転入者との共生と集落更新に関する研究 -小豆島町空き家バンク制度を事例として-

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2013 年度卒業論文

2013/11/11         古谷誠章研究室

転入者との共生と集落更新に関する研究 −小豆島町空き家バンク制度を事例として− ■目次

■論文の構成

第 1 章 研究概要  1-1 はじめに   1-2 研究背景 1-3 既往研究 1-4 研究目的 1-5 仮説 1-6 論文構成

1X10A112-3 鉄川 ななみ

研究背景 ・地方都市における過疎化と  集落更新の為の人材不足

第 3 章 事前調査と調査対象地選定 3-1 事前調査内容   3-2 事前調査結果 3-3 選定理由と現地調査対象地データ

第 4 章 現地調査概要 4-1 現地調査内容 4-2 調査用データシート    □web 配布アンケート調査見本

地方への移住

空き家バンクの実施 小豆島における転入者との共生、再編

事前調査 第 3 章 ・ 第 4 章

①小豆島町役場への問い合わせ ②移住者、有識者へのヒアリング

③空き家バンク登録空き家の見学

1.空き家・移住状況の実態把握 2.現地調査対象の選定

④フィールドワーク

現地調査 ①アンケート調査(移住者63名 住民90名 計153名) ②ヒアリング調査(移住者23名 住民15名 計38名) ③マッピング調査(堀越地区 苗羽地区) ④フィールドワーク(堀越地区 苗羽地区)

現地調査結果

□堀越地区    □苗羽地区

・災害、芸術祭などと関係して見られる

香川県小豆島における 移住者の増加

第 2 章 調査地概要  2-1 選定理由(香川県小豆島町)   2-2 地理的背景 2-3 歴史的背景 2-4 制度的背景

転入者の可能性

社会背景

第 1 章 ・ 第 2 章

第 5 章 ・ 第 6 章

①アンケート結果集計 ②ヒアリング結果集計

③空き家マップ、催事・日常動線マップ

1.個人別データシートの作成 2.地区別マップの作成

④平面スケッチ(移住者10軒)

分析 1.フェーズ別分析 …「空き家登録」∼「転入後」までのフェーズに沿って、問題点や人物毎のはたらきを分析

□ヒアリング付アンケート調査見本

2.地区別分析

□空き家マップ用データシート(2 地区)

…堀越・苗羽の二地区において、移住者を取り巻く地区の状況について分析 定住を妨げる要因、移住の問題点

第 5 章 現地調査集成

考察

5-1 ヒアリングデータシート       □基本情報    □空き家周辺情報

5-2 アンケート集計資料 5-3 空き家マップ

第 7 章

考察Ⅱ

考察Ⅱ

第 8 章

空き家への移住が地域にもたらす効果

考察Ⅲ

第 6 章 分析  6-1 分析  6-1-1 フェーズ別分析  6-1-2 地区別分析

第 7 章 考察 7-1 考察構成   7-2 考察Ⅰ 転入する際定住の助けとなる方法  7-3 考察Ⅱ 移住者が地域にもたらす効果 7-4 考察Ⅲ 空き家と移住者がもたらす集落持続の可能性

第 8 章 結論および展望  8-1 結論   8-2 展望 8-3 参考文献 8-4 謝辞

転入する際定住の助けとなる手法

移住者が地域にもたらす効果

□空き家内部情報

考察Ⅰ 障壁と改善案の提示

考察Ⅰ/考察Ⅱの相互関係

▲考察の詳細フロー

結論

■用語解説 ・空き家バンク(制度) …移住・交流促進施策を進める地方公共団体が行っている移住・交流希望  者の住宅確保の支援等のため、その区域内に所在する空き家等の住宅に  関する情報を収集し、提供する事であり、小豆島でもこの制度が行われ  ている。


第 1 章 研究概要

第 4 章 現地調査概要 ■地区別分析結果

■本論文について

■堀越地区                  ■苗羽地区 沿岸の限界集落

少子高齢化等により元の構成員のみでの集落再編が困難になってきている。こう した中、移住者を呼び込み、新たな地域の担い手として町を更新していくことには 可能性がある。今日において、 震災や芸術祭等の社会背景により人口は変動している。 2011 年の東日本大震災時には、避難者たちの移住として大きく取り上げられた現 象であると記憶している。またこれからもこうした変動は起こり続けることが考えら れる。 そのなかで地域のリソースをどう活用するか、またソフト面でどのような 取り組みをしていくかで集落が更新するかが決まるだろう。その地域に住み暮らす 住民と集落に介入する移住者がどのように混住するか、その手法をまとめることに意 義を見出したい。

