Russia Now - Japan #12

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AP撮影

寒さを楽しむ人々

かさみ、 液 体ワイパー だ け メ ンス 社 の 資 料 に よ れ ば、

ドイツのボッシュ社やシー

脈﹂となった。

加湿器メーカーにとって﹁金

かかる。 熱 技 術を用いれば、

%ほ

ど暖 房 費 を 節 約できるとい 都 市 化 と と も に 伝 統 は ところ﹁集中暖房﹂が唯一可

う。 にもかかわ ら ず、 今の

過 去のものとなりつつある。 能なモデルであるようだ。

雪 は 道 端 に 寄 せ ら れて、 暖房 まれ、 200 ある融雪施設

・ できた 雪の山 が ダンプに積

日ほど雪が降

管 理 システムで行 わ れてい で家庭に直接運ばれる。

度! が、 愛 用のソ連 時 代の木 製

た若 者たちを楽 々と追いぬ

かなかった。 結 果 を 受 け て メ ド ベー ジェフ大統領は、﹁我々は連 く、 不 本 意 な 結 果に終 わっ 立と超党派連合に向け、 合

らし、 ようやく過 半 数に届

議 席が配 分される5 %に届

現体制に﹁ノー!﹂

各地で抗議の波

ス チック 製 のス キ ー を 履い ることも珍しくない。

暖 房による空 気の乾 燥は、スキ ーを 履いて、 強 化 プラ く︱。こんな 光 景 を 目にす

で、 室温を調整する。

サハ共和国で マイナス

ロシアと聞くと、多くの日本人は寒さを想像し、思わず縮こまる。もっとも、この 国は、一月の平均気温がプラス 度の黒海沿岸の亜熱帯から北極圏まで気候に幅が

分おきに除 雪 車

ある。だが、寒いところは途方もなく寒い。サハ共和国のオイミャコン市では、昨年

大 変で、

マイナス 度の最低気温を記録した。 寒さと除雪

度 ほ ど。 最 低 記 録 は

モスクワでは 冬 は お よ そ の横 隊 が 道 路 を 進 んでいく。でも一日 5 リット ル 分 ほ ど ロシアで現 代 的 な 暖 房 と 断 4 カ 月 続 き、 1 月 と 2 月 一台で一時 間 にお よ そ ス

の 平 均 最 低 気 温 は マイ ナ ロの区間を除雪する。

2 度 だ。

1 9 4 0 年のマイ ナス

とができる。 除 雪 装 置の維

る。 日 本の豪 雪 地 帯に比べ の一つへ運ばれる。 そうした 現 代のロシアでは も う 暖 炉 パイ プラインが 凍 ら ない 月4日に、国家会議︵下 れば 積 雪 量 は ずっと 少 ない 施 設では、一日に3 0 0 ト ︵ペチカ︶の上で脇腹を暖め ように、 温 水はまず発 電 所 院︶選挙が行われ、 与党﹁統 が、一夜で セ ンチ 積 もる ンほ どの雪 を 水に変 えるこ ることはなく、 暖 房は集 中 で温 め られてか ら、 パイ プ 一ロシア﹂は、議席を も減 こともある。 人 々 は、 酷 寒の戸 外へ向

る。

︵﹁ロシアNOW﹂・アレク セイ・クネリツ、モリッツ・ ガッツマン︶

日のモスクワ大 集 会の 参 加 者は、 独 立 系マスコミ た。サンクトペテルブルクの

の推計では3、4万人に上っ 7千人集会など、抗議行動 は全国各地に広がった。 何 が 起 き て い る の か? こ れからどうなるか?

ジャ ー ナ リ ス ト の ド ミ ト

実 験 は 火 星への有 人 飛 行

実験﹁火星500﹂終了

じゃない。 政 権は、 作 戦を

変えて﹃ガス抜き﹄させただ

けで、 何 も 変 わりはしない

だろう﹂と冷めた意見だ。

ジャーナリスト、レオニー

ド・ ラジホフスキ ー 氏 は 対

﹁ 問 題 は、 今 回 の投 票 だ

照的な見方をとる。

けでな く、 現 在の政 治シス

テム 全 体 が﹃ニセモノ﹄ だ

民 のプー チンへの愛 は 冷 め

ということ だ。 明 らかに国

や 人 気 回 復の手 だてはない。

てし まった が、 彼 には も は

彼 が 作ったシステム は、 お

そらく今 後6 年 間で崩れて

の任期になるだろう﹂︵コメ

いく。これが プー チン最 後

今 後のシナリオは、 来 年

ルサント紙︶。

指 すプーチン氏を頂 点とす

3 月に大 統 領 返り咲きを目

る政権・与党が、 民意を取

われ、与党﹁統一ロシア﹂の得

国家会議︵下院︶選挙が行

下院選挙と抗議運動

雄 介︶

り 戻 せる か ど う かにか かっ 党がオール与 党 化して以 来、 独立系の経済専門テレビ リー・ グルホフスキー氏は、 ている。   局 R B Cによれば、 作 家、 ﹁あれは 野 党の勝 利 な んか ︵﹁ロシア N O W ﹂・ 佐 藤 数万人規模の反政権集会は

初めてのことだ。

ロシア十大ニュース

プーチン大統領時代に政

『デモの惑星』  12月24日に選挙結果に抗 議すべく再び飛来か。

度 を 下 回った 昨 冬で

する兆しも見せている。

たにもかかわらず、インター チェン分 離 独 立 派 武 装 勢 力 弊紙﹃ロシアNOW﹄ ネットには、 予 め 投 票 箱に のド ク・ ウマロフが 犯 行 声       日本語版創刊! 目 的 は、 隣 国ロシアで今 明を出した。 同 空 港の到 着

票の束 が 入っていた り、 与

64

イリア・ワルラーモフ 撮影

信 仰を目の当たりにで

聖 母マリアが 身につ のなかに保 たれていた

49

都市で公開

ソ連 時 代の無 神 論に

月の 日間、モス きた﹂と喜んだ。

キリル総主教は﹁民衆

﹃ 奇 跡 ﹄ を 待つし か な

︵ニュース・ルー︶

は 教 会 関 係 者 も 驚 き、 ている。

前代未聞の大行列に いのでしょう﹂と分析し

るという。

安産などのご利益があ 安な状況では、 人々は

保管されており、 子宝、られずしかも先行き不

シャ北 部 ︶の修 道 院で 批判的です。 何も信じ

の聖 地アトス山︵ギリ らず、 教会にも極めて

とされる ギ リシャ正 教 国家も役人も信じてお

帯は、 聖母が訪れた 究所︶は﹁人々はもはや

なった。

デ ミ ー・ヨーロッパ研

時間待ちの大行列と ルンキン氏︵科 学アカ

の長さに達し、 最 高で だが、宗教学者ロマン・

者の列は一時4・5キロ のが教会関係者の見方

拝 観 し た。 拝 観 希 望 たれていた 証、 という

され、約100万人が もかかわらず信仰が保

クワなど

けたとされる帯が、

「聖母の帯」拝観に約 100 万人

ナス

さえ大 きな事 故は起こらな

月 日

用は約500億円。

10

起 きていることを 日 本の読

フ監督の﹃ファウスト﹄ に 金獅子賞          第 回 ベネツィア国 際 映 画祭で、﹁観た者すべてを永 久に変える映画﹂との評価に

響 が 戻った ほ か、 ステ ー ジ

人と乗 員8 人を乗

ヤロスラブリ市の空 港で、 欧 州 最 大となった。 改 修 費 選手

15 40

者にもっと知ってもらうこと。 アレクサンドル・ソクーロ 月 日

遊覧船﹁ブルガリア﹂号 沈没事故          惨 事 はタタルスタン共 和 450のうち23 8 ︵前回

ボリショイ劇場復活! 6 年に及 ぶ改 修工 事の後、 オペラとバレエの殿堂の本館 アイスホッケーチーム ﹁ロコモ

も m × m に拡 大されて

が 復 活。 かつての抜 群の音 チフ﹂ のチャーター機が墜落

月 日

理が指摘された。

するなど、 ずさんな安 全 管

9 人を次 々に殺 傷した事 件。 ンジンが故 障 したまま 出 航

タ イ ム 制 が 廃 止。 この 日、 ロシア人 は、 時 計の針 を 1

月 日

蒸し風呂は、 高温︵ 特徴。

れば、 それは逆 効 果となり

1 0 0 度︶で高 湿 度なのが

内 務 省 職 員による一般 市

68

雪 が降 り始 めると、 市の 持 費として市は年 間 約

モスクワ郊外に住む小学生女子マリアナ・ナウモワさん (12)は、11月にラトビア共和国で行われたWPC世界ベン チプレス選手権大会で、67.5、70、72.5 、75キロを立て続けに 挙げて優勝した。 これらはいずれも13−15歳クラスの世界記 録。 末恐ろしい。 (ロシア通信)

79

11

10

28

凍った 湖では、 日 頃の慌

た だ しさを 逃 れてきたロシ % ︵同 ・6%︶で 議 アの男たちの姿が見られる。 席、 今回、 反政権の立場を

5 千∼7 千人が都心で抗議 集会を開き、 不正選挙を糾

1 9 1 7 年 以 来のサマー

彼 ら は、 防 寒 着 に 身 を 包 打 ち 出 し た ﹁ 公 正 ロ シ ア ﹂ は か えって有 権 者の信 頼 を 失 事態を受け、 内務省を改革 み、 砕 氷 具で氷に穴を開 け ・ %︵同7・7%︶で うと 政 権・ 与 党 は 思い知っ する警察法が採択。 ると、 魚が冬 眠から目 覚め 議 席 、 極 右 、 自 由 民 主 党 は た でしょう﹂とイリーナ・ハ て 餌 に食いつくのを 待 ち な ・ %︵同8・1%︶で カマダ元下院副議長は言う。 月 日 センチの穴の 議席と、それぞれ大幅増だっ 選 挙 翌 日 の 日 に は、 サマータイムよ、さらば た。 西欧型民主主義を目指

9

11

す﹁ヤブロコ﹂は3 ・ %で、 弾。

21

2

10

21

が ら、 直 径

前に何時間も座っている。 森 や野 原ではスキーを 楽 しむ人が多い。 年 金 生 活 者

7 37

7

円を支出している。

モスクワを季節ごとにライトアップ

氷点下 度で水浴 た。 追い討 ちをかけるよ う 意 していかな ければな らな ロシ ア 正 教 徒 が イエス・ に、 不 正 選 挙に抗 議 する集 いだ ろ う﹂ と 語った が、 問

