 地域は第一次インドシナ戦争、第二次インドシナ戦争(ベトナム戦争)で所謂ホーチミンルートに当り、猛爆が行なわれて生息数は 激減した。現在、推定で100∼300頭ほどのようだ。  コープレイは、乳牛・ホルスタインと同程度の体重だが、見た目は足の長さからスマートな印象を与え、見事 な角を持っている。体色は明るい薄茶でビロードのようなの柔らかさを持つ肌、頭部から顔・首にいたる所や足 の部分は白色がかっている。生活の場は森林内の草地で危険が迫った時は森に逃げ込むようだ。現在、コープレイは国際自然保護連合(IUCN) によって「絶滅危惧種」に指定されているが、プノンペン南郊のプノン・タマウ、カンポットのテックチュ−ンの各動物園で見ることができる。 NOTE: テックチューンの動物園には数多くの鳥類、動物がいたが、写真のように虎は痩せこけていてあきらかに餌が不足していると感じた。入園料     はUSD$3、町から約10分、8kmで道路状況は良く、テックチューンの河原も近いのでちょっとした暇潰しにもなる。ちなみに園内は別料     金を払えばバイク•車でも回れますので体力の無い方にはお勧めです。 Address: Mak Prang Commune, Kampot District, Kampot Province

ボコール国立公園 / Bokor National Park  プノン・ボコールを南端とするダムレイ山脈全体は1993年に国立公園として認定された。南北約47㎞、東西約22㎞に及ぶ広大な範囲の大部分が人跡未踏の 大密林となっている。 カジノや教会等の廃墟ポッポヴィル滝等も見ることができる。入山料は一人US$5。入山は早朝より12時まで。下山は14時から。山頂まで道 はひとつしかありません。山頂のレンジャーステーションに宿泊すれば、 トレッキングコース各種あり。現在ボコール国立公園への車両での入山は禁止となっ ている。周辺で開発工事が行われている為、現地のホテルやゲストハウスで詳細を確認する事をお勧めします。 プノン・ボコール国立公園の生物 【 鳥類 】 249 種を確認 マクジャク、ギンイロヒゴロモ、ネパールワシミズク、チャバネサシバ、アジアヘビウ、コシアオセイロチョウ、チャイロサンショウクイ、ボウシゲラ、オオホンセイインコ、カザノワシ、 ミナミチゴハヤブサ、アオサギ、クロアカヒロハシ

*国際自然保護連合(IUCN)が 2006 年以降に絶滅危惧種に指定。 *レッドリスト

【 哺乳類 】 固有種の確認;34 種とネズミ類 センザンコウ、ツバイ(木トガリネズミ) 、コバナフルーツコウモリ、シタナガフルーツコウモリ、アラコウモリ、キクガシラコウモリ、ブタオザル、ボウシテナガザル、ツキノワグマ、 マレーグマ、キエリテン、インディアンジャコウネコ、パーム シベット、ハクビシン、ビントロング、ベンガルヤマネコ、 アジアゴールデンキャット、マーブルキャット、ヒョウ、トラ、 アジアゾウ、イノシシ、ジャリマメジカ、サンバー(スイロウ) 、 赤キョン、ガウル(野生水牛) 、バンテン(野生牛) 、スマトラ カモシカ、オオリス、タイワンリス、オオジロシマリス、イン ドシナシマリス、マレーヤマアラシ、アジアフサオヤマアラシ、 ネズミ類。

