egumi20years

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2−4 え組婦人部の誕生と現状 婦人部の生い立ち           婦人部 村松武子  祝二十周年 おめでとうございます。

最初の頃は、あれもない、これもないと皆様とご一緒に知恵を絞

晩秋のある日、発起人の一人、ある方から、今年が遠州浜組が出

り、一歩が始まりました。

来て二十周年になるが、記念誌を作るにあたり、初年度の婦人部の

男性の会員の皆々様に大変助けられました。

立ち上がりが如何であったか、文章にして下さいと依頼されました。

平成2年5月、まつりを迎えた初日、一年間の団結がひとつにな

何分にも昨今の事も忘れる年齢を迎え、二十年前の事を紐解く事

って、オイショ、オイショ、2日目の雨も熱気ほとばしり、夜は初

が出来るか、少ない資料、写真等から思い出してみます。

子さんのお宅にカッパを着て、練り歩く元気、3日目(5日)の夕

凧場近くに住んでいて、凧まつりに参加出来ない寂しい気持ちで

方には雨も上り、すばらしい夕焼けの中、ラッパ、太鼓、笛、オイ

いましたが、平成元年同好会設立、まつり好きは小躍りしました。

ショのかけ声。

「老若男女」が参加できるまつりですから、子供も参加します。

今迄の苦労が報い、輝いた一瞬でした。本当にきれいな夕焼けで

子供には子供会があります。その他大勢の年齢の方々もいます。

した。

旧市内のまつり参加の町内には婦人会がありました。

今も変わらない遠州浜の夕焼けです。

さて、遠州浜組と言うと、同好会からの出発ですから、一つひと

今走馬灯の如く、懐かしくよみがえってくる二十年。

つが手探り、でも二十年前は、まだ皆様は若かった。

いつ迄も「え組」の凧が五月の大空高く揚り、初子さんを祝い、

やらまいか精神でご家族の協力のもと、十数人が集まり、輪が広

会員の皆々様の今後のご活躍をと申し上げ、お祝いの言葉と致しま

がり、立ち上げる事が出来ました。

す。

初練りは片付けまでが祭り      婦人部 松井セツ  私が婦人部に係わったのは鈴木元二さん(現顧問)からのお誘い からでした。  同好会に婦人部をつくろうという中で活動に参加をはじめました が、初めから何ができるというわけではなく、旧知の堤さんらと婦 人部は何をしましょうかと聞きながらの活動開始でした。二年目の 時に家の次男が交通事故になり入院して祭りに欠席、三年目からの 活動では、組法被にワッペン付けをしたり、手ぬぐい畳みをしてお りました。  最初の頃は子供連の後ろについて婦人部も練りに参加し、初練り では施主さまのご接待の手伝いをしておりました。  婦人部は凧場の陣屋のお手伝いとして初子様ご家族の接待の為の 料理づくりをしていますが、毎年藤越の守屋好子さんが重箱一杯の ご馳走を作ってくれ、私は、お汁粉、おでん、トン汁をつくって持 ち込み、疲れて陣屋で一服する役員には、おしぼりを100本くら い持ち込み、冷たいおしぼりをつくって組員に渡したり、故郷の熊 切銘茶をサービスしたりしています。  また、一日凧を揚げ、お腹を減らして帰って来る役員に、冷麦、 味噌汁をつくることも婦人部の仕事です。  山本美智子さん、森田敏江さんらが手作り餃子などを用意し、パ ワーの補給もしてくれています。

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婦人部の大切な仕事と言えば、初練り終了後にお掃除をして施主 さまには大変喜ばれています。初練りは最後のお掃除まで完璧にす ることを婦人部の誇りにしています。  陣屋に向かう時は湯茶運搬車で、初練りではお掃除の車で向かい ますが、その運転をしてくれ、私たちと楽しいお祭りをしてくれて いるのは、大石顧問、川島義弘さん、松島信義さん、佐々木芳雄さ んら各年度の男性陣でした。  出陣式にやらまいか踊りをした思い出もあります。  遠州浜夏祭りでは婦人部はやらまいか踊りをしています。今では たくさんの男性役員も参加してくれるようになりました。  え組と共に私たちも大ベテランとなりましたので、今後は楽しむ お祭り+お手伝いとし、たくさんの仲間を増やそうと思っています。  私の孫3人もそれぞれ初祝いをしていただきましたが、飛んだ凧 を無傷で回収して来てくれた時は感動しました。一人だけ初練りの みも経験しましたが、やはり浜松まつりは勇壮なえ組の凧がないと もの足りません。 凧揚げは見るだけでなく、何かの仕事を担当す ることでもっと楽しい祭りになります。  初参加の頃、私たち婦人部の仲間は30∼40代でしたが、これ からの祭りに現在の同様の世代の仲間ががんばってくれることも期 待しています。