ペトロパブロフスク聖堂の尖塔から謎の             スカイダイビング 9

24

1

27

インタビュー けて窓 を 開 け 閉 めすること

4

ニュースブリーフ

しっかり擦って暖かく着こむ % 与 党 ﹁ 統 一 ロ シ ア ﹂ が ・ B B C の 報 道 に よ る と 、 月 日 か、 もっといいのは、 蒸 し ︵ 前 回 ・ 3 %︶ と % を ﹁ 地 方 事 務 所 は 我 々に、 大 風 呂へ行 くこと。ロシアの 割り込み、 獲得議席は定数 規模な違反・不正行為を証 ﹁警察﹂法の採択 49

かった。 万一に 備 えて 救 護 ﹁統一ロシア﹂ 5割取れず 党の運動員が複数回投票し ロビーには、 金 属 探 知 機 を 班が常に待機しているのだ。 全 国の投 票 率は ・2% た り と いった 映 像 が 流 れ、 通 過せずに出 入 りできるな 三 度 浸 かった ら、 身 体 を ︵前回 ・8%︶ 。 得票率は、 市民の抗議の波が広がった。 どの欠陥があった。 60

1

3

2011(平成23年)12月20日(火曜日) Distributed with The Yomiuri Shimbun ド ライバーも冬は出 費 が

を 想 定 した もの。ロシア人

12

摘。

拠 立てる何 千 件にもおよぶ

10

5

3 15︶と、 辛くも過半数 電話をかけてきた﹂と、イワ 民に対する犯罪が相次いだ。 国のボルガ川で起 きた。 定 より、 満場一致で選ばれた。 を確保するにとどまった。 ン・メー リニコフ共 産 党 副 最大の衝撃は、 2009 年 員1 40 人を大幅に上回る 映 画は文 豪 ゲーテの悲 劇の 4月モスクワで、デニス・エ 2 0 1 人 が 乗ってお り、 救 ﹁自由な解釈﹂。 野 党 は、 共 産 党 が ・ 議長は語った。 ﹁ 選 挙 結 果 を か さ 上 げ す フシュコフ少佐がピストルで 助 されたのは 人。 左 側エ

度∼

7

2

63

64

13

公益事業局除雪車が出動す る。 長いこと 降 りし きると

ロシア通信撮影

4

中に「弱肉強食」の世界に飛び込む愚を指

題 はこれだ けでは 終 わ らな

11 月 20 日、正体不明の2人組が、サンクトペテルブルク の名所、ペトロパブロフスク聖堂のてっぺんの天使像によじ 登り、122mの高さからパラシュートで見事なダイビング を演じて見せた。  尖塔は、普段は立ち入り禁止で、厳重に鍵がかかっている。  聖堂の届け出を受けた市警察は「実被害は出ていないし、 スカイダイビングは犯罪ではない」 と静観の構え。 (国営テレビ 「第1チャンネル」 ・ミハイル・アキンチェンコ)

44 42

を促すと言う。反対論者は、 不景気の最 かった。

21

決まったが、議論はやまない。賛成論者は、

キリストの洗 礼を祝 う1 月 会が選挙直後から全国各地 日は、﹁セイウチ﹂にとっ で開かれ、 月 日の土 曜

WWW.ROSHIANOW.JP

右)が優勝、前年の優勝者ダリ ア・コノバロワさん(同左)の祝 福を受けた。ナタリアさんは国 立財政金融大学の大学院生で、 昨年度 「ミス・モスクワ」 。

11 月 30 日、モスクワのホテ ルで、 「クラサー・ロシイ(ロシ ア美人) 2011」 コンテストの ファイナルが行われ、ナタリア・ ペレベルゼワさん(23) (写真

怪力少女!

今年の「ロシア美人」

マツダはロシアのソラーズ(Sollers)社と、ウラジオストク市 における合弁生産拠点の設立に向けた協議を開始することで 合意した。  マツダのロシア国内市場向けとなる一部車種の生産を検 討する。(マツダ・ホームページ)

6

ロシアの「世界貿易機関」加盟が事実上 10

マツダ、露ソラーズ社と合弁生産会社設立の 協議開始へ 37

20

ウシャーンカ:下にさがる耳蓋い(名前の由 来は、耳 〔ウーシ〕)のついたこの帽子は、ま さにロシア人のシンボル。人造毛皮製から クロテンの毛 皮を使った豪華なものまで 色々。

4面

3 名 の ほ か、 仏、 伊、 中 票 率は ・ %︵ 前 回 ・ ていちばん 大 切 な日 だ。 彼 日にモスクワで開 かれた 集 月 日 時 間 進 めて夏 時 間にし、 冬 せた旅 客 機ヤク が、 離 陸 の各 1 名 から成るクルーは、3%︶と大幅減、議席数は辛 らは、 氷に開 けた穴で定 期 会は 万 千人︵警察発表︶ ﹁不正選挙﹂ ネットで暴露 直 後に墜 落し、 人が死 亡。 約 5 5 0 ㎥の 宇 宙 船 を 模 くも過半数を維持。 的に水 浴 することで、 身 体 規 模にふ くれ 上 がった。 デ ウ ラ ジー ミ ル・ チュロフ 中 ドモジェドボ空港爆破事件 が来てももう戻さない。 自 爆 テロで 人 が 死 亡、 選挙の不正に対する市民の ロコモ チフは 北 米 リ ー グと し た 空 間 で、 5 2 0 日 間 を鍛 え健 康を増 進させられ モ主 催 者はさらなる集 会を 央選挙管理委員長が﹁投票 月 日 並 ぶコンチ ネ ンタル・ ホッ を 過 ご し た。 食 事 も 宇 宙 抗議行動が広がった。 ると信じている。 予 告しており、 政 権の足 元 に不正はなかった﹂と請合っ 2 0 0 人 以 上 が負 傷。 チェ ︵ ﹁ロシアN OW﹂・アレク ケー・リーグ︵KHL︶に属 食のみ。 幸い、 首 都の気 温 がマイ を 揺 さ ぶ る 大 衆 運 動 に 発 展 サンドラ・バズデンコワ︶ し、3度優勝している。

12

11

ワーレンキ:羊毛のフェルト製の長靴。マイ ナス 30 度以下の寒さをものともしないが 水気を通してしまうので、オーバーシューズ が併用される。ロシアでは年間 450 万足製 造されている。

対論

ロシアの WTO 加盟 その可否を問う

大きな世界を発見できる

英語版

3面

ロシア中流家庭の現実 ある若夫婦を密着取材 20

Russia Beyond the Headlines 制作

iPAD のための新しい無料アプリ

19

10

オピ ニ オン ( 2 面 ) 2

11

北極への旅

モスクワ中心部のイルミネーションを季節ごとに変えること が決まった。2012年末までに約420億円かけて、L ED照明を数十万個、都心の通りと建物に設置する。   『モスクワ銀座』 のトベルスカヤ通りでは、冬は青、水色、白、 春は黄と緑、夏は赤、秋は薄紫という具合で、場所によって は、建物に動画を投影したり、絶えず色合いを変化させたり する。(イズベスチア紙)

3

10

ワーレシキ:このミトンの手袋はワリャーグ 人 (スウェーデン・バイキング)によってロシ アへ伝来したもので、名前もそこから来て いる。保温にすぐれ、おばあちゃんたちは 孫たちにせっせとそれを編んでいる。

5

12

12

40

いでたち:厳寒への備え

3面

新しい隙間ビジネス 酒類の夜間宅配 20

26

3

92 19

64

15

72

ドミトリー・コワレー ニンさん は 村 上 春 樹 の 長 編 小 説 5 作を露 訳し て おり、 原 作 者 の 信 頼 も厚 い。 村 上との 出 会 い、 ロシアで の 人 気 の 秘密などを聞いた。

ヤマル号はロシアの 誇る巨大原子力砕氷船。 1992年竣工。2基の 原子炉を備え、5年ま で稼動できる。最高で 厚さ9mの氷を砕いた こともある。

原子力砕氷船ヤマル号

2011年

80

80

50

4

56

42

保護主義では産業は救えず、加盟が改革 77

72

50

下院選

12

ロシアの冬 10


対論

申請から

元ロシア連邦経済相    アンドレイ・ネチャーエフ

正式メンバーへ

世界経済の

年、 ロ シ

アのWTO︵世界貿易機 月

関︶加盟がようやく実現 することになった。 日∼ 日に開催される 第8 回W TO 閣僚会議 において承認される見通 しだ。

済政策は他にない。 今や 策 と か、 外 国 か ら の 投 資

なプリミティブな関税政

事実上輸入を禁じるよう たが。

救い出すことはできなかっ

産業を昏睡に近い状態から

強い指導者求めつつ懐疑的

者は2つあると言う。

利益はあるのか? 加盟支持

の多 数の国 を 見 れば一目 瞭

シャをはじ め、 南 欧 と 東 欧

危 機 状 況の組 織に

中 国 で、 事 実 上 非 市 場 的 な

然である。 わざわざ経 済 的

為替レートをうまく維持す

まず第一に、 消 費 者 すな

なれば、 徐々に価格が下が

市 場の競 争がもっと激しく

はなにがしかの可 能 性 を 得

それでもやはり民 間 企 業

ダメにするとは。

争﹂ を演じ、 自 国の産 業を

わ ち一般 国 民 が 得 を する。 に困難なときに﹁開かれた競

加盟交渉の最終段階でロ   シアに提示された要求は決

り、品質は向上するから。

るかもしれない。とはいえ、

加盟急ぐ は愚の骨頂

し て 厳 し い も の で は な い。

第二に、 国内の生産者が

ることができた。

例えば、農業への補助金だ。

得をする。 国内メーカーが

のそれより高い。

先ごろIMF︵国際通貨 基金︶の新専務理事クリス

期待するのはおかしい。

りに、 片 足 だけを、 それも 企業が現代化せずに倒産す 一部を切り取るだけだ、と。 るとしたら、 市 場に空いた

ムのル ー ルが ないのは、 W

分であり、明確で透明なゲー

ロシアに公 正 な 競 争 が不 十

自分を欺いてはならない。

穴を外国の投資家が喜んで

ではない。ロシアに﹁官僚資

T Oに加 盟 していないた め

利用しにやってくるだろう。

経済評論家   アレクサンドル・プリバーロフ

ロシアの脆 弱 な 産 業の輸 出

許 容 レ ベ ル は、 今 の ロ シ ア

モダニゼーション ︵現代化︶を

た か らといって、 大 成 功 を

を阻む制 限をぜんぶ撤 廃し

件で﹂ W T Oに加 盟 する点 行うためには、﹁競争という を 強 調 し 始 め た。つま り、 刺激のみが足りなかった﹂の 両 足 を 根こそ ぎにする代 わ だから。だが、もしどこかの

に必要なものだ。それなく ティーヌ・ ラガルド 氏 がモ し て は、 イ ノ ベ ー シ ョ ン、 スクワを訪れ、W TO︵世 界 貿 易 機 関︶ 加 盟のマラソ

