サステナ第38号

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メルケル首相とのミーティングがあり ました。内閣から四~五人一緒に出て いました。 メルケルさんがいったのは、 「福島の事故を受けて、私たちは原子

力の計画を考え直さなければならない。 ドイツでは脱原発ということが前から いわれているが、どうするのか。いつ 脱原発するのか。ドイツでは新しい原

子炉を受け入れることはない。原子力 について倫理的にどのように考えれば いいのか」 。 一七人のメンバーにこのよ うな宿題が出されたのです。 一七人は、二カ月、三カ月の間かな りよく集まりました。金曜日の午後か ら日曜日の夜まで、土曜日には朝八時 から夜一一時まで議論をしました。ど のようにエネルギーと倫理をつなげて 考えるのか、政治的にどういう影響が あるのか、 いろいろと話し合いました。 私たちのメインの考えはこういうも のでした(図㉗) 。まず原子力は他のい ろいろなエネルギーよりも不安定なの ではないか。もしも事故があった場合 には、その衝撃は、ほかのエネルギー 事故よりも大きい。もう一つ、次の世 代に対する倫理的な問題があります。 ドイツには放射性廃棄物の処分場はで きていません。その問題を次の世代に 残していくのはどうなのかということ です。

図㉖

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