2−5 ラッパ隊誕生と現状  ラッパは練りと凧を扇動する                      ラッパ隊 松下泉  参加前年の秋だと記憶していますが、 遠州浜凧揚同好会設立と共にラッパ隊を 募集していると聞き、子供が応募して初 めて遠州浜組のラッパ練習に参加しまし た。当時は副組長ら役員までがラッパを 練習をするということで、練習会の参加 人数は子供30人を含む50人を越えて いました。  初代ラッパ隊長は自衛隊でラッパを吹 いていた経験を持つ森博さんでした。大 変厳しい練習だと言われましたが、初年 度の参加までに、音も出せない子供が立派に吹けるようにするには、 教える隊長も教えていただく子供も熱心に取り組まねば間に合いませ んでした。  私は JAZZ バンドでトロンボーンを長く楽しんでいましたが、子供 のラッパ隊練習を見ているうちに、祭りラッパの魅力に取り付かれて いました。  忘れてならないのは、ラッパ担当の副組長としての子供たちにも、

森さんの後任としてラッパ隊の練習に取り組んだのが内山寿之さ んでした。ラッパ隊独自に祭り後の反省会や楽しみ会などを企画し て盛り上げていただき、ラッパ隊の絆が深まりました。  一昨年までラッパ隊を指揮したのは伊藤友之さんでした。伊藤さ んはその活躍からラッパ隊出身の初めての副組長に選出されました。  昨年からご家族5人で参加する下位泰子さんが初の女性ラッパ隊 長に選ばれ、女性らしい細やかな配慮でラッパ隊をまとめてくれて います。  私は隊長経験はありませんが、常に指 導のお手伝いをさせていただいています。  元気な子供ラッパ隊は参加時間が終わ ると会所に戻りますが、その後は大人ラ ッパ隊が子供の分まで活躍することにな ります。  遠州浜組ラッパ隊のラッパと太鼓で初 練りが盛り上がります。ラッパの扇動で 一気も勢いがつきます。  私たちの誇りは、遠州浜の練りを形作 る心のリズムを盛り上げていることです。

私たち大人にも慕われた岩田和彦さんの登場です。岩田さんは、組 とラッパ隊を繋ぎ、初練りでのラッパ隊の位置付けに取り組み、 「ラッパで凧も練りも踊り出すんだぞ」と子供たちに教え、現在のラ ッパ隊の基礎を築いていただきました。

ラッパ隊の練習とその思い出                  記念誌発刊によせて                   初代ラッパ隊長 森 博  凧揚げ同好会の堀内さんから、ラッパ隊を作りたいから相談され、 総務担当と打ち合わせし、広報で募集を始めましたが、当初はラッ パが吹けるのは私と、青年部の里見臣弘さんだけでした。  募集で集まった小学生以下の子供を集め、参加前年の11月から 練習会を行い、まずは音を出す練習からはじめて、初参加の5月に はやっと低音のみ、リズムに合わせて音が出るようになりました。  2年目からは大人の参加者も少しづつ増え、少しはラッパ隊らし くなったことを覚えています。  ラッパの音を出すコツはありません、一に練習、二に練習です。  正しい姿勢を保ち、ロングトーンを出すことが上達に結びつきま す。  これからも役員の皆さんの指示をよく守って、え組のラッパ隊の 勢いが、初凧を高く舞い揚げますように頑張って下さい。

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時代に副組、村松組長時代に総監をして、組長を4年やらせ    てもらいました。 (山本) 二人は叩き上げの組長だったね。若い役員にも二人のよう    に組長になってもらいたいものだね。 (司会) 高須組長の次は村松組長でしたが、当代組長ですから別と    して、次に里見組長時代の話をしましょう。 (里見) 青年監督から叩き上げて15年目に組長になりました。    総監は高須相談役の高須さんにお願いしました。相談役に納    まるのでなく現場で活躍してもらいたいと思いました。高須    さんは中学時代から剣道部の先輩、後輩のコンビです。 (白柳) 子供お菓子券の配布を始めたのは高須組長でしたね。改め    て子供のまつりとして町内の子供の参加を増やしました。子    供連に入り、がんばって参加した子に、平等にお菓子を分け    る方法は今も続いていますね。 (山本) 子供へのお菓子の準備は同好会長や婦人監督や子供監督、    物資担当の皆さんの努力で滞りなくできていることに感謝で    すね。 ( 高須) 組発足から数年は初練りでは、役員がご接待の料理や飲み

(白柳) 子供会員制度を発足して町内の子供が参加しやすいように    したのは里見さんだったね。 (山本) 里見組長は双子でお兄さんが頭蛇寺町の凧揚げ会で活躍し    ているね。     凧場で頭蛇寺町と会うと兄弟組という気がするよ。 (森田) 現在活躍している中村元一さん、小西稔さん、鈴木浩介さ    んらが活躍し出したのも里見組長時代だったね。 (高須) 青年の参加ももちろん嬉しいことでしたが、物資や段取り