が加盟しても、 大きな経済

外市場への進出などは、い ン交渉終結を﹁祝福﹂しつつ、 つ ま で も 空 論 の 域 を 出 な こう述べた。﹁私は、ロシア 速やかな利益なし い。

的メリットがあるかどうか

的 所 有 権 を 含 む ︶ の 保 護、

なるほ ど、 その通 りであ る。 加 盟による 損 失 は、ロ 長期的利益もなし

くな らない。 キルギス共 和

ロシアが、 W T O その他

めだ。

本主義﹂がはびこっているた

シアが

加盟し改革断行を! 確信がもてません。 貴国は

れない。それは、所有権︵知

現 代 化、 ハ イ テ ク 製 品 の 国

知 的 所 有 権 の 保 護 は 、W 加 盟の可 否についての   議論ほど、 長期にわたっ   W T O に 加 盟 す れ ば、 る そ の 類 の 手 段 の 行 使 を TO との大きな争点だった 外 国 車 に 高 関 税 を 課 し て も っ て し て も、 わ が 自 動 車 が、 ロ シ ア に は 空 気 の よ う

賛否両論の間に培われた や輸入を行政上の措置で

て注 目 を 集 め 続 けた 経

感情的対立を極力排し 直接統制するといった手

ロシアの政治の異質性

競争を人為的に制限して   も、 好 ま し い 投 資 環 境 は 創

て、 加 盟のプラス面とマ

も っ と も、 長 年 に わ た

段はとれなくなる。

イナス面を冷静に整理し てみる時だ。

ガス、 石油などの原材料を

前に加 盟 していた 場 合 より は、 もう何度も挙げられて も は る か に 少 ない だ ろ う。 きたので、ここでは 次の点 だけを指摘しておこう。

W T O 加 盟 反 対の根 拠

司 法 権 力 の 独 立、 恐 喝 ま が

大量に輸出し、製品を輸入

年 前 あるいは5 年

ち な み に 、W T O 加 盟 に いの収税の仕方をやめるこ   よ る 当 座 の 利 益 は、 さ ほ ど

のどんな国 際 組 織に加 盟し

と、 企 業 や 市 民 に 対 す る 官

だが、ロシア経済の﹁損傷面

しているのですから﹂。

たとしても、 その原 因 はな

僚 主 義 の 壁 の 抜 本 的 除 去、 大きくはない。

それなら彼女は何を祝福

国はW T Oに加 盟して

の赤字削減から入っており、需要回復

ダーウィン的な弱 肉 強 食 積﹂が小さくなったのは、ロ シア側の交 渉 者の粘 り 腰の は強者に有利であり、 自由

にもなるが、 そんなに透 明

が最初から見込めないというのだ。

貿易は経済の﹁強者﹂に有利

︵﹁エキスパート﹂誌︶

らに被ることになろう。

いが、 著 しい損 失 をいた ず

破 局 的ではないかもしれな

ロシ ア は W T O 加 盟 で、

度が増しただろうか?

お か げ ばかりではない。 経

だから、新たな経済危機

済の多 数の部 門が、 W T O であることは歴 史が示して なしでも、この間に少しずつ いる。 潰 れていき、 危 機 がそれに

の波を前にW TOに加盟す 追い打ちをかけたからだ。 損 失は法 外には多 くない るのは愚の骨 頂 だ。 経 済の としても、 速 やかな 利 益 も 弱い国を拙速に統合する巨 ない。 では、 速 や かでない 大なリスクは、 今日のギリ

波」が来るにしても、時期は先延ばし

は、 その地 理 的 位 置 ゆえに

間 輸 送 回 廊としての可 能 性

主 な 問 題の一つと なる だ ろ は、 まだ十 分 利 用されては

学術機関相互の協力を新た

イノベーションセ ンター、

うすべきか?

に連 携 していくた めには ど

実業界、 国家が最も効率的

進 し てい く う えで、 学 界、

新 技 術の研 究、 開 発を推

物 流の発 展 が ある。ロシア る機会でもある。

される。 だが、EUでは、 まず国家予算

専門家たちの交流、移動、

どうすべきか?

通 過の際の出 費 や 時 間のロ な レベルに引 き 上 げるには

官 民 が 連 携 しつつ、 国 境

と してロシアは、 ア ジア 太

APE C 地 域の役割は極め

う。 そ して、この方 面での いない。 う。

せようとしているので、いずれ「第2の

た問 題が重 要 性を増してい

いかに知 的 所 有 権を保 護

現 代 化︶を実 現 する︱。こ べきか?

協 力 はま だよ うやく 始 まっ ば、 港湾、 空 港、 輸 送路の 移 住を促 進 するにはどうす

ンフラ・プロジェクト︵例え

ところが、この地 域では、 スを縮 小 する、 大 規 模なイ

その際には、 C I S︵ 独 て大きい。 立国家共同体︶ でロシアが進

る 「ドルを刷りまくって」需要を回復さ

AP E C 首 脳 会 議は、こ

優 先 分 野 と し て、 地 域 の のテーマを 大 きく 取 り 上 げ

寄稿︶

︵﹁ロシアNOW﹂への特別

すます重要になりつつある。

アの近 隣 諸 国 にとっても ま

れるものと私 た ちは期 待 し は、ロシアのみ な ら ず ア ジ

減 らすのか? この種の問 題

間、 そしてウラジオスト ク し、 無 許 可 複 製 品の流 通を

たばかりだ。 食 料 価 格の変

また、この地 域 お よ び 世

考慮すべきである。

率 向 上のために各 国の取 り

くする、 主 要 農 作 物の収 穫 でのサ ミットの場で 協 議 さ

輸 送に際 しての損 失 を 少 な

び地域の経済統合だ。 貿易

る。

東京都・女性

日露友好のために

ロールする 特 別の責 任 があ ることは明らかだ。さらに、 の地域全体のイノベーション

経 済 発 展 を 適 切 にコ ン ト

経 済 の大 半 を 占 めて お り、 組みを調整する︱。こういっ ている。

APEC諸国は、 今世界

だろう。

止についても 議 論 が 集 まる

動を縮 小 する、 農 業 製 品の うした 問 題 が、 向こう一年 課題だが、 来年は、 APE

自 由 化の問 題は主に当 面の 界での金 融・ 経 済 危 機の防

貿 易と投 資の自 由 化、 およ

そ う し た 分 野 の一つ は、 めている 統 合 プロセスを も この分 野にお ける多 面 的 な

ならない。

関 係 を 発 展 させていかねば

重要な分野で多面的な協力

平 洋 地 域において、 自 国に に議 題 を 絞るのが適 当 だろ

世 紀の世 界 政 治にとって

ある。この問題はおそらく、 と なっている が、 その 大 陸

は、 食 料 安 全 保 障の強 化で アジアと欧 州の間の中 継 国

も う一つ優 先 さ れる 分 野

食料安全保障での連携

ディングの可能性が高いとの指摘もあ

反ダンピング措置や輸入   枠 の 設 定 な ど の 措 置 で、 自

する用意があると、 国際社

するというのか? ﹁ロシア   がWTOの要求基準に合致

がある。WTO自体が深刻

多面的協力関係を推進 では速やかな損失は?   それは皆が危 惧している

米国よりも欧州のほうがハードラン

汚職の減少などによってこ 国の輸出業者に対する他国

な危 機にあるからだ。一向

に﹁速やかな利益﹂がないこ

よりも少ないだろう。 熱狂

Cの経 済 統 合の長 期 的 展 望

APEC議長国として

ほとんどすべての国が同機

的 加 盟 論 者たちは、ロシア

ロシアは、 2 0 1 2 年

の様子を報じている。

そ創出できるのだ。 の制限に対抗できるように

なるが、それは、たかだか 会全体に対して明確で力強 億ドル︵1950 ∼ いシグナルを送ったこと﹂だ ∼

W T O に 加 盟 す れ ば、 輸 益をもたらすにすぎない。   W TO 加盟で肝要なこと 入品との競争は激しくなる   は、 同 機 関 が さ か ん に 取 り

に埒 が明 かないド ーハ・ ラ

盟国のそれに匹敵するのも

とをあっさり認めている。

関への加盟を目指している

が﹁事実上自ら主張する条

月のA P E C︵アジア太 平

模 索し、 民 心をまとめなが

最近の論調をひろってみた。

だ が、 我 々 は ま だ そ れ ら   の実現にはほど遠いことを 自覚しなければならない。

保護主義で救えぬ国内産業

組んでいる世界経済と国際

﹁ W T O の要 求 基 準への

と言う。

部の国内メーカーは得をす

貿易の共通のルールづくり

加 盟 支 持 者たちも、ロシア

ウンド が その証 拠 で あ る。

3 1 20 億 円 ︶ の 直 接 的 利

る。 同 時 に、 輸 出 や 外 国 の

に参加する道が開けること

偶然ではない。

合致﹂については議論の余地

対ロ直接投資の状況が改善

だ。 加 盟 国 の 数 が、 国 連 加

が、 そ の 代 わ り 消 費 者 や 一

される。 周 知 の 通 り、 国 内 市 場 を   統 制 し 保 護 す る 手 段 は、 関

ことも同様である。

沌状態を安定させ、 BRI

そ し て 、W T O を 脱 退 す 税・ 非 関 税 障 壁 だ け で は な   る 国 が 一 つ も な く、 世 界 の

だしている。典型的な例は ︵﹁イトーギ﹂誌︶

Cs の一翼 を 担 う までに経

い。

リーダーは、 強 力な権 力を る。 現 在でも行 政・ 企 業 関

て いW T O と 妥 協 点 を 見 い

係 者による汚 職は日 常 的な

洋経済協力︶で議長国を務

国内市場の追加的保護を   必 要 と み な す 国 々 は、 た い

持たない限り国を取りまと

済 成 長を実 現したことに対

める。これを一つのきっかけ

ものなので、強いリーダーを

チン与 党が大 幅に議 席を減

しかし、先の下院選でプー

してだ。

めることはできない。 強 力

な権力とは、軍・警察・司法・ 求 めると同 時に強い懐 疑 心 行 政・ 金 融・ 企 業・マスコ も持っている。 ロシア人のこの葛藤との対

ミ・宗教に加えてマフィアを

ダーを求める転 換 期を迎え

代にふさわ しい新 しいリー

らしたことは、ロシア人が時 大きく社 会 構 造を変える

会社経営の難しさだ。

も統制できる力を意味する。 峙が、ロシアでの政治および すなわち絶対君主だ。 こ う し た 背 景 か らロシア

ら国 造りを推し進 められる

る。 米国では量的緩和を行い、いわゆ

写真担当 アンドレイ・ザイツェフAndrey Zaitsev 写真 ニコライ・コロリョフNikolay Korolyov インフォグラフィック ニヤーズ・カリモフNiyas Karimov 電子版編集 プローホル・コロソフProhor Kolosov ユーリア・ゴーリコワJulia Golikova 広告