カンポット&ケップ

着でき、お寺に車を止めて洞窟


歳・時・季 乾季の訪れとともに朝から日差しが眩い。11月末から始まる涼季 は、モンスーン(季節風)が向きを変えた証左。風は湿りをなく し、爽やかさが暑さをしのいでくれる。やがて2月、モンスーンの 勢いが衰え始めると乾ききった灼熱の季節(暑季)がやってくる。 「旅をするなら乾季がよい」とガイド・ブックは強調する。確 かに雨季ともなると田舎道は泥濘の道となるか、水没する。奥地 の遺跡探訪は雨季では無理である。が、暑季の移動も過酷である。 舞い上がるラテライトの土埃は密閉された車内にも入り込んでく る。外の景色も白茶けてくる。この季節、収穫を終えた村々では 気だるい時間が流れる。昼時、村を通り過ぎると、人っ子一人見 かけないこともある。犬ですら歩きまわらず、木陰でぐったりし ている。 遠くから音楽が聞こえてきたら祭りである。祭りは祀り、カン ボジアでは、文字通り冠婚葬祭。乾季は、祭りの季節。音楽や拡 声器からの人声、読経と、聞こえてくるのはまちまち。入口の左 右に金銀に塗られたバナナの房を見かければ、結婚式。最近は、ハ ートマークの看板が掲げられる。それ以外は、法事や寺の行事が 多い。また、古くから続く村ではネアック・ター(精霊信仰の零 落した神々・守護神)の祭りも見られる。乾季の単調さは祭りに よってけじめがつくかのようだ。

祝日 1月1日 国際正月 7日 解放の日(虐殺政権に対する勝利記念日) 2月9日 ミァック・ボーチァ(釈迦涅槃日) 3月8日 国際女性の日 4月14~16日 カンボジア正月 (下の絵:模写)

「カンボジア・竹と風の学校」提供

D.A.C.information

メジャーになったD.A.C.!! バンコク、ホーチミンで D.A.C. を Get  創刊 2 周年を迎えた「時空を超えた旅情報誌・D.A.C.」 が、カンボジア以外でも手に入るようになりました。日本 からカンボジアへの旅となれば、中継点はタイ、ベトナム、 なかでもバンコク、ホーチミン経由がほとんど。また、バ ンコク、ホーチミンは在住日本人のメッカ。そこで耳寄り 情報!ー D.A.C. 新刊がバンコク、ホーチミンで手に入るよ うになりました。残部 少ですが、D.A.C. バックナンバー のご要望にもお応えできます。

配布店 バンコク 紀伊国屋書店(伊勢丹6F) 東京堂書店(スクンビット店) 泰文堂(タニヤプラザ1F) DD ブックショップ(スクンビット店) サンブックス(プロンポン店) ブックオブワールド(プロンポン駅内) ホーチミン BOOKAZINE{ドンコイ通り No28}

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− カンポットに暮らして −

水辺便り 第4便 KAMPOTに初めて来てから2年くらい経つが、この町も結構変わ ったように思う。例えば、自転車が減ってバイクがかなり増え た。2年前は学生たちのほとんどが自転車通学だったし、バイク はあっても古いモデルのものしか見当たらなかったが、最近で はほとんどの学生が最新モデルのバイクに乗っているし、自転車 でも高そうなマウンテンバイクを持っていたりする。恥ずかし ながら我が家には中古の自転車が1台あるだけ。なので夫婦二 人で出かける時はもちろん二人乗りになる。西洋人の友達は口 をそろえて‘せめてもう一台買えば?’と言うのだが、私達は 結構これで間に合っているのだから大きなおせわだ。たまに店 を閉めてから夕涼みに川沿いを自転車でえっちらおっちら二人 乗りをしていると、すれ違う全てのクメール人がいちいち振り 返る。外国人なのにボロイ自転車をしかも二人乗りなんてかわ いそ~とか思っているのか、それともなんてロマンティックな。 と思っているのかその辺はよくわからないが、大人から子供ま で振り返る人全てが暖かい笑顔をむけてくれる。 もう一つ変わったことと言えば、女性(特に若い子)のパジャ マ姿が減ったこと。ついこの間まで1日中パジャマ姿でウエイ トレスや店番をしている女の子や買い物に出ているおばちゃん などはどこにでもいたが、最近はそんな格好で外をうろうろし ている人はかなり減った。近頃の若者はみんなデザイナージー ンズのコピーをはいて、ヘアーもスタイリングなどをして洒落 込んでいる。そう言えば、前は着ているものがどうも薄汚れて 見えた気がするが、川沿いで夕涼みをしに来る若者なんかは着

