ザイリンクス Xcell Journal 日本語版 94号

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X planation : F P G A 1 0 1

入力チャネル当たり 1 つの抵抗と 1 つのキャパシタを使うだけで、 高周波数アナログ入力信号を デジタル化できます。

最新のザイリンクス FPGA 上の LVDS (低電圧差動信号) 入 力を使用して、1 つの抵抗と 1 つのキャパシタだけでアナログ 入力信号をデジタル化できます。 最新世代のザイリンクス デ バイスは数百の LVDS 入力を搭載しているため、理論的には 1 チップの FPGA で数百のアナログ信号をデジタル化すること が可能です。 筆者らのチームは先頃、128 エレメントの超音波リニア アレ イ トランスデューサーの信号出力をデジタル化する手法を調査 中に、帯域制限された入力信号を中心周波数 3.75MHz、分解 能 5 ビットでデジタル化することにより、可能なデザイン空間の 一隅を調べました。この記事では、このデモンストレーション プ ロジェクトについて詳しく説明します。 2009 年にザイリンクスは、最大周波数 1.205kHz の入力 をデジタル化できるアナログ/デジタル コンバーター (ADC) を (外部コンパレータ、1 つの抵抗、1 つのキャパシタと組み合わ せて) インプリメントする LogiCORE™ ソフト IP コアを発表し ました。[1] 外部コンパレータの代わりに FPGA の LVDS 入力を使用し、 デルタ変調器型 ADC アーキテクチャを組み合わせると、より高 周波のアナログ入力信号を 1 つの抵抗と 1 つのキャパシタだけ でデジタル化できます。

ADC のトポロジと実験用プラットフォーム ザイリンクス FPGA の LVDS 入力を使用してインプリメン トされた、1 チャネル デルタ変調器型 ADC [2] のブロック 図を図 1 に示します。この図で、アナログ入力は LVDS_33 非反転バッファの入力を駆動し、入力信号範囲は基本的に 0 ~ 3.3V です。LDVS_33 バッファの 出 力 は 入 力ア ナログ 信号よりもはるかに高いクロック周波数でサンプリングされ、 LVCMOS33 出力バッファと外部 1 次 RC フィルターを介し て、LVDS_33 反転バッファの入力にフィードバックされます。 適切なクロック周波数 (F)、抵抗 (R)、キャパシタンス (C) を選 択すれば、この回路だけでフィードバック信号は入力アナログ信 号に追従します。 例として、図 2 に、F = 240 MHz、R = 2K、C = 47pF の場合の入力信号を黄色 (チャネル 1)、フィードバック信号を青 (チャネル 2) で示します。この図に示した入力信号は、Agilent 33250A ファンクション ジェネレーターで周波数 200MHz、 分解能 12 ビットの任意出力ファンクション機能を使用して生成 したものです。 筆者らが使用した Tektronix DPO 3054 オ シロスコープで計算される入力信号のフーリエ変換は、赤 (チャ ネル M) で示します。これらの周波数では、オシロスコープ プ ローブの入力キャパシタンス (およびグランドに関連する問題) に より、オシロスコープのトレースに示されるフィードバック信号の

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