た結果だと私は見ている。 間が必 要 だ。 新 興 国ではな

まさにこうしたリーダーの一 ル元 首 相の長 期 政 権 下で国

リー ダー だ。 プー チン、 メ

テレビでは連日、 ギリシャのデモなど

編集兼発行 ユージン・アボフEugene Abov 編集 アレクサンドラ・バズデンコワAleksandra Bazdenkova 編成担当 ミラ・ドモガツカヤMilla Domogatskaya レイアウト イリーナ・パブロワIrina Pavlova ゲスト編集者 佐藤雄亮 サブ編集者 浜崎紘一

人 は、 明 確 な 権 力 を 持 ち、 には強いリーダーシップと時 実 力もあり、 部 下の面 倒 見

お さ ら だ。 かつて私 が 駐 在 ロー バルな 視 点 か ら 新 しい

力を飛 躍 的に伸ばした。 近

本の政 治 は 鎖 国 時 代に戻っ

がついた。 海 外 か ら 見 る日

アレクサンドル・ゴルベンコAleksander Gorbenko パーベル・ネゴイツァPavel Negoitsa ブラジスラフ・フローニンVladislav Fronin

新 しいリー ダーとは、 グ のよいリー ダーを 求 める 傾

代 国 家を目 指した明 治の日

大 切 なことは、 ど ち らも

この原 稿 を 書 きながら気 世 界の情 勢をにらみ諸 外 国

編集スタッフ

行 政 官・ 文 化 人、 底 辺には 圧 倒 的 多 数の農 奴・ 民 衆、 という 明 確 な ヒエラル キ ー

人 だ。 彼 が政 権 を 握った 時

要請に応えられるか否かが、

ドベージェフが、この時代の

向が強い。 プーチン首相は、 したマレーシアは、 マハティー ロシアという 国のあ り 方 を

の国 情を考 えると、 絶 対 君

出 身の限 られたリーダー達

ロシア人の葛藤

年 前 にソ による総 理 大 臣 職 持 ち回り

今問われている。

主的リーダーが必要だった。 本も、 政府は長州・薩摩藩 一方、 わ ず か

序の喪 失 を 経 験 したロシア

連 崩 壊という国 家と社 会 秩 の独裁政権体制だった。 人は、 基 本 的に政 府・ 行 政

民 心をまとめながら国 造り こそ、 国 際 的 な ビジネスセ 経営手腕に国家経営を委ね

ンスを持つ新しいリーダーの

疑 心 は、一般 企 業に対 して

に対 して懐 疑 的 だ。この懐 への牽制・交渉を繰り広げ、 たかのよ うに見 える。 日 本

こ れ ま での 絶 対 君 主 的

を推し進めたことだ。 要 は、 ピ ラ ミッド 組 織の

も向けられている。

私と夫は今まで、ロ シアと日本の友好の ために仕事をしてき ましたが、なかなか思 うようにいかず、いろ いろと困っておりま す。日本にはロシアと の友好のために力を 尽くしている人は何 人もいますが、皆、な かなか成果が上がら ないということにつ いては同じように苦 労 し て お り ま す。﹁ ロ シアNOW﹂紙が、私 たちのような日露友 好に携わる者たちの 味方になって下さる ことも期待していま す。

も「ロシア NOW」または「ロシア新聞」の見解と同一ではありません。

プーチン首相が次期大統 領 選 に 出 馬 を 表 明、 同 時 に次 期 首 相 候 補にメドベー

問 題は、 労 働 者による労

世紀の社会構造温存

うな状況だったが。

紀 までは、 どの国 も同 じよ

ジェフ 大 統 領 を 指 名 し た。 が 存 在 した。 もっとも 一部外国メディアに、﹁プー チンの独 裁 体 制 継 続! 民   主主義の冒瀆だ、けしから ん!﹂ 的な論調が見受けら

史 的 ヒエラルキーを、 共 産

たソビエト 連 邦 が、この歴

れ た が、 こ う し た 見 解 は、 働 者のための国 家を目 指し ロシアの政 治・ 社 会の実 情 をよく理 解 していない、 と

世紀末 まで 温 存 してし まったこと

党 独 裁 体 制の下で

そこで最 終 回 は、ロシア

私は思う。

だ。共産党が絶対君主に取っ て代 わった だ けで、 基 本 的 な 社 会 構 造は変 わ らなかっ

プーチン=メドベージェフ双

る風刺などは、様々な意見、主張を幅広くご紹介するために選ばれたものです。必ずし

18

の政治についての異質性につ いて述べてみたい。 ロシアのどの時代において も、強力な権力を握る絶対

上 層 部にいる人 間はみな 信

頭 政 権に対 する評 価は、 混 ている。 ︵終わり︶

ざるを得ない転 換 期を迎 え 用できないという 見 方であ

本紙に掲載された「オピニオン」面の意見や読者からの投書、ゲスト・コラム、漫画によ

17

たのである。    故 に 現 在 で もこの 国 の

Copyright 2011, ZAO «Rossiyskaya Gazeta». All rights reserved.

であることもあり、 とくに関心が高い。

欧州各国の中央銀行は、EU が崩壊した場合 の活路を探し求めている。今のところ、検討さ れている選択肢は、万一に備えての予備的なも のだが…。  金融グループ BNP パリバの CIS (独立国家共同 体)担当主任エコノミスト、ユーリア・ツェプリャ エワ氏はこう言う。 「これは最悪の事態に備えて、 ということでしょう。そんな事態はあまり起こり そうもありませんが、でも、その公算は高まっ ています。欧州の金融当局が思い切った対応を していないからです。いずれにせよ、ユーロ圏 崩壊の可能性はごく小さいので、速やかな対応 が求められる重要な課題に専心したほうがいい でしょう」 。  通信社「フィンマーケット」のアナリスト、アン ドレイ・ルスニコフ氏によれば、もしユーロ圏が 崩壊すれば、新通貨への移行を伴う一連の問 題が生じる。   「その場合、すべての国が自分の銀行システム を支えようとしますから、取引の決済に困難が 生じるでしょう。とはいえ、それは、今のところ、 99%の確率で、X デーの場合の選択肢ですが」 。

ロシアでは、石油、 ガスのお得意様

ドイツは厳格な緊縮政策を主張している。そ れに従えば、ルールに違反する国は自動的に ユーロ圏から排除される。例えば、予算の赤字 の許容限度を3%に設定するよう提案してるが、 フランスの赤字は7%、南欧では 10%近い。   「世界政治におけるロシア」誌編集長、フョー ドル・ルキヤノフ氏は、独立系ラジオ局「エコー・ モスクワ」へのインタビューで、 「現在、EU(欧州 連合)が断片にばらける過程が進行している」と 述べた。  EU 基本条約の改正にイギリスとハンガリー は反対し、スウェーデンとチェコは揺れ動いて いるが、氏によれば、このことは EU がもはや 一体にはならないことを示している。 「統合の核 であった国々は、EU から分離することで、ユー ロを救済しようとしているのです。ユーロを救う ためには、厳格な措置を実施しなければならず、 それができない国々からは解放されなければな らない、というわけです」 。  氏によれば、EU は今や新たな段階を迎えた が、その構成国も目的も今のところ定かではない。

EUの命運や、いかに。

『コメルサント』紙

ホームページ: http://roshianow.jp 電話: +7 (495) 775 3114 ファックス:+7 (495) 988 9213 住所: 24 Pravdy st., bldg 4, floor 12 Moscow 125 993, Russia

13

ラジオ局『エコー・モスクワ』

ロシアの 論調

メールのあて先は jp@rbth.ru です。 お気軽に日本語でメールしてください。

40

欧州各国 EU 崩壊を視野に

本紙は4面とも、ロシア政府発行紙「ロシア新聞」により制作、発行された もので、文責は「ロシア新聞」が負っています。 本紙の記事は、個人的に使用する場合を除き、その転載、転売、譲渡はす べて、 「ロシア新聞」の文書による許可なくしては禁じられています。記事 や写真の利用を希望される方は、下記の連絡先までお申し込み下さい。 E-mail: jp@rbth.ru

11

25

10

ソ連崩壊 20 年を迎え、9 ∼ 10 月に世論調査機関・レバダ・センターは、 全国の 18 歳以上の男女 1600 人を対象に、連邦崩壊に関するアンケート を行った。

21

お手紙をお寄せ下さい

元ロシア 連邦外相 イーゴリ・ イワノフ

20 年後の今もソ連崩壊 を惜しむ人が過半数以上。 その理由を総合するとこう なろうか。あの単一の経 済システムを維持できれ ば、たぶん現在のグロー バルな資本主義の危機に も対処できたし、大国とし ての誇りももてたし、個々 の人間関係もこんなにぎ すぎすすることはなかっ た。これは単なるノスタル ジーではない。 世論調査機関・レバダ・センター    複数回答

ヤマハ・ミュージック (ロシア) 社長

君 主、 次に一握 りの貴 族・

セルゲイ・ヨルキン

ユーロ救済のため EU が分解

会長 社長 編集長

19

特別寄稿

ソ連崩壊に関するアンケート

12

19

第三回

15

1981年青山学院大学経営学部卒 業、ヤマハ (株)入社。85年経営企画 室。94年国内楽器営業部。2001 年ヤマハミュージックマレーシア社長、 03年ヤマハミュージックカナダ社長 を経て06年8月ロシア室室長(ロシア 現地法人の設立準備) 。07年7月か ら現職。

20

20

その可否は?

猿谷・徹 (さるや・とおる)

ロシア WTO 加盟へ 私のモスクワ滞在記

02

オピニオン 2011年(平成23年)12月20日(火曜日) ロシア NOW www.roshianow.jp SECTION SPONSORED BY ROSSIYSKAYA GAZETA, RUSSIA DISTRIBUTED WITH The Yomiuri Shimbun


代でマイホーム

めたりした 場 合、 住 宅ロー どない。この国のローンによ

は住 宅ローンを 組 む 余 裕 な

実 際、 大 多 数の若い家 族

ンを 直 ちに返 済 するだけで る住 宅 購 入は全 体のわずか %にすぎない。      月給千ドル以上が中流

夢は子供3人とダーチャ ワロージャにとって幸せな 生 活とは、 子 供 が3 人いて ダーチャ ︵サマーハウス︶があ ナ ースチャの夢 も 似 た よ

ることだ。 うなもので、 息 子を幼 稚 園 に入れて、 社 会 福 祉 関 係の 仕 事に就 くのが、 彼 女の当 面の希 望 だ。 しかし、 全 国 で1 5 0 万 人の幼 児が幼 稚 園の空 きを 待ってお り、 息

現 実には、 子 供の世 話 を

海水浴をして⋮。 る の か? 彼 は 突 然、 嬉   し そ う な 表 情 を し た。﹁ 心

ビーシッターを頼む余裕もな 険 会 社 が 払ってくれま すか

してくれる人もいないし、ベ 配 ないんです。 その時 は 保

新しい隙間ビジネス!