明石カフェのメニューボード、ボードも何だかいい味が出ている。 完全予約制だがマッサージも受け付けている

ているT-シャツも小奇麗だし、学校の制服のシャツも真っ白に 洗ってある。KAMPOTにも昨年の不動産ブームで欧米人に土地や家 を売って一儲けした人が結構いるようだが、そのせいで消費力が 増えたのか、それとも洗濯洗剤の改良によるものなのかはわから ないが、クメール人の身なりがきれいになったのは確かだ。 ところで話しは変わるが、前回(D.A.C.No7)に掲載された牛のジ ャスパーとその家族はなんと突然引っ越してしまった。掲載号を ハイジ(牛飼いの女の子)に渡すチャンスもないまま行ってしま ったのでとても残念だ。ジャスパーとモリーが仲良く並んで草を ムシャムシャ食べているところを見ているだけで疲れも忘れて笑 顔になったくらい毎日のように和ませてもらっていたが、そんな 彼らがいなくなってしまってとても寂しい。この家に来てからい くつかの動物になつかれたが、なぜか名前をつけるとみんな居な くなってしまうのは単なる偶然?

ー明石カフェー 明石 元子


のほほーんカンボジア暮らし

第一話

んなにカンボジアという国に「ゆった〜りのんび〜り」した時間が流れていても、楽しい時 間は気がつけばあっという間に過ぎてしまうものです。そんな 私もカンボジアに暮らし始め て早3年。年甲斐も無くおてんばに過ごして来た。 日々を振り返り、おもしろくて素敵なカンボジアのお話を皆さんにお届けできればと思って います。それではどうぞ気楽にお付合いくださいませ。 さて、今回は私の一番大きな大きなお友達を皆さんにご紹介します。東南アジアと言えば…そう、 「ぞうさん」。世界に誇るアンコール遺跡にもたくさんの彫刻や遺跡に「ぞうさん」の姿が見られ ます。古き時代、王族の乗り物として活躍して来た「ぞうさん」は今はアンコール遺跡内でお客さ んを背中に乗せる仕事に転身。首都プノンペンにはたった1頭だけですが元気に頑張っているぞう さんがいます。彼女が私の「大きなお友達」。名前は『ソンボー』。「繁栄」と言う意味を持つ彼女 は、現在49歳独身。毎日ワット・プノンでお客さんを背中に乗せ、園内を一周する仕事をしてい ます。私ももちろん乗りました。何度も会いに行きました。私の癒し薬。 出勤時間は朝7時。水辺に輝く朝日、コロニアル調の建物、たくさんの白い鳩、王宮の前を歩く 姿は、異空間に紛れ込んだかのように何とも美しく見とれてしまいます。仕事が終わるのは夕方5 時過ぎ。大きな夕日に照らされながらのっしのっしと帰ってゆきます。お祭りの夜のように賑わう 川沿いを歩いていると、果物売りのおばちゃんから大好物のバナナをもらったり、鼻をなでてもらっ たり、大変な人気者です。CMに出た事だってあるんです。運がよければ皆さんもソンボーに会える かもしれません。どうぞそんな時は「ソンボー!」と声をかけてあげて下さいね。ソンボーに代わっ て象使いのおじちゃんが大きく手を振ってくれる事でしょう。 今は一人(一頭?)ぼっちのソンボーにもお姉さんがいました。名前は『ソピアップ』。遠くシェ ムリアップで働いています。10年前314kmの道のりをおじちゃんと一緒に歩いたんですって!夜は道 ばたやお寺で眠り、水たまりや池で水浴びしながら… ぜひ皆さんも「ソンボー」に会いにいって、なが〜い鼻をギュッて抱きしめてあげてくださいね。 はにかむ笑顔のかわいいおじちゃんと一緒に優しく迎えてくれるでしょう。

最近は体調をくずし気味のソンボー。 ちょっと心配 …

ワットプノム園内一周 $5(1~2名)

小宮山 涼子 KHMER ANGKOR FOODS Co.,Ltd

一期一語 <謝罪編> 申し訳ありません

(ソーム・アペイト)