人口

人口

空き家バンク利用数

91人

高齢化率 齢化率 変遷

11 世帯 高齢化率 齢化率 変遷

世帯数

45世帯

427 世帯

高齢化率

高齢化率

51%

■研究目的

空き家バンク利用数

1075 人

4 世帯

世帯数

醤油業で栄えた中心街

地区毎の特徴をまとめると以下の表のようになる。 ひとくちに小豆島町といっても、空き家の分布や大家との関係性、地域の集会の空間や   性質が地区毎に大きく異なり強い地域性を持つ。 堀越地区

苗羽地区

①空き家の分布

中心部に多い

川沿いに集中

②移住者の家の配置

大家の同地区居住が多い

仲介の物件が多い

③人と出会う場所 ④日常・催事動線

人と出会う場所が多い

人と出会う空間は少ない

浜道が町の中心の骨格

移住者の移動範囲は狭い

⑤移住者転入後の 集落の変化

37%

空き家に移住した人の多くが余剰空間を 客間やカフェ、というように有効活用して いた。 →空き家の多くに余剰空間が生まれており 住む以外の機能を保持している。

▷島内外の多様な人をつなぐ  媒体としての効果がある

島外の人の流入を促す 島内の人が集まる場に

■考察Ⅲ 空き家と移住者がもたらす集落持続の可能性 〈考察Ⅰ〉〈考察Ⅱ〉を関連させて考えることで、これまで扱った空き家と移住者が集 落の将来・時間的な視点から、集落の持続にどのような可能性を持つか考察する。

両地区で新しい催しが移住者によって始まっている 祭りの衰退

3. 場所簿の固有性を継承した 住民

2.移住者が地域にもたらす価値を明らかにする 3.移住者を受け入れる地域の体制を整理する

01 共同駐車場

■仮説

02 浜道と細い枝道

03 集合する拠点

01 醤油蔵

02 醤油蔵跡地

03 点在する寺

1. 場所の発見

苗羽地区は小豆島町の商業の中心であり、各種公

%を超え近い将来集落の存続が危ぶまれる限界集

共施設や教育施設も集中している中心地区である

■考察Ⅰ 転入する際定住の助けとなる方法

地域に元々ある空き家を利用した移住促進は地域の風景/文化の継承に役立つ

落である。近年空き家を利用して6軒の移住者が

。かねてより醤油産業が栄え、現在は廃業により

のではないか

転入し現在集落の人口の15%程度を占めるまで

減少したものの醤油蔵が多く現存する。

に至り、幾つかの家庭では新生児が誕生すること

堀越地区に比べ古くから移住者(Uターン含む)

アンケート・ヒアリング結果から上記の考察を行う。住居形態別の行事への参加数や近 隣との交流頻度の結果(=定住し地域にとけ込むある基準と捉える)と、住居形態毎の大 家や近隣との関係(=地域にとけ込む要因となるもの)を比較することで考察する。

で高齢化率の低下と地域行事の若い担い手が増え

が流入しており、空市や見守り保育など移住者を

ている。また、かつて小豆島で栄え一度は廃れた

発端とした試みがみられる。

空家を利用した移住促進は地域とつながりのある人材の介入が必要なのではないか

人口の減少

空き家バンク利用

0個

1 個以上

4 85%

0. 移住

転入者の家(元空き家)

転入者の家と対応

移住者

N=13

移住者

41%

・アンケート調査

・地区別空き家調査

回答:移住者 63 人

地区:堀越地区 24 軒 苗羽地区 37 軒(空き家)

59% 大家

N=24

寮・アパート

大家 2

住民  90 人 (人)