少 し高いだけです。 私 た ち

れるのは 至 難の業 だという

﹁ 私には5つのプロジェク ︱値段はいくら?   ﹁日中に普通の商店でちゃ ト が あった が、 みん な カ ネ   んとした酒 類を買 うよりも やコネなしに何 かを 手に入

︱なぜこうしたサービスは

す。

間に直 接 家 庭に届 けていま

のをとり揃 えて、 酒 類 を 夜

す。 しかし、 今 日 アルコー

くは 今 も 宙に浮いた ま まで

現 実にぶつかり、 構 想の多

はお 酒 を 飲 むのに必 要 なも ロシア・ ビ ジネ スの 厳 しい

儲かるのか?

酒類の夜間宅配

ロシアでは 長 きにわ た り

彼は一息ついて言った。 ﹁正

ら﹂。

もめったにできない。

いので、 遠 出 はお ろか 外 出 直 言って、 私 は す ごく 幸 運

飲 酒の自 由を謳 歌してきた

た?この質問に二人は﹁去年

Rosstat, German Russian of Commerce in Russia (Ahk)

規 模 ビジネスの発 展 という

には、 最 初の段 階で少 々の ん。最も安いのは650ルー

れを 利 用 しない手 はないわ

設立資金と車とソーシャル・ ブルで、これは半リットルの けです﹂

を 承っているのは 1 3 0 0

携 わるつもりでした が、 今

﹁マネジメントです。 大学   卒 業 後は品 質 管 理の仕 事に

ネットワーキング・サービス ウイスキー、ウォッカあるい ︱あなたの専門は?

には 何 も 要 らないことが 分

ルーブルからです。

の広 告に関 する知 識のほか はベルモット 酒で す。 宅 配

かったのです。

合 法です。 私たちはお 酒を

テーマは 音 楽の様 式の研 究 ての大 都 市で、 酒 類の夜 間

売っているのではなく、それ せんし、 同じところへ一晩に です。 音 楽は私の生 き甲 斐

人にはサ ー ビスを していま

わが社は社会的責任をわ は大学院の精神文化学講座 も う一つの想 定 外の反 応 を そして法の抜 け 穴のおか     促 したよ う だ。 国 内のすべ げで、このビジネスは事実上 き ま えて お り、 酔っ払った で学 んでおり、 学 位 論 文の 配 達 サー ビスが盛 んになり

必要なのです﹂

二 度 配 達 することもありま であり、 そのた めにお 金 が 始 めたのである。 魅 力 的 な

を﹃プレゼント﹄しているので

のは 例によってモスクワだ。 す。私たちが売っているのは、 せん﹂ 本 紙はそうした会 社の創 業

ジュースや水なのです﹂

飲酒に付随するもの、つまり

況 をより厳 格に管 理 するこ

た最初のビジネス?

生まれれば、 見方も変わる

一連の研 究 開 発 センターが

︱これはあなたが手掛け ︵﹁ロシアNOW﹂・アニシ   ア・ボロズノワ︶ 者に話を聞いた。

いるが、 最 初に研 究、 開 発

とを可能にする。

はずです﹂とRBC︵ロスビ

ザー自 身︶が電 力 消 費の状

それらの会 社︵ およ びユー

ポスト﹁ソビエト帝国﹂の科学

く、 イメー ジ作 りをはかる ︵﹁ロシア N O W ﹂・ ア レ 政治機関とみなしています。 クサンドル・ヴォスツロフ︶

る。

イ・シャツキフ氏は述べてい

の金融アナリスト、チモフェ

ジネスコンサルティング︶社

の対 象に選 ばれたのは﹁知

シー メ ンス 社 のスコルコ

ザ ーのもとに設 置 されるス 民 は、 最 初 のプロジェク ト マ ー ト メ ー タ ー は、 常 に が 実 現 されないう ちは、 ス 販 売 会 社へ情 報 を 発 信 し、 コルコボを 科 学 機 関ではな

﹁ 国 内 の 投 資 家 はい う ま 的電力供給網﹂ だ。 その主 な 課 題は省エネ。 最 終ユー でもな く 大 部 分のロシア国

たい 意 向 を 表 明 している。

ボ・プロジェクトの責任者ア

万ドル

件こなし

万ドルの年間契約を期待

スクワ建築大学の出身者は

もの長い橋を設 計できるモ

ロジェクト が ある。 何 キロ

を持ち、 欧州や北米に大プ

ド 社 は、 独 自 の 建 設 技 術

﹁弊社やモストオトリャー

う。

ンス キ ー 副 社 長 は こ う 言

ト ビク社のイリヤ・ ルジャ

で、 建 設 業 界に多い。モス

シア人研究者を探すケース

西 側と提 携して、 新 卒のロ

もう一つは、ロシア企業が

する需要が大きい﹂ と語る。

然科学系学部の出身者に対

科 大 学やモスクワ大 学の自

ていま す。 特にバウマン工

の注文を年6 ∼

契約額が平均

工科大学で、 私たちは年間

い。 筆頭はマサチューセッツ

学が顧 客になるケースが多

を受けている米 国の工 科 大

理系人材の流出盛ん る予 定 だ。 共 同 投 資の総 額

年前にロシアでは、ヘッドハ

ら再 生 する︶の開 発に重 点 ンティングの注 文 が、 自 然 が 置 かれている。 同 社のタ 科 学に関 するものだけで年 チヤナ・オベレモワ氏は﹁私 間150 ∼200 件に上っ た ち が 開 設 す る セ ン タ ー ていた。 への投 資 額 は 数 千 万ユーロ

スは、 西 側では一大 市 場 を

︵ 数 十 億 円 ︶ 単 位で、これ 現 在 の状況はどうだろうか はノキ アの研 究 セ ンターに 研究および研究者自身の とっては普通の予算です﹂と ﹁売 買﹂ を 仲 介 するサー ビ いう。

形成しており、 米国の総合

億ドルを

米国の仲介業者に加え、 欧

シビルスクでは、 主 だった

ンクトペテルブルク、 ノボ

を 行 うもの。モスクワ、 サ

まず外国企業が仲介業務

ている。

は主に二 通りの形で行われ

探 す一括 業 務 は、ロシアで

む技術の開発者や専門家を

このような、 発 注 者が望

超えた。

市場規模は昨年

信 技 術の研 究の場 としてス 情報サービス会社ブルーム コルコボが 好 適 だと 考 えて バーグ社によれば、 米 国の

エリ クソン社 は、 情 報 通

でき、 西 側 企 業で定 職につ

建設業界のほか製薬や化

けるのです﹂。

学の企業が同様の仲介業を

行っている。

○経済高等学校︵HSE︶   1992年に創立。 歳以 下の若い研究者の数でも教授 の数でも外国人教員の数でも 群を抜いている。西側志向の 結果だ。西側の理論﹁消費社 会﹂に基づいて脱工業化社会 の経済モデルを創り出してい る。国家発展の戦略の策定と いった、どちらかといえば応 用的性格を帯びている。

○サンクトペテルブルク大学   この大学はヨーロッパの学 術機関と常に交流してきた。   その活動の主な力点は、欧 州全体の人文科学を念頭に置 いて、人文学科を発展させる ことだ。その一方で、同大学 の出身者の多くは、今日、政 財界で枢要なポストを占めて いる。ウラジーミル・プーチ ン と ド ミ ト リ ー・ メ ド ベ ー ジェフの両氏は大統領の地位

イール・ボリシポリスキー︶ にまで昇りつめた。

︵﹁ロシア N O W ﹂・ ミハ

○モスクワ大学   ロシア最古の大学。その発 展の基礎にあるのは、保守性 とソ連の伝統に忠実な姿勢だ。 そして大学が世界の科学に多 大の貢献をしたのもまぎれも ない事実だ。 ︵トポ   超光周波、位相幾何学 ロジー︶ 、生物物理化学、高等 力学、サイバネティクス、プ ログラミングなどの分野には、 若い研究者も多数参加してユ ニークな研究、開発を行って いる。

現在ロシアでは、盛んに活 動している単科大学と総合大 学は数十を数える。その多く は、長い歴史を有しソ連学派 を継承しているが、西側の伝 統に目を向け、ソ連学派と競 う﹁若い﹂現代的な大学もある。 イパー氏は﹁企業から注文   多くの大学が、外国の学術 機関へ人材を供給している。

ヘッドハンティング 交 わ さ れ た に す ぎ ないが、 レクサンドル・アベリヤノフ

氏はこう強調する。﹁私たち

例 え ば、 シ ー メ ンス 社。 にとってスコルコボは、ロシ

具体的な協定もある。

プロジェクトとして興味深い

調 印 さ れ た 文 書 によ れ ば、 アの未来を変えうるテスト・ 2 0 1 5 年 までに基 金 内で 先 端の開 発を行 える一連の

はおよそ6 千 万ユーロ︵ 約

150 人の従業員が活動す のです。 科学面での協力は、 センターをスコルコボ内に創

例えば、 核 医 学などありと 年前、﹁科学王国﹂ソ連 あらゆる分野に及びます﹂。 が崩壊したとき、西側は優 設するとの課題を掲げた。 これを受 けて、 多 くの外

億円︶で、 うち約4 千万 ノキア社の場 合は、 日 常 秀な科学者とその研究成果 ユーロはシーメンス社によっ 生 活に役 立つスト リー ミン を求 めて血 眼となった。 グ装置︵ダウンロードしなが

同基金は、外国企業が最

大 抵は今のところ趣 意 書 が

﹁スコルコボ﹂ 基 金とは、 国 企 業はすでに基 金 内に自 て、 2 千 万ユーロは 同 基 金 社の研 究 センターを 開 設 し の助成金でまかなわれる。 2 0 1 0 年 6 月 にス タ ー

外資系研究センター開設

スコルコボ基金内に

ワロー ジャが 働 く 電 気 機

械工 場は、 地 下 鉄 用の空 気 巨 大な扇 風 機 だ。モスクワ

タービンを組み立てている。

ワロー ジャの月 給 は 1 千

の地下鉄の駅も使っている。

万 円。 地 方

米ドル相当︵約7 万8千円︶

支 払いを差し引 くと、 月 約

年残っている。

ない。ロー ン完 済 までま だ

たり空 想したりする余 地は

れている 枠の中では、 夢 見

生 活 ががっちりは め 込 ま

続けなければならないが⋮。

は、 原 油 価 格が高 止まりし

ね ばな らない。 そのた めに

ためには長 期の契 約 が増 え

しな け ればな らない。 その

めには工 場の設 備を近 代 化

な け ればな らない。 そのた

には、 会 社の生 産 性を上 げ

ば十分﹂と言うが、そのため

6 万3 千 円の収 入で、 うち ベーション・ セ ンター を 作 食費は約1万5千円だ。 り、 国 内 産 業 の 技 術 開 発 安心して暮らすには﹁月に 強 化とベンチャー企 業 育 成 ︵ 円 換 算で︶ 約 万 円 あ れ を進める。