謝るのは電話だけ? カンボジアに暮らしていると間違い電話や不必要な電話が実に 多い。そしてワン切りも日常的。最初は腹立たしかったが、慣れ てくると相手にしないということになる。それに番号でだいたい は判断できる。それというのも電話購入にあたって番号も購入 (SIMカード)するからだ。012、017、097等、電話会社によって いろいろある。値段も会社によって異なる。不思議なのは、購入 時期によって値段が違うのは所謂市場価格(需要―供給)によっ て決まるから解るが、同じ会社で都市によって値段が違うことだ。 さて、きちんとした用事のあるものなら、高い値段の番号を所 持する者が多い。また、所謂ワン切りも少ない。そこで出てみる と間違い電話ということもある。先ず、一方的にかけてきて名前 を言わないものがほとんど。「お名前は?」と訊くと「プツン」 というのが多い。実際、間違い電話で「ご免なさい (ソームト)」と言ってくれるのは皆無にちかい。 カンボジアにも謝罪の言葉はある。「ご免なさい」や「申し訳 ございません (ソームアペイト)」であるが、ちょっ とした行為でのExcuse me(すみません)に当たる言葉は、ほとんど 聞いたことがない。つい最近まで、スーパーやコンビニにカンボ ジア人の横入りは当たり前であったが、近頃は店員さんや外国人 客に注意されるので、順番を待つようになった。それでもやっと 私の番になったと思ったら、どさっと籠を置くおっちゃん、おば ちゃんや化粧品一つを私の買い物の前に置くお姉ちゃんや兄ちゃ んという不心得者がいる。ホテルのトイレに入っていたからといっ て寛げない。ノックする習慣がない。すれ違いざまに肩が触れた りしても、物でも落とさない限り、「ごめんなさい」を聞くことは

稀である。実際、接触事故で声を出すのは被害者で加害者はひた すら無視するか、逃げ出すかしてしまう。 一時、カンボジアで車を運転しようかと思い、カンボジア人の 知人に訊いたことがある。もし、事故を起こしたらどうすればい い。その答を聞いて驚いた。『その時は、逃げてください。』『で も、相手が怪我をしていたらどうするの?』『車から降りないで ください。近くに家族がいたら殴られます。』とのことだった。 事実、大きな事故になればなるほど、当事者の逃亡率は高い。バ スの運転手であっても乗客を置き去りにして遠く国境を越えてし まった者も多い。「安かろう、悪かろう」はディスカウントの横 行する当地では鉄則にちかい。モノだけでなく人も同じ。プノン ペンでは毎日のように交通事故を見かける。「ひでえもんだ。」 と感想をもらすことが多い。バイクと車の接触事故、倒れたバイ クと運転手、ふらふらと立ちあがったところを車から降りてきた 運転手が大声でわめきながらバイクの運転手の胸倉をつかみながら、 引きずり回す。あまりの事に注意すると、やにわに車に戻り逃走 した。どうも高飛車にでるのは、いち早く相手に対して優位に立 とうとするかの如く、相手を思いやったり、「ご免なさい」とで も言うや賠償を請求されてしまう世界なのかと思う。思えば、身内 や親しい人には細やかな心遣いを見せるカンボジア人も一歩外に 出れば、七人の敵がいるかのようである。ちょっとしたことでは 聞かれる「ご免なさい」も大事になると無言となるか、一方的に 言いつのる。そう言えば、*「申し訳ございません」という謝罪の 言葉を電話の音声テープ以外で聞いたことがない。 *カンボジア人の指摘;テレビでも言われるが、一般的ではないとのこと。 造語か?


