アイランド・ミュージック「PALI」

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Island Music ◆ PALI

「思い出」は新世代を作る スピリット PALI パリ ハワイ音楽界のグラミー賞と称されるナ・ホ

アン・アーティストのスピリットそのものが、新

ク・ハノハノ賞の2007年ベスト・コンテンポラ

世代へと引き継がれているのである。ハワイで

リー賞を、PALIが受賞した。PALIとは4人組の

は音楽専業のアーティストは実は極めて少な

バンド名ではあるが、そのリーダーであるパリ・

く、Paliもハワイの大手インターネット・プロバ

カアイフエの名前でもある。受賞アルバム

イダー会社の若き取締役社長でもある。ただ

「Tribute」は、ハワイアン・ミュージックのルネ

PALIの場合はアーティストと社長を兼業とい

ッサンスと呼ばれた1970年代に、コンテンポラ

うより、どちらも専業なのだ。

リー・ハワイアン・ミュージックの新時代を築き あげた往年のアーティストたちのヒット曲をカ

「出社時間やライブツアーのスケジュール調

ヴァーしたものである。複数のアーティストに

整にも、社長というのはとても都合が良くて

よるコンピレーション・アルバムではなく、PALI

(笑)、アーティスト業も100%、会社の仕事も

というひとつのバンドが、 「自分たちを育てて

100%で臨めるのは幸せです。会社がインター

くれた音楽への感謝を込めて」という想いとと

ネット・プロバイダー業なのを利用して、ストリ

もに、一環して「PALIサウンド」で聞かせてく

ーミング・ライブなども開催しています。ふたつ

れるアルバムは、1曲目から最後まで心地良い。

の仕事をお互いにサポートさせていけるのは 楽しいですね!」 。2007年夏には観光局の日本

ナ・ホク・ハノハノでは、 「実は手術直後で痛

イベントにも招聘され、日本での初ライブを

み止めを飲んでいたので、受賞のアナウンスは

行なった。同年10月には「Tribute」が日本でリ

幻覚なのか(笑) と思ったほど」とPaliは話す。

リースされ、今後はプロモーション・ライブも

「子どものときから、音楽は常に日常生活の中

予定されている。 「日本は個人的に大好きで何

にあるという環境でした。家ではピアノを習っ

度も行っていますが、バンドとしては初めて。

ていましたが、独学でドラムやギターも始める

日本のオーディエンスは、ハワイの音楽と文化

ようになり、高校生のときはヴァン・ヘイレン

に対する知識も理解度も高く、パフォーマンス

に夢中というアメリカのティーン・エイジャー

をしていてもエネルギーが通じ合える感じが

の王道を行きましたよ(笑) 。ロック、ジャズ、

ありますね!また、沖縄の音楽にはとくに惹か

R&B、ハワイアンと、すべてが僕自身の文化と

れます。文化、歴史、人、ハワイの音楽に共通す

なっています。ハワイアン・ミュージックへ傾倒

るスピリットを感じます」 。日本のライブでは流

していったのは、ヘンリー・カポノ氏が従兄弟

暢な日本語で「島歌」を披露した。日本のバン

という影響も大きいですね」 。 アルバム 「Tribute」

ド「ちゅらまな」とのコラボレーションをはじ

にはヘンリー・カポノ氏をはじめ、カラパナの

め、これからの活動はハワイから外に出て大き

オリジナル・メンバーなども参加。ひとつのバ

く飛躍していくことになるのだろう。

ンドがカバー曲を演奏したアルバムではなく、

*PALIの定期ライブは毎週金曜日、 アラモアナ・ホテル内

ルネッサンス時代から今に至るまでのハワイ

ハワイの音楽を 連れて帰ろう!

PALI「TRIBUTE」 TROPICAL MUSIC,INC

パケレ・ラウンジで夜6時30分より

おすすめ CDピックアップ !

Hawaiinawa /Teresa Bright

Napua Greig /PIHANA

One of these days /John Cruz

Ukulele Journey /Herb Ohta Jr

Hawaiian Slack Key Guitar FestivalsVolume II/Ki Ho ‘Alu No Ka Oi

トラデショナル

ハワイアン

アイランド・コンテンポラリー

ウクレレ

スラックキー・ギター

数々の賞を獲得し、世界中に知られるテ レサが沖縄の曲をカバー。三線とスラッ クキーのサウンドが微妙にマッチして いて、ハワイ語の歌詞と日本語を混ぜな がら、ていねいに歌うテレサの暖かい歌 声に思いきり癒される。

クムフラ、フル・リンゼイの娘で、彼女自 身もクムフラとして、様々なシーンで活 躍してきたナプア・グレイグが、デビュ ー・アルバムをリリース。フラダンサー としての自分の人生を凝縮した、フラフ ァンにはたまらない1枚。

ソウルフルなボーカルと土臭いサウン ドのベテラン・アーチスト、ジョン・ク ルーズの待望の新作は、メインランド を意識したサウンドでハワイの若い世 代にアピール。ジャック・ジョンソンも お気に入りでプッシュしている。

人気ウクレレ奏者、ジュニアの最新作 はオリジナル7曲、ポップスの名曲5曲 を収録。なんとファンからの要望によ り、ジュニアの歌声もボーナス・トラッ クで聞ける1枚。ハパのバリーやジョ ン・ヤマサトなどゲストも豪華!

ギャビー・パヒヌイの貢献を讃えるため に各島で行われる恒例のスラックキー・ フェスティバル。過去に参加した数多 くのグループの中から、18アーティス トをセレクトしたライブアルバム。ジ ョン・ケアヴェがとくにおすすめだ。

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