郊 外スコルコボに技 術イノ

都 市で月 給1 千ドル以 上は トした﹁ロシア版シリコンバ ﹁中流﹂のしるしだ。ローン レー﹂ 建 設 計 画。モスクワ

で年 収は約

出典

ワ ロ ー ジャ の 初 任 給 は なく、 その時 点 までの利 息 の 9 月 ! ﹂ と 声 を そ ろ え て 答 こ と を 羨 ま し く 思 う で し ょ 歯 止 めをかけ始め、 夜 間は 1 万ルーブル︵20 1 1 年 も全 額を支 払わねばならな えた。 う﹂。 度 以 上の酒 類を購 入でき 月 現 在 約 2 万 5 千 円 ︶。 い。 も し ワ ロ ー ジ ャ が 工 場 で ︵ ﹁ ロ シ ア ・ レ ポ ー タ ー ﹂ 誌 ・ な くなった。 高 給 と は い え な かった が、 ワロー ジャは 年 間 会 社 事 故に遭った ら ど う なるの アンドレイ・モロドイフ、フィ しかし、 酒 類 販 売の制 限 無 利 子の 年 住 宅ローンを に縛 られる運 命となったが、 か ? ロ ー ン の 返 済 は で き リ ッ プ ・ チ ャ プ コ フ ス キ ー ︶ に 関 する法 律は、 住 民サイ   ド か らの抵 抗のほかに、 小

ものロシア 人 は、 多 分 私の が、ここにきて政府はこれに 国 産 品には偽 造 品が多い ル飲 料をめぐる状 況はビジ ﹁いろいろ分 析 した 結 果、     この種のサ ー ビスを 始 める ので輸入物しか扱っていませ ネ ス・ チャンスで あ り、 そ

ラ ンに 行った の は いつ だっ な 男 な ので す。 何 百 万 人

最 後に二 人 だ けでレスト

Q & A 15

ロシアの中流家庭の現実 トムスク市の 若い夫婦

の東 方 3 千 キロに位 置 する トムスク市︵人口 万︶近郊

ロシアの﹁中流階級﹂とはどんな人たちなのだろうか?それは、ほぼ全国 民が﹁公務員﹂だった旧ソ連の崩壊後に生まれた﹁民間人﹂を含む新しい階層

電 子 機 器 や自 動 車 を 購

せんから﹂と言う。

理解できます。さもないと、 工科大学卒業後、 同市の電 の会社を選んだ。 おかげで彼はこの若さで、 みん な がロー ンを 欲 しがる 気 機 械 工 場で働いていたと ころ、教育大生のナースチャ ト ミ 川のほとりに建つ新 築 でしょう。 会 社 は リスクを に出 会った。 彼 女 が 彼に図 ワンルームマンションを購入 最 小 限にしなければなりま

ワロージャはトムスク市の オファーしてくれたので、こ それでも﹁会 社 側の論 理は

の農村出身。

将来の夢は?﹁ロシア・レポーター﹂誌がシベリアのトムスク市の若い夫婦の

住宅ローン フロロー フ一家 は 典 型 的

12

な中 流 家 庭 だ。 ウラジーミ 面 を 描 くのを 手 伝って欲 し できた。 だが、 もし彼 が会 ︶と いと頼んだのがきっかけで、 社 を クビになった り 自 ら 辞

ル︵愛称ワロージャ・

ター︵CMASF︶主任

︶は共に、モスクワ に長男セルゲイが誕生。

妻のアナスタシア︵同ナース やがて二 人は結 婚し、 すぐ チャ・

中流家庭の消費動向

専 門 家のイー ゴリ・ ポ それも、 貯 蓄 を 減 ら

リャコーフ氏はみる。 すことで、あるいはしば にしないという余 裕は、 しばクレジットで支払わ

食 べ物 の 値 段 を 気

ふつうなので、こうした 節約している。 減 少 はな お さ ら 驚 くべ き現象といえよう。

﹁危機意識から、人々

イ ンフ レ は 年 率 7・ ﹁恵まれた 年﹂の主た れているという。 2 % という 記 録 的に低 る 成 果 とみな されてき

入しているのです﹂と資

国 民の実 質 所 得は現 在 取 引 の動 態 も、ロシア ︵リスク回避︶のために

い 水 準 に ま で 低 下 し、 たのだが、 今 や 小 売 商 はルーブル下落のヘッジ

国 家 統 計 庁の資 料によ めたことを示している。

事 実 上 横 ばいで、 連 邦 国 民が食 費を節 約し始

ところが、その一方で、 産 管 理 会 社﹁ウラルシ ブ﹂のアレクサンドル・

れ ば、一部 の部 門 や 地

域では 減 少 してさ えい 全 体 的な商 品 流 通は増

ゴロフツォフ氏も言う。 小売業者にとって﹁お

大 し、 非 食 料 品の販 売 る。

いしい時期﹂は例年この 第 4 四 半 期 に 始 ま る。

彼 女 にとって 豊 か な 暮 ら

子も例外ではない。 しとは、 親 戚の住 むウクラ

州の業者も活動している。

10

25

10

イ ナへ旅 行 すること。 そ れ

米 グリフィン社の東 欧 担

当マネージャー、ジョン・ネ

12

10

15

か らエジプ ト に 行って ピ ラ

60

94

ロシアにおける給与分布

の人 々 だ。 具 体 的にどんな暮 らしをしているのか?生 活 水 準は?悩みは? 日常を密着取材した。

ロシアの﹁中 流 階 級﹂ は今、 経 済 危 機が深 刻 化 し所 得 が減 少 するな かで、 食 費 を 節 約、 そ の分 を 自 動 車、 電 子 機 器などの耐 久 消 費 財 購 入に回している。背景に はルー ブル 下 落に対 す 査会社﹁ロミール﹂の

る不 安 がある。 市 場 調 月の調 査によ れば、 9 月の食 料 品 およ び日 用 品 購 入 費 は 前 月 比 1・ 5%減。 ま た、 社 会 学 者 らの

とくにモスクワの所得 は 食 料 品のそ れよ り も ﹁ここ数カ月間、人々

減は著しく、 2 0 1 1 急速に増加している。 年 上 半 期は、 前 年に比

品 や 非 日 用 品の販 売の

べて8・4%減っている。 は、ルーブルの為替レー 商 品 流 通、 グ ル メ 食 雑誌﹃ジェーニギ︵お トの安 定に十 分 な 確 信

金︶ ﹄が中流階級を対象 がもてな くなったので、 ピークなのだが、 さて、 に実施したインターネッ 非食料品をせっせと買っ 今年はどうなのか? ︵﹁コメルサント﹂ 紙・

スコルコボ基金での研究、開発風景=ロシア通信撮影

15

ワロージャのような優秀なエン ジニアは、別の都市に移り住み、 新しい職に就くことができれば、 大幅な所得増が見込め、生活水 準も向上するだろう。  サンクトペテルブルク周辺など 急速に開発が進む地域では、か なり明るい展 望が開けるはずだ が、彼にはローンが残っているた め、トムスクに留まらざるをえな いのだ。  このような障害が、官僚主義の 壁とあいまって、地域間の労働力 の効率的な流通を妨げている。  ロシアでは、新たな都市へ移 動する人は、年間1千人中たった 6人。米国ではその4倍である。

ミッド を 見て、 タイに行 き

スコルコボ基金で優先されることになった5分野は、科 学のみならず地政学の観点から選ばれた。これらはすべ て、アメリカの「お家芸」だが、そのかなりの部分は、元 ロシア人、現アメリカ市民のおかげで豊かな実を結んで いる。しかも、これらの分野は経済的に極めて有望だ。 スコルコボ基金のスティーブン・ガイガー氏は「5分野に は、向こう数十年間、市場の需要が集中するものと私た ちは見ている」と述べた。

20

流動性の欠如 安月給と低生産性

28

% が食 費を 経 済 分 析 短 期 予 測セン エフゲニー・シガル︶

30

22

ト 世 論 調 査 に よ れ ば、 ているんです﹂ とマクロ 回 答 者の

20

5

10

22

中庭で遊ぶフロローフ一家。 「今度はすべり台だ!」 (左) ウラジーミル・フロローフさん、工場にて (右)=オクサナ・ユシコ撮影

25

購入するためにローンを組んだ 場合に、その利息を地方自治 体が立て替えるというもの。ち なみに、ロシア企業の生産設 備はほとんどが外国製で、国 産品はわずか1%との概算もあ るほど、輸入に依存している。 分の3は 15 年以上も前に製造 されたものだ。設備更新には、 包括的な投資による援助が不 可欠である。そこで、ロシア政 府は、地方自治体に企業へ補 助金を出させる支援策を打ち出 した。企業が近代的な設備を  ワロージャの安月給は生産 性の低さが原因だ。ロシアの 生産性は米国の4分の1。主 な問題は、生産設備の欠陥で、 なかには1930年代製のもの さえある。徐々に更新されて いるとはいえ、未だに設備の4

調 査では、 個 人 消 費 支 出 は、 昨 年 9 月 比 で、 インフレをかろうじてカ バーできる 8 % 増に留 う 金 額は前 月 比 1 % 減

まったものの、商店で使 であった。 夏 季 休 暇 後の秋には

食費削って耐久消費財購入

密着レポート 消 費 が 活 発 化 するのが

スコルコボの主要5分野

50

20

53

10

2011年 (平成23年)12月20日(火曜日)

ロシア NOW www.roshianow.jp SECTION SPONSORED BY ROSSIYSKAYA GAZETA, RUSSIA DISTRIBUTED WITH The Yomiuri Shimbun