ムラウー(ミャウー/MRAUK-U) コータウン寺院(Kotaung Temple)内の回廊 1553年、ミンブン王の息子ミンティッカ王により建立。 ムラウーで一番大きな寺院として有名。 「コータウン」は 9 万という意味で、以前は 9 万もの仏像やレ リーフがあったとされる。しかし現存するのは1万を残すのみ。 コータウン寺院の外観は、インドネシア・ボロブドール遺跡に よく似ており、この2つの遺跡の関連性に興味を持つ人も多い。


カンボジア概況 1.国名

カンボジア王国

2.国旗

トンチェイ(旗)でトンチェイ・チェッツ(国旗)と呼ばれる。

3.面積

18 万 1035k ㎡(日本の国土の 1/2 弱)

4.人口

約 1400 万人。人口増加率 1.54。人口密度 75 人 /k ㎡。(2008 年政府統計 ) * 人口の半分以上を 20 歳以下が占める。50 歳以上は 10%前後。

5.首都

プノンペン

6.民族構成

クメール民族(モン・クメール語族)− 約 90%。国土全域に分布。

チャム族(マラヨ・ポリネシア語族 − チャンパ王国の末裔)

先住民 (ラタナキリ)

−トンレサップ・メコン流域に分布。 ●

華人・ベトナム系 − 約6%。都市部に多い。

先住民 − 高原・山地部にモン・クメール語族が散在。

クメール・ルー(高地人)と呼ばれる。 * 東北部のラタナキリにはラオ族や中国国民党末裔の村がある。

クメール族 (左) とチャム族

* クメール民族は、カンボジア国土以外、タイに約 55 万人、ベトナムに  約 50 万人 ( カンプチア・クロームと呼ばれる)、ラオスに数千人が居住。 7.言語 8.宗教

クメール語 仏教(上座部派・南伝仏教)約 95%。 チャム族はイスラム教を信仰、先住民に精霊信仰が残る。

〈 風土 〉 1.地理

・モンスーン(季節風)帯に属し、国土は北緯 10 度∼ 15 度の亜熱帯圏に属する。 (南十字星は、地上からの最高度 15 度ほどに見える。) ・「森の国」と言えるが、平野部が国土の約 40%で人口の 87%が集住する。 ・ 地形上、隣国からの侵略を受け易く、国土は「巾着型」をしており、タイ・べトナム両国から 歴史的侵食が激しかったことを物語っている。 ・水系はトンレサップ、メコンの両水系によって2分され、プノンペンで合流・分岐する。 ( 写真参照: プノンペン付近)トンレサップ湖は東南アジア最大の広さの湖で雨季には、メコン川からトンレサップ 川に流れ込む流量で湖に向かって逆流し、湖の面積を大きく広げる。 (写真参照:トンレサップ湖)

シェムリアップ ( 03:51 - 01JAN2007 ) 南十字星

湖は淡水魚の宝庫で生息種類数は世界一、また、漁獲量は 10kg/10K ㎡で世界一を誇る。トンレサップ 川の水位は最 低1m、最高9mを繰り返し、70 年間ほとんど変わらない。 メコン川は、チベット高原に源を発し、中国・ラオス・カンボジア・ベトナムを通って、南シナ海に入る。 メコン航路はプノンペンまで公海の扱いである。タイ湾に面するシアヌーク・ビルが唯一の外港である。 ・カンボジアの平野部はトンレサップ盆地とメコン・デルタから成り立っている。クメール人の意識では、国土はスロッ ク・スラエ (直訳:水田地域、「田舎・故郷」という意味がある)とスロック・チョムカー(直訳:畑作地域)とに二分 される。メコン・トン レサップ川沿いには氾濫によって堆積する肥沃な粘土質土壌があるが、土は重く、乾季には水がないと耕作不能である。南西部の バッタンバン州に粘土質泥炭土壌があり、規模の大きな耕作が可能である。ここの米が一番 美味しいと人々は言う。が、国土全体 では概して肥沃な土壌は少ない。 ・カンボジア南西部のタイ国境からタイ湾にかけてクラヴァーン山脈、南部にダムレイ山脈(最高峰プノン・アゥラル;1764m)が ある。北西部のタイ国境にドンレク山脈がある。メコン川より東側のラタナキリ、モンドルキリ州には丘陵高原が広がる。 ・1994 年のメコン委員会の人工衛星による調査によれば、森林が 20 年間で 10%減少、洪水埋没林の伐採で 31%(約 110 万 k㎡ ) 減少した。水田は 1985−92 年で約 40 万 k ㎡増加する。一方、その内の 69%が耕作放棄地である。 ・ ポルポト政権(1975−79 年)時の水利事業は、改修に値しないものがほとんどである。 ・クメール人の一般的住居である高床式住居(地面から 2m 程のところに床がある)は 雨季の洪水対策いうより、森で暮らしていた 頃の生活を引き継いだもの、というのが一般的な説である。住居は、居住棟と台所・トイレ等を分離するのが一般的である。