物を運びましたが、会員にも協力してもらうようにしました。

の仕事で活躍してくれる役員の皆さんに感謝しています。初

役員も初練り時に休憩や飲食ができるようにしました。

練りの家の周りを事前にチェックし、側溝の蓋がないところ

(森田) 高須組長は普段は酒を飲まないが、少し飲んで勢いをあげ    てたね。 (白柳) 森田組長の代から組員も飲食ができるようになったね。た    だし目立たないように座っていただくようにした。まずは会    員に楽しんでもらってからだけどね。 (森田) 高須さんは確か監督から組長までさまざまな襷を経験した    ね。 (高須) 初年度は監督、村上組長時代は青年監督、森田組長時代に    青年総監督、山本組長時代に副組、その後、組長になりまし    た。村松組長時代は相談役襷を着けましたが里見組長の時に    総監に復帰、現在は相談役です。 (森田) 里見さんは? (里見) 初年度は青年監督、村上組長時代に青年総監督、森田組長

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に仮設の蓋を作ってくれます。安全第一の初練りの影の功労    者は多くいます。 (白柳) 鈴木元二同好会長が、物資や初練りの段取りまで細かく担    当してくれたのも里見組長時代だったね。 (里見) 鈴木元二会長には本当に感謝しています。ただし後任の松    平五郎会長がお亡くなりになったのが残念でした。影になっ    て組を守り立ててくれた会長でした。     4年間の組長時代は毎年初祝いが多くて、4年間雨が降ら    なかったのが自慢です。 (司会) 次に組長を経験した我々から、後進へのアドバイスをして    みましょう。 (森田) 組長とはまつりの3日間の縦社会の長です。組織づくりを    し長として責任を持ち、全員の力を借りて町内の初子祝いを    立派にやり遂げるのが仕事です。責任重大だけれど、組長と


して迎える3日の朝の緊張感はたまりません。

(白柳)「愛」ですよ。凧のもとに知らない人たちが集まって作ら    れたのがえ組です。

(山本) 組長とは準備から当日まで初凧揚げ、初練りの責任をとり    ますが、役員として情熱を持つ人は一度は経験してみてくだ

自分は仲間の為に、仲間は一人の為にと思う心で揚げる凧    は愛があります。

さい。    祭り仲間が大勢いる喜びがわかります。

(高須)「協」ですよ。遠州浜町を盛り上げるには町内全員の協力    が必要です。理解しあい、助け合って何事かをやり遂げるこ

(白柳) 組長は緊張と責任がありますから気合が入ります。自分を

と、これがえ組の協力精神です。

律して凧に望みます。     子供に楽しい思い出を作りたい一心で働きますが、この経

(里見)「粋」ですよ。祭り心の形から入って楽みます。粋に始ま

験は会社では経験できない独特の喜びがあります。是非経験

り、粋に盛り上げ、粋に終わる。全員で祝福の万歳をする

して下さい。

ことは粋そのものです。

(高須) 組長は多忙です、準備の時期は家庭を顧みなくならざるを

(司会) では組長経験者の我々の座談会のまとめをしましょう。

得ませんが、子供はオヤジの背中で育つといいます。許せと    思いながら組運営をするのが組長です。

え組の役員は全員で支えあい、盛り上げて毎年初凧を揚

これから組長をする人は、家族のフォローが大切です。

げ、初練りをしています。     会員の祝福の心をきれいな形にして、町内全員の祝う心

(里見) 組長として役員と会員に感謝しています。盛り上げには全

とすることがえ組の心です。

員の力が必要です。

どの襷も会員も平等に祭りを作り、楽しむ中で出来た仲

組長として三日の朝、風呂に入り、塩で清めて参加するの

間の仲で、また次の組長以下の分担が決まる。組長をやっ

は、誰も怪我がないように、初凧が立派にあがるようにと願

た後は経験を生かしてフォローにまわり、なんらかの仕事

うからです。全員で凧を揚げ、練っている実感が組長にはあ

を担当します。

ります。

え組が始まった年、このメンバーの中に誰も知り合いは    いなかった。それが今や20年来の親友となり、生涯の友

(司会) 次に全員に漢字一文字で遠州浜組を表してもらいます。

としている。遠州浜組に参加するということはそういうこ    とですね。

(森田)「友」ですね。遠州浜組に入って何人何十人の仲間ができ    ました。凧がなかったら得られなかった生涯の友ですよ。 (山本)「絆」ですよ。目を見れば全てを読み取って働くような関

(全員) そうだね。 (森田) 生涯の友と参加する遠州浜組をこれからも盛り上げて行

係って他にないでしょう。

こう!

凧は一本の糸のようにつながった心で揚げるのです。

(文責 氏原一郎)

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