総合 03


﹁ 日 本 人 はいわ ば 天 才 的

村 上 自 身 も、 旅の間 ずっ 世界を踊らせるDJ とチェーホフの﹃サハリン島﹄ な DJ で、 何でも ミ キシン モスクワといえば、 通 り

サハリンでの﹁ 文 学 的 冒

かった﹂と言う。

ド ミ ト リーさんの夢と力

モスクワが﹁世 界で最 も しいが、 ブランダン・ パラ さん︵米国・ ︶は、﹁食費

ラーブリ﹂︵熊 手︶ 、 レトロ

す﹂と言う。チェーン店﹁グ

トフード店利用で倹約しま

フサービスのカフェやファス

がいつまでも続くことを祈り は﹃ム・ムー﹄のようなセル ︵﹁ロシ ア N O W ﹂・ サ ー シャ・バズデンコワ︶

調の﹁ボクザール﹂ ︵駅︶など

危 なくないわ。 た だ、 現 金

を 見せたり、 英 語で大 声で

しゃべったりとか目 立ったこ

とは し ないほ う がいいけ れ

ど﹂とサラ・ケイさん ︵英国︶ 。

市 内を移 動 するには地 下

道はロシア美人に聞け

鉄 が 最 適。﹁ 地 理 は 地 上 よ

りもわかりやすいかも﹂とエ

国・

︶ 。 料 金 も 距 離 に関

リオット・エステボさん︵米

係なく一律 ルーブル︵約

円︶ という安さ。

地 上 で 迷 子 に なった ら、 で歩いて行 ける う え、 英 語

だなんて思わないでしょう。 魅 力 的。 米 国なら夜のパー

れば、 誰 もモスクワが 危 険

時に平 気で着ているんで

ティー 用のよ うな 服 を 午 前

ような愚かな真 似をしなけ て英 語で道 を 教 えてくれる

若いロシア美人が通りかかっ 旅 行 者 泣 かせのホ テ

置き引きに注意し、パスポー

特に人 気で、 クレム リンま い場 所にふらりと入 り込 む ル は、 最 近 の 調 査 で も一

迎、 滞 在 登 録のサービスも

も通じ、 空 港 までの有 料 送

トのコピーを持ち、夜間の一

記にこの球 技に関 する 言 及 で2 番 目に高い。 だが、ホ

幸運も。﹁モスクワの女性は 泊 平 均 1 4 0 ユ ーロ︵ 約

ある︵ 約5 0 0 ルーブル=

ロシアのラプターという伝

1万4千円︶で、ヨーロッパ 統スポーツを ご存 知 だろう

すもの﹂とテッシー・マッキー

約 証 明 がないとビザが出 な

大の問 題 点は、 ホテルの予

日 本 人のロシア旅 行の最

た だ カフカス系 や中 央 ア さん ︵米国︶ は微笑む。 ジア系など非 白 人 種に対し

土 産 物 は、﹁ 外 国 人 目 当

てスキンヘッド等民族主義者

ての店 や屋 台は敬 遠 したほ うが無難﹂とはローラ・ガー

のホステルの大 半 が ∼ ユーロ︵約1000 ∼

世 紀のクリ

ターの歴 史は

による傷 害 事 件が散 発して

レオーノワ︶

︵﹁ロシアNOW﹂ ・インナ・

いるので、昼間でも人通りの いということだ。 ﹁モスクワはロンドンより

少ない場所は避けるべきだ。

危険がいっぱい? ル ーシー・ ポコル ナさ ん

一年を通して裕福であるように、 新 年 の 食 卓 は 豪 勢 な も の に す る。 真夜中の 時きっかりにテレビか らクレムリンの大時計の音が響き わたり、大統領が国民に新年の祝 辞を述べる。願い事を紙に綴って 燃やした灰をシャンパンを注いだ グラスに入れれば、願いが叶う。   ロシアの最も伝統的なお正月料 理の一つは、シューバ ︵毛皮のコー ト︶を纏ったニシン。ソ連時代の 主婦たちは物不足をものともせず、 知恵を絞って豪華なお祝いの料理 を考え出すことができたのだった。   お 正 月 料 理 の、 よ り 完 全 な メ ニ ュ ー、 そ れ か ら こ の 料 理 の 裏 技 レ シ ピ︵ ニ シ ン を 使 わ な い ︶ はこちらでご覧いただけます

la s Ho s te l ︶ が ︵チェコ︶は﹁夜いかがわし

ン・ホステル﹂と﹁ゴジラ・

2000円︶だ。﹁ナポレオ ピョー トル大 帝 は、 直 属

ケットにほぼ匹敵する。

ドナーさん ︵英国︶ 。

が 見 られ、 古 都ノヴゴロド ス テ ル を 利 用 す る 手 が あ

か?古 代ロシア発 祥の球 技 の発 掘 現 場で ボ ー ルと バッ る。

古 代ロシアの複 数の年 代

プターを利 用、ソ連 赤 軍 も

の近 衛 軍 を 鍛 えるためにラ ホステル﹂︵ Go dz i l

上らなくなった。

ゴ ル バ チ ョ フ 時 代 の が 打つ。 打った ら、 セ カ ン

がボールをトスし、バッター

同 じ 理 由でラプター を やっ た。庶民にとってもラプター で 競 技 が 行 わ れ な く な り、 ンド ラインとし、 スター ト その後、 年 間は話 題にも ラインに立つバッターに審判 後 半がラプターの黄 金 時 代

は 娯 楽 で、 1 9 5 0 年 代

だった。 ス ポ ーツと して 公

当 たればアウト。 当てられ ア・ ラプター男 子 選 手 権が

再びスタートラインに戻って

白さは、クリケットのそれに

ラプターの試 合 観 戦の面

り返して得点を競う。

のバッターが打つ。これを繰

ればな らない。 そ して、 次

た ら、 その場で止 ま らなけ

来 られれば得 点。 当てられ

ン ド ラ イ ンに 達 し て か ら、

バットとテニスボールのよう

チームで戦う。必要なのは、

ラプターは6 人 構 成の2

ルール

口は1万人程度だ。

なっている。 今 日、 競 技 人

開かれ、 以来、 年 中行事と

返 した。 1 9 9 0 年にロシ ず、 打 者 かランナーがセ カ

され、 ラプターは息 を 吹 き

式認定され、選手権も開催。 1 9 8 6 年、﹁ 野 球、 ソフ ド ラインめがけて走る。 守 国 内 オ リンピックの種 目 に ト ボ ールお よ び ラプターの 備 側 が ボ ールを 捕って、 次 も採 用され、 全 国に数 千の 振 興に関 する政 令﹂ が施 行 打 者 か ラ ンナ ー に 投 げ て、 チームができた。 ところが突 然、 1 9 6 0 年 代 初 めに、 何 らかの理 由

人歩きはしないことです﹂。

1250円ほど︶ 。

もお勧めだとか。

は先入観!

﹁暗い、汚い、アブナイ!﹂

は殺風景で汚く、 通行人は

モスクワの 話 神

混 ぜ合 わせて、 新 しい独 自

史に強 く 惹 きつけ られてい グしま す。 既にあるものを

な どを 読 んでおり、 島の歴

やがて﹃1Q 84﹄が生ま の味 わいを 創 り 出 すんです

たという。 無愛想、 辻々で強盗に襲わ れる町。こんなイメージを

壮 大な3 部 作です。 今日の いまだに多くの外 国 人が抱

﹁今のところ﹃1Q 84﹄は

れた。そこでは、サハリンの ね﹂。

不 思 議で悲しい歴 史が語 ら

れて お り、 チェー ホフが 何 見にしかず、 自 分の目で見

度も引用される。とりわけ、 日 本 社 会を映 す三 面 鏡のよ いている。 だ が、 百 聞 は一

先住民ギリヤーク人︵ニヴフ うなもの。 けれども、 第 4 部、 第5 部が現れるかもし てみると⋮。

﹁ ﹃ 世 界の終 りとハー ド ボ れません。 彼 がよ くマルセ 時を求めて﹄を引き合いに出

最もお金のかかる町?

イ ル ド・ ワ ン ダ ー ラ ンド ﹄ 人︶たちについて。彼らは敷

これは村上にとって、自分

わざ密林を通っていた、と。 ル・プルーストの﹃失われた

の最 後のページを閉じると、 かれた道 路を歩かず、 わざ しばらく座って壁を見ていた のを 憶 えていま す。 まるで

険 ﹂ についてド ミ ト リー さ

あっちは7巻ですから﹂。

有 史 以 前の魚 た ちが 黙って の道 を 見いだ そ うとしてい すのも偶然ではありません。 物価の高い都市﹂になって久 感 じでした。つま り、 小 説

頭の中 を 泳いでいるよ う な る現代人の姿と重なった。 は終わってページは閉じられ

サハリンへの村上との旅 2007 年、 ドミトリー

断 片 しか 捉 えることができ は、ロシア全 国 から徒 刑 囚

伝統球技﹁ ラプター﹂

ロシア式野球

年 ぶりに生 まれ故

郷サハリンへ戻った。 村上と ﹁東京するめクラブ﹂の愉快 な仲間たちとともに。

自 分の人 生でいちばん 面 白

んは言 う。 すなわち、 周り ても、 物 語 は 続いているの んは、﹁息 子の誕 生の次に、 たい。 主要な﹁物語﹂が進行してい ること を 暗 示 しているのだ

かにある真実﹂を推測するば しかし、 そもそも人 間は

かりなのだ。 世 界 をそのよ うにしか捉 え

物 語 がそこにあり、 早 くも 日本人であることを忘れた。 ﹁サハリンには、 日 本とロ

は 日 本 人 し か 書 け な い と ることができない。﹁たとえ シアの歴史が渾然一体となっ は、 自 分 も日 本 人になった にもかかわらず、﹁彼方の た。 その隅 々 ごとにそれぞ れの歴 史 が 秘 め られている のです﹂。

歴史と伝統

が 送 られていた 監 獄 島でし で、クリケットや野球に近い。 ト が 見つかっている。 ラ プ 都 心 に あ り、 一泊 平 均

ません﹂。

トリーさんは自著﹃スシ・ノ

ような気がしていた﹂とドミ

悟った。 読 んでいる 最 中 に どんなに優れたカメラでも、 ていま す。 世 紀 にはここ

しかし 読 み 終 えると、これ

2 ペー ジ目で私は、 作 者 が

と心 中で叫んだ。 並 外れた のぞき込み、﹁向こうのどこ さんは

み 始 め る や、﹃ハレル ヤ!﹄ が、 観 客はただ狭い小 窓を

﹁ ﹃羊をめぐる冒 険﹄ を読

れた。

が彼に村 上の本 を 貸 してく の物 事 すべてが、 どこかで です﹂。

﹃ハレルヤ﹄でのこと。 店 主

日本人は、天才的なDJ

プロフィール

真 実﹂の感 触は圧 倒 的であ

彼は﹃羊﹄を日本のワープ る。

ワール﹄ で回想している。

1997年末、﹃羊﹄はロ

ロで露訳し始めた。 シアにお 目 見 えした。 読 者 から﹁ありがとう、おかげで また読 書 するようになりま した!﹂といった手紙が何通 ﹁人 々はもう何の﹃主 義﹄

も届いた。

豊かにする﹄ 方 法は、 たか

義、 共産主義など﹃生活を

も信 じていません。 資 本 主

Q 84﹄第3 部の翻訳に余 だか社 会 的 保 障をもたらす

ドミトリーさんは今、 ﹃1 念 がない。ロシアの大 勢の にす ぎず、 決 して真の喜 び はもた らしてくれませんか

ムラカミファンが刊 行を心 待 ちにしているのに、 邪 魔

た。この点でロシアは日本に

だりすることをやめてしまっ

をしてワルイなと思いつつ、 らね。 人 々は信じたり喜ん 思い切り根掘り葉掘りうか

﹁彼方の真実﹂ の感触

roshianow.jp

jp@rbth.ru

な 軟 らかいボ ールと、 それ 決 して引 けを 取 らない。   ︵﹁ロシアNOW﹂・アニシ   ア・ボロズノワ︶

お聞かせ下さい!