カンボジア国土

プノンペン付近

トンレサップ湖

高床式住居


Cambodia General Information ・ 熱帯モンスーン気候にあたり、雨季(5 ∼ 10 月)と乾季(11 ∼ 4 月)がある。

2.気候

・ 気温:平野部では年平均 27℃前後。最高気温は年中 30℃を 超える。12 月∼ 1 月の数週間は 最低気温 20℃以下になることがある。・同じ田を利用した 2 期作はほとんど見られない。 3.季節と稲作 ・季節を利用した作付けが一般的である。「早生稲」:灌漑設備を持つ乾季作。 「中生、晩生、 晩晩生稲」の雨季作。浮稲等の作付けがある。 ・ 田植え(6∼7月)、稲刈(12 ∼ 2 月)、浮稲は直播で穂だけ刈る。 ・1992−3 年:雨季作 74%、乾季作 19%、浮稲 7%。米はインデイカ品種米で、日本のジャポニカ米と異なる。

〈 産業 〉 1.農業の現状 ・「農民の国」:農村人口は全体の 85%。都市に居住する者も農村からの季節労働者や兼業者が多い。 ・ポルポト政権時代(1975−1979 年):一枚の田に生長の異なる籾を混入させて蒔いて生産量が低下。強制労働、家族 の解体に よって労働意欲の減退、強制徴発の米を武器と引き換えに中国に輸出する等で「飢え」を発生させる。田圃を元の状態に戻すのに 10 年かかった。 ・1998 年、作付け面積、籾生産量、役牛数が 1970 年以前にやっと回復する。 ・ 農家の役牛は水牛や食肉となる牛が一般的である。また、豚、鶏、家鴨等を飼育する。 ・ 農具の種類は江戸期の日本の農家と比較しても驚くほど少ない。アンコール王朝期に見られる無輪犂、2頭引牛車を使用。 脱穀は唐箕や足で踏む跳ね上げ式である。 2.漁業

・トンレサップの漁獲高:年間平均 12 万∼ 14 万トン=網元取分 6 ∼ 7 万トン+家族 5 万トン。 ・ 洪水埋没林に産卵(5 ∼ 11 月)、乾季にエリや網を仕掛け、生長した魚を取る。 ・トンレサップや海岸部で漁業が見られるが、家族主体の小型船。 ・ 漁業従事者の多くが、チャム族、水田のない農民や季節雇用労働者でその多くは貧困層に属する。 ・ベトナム漁民の進出が見られ、地元民との軋轢を生む。

〈 政治 〉 1.政体

立憲君主制

2.元首

ノロドム・シハモニ国王(2004 年 10 月即位)

3.首相

フン・セン

4.国会

二院制

5.政府

2008 年 7 月の総選挙にてフン・セン首相を首班候補とする第一党の人民党が議席を増やし、3 分の2を超える。連立与党のフ ンシンペック党(王党派)は凋落し、野党のサムランシー党は議席を伸ばす。憲法上内閣信任に必要な下院全議席の3分の2 を獲得した人民党であるが、フンシンペック党との連立政権は維持している。選挙をめぐっては、多数の有権者が選挙人名簿に なく、投票できなかった問題が取り沙汰されている。 ・国家予算の1/3を外国からの援助儀で補填。

6.予算

・1993 年 : 予算の 40%近くが国防費、8.3%が教育 *1966 年:予算のうち、国防費 19%、教育 21%。

〈 経済 〉

約 86.2 億ドル − 農林水産:GDP の 29% 工業:GDP の 25%。(2007 年「カンボジア政府資料」より)

1.GDP 2.一人当りの GDP

594ドル / 年 (2007 年「カンボジア政府資料」より)

3.物価上昇率

5.9% (2007 年「カンボジア政府資料」より)

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