内容: フィールドワークと地区の地権者へのヒアリン

内容:空き家バンクの認知度や居住する住居タイプ、地

グを通して、地区内の空き家の分布状況につい

域行事参加度など空き家バンクを取り巻く基礎的

て調査。各空き家にが管理されているか放置さ

な情報や回答者の居住環境・地域との関わり方に

れているかなど管理状況についても調査した。

1.5 倍

ついて調査。

出典 総務省統計局国勢統計課人口移動調査係

△fig1. 都道府県別人口の増減

△fig2. 都道府県別人口の増減

している事、また空き家バンクを利用している人

内容: ヒアリングと併せて、回答者の日常/催事動線

程地域への介入が見られる。

内容:住民と移住者について聞き取りを行った。住民に

場所や集まりが行われる場所などを聞き取り、

ついては、移住者の流入や地区内での移住者の関 わりについての考えなど意識調査を行った。 移住者については、移住の経緯から空き家を探し 現在生活していく中での問題点や役立ったことな どの意識調査を行い、移住を取り巻く問題や地域

地区の中で重要と思われる場所を調査した。

・住宅平面スケッチ

との関わりについて調査を行った。

てなすスペースなど空間の利用実態について調 査した。

は沿岸の祠や山際の寺社・閉校跡地に集中。

空き家は余剰空間が多く、そ

理されていないものや空き地も目立った。

れらを店舗や、島外の人物を

苗羽地区:

受け入れる場として利用する

動線は多岐に渡るが、人が集まる場所は寺社  絶対数が多い。大規模なお屋敷の空き や醤油蔵跡地のオープンスペースに集中

小豆島町内における空き家バンク登録空き家は 99 軒。現地地調査対象としては、空 き家バンクによる移住の絶対数が多い苗羽地区、割合の多い堀越地区を選定し、抽出 的に調査を行う。これはより移住者が地域にもたらす影響を考察できるようにするた めであり、空き家バンクでない空き家利 その他

木造

2

11軒

10

1 軽量鉄骨造瓦葺

世帯数

8

775

1.0%

8

2 鉄骨、2 鉄筋コンクリート

376

2.1%

査地を選定した。

西村

6

1 軽量鉄骨鋼板葺

519

1.2%

苗羽地区 :空き家バンク数 11 軒。小豆島町で最も空き家が 多く移住者の活動が最も多様化・成熟した地域。

358

0.8%

117

2.6%

6

4

1 鉄骨、1 鉄骨 CB 木造鋼板瓦葺き

626

1.0%

二面

2

1

1 軽量鉄骨メッキ鋼板葺

167

1.2%

中山

2

175

1.1%

池田

7

6

1 鉄骨鉄筋コンクリート

842

0.8%

田浦

3

2

1 鉄骨スレート

50

6%

坂手

6

5

福田

2

2

古江

6

蒲野

2

草壁

11

4

3

当浜

3

3

254

2.4%

365

0.5%

82

7.3%

142

1.4%

鉄筋カラーベスト 1 鉄筋コンクリート

行政、大家だけでなく地域住民も移住という問題に関わっている。そ の際、大家や寺という人材を介すことで住民と移住者に関わりが生まれ、 より定住促進、また集落の更新に効果をもたらす。