ルールを 簡 単に説 明 しよ

このファミレスのチェーン店は、 1996年に第1号店がオープン して以来、抜群の人気。ロシア の農村を模した内装で、メニュー は伝統的家庭料理が中心。バイ キング方式のサラダも充実。

編集長にお便りを

にフィールドのみ。

都心の地下鉄ルビャンカ駅から 徒歩 5 分。滞在登録のほか各種 サービスも完備。部屋もツイン (日 本円換算で一泊6千円) 、4人部 屋 (2700円) 、6人部屋 (2000 円) の3種(daynighthostel.com)

ご意見、ご感想を

村 上の文 学 的 手 法は、 米

ヨールキ・パールキ

ネーズを塗り、次にジャガイモの層をつくってマヨネーズを 塗り、さらに卵、ビート、ニンジンの層をつくり、各層に マヨネーズを塗ります。最後にリンゴの層をつくります。縁 をきれいに整えて、上と脇にマヨネーズを塗り、青ネギを 振りかけます。卵の黄身をぱらぱらかければ見映えがよく なります。

アドバイス 料理を高く盛ると豪勢に見え ます。そのためには具材を半 分ずつ使って「2 階建て」 にす るか調理用の筒状の型を用い ます。

5 冷蔵庫に 3 ∼ 4 時間入れておきます。

Day'n'Night Hostel

sales@rbth.ru

快適な歩き方教えます 写真をもっと見る www.roshianow.jp

モスクワは超過密大都 市ですが、心地よく散歩 できる静かな通りがあり ます。公園もとても素晴 らしいですね!私のいち ばんのお気に入りはツァ リーツィノ(エカテリーナ 二世の夏の離宮) 。

撮影

増改築されたという空  モスクワっ子は笑わな 港から始まって、案外明 いと聞かされていました。 るいじゃんと思いました。 ある程度それは言えると 音楽が好きなので堪能し 思いますが、他の大都市 てます。自宅近くのノボ だってそんなものですよ。 デビッチ修道院をよく散 ここの人たちは一度知り 歩しますが、季節ごとに 合いになったらとても愛 趣が変わっていいですね。 想がよくて鷹揚そのもの。

アンドリュー・クロウズ さん(英国・50)

リョフ撮影

2020年までにモスクワ で開業するホテルの数

り除きます。切り身を細切れにします。

エリオット・エステボ さん(米国・25)

セルフサービスのカフェ= PhotoExpress

4 平皿にニシンを並べた上にタマネギの層をつくってマヨ

モスクワの感想

下記のアドレスまで

70

535店

2 ニシンを二枚におろし、背骨と脇腹の骨を取って小骨を取

河原李奈さん (日本 団体職員)

ホステルのツインの部屋=ニコライ・コロ

Tel. +7 (495)7753114

3 ジャガイモ、ニンジン、ビートを皮のまま別々に茹でるかア

ルミホイルに包んでオーブンで焼き、冷まします。すべて の野菜とリンゴの皮をむいて別々に粗くすり下ろし、タマ ネギと青ネギは細かく刻み、卵は固茹でにしてみじん切り にします。

ご希望の方は

28

モスクワの地下鉄・バス・ トロリーバス代

本紙に広告掲載を

25

約70円

モスクワでのビジネス・ ランチの平均金額

750円

て切れ目を入れてヒレを取り、頭のほうから皮をはぎます。

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24時間体制コールセンター

11

数字あれこれ

1 ニシンの頭を取って腹を切り内臓を取ります。背中に沿っ

追加情報

作り方

材料 塩ニシン ......................... 大 2 尾 タマネギ .......................... 大 1 個 ジャガイモ ..................... 大 3 個 ビート..................................... 2 個 ニンジン ................................ 3 本 卵............................................... 4 個 酸味のあるリンゴ............ 2 個 マヨネーズ ...................... 200 g 青ネギ .................................... 2 本 塩.................................... お好みで

お見逃しなく!

Lori/LegionMedia 撮影

「今日の写真」 を

16

モスクワのアルバート通り= GeoPhoto 撮影

シューバ(毛皮のコート)をまとったニシン

購読

19

モスクワには、英語とロシア 語の旅行者用コールセンターが あり、24 時間体制で、観光や交 通の案内、警察を呼んだり大使 館との連絡を取るなどの緊急時 のサポートを行っている。 ℡:8-800-220-00-01 または 8-800-220-00-02 フリーダイヤル

Facebook で

10

20

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う。 長 方 形フィールドの両

www.russian-festival.net

新年のご馳走

新しい世界を 発見する

30

12月 29(木)、30日(金)14:00 東京オペラシティコンサートホール

12

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20

レニングラード国立歌劇場管弦楽団 第九コンサート

端 をスター ト ラインとセ カ

マチン撮影

国の映 画 監 督 デビッド・ リ

打った!セカンドラインめがけて走れ!=コンスタンチン・ソロ

カルチャー カレンダー

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『ロリータ』の著者として有名 なロシア出身の亡命作家ナボコ フが、1930 年代にロシア語で 執 筆した初期の秀 作が、この 小説『カメラ・オブスクーラ』だ。 ラテン語で 「暗い部屋」を意味する「カメラ・オブ スクーラ」とは、暗い密室の壁に外の風景や事物 を投影する光学的仕掛けである。裕福だが小心 な中年紳士クレッチマーは、映画館の濃い闇の なかで出会った 16 歳の美少女マグダとの火遊び に、盲目的にのめりこんでゆくのだが、この暗闇 と盲目的な愛欲は、やがて本物の盲目や暗い部 屋への幽閉という地獄へと姿を変える……。中 年男と未成年の美少女という設定は『ロリータ』 と似ているが、はるかに読みやすく、それでいて ナボコフ独特の言語感覚や細部へのこだわりを 堪能できる作品だ。 (貝澤 哉/早稲田大学教授)

ンチのそ れを 思 わせるとこ

光文社古典新訳文庫:2011年

ろがある、 とド ミ ト リーさ

ナボコフ『カメラ・オブスクーラ』 貝澤哉訳

がってしまった。

ピョートル・ブースロフ監督

新 潟 港で通 訳として働い よく似ています﹂。      村 上 文 学はそこへ投 下 さ てい た 彼 が 村 上 文 学 と 出   れ た 爆 弾 だった。

映画『ヴィソツキー。ありがとう、 生きていてくれて』

1966年生まれ、サハリン出身。 翻訳作品一覧:  村上春樹『羊をめぐる冒険』 、 『ダン ス・ダンス・ダンス』 (翻訳に対して 2002年にロシア SF 賞) 、 『世界 の終りとハードボイルド・ワンダー ランド』 、 『アフターダーク』 、 『1Q84』 藤原伊織  『てのひらの闇』 トム・ウェイツ、ロジャー・ウォーター ズ歌詞 著作一覧: 『スシ・ノワール』 、 『コロコロ』 等 w w w. susi . r u , v i r t u a lsushi . livejournal.com 甦るロシア文学の名作

会ったのは、 1993年、 バー

今甦るヴィソツキーの秘話

映画を観ようとした人たちもいる。そうい う場合にのみ、映画から満足を得ること ができる。そして、 「作者はどこ?」という 問いにも答えることができる。 次の一観 客のように。 「緑とワタナベがバーにいて、 ムラカミさんそっくりのバーテンダーが接 客しています。もしかすると彼は、バーを 経営していた青春時代を想い出すことに して、冗談でカウンターに立ったのではな いでしょうか?」 ロシアにおけるムラカミの本の批評はす べて、手短に粗筋を伝える試みから始まっ ている。ところが、早くも数行後には筆 者たちはこう言う。 「でも再話はうまくいか ないので、ご自身で読まれたほうがよい」 。 ムラカミの魅力を語ろうとすると、作品 そのものに必ず投げ返される。ロシアの ファンにとっても、あのワンダーランドの 謎は作品にしか秘められていないのだ。 ( 「ロシア NOW」への特別寄稿・ ドミト リー・コワレーニン)

今月の本

郷愁への郷愁というパラドクス

詩人、俳優、シンガーソングライター、ウラジー ミル・ヴィソツキー(1938 ∼ 1980)のカルト的人気 は今もまったく衰えを見せない。聞く者の肺腑をえ ぐるような独特のしわがれ声は、今もロシア人の心 をつかんで放さない。タガンカ劇場でのハムレット の名演も語り草となっている。  12 月 1 日、映画『ヴィソツキー。ありがとう、生 きていてくれて』の初上映が行われた。制作費は約 10 億円。シナリオを書いたのは、息子のニキータ・ ヴィソツキー。映画は、実際の出来事にもとづい ている。  1979 年 7 月、ウズベキスタンでの公演の際に、 詩人は臨死を経験し、その1年後に逝去した。ニ キータは俳優のフセボロド・アブドゥーロフからこ のことを知らされ、父親の生涯の数日をシナリオ にまとめた。ストーリーの軸となるのは、詩人のモ ルヒネ中毒、KGB (国家保安委員会)による追跡、 19 歳の愛人ターニャ、そして詩人の生と死。  主役を演じた俳優の名は明らかにされていない。 この俳優のメイクには毎日 5 時間をかけ、驚くほど そっくりのヴィソツキーができた。

ロシアにおける映画『ノルウェイの森』

村上春樹翻訳家・エッセイスト

ドミトリー・コワレーニンさん 2011年

『ノルウェイの森』の映画がロシアで公 開されてちょうど1年が過ぎた。愛読書 の雰囲気を再び味わいたいと期待してい た人たちは、日本と同様に、失望した。 ストーリーのパズルが乱れて多くの重要 な筋が噛み合っていない、というのが主 な言い分だ。そのため「トータルな視点 がずれている」…。 しかし、1970年代から現在にいた るまで、ロシアでは、ムラカミの読者の 平均年齢は常に 30 歳前後だった。彼ら の多くは一度も日本を訪れたことがなく、 1960年代を生きてもいないのに、一体 どんなノスタルジーがあり得るのだろう? (この作品の基底に或るノスタルジーがあ るのは確かなことだ) 。郷愁があるとすれ ば、それは何に対する郷愁か? もしかすると、この小説は、二度と帰ら ぬ過去というものへの愛惜の念ではない か?しかし、そうだとしたら、この本を映 画化することは、そもそも誤りではないの か? 愛惜の念を愛惜させようとするとは、 矛盾した試みではないか? だが、小説からは独立した作品として、

小説が終わっても、物語は続く 映画

04

ロシア万華鏡 2011年(平成23年)12月20日(火曜日) ロシア NOW www.roshianow.jp SECTION SPONSORED BY ROSSIYSKAYA GAZETA, RUSSIA DISTRIBUTED WITH The Yomiuri Shimbun


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