住民に昔の話を聞く 移住者は地域の魅力を認識する

移住に関わる人物相関図 住民

行政 ①空き家を登録

ある要因が生む利点 ある要因が生む問題点 問題と、関わる人物

1.8%

46

6.5%

堀越

4

4

45

8.9%

神懸通

2

2

338

0.6%

吉野

3

3

82

3.7%

△fig3. 都道府県別人口の増減

・壺井さん

・津田さん妻

▷外からの新たな視点を 移住者/住民 持ち入ってくる事で 人口の減少 各地域の価値を再認識させる効果 新たな構成員の参入

・三戸さん

・津田さん夫

・正月さん

昔行われていた事

大家

住民 ・大家として家を登録

・一度の訪問に 1 軒しか見られない

・行政に引き渡す=とられる という感覚がある

・法会など定期的に空き家について 親族に働きかける

・ひどく劣化した物件の登録 への制限がない

・新たな地域の 魅力を発見する

・どのくらい改修すベきか 分からない大家もいる

・地域の建設業への改修依頼 増加

・転入者のニーズが 分からない

・そんなに多くは改修出来ない =小豆島の風景を残している

・清原さん

苗羽

・地区の人への紹介

任せている

・大家から紹介を受ける

空き家バンク利用 6% 6% % 6% 12% 6% %

・契約条件を巡り トラブルが起こる

・ワールドカフェ(移住者と住民に よる会議、集まり)を開催

・子供の就学によりすぐに 地区を出る人もいる

・契約条件を巡り ・話し合いの中で 信頼関係が築けた

33%

4% % 21%

・住民とのプライベートの 境界線に戸惑う

・自治行事へ誘う

④転入後

N=17

空き家利用 29%

・野菜などの受け渡し

トラブルが起こる

△fig4. 移住対系図

西村 ・村田さん夫妻 ・山本さん

町役場

・吉元さん

・SNS により移住前に移住者の生活 を知る事が出来る

・自治会参加の呼びかけ

・瀬尾さん

・橘さん

・地域の担い手となる

・移住者のマッチングが 行えている

・自治などの相談にのる

・辰巳さん ・金両さん

・三木さん

・黒島さん

・空き家バンクに登録してもらい 改修が大家との話し合いで行えた

・仲介を行う

・交渉を大家と移住者に

・慈空さん

・福島さん

ここでは〈考察Ⅱ〉でみた移住者の営みが地域にもたらす効果に加え、移住者が住まう 「空き家」でよくみられる余剰空間の活用がもたらす効果について考察する。

65%

③空き家を借りる

・原さん

・山本剛さん

・町外の人の流入を 促す

・話し合いの中で ・改修された綺麗な空き家に ・転入すると空き家が 信頼関係が築けた 移住出来た 改修されていたが他に 改修したい部位があった

・信頼関係あり

・渡辺さん

・岡本さん

■考察Ⅱ  空き家への移住が地域にもたらす効果

転入者

・空き家はあるが、 仏壇があり貸せない

・平木さん

・中村さん

移住者

利点と、関わる人物

1.8% 218

移住者 堀越

住民もその魅力を再認識する

・補助金が大家に支払われる(50 万)

②空き家を改修

大家

・西川さん

場所を発見する

1.4%

蒲生

:空き家バンク率 8.9%。小豆島町で最も空き家率 の高く移住者が地区に与える影響が最も高い地域。

■結論②

⑤祭りの復興

461

安田

2

④大家と関わる中場所の伝達

・石井さん

の特定できる移住の形式をもとに現地調

1 鉄筋コンクリート

③移住者流入

■フェーズ別分析結果

・空き家単体に関する情報が多い

6

れ始めていた。

1.2%

3

堀越地区

②人口減少により中止

2.6%

3

▽現地調査対象地(香川県小豆島町)

ルが(第 3 者の流入の継続によって)作ら

155

6

草壁本町

小豆島ではこの緩やかな人口流動のサイク

427

木床

く、集落の更新に際し要となる役割がある。

・塩田さん

片城

3

空き家には単に住まいとしてだけでな

△fig9. 三社祭の消滅から移住者流入と 祭再興のフロー

△fig8. かつて三社祭が行われた場所で移住者に よって再興された『納涼祭』(堀越地区)

▽fig14. 空き家への移住を基軸として 集落が持続的に更新される

・浜井さん

空き家の割合

馬木

の移住者」という今のところ地区別に数

地域住民

集落の更新という視点から移住者の価値・もたらす効果について述べる。ここでは、移 住民 住者が再興した堀越地区の祭事を例として、移住者が地域にもたらす効果を考察する。

去の営みを再興した。→外の視点をもつ移住者 空き家登録から移住までのフェーズ事に各人がどのような働き をするか記録し、分析した。大家や寺の住職など、あるキーパ ーソンが移住者と住民を結びつける存在になっている。

考察Ⅱ 地域にもたらす効果

▷移住者自身と空き家の持つポテンシャル両方が働いた時、 新たな移住者を呼ぶ人口流動のサイクルを生む効果となる。

■結論①

ね、場所にまつわる過去の話を聞くことで過

第 6 章 分析

状況を把握するものである。

大家

■考察Ⅱ 移住者が地域にもたらす効果

移住者が気になる場所について近隣住民に訪

に整理した。(fig3)これは、小豆島町内における空き家バンク制度の基本情報と普及

移住者

家も目立った。

進策の1つとして取り組まれている「空き家バンク」という政策の利用状況を地区毎

苗羽

▷移住者の地域への早期介入・定着は  地域とつながりのある人材の存在が重要である

時系列

小豆島町役場企画財政課への問い合わせ、資料収集より小豆島町において、移住促

室生

全体として玄関先で訪れた人 と会話することが多い。

考察Ⅰ 定住の助けとなる手法

第8章 結論・展望

■平面スケッチ

堀越地区:

移住者は外の人ともともとつながり を持つ。そこに空き家の空間性が働 き、島外の人を流入、移住させてい る。  また移住者が見つけたり再認識さ せる個性が合わさる事で緩やかな更 新が生まれる。

▷空き家へ第3者の流入が続く事によって 風景・営み共に町の緩やかな更新を促す。

①三社祭

海岸沿いの主要道に動線が集中し、催事や会合  地区の約1/3が空き家であった。長年管

△fig13. 移住者参入と集落持続のフロー

→空き家バンク利用者程地域へ介入している。

第 5 章 現地調査集成

苗羽地区:

45             90M

scale 1:1500

地区:堀越地区、苗羽地区移住者 10 軒  内容: 移住者の住宅の平面図を作成すると供に人をも

△fig12. 移住者があらたな移住者を呼び込んでいる

移住者

地区:堀越地区 16 軒 苗羽地区 10 軒

堀越地区:

■空き家バンク利用状況調査

0   15

堀越地区

回答:移住者 23 人

■日常/催事動線マッピング  ■空き家マップ

第 3 章 事前調査と調査対象地選定

△fig7. 大家と移住者の関係

・ヒアリング調査

について調査。動線だけでなく、よく人と合う

第4章の調査結果を基に以下の成果物を作成した。これらを分析/考察を行う際に用いた。

香川県の移住者増加→小豆島町への移住増加が原因

空き家バンク数

△fig6. 地域行事への参加数(住居形態別)

空き家を利用している人の多くが地域行事へ参加

住民  15 人

大家が同じ地区内に居住している

移住者

N=10

・日常 / 催事動線調査

左図は、平成23,24年の都道府県別転入者、転出者数を表したグラフである。これより 平成24年に転入超過となっているのは11都道府県(東京、埼玉、神奈川、福岡、愛知 、大阪、滋賀、宮城、沖縄、岡山、香川)。都市部への人口流入が続いているのが分かる 。一方地方の多くは前年より転出者数が多くなっているところが多く、過疎が進んでいる と考えられる。  そうした中、宮城、香川が前年の転出超過から転じ、転入超過となった。宮城県は平成 11年以来13年ぶり、香川県は平成8年以来16年ぶりの転入超過である。  主な理由として、宮城は「東日本大震災により福島からの避難者が多く転入してきたこ と、復興事業の従事者の転入」、香川は「小豆島への移住者の増加」としている。

集落名

40%

60%

新たな構成員の参入

共有施設

*数字はその家が持っている

2

空き家利用

■調査内容

■調査地選定(香川県小豆島町)

移住者

大家の家

15%

塩田が移住者によって再興された地域でもある。

第 2 章 調査地概要

2. 場所の情報の伝承

移住者/住民

堀越地区は沿岸部の集落である。高齢化率が50

・制度的視点

新たな視点で地域を見る

第 7 章 考察

・地域的視点

定出来なかったため、「空き家バンクへ

新たな試み

移住者

△fig5. 地区別特徴 地域の文化に詳しい

用による移住では地区毎の厳密な数が特

違う形での再興

多くの空き家で余剰空間が発生しておりそこは店舗や客間に利用されていた

⑥空き家の使用

1.空き家利用の定住促進効果、手法をまとめる

20%

40%

10% 20%

・こまめ食堂 A さん

同居

・岡田さん ・城石さん ・皿田さん

・稲葉さん

・自然舎 A さん

・房野さん

・真鍋さん

(島外の人を受け入れる際に活用)

雇用関係 交友関係 大家と移住者

■展望  今回、自分の身近な地域に対する研究となったこともあり、今回考察

13%

した提案を小豆島町に対し行う。

10%

縮小を始める日本において、都市部でもこのような問題が起こると考

N=10

△fig10. 近隣の人との会話頻度(住居形態別) 2

仲介と移住者

余剰空間

N=24

寮・アパート

・蒲さん ・清藤さん

△fig11. 移住者が住む空き家バンク物件の平面と アクティビティの記録

え、この研究が都市にも対応する研究となる事を展望とする。


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