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ノスタルジック フアラムポーン 建設100周年・タイ鉄道はじまりの駅

 2016年、めきめきと近代化をとげるバンコクにあって、 まるで日本の昭和30年代を垣間見 だ。 られるものがある。今年119年目となるタイ国有鉄道(SRT:State Railway of Thailand)  かつて日本で活躍した車両が走っているし、地方の古い駅舎は今も現役。すべてがノス タルジックなタイの鉄道に魅了される鉄道ファンは多い。  そんななか、国鉄中央駅であるフアラムポーンが今の場所に建ってからちょうど100周年 を迎える。数年後には移転予定で、中央駅としての姿を見られるのはあとわずかだ。  同時に、 タイ国鉄は高速鉄道の導入を発表しており、大きな転換期を迎えようとしてい る。そんな今だからこそ、 この駅と国鉄の魅力を見直してみたい。 データ特集記事 第435弾 取材・文/高田胤臣 写真/高田胤臣、 ダコ編集部

※本特集の鉄道料金、時間、情報は取材時点 (2016年5月) のもので、予告なく変更される場合がありますので、 あらかじめご自身でご確認ください。

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P a r t1

フアラムポーンは 昔の上野駅にそっく りだ

フアラムポーン駅 の歴史を紐解く

THEN

フアラムポーン駅舎の完成  1916年6月25日、現在の駅舎が完成。通称

提供:タイ鉄道学校

を見た人々が「うるさい牛(ウア・ラムポーン)が

であるフアラムポーンの名前の由来は、 そばを

いるあたり」 と呼び、 それがさらに訛ってフアラ

流れる運河の通称だが、元々この地域の名称

ムポーンになったという説がある。 また、一部で

でもあった。大昔にインドから来た牛がたくさ

はナス科のチョウセンアサガオに似たラムポー

ん飼われており、 その牛が暴れ回るため、 それ

ンの木が多かったからという説も。

英 国 から 鉄 道模型が贈ら れ 、タイ王 室 が鉄道に興味 を持つ

バンコクーコ ラート間で鉄 道敷設のため の調査開始

土木省に鉄 道局が開設。 初代局長はド イツ人

バンコクーコ ラート間の鉄 道工事がはじ まる

特別列車

旧フアラム ポーン駅から パークナム線 開通

 日本製のSL蒸気機関車がアユタ ヤーやチャチェンサオ方面往復列車 として年4回走る。 3月26日鉄道記念 日、 8月12日王妃誕生日 (母の日)、 10月23日チュラロンコーン大王記念 日、12月5日国王誕生日 (父の日) だ。 また、11月ごろからロッブリーのひまわ り畑を往復する特別列車も出る。

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3月26日にバ ンコクーアユ タヤ ー 間 開 通 。この日が 「タイ国 有 鉄 道の日」 に。

12月 バンコ クーコラート 間開通

現フアラム ポーン駅舎の 着工

6月25日 フアラムポー ン駅・現 駅 舎 の完成

南本線全通

北本線全通

6年 ●

19 2

2年 ●

19 2

1年 19 2 ●

19 16 年 ●

年 ●

19 10

0年 ●

19 0

7年 ●

18 9

3年 18 9 ●

18 9

1年

0年 18 9 ●

5年 18 8 ●

18 5

6年

フアラムポーン駅のあゆみ 東本線全通 ( アランヤプ ラテートまで)

設計したのはイタリア人  着工当初はドイツのフランクフルト駅を模した設計だった。 しかし当時の国 王ラマ6世がこれを気に入らず、 イタリア人技師のマルコ・タマーニョによって 変更された。 ドーム型の駅舎は昔ながらの雰囲気を残しており、 上野駅に似 ているともいわれるし、 ヨーロッパの駅も彷彿とさせる。


今からちょうど100年前。 タイ国有鉄道北本線の特別駅としてフアラムポーン駅 (正式名称:クルンテープ駅) が完成した。バンコクと地方、 そしてタイと近隣諸国を結ぶこの駅は、数々のドラマを見てきたにちがいない。  今回取材をした日本人タイ国鉄ファンたちが全員揃って言ったことがある。 「フアラムポーン駅は昔の上野駅にそっくりだ」  北に向かう線路、 シンプルな構内。 どこか郷愁をくすぐるこの駅の、今の姿とかつての姿を見比べてみよう。

NOW

駅構内にあっ た直径1.6m の大時計を駅 舎の外正面 に取り付ける

米を大量にバ ンコクへ運ぶ ため、連 合 国 が日本から接 収した蒸気機 関車がタイに

日本から蒸気 機関車や客 車 、貨 車がタ イ米と交換で 納入される

 フアラムポーン駅は数年後に中央駅として

周辺は大工事が進められており、早ければ4、

の役目を終え、バンスー駅にその機能を移す

5年で完成するという (ちなみに2013年頃に

ことが決まっている。バンスー駅の周囲には

も、あと4年程度と言われていたのだが)。 

東 北 本 線(ノ パークナム線 ンカイ方 面 ) 廃線 全通。日立製 電気式ディー ゼル機 関 車 が導入される

駅舎の取り壊し説のゆくえ  タイ鉄道ファンは移転後の取り壊しを懸念するが、 タイ国鉄の広報 担当官は 「バンスーとフアラムポーン間にも駅があり、 すべての機能を バンスー駅に移すことはできません。 フアラムポーンも駅として利用し 続けます。 あくまで今の計画ですが」 と語った。

フアラムポーン 駅 構 内にエア コン導入

高速鉄道計画 発表

20 16 年 ●

年 ●

20 09

年 20 03 ●

タイ国有鉄道 法の成立で、 鉄 道 局が 運 輸省下のタイ 国有鉄道に 改組

19 9

8年

 2016年6月25日 (土)は何かイベントが行わ れるようだが詳細は未定。

8年

MRT(地下鉄)の駅、北バスターミナルがあ り、一大交通ターミナルが形成される。すでに

19 5

1年 ●

19 5

8年 ●

19 4

5年 19 4 ●

19 2

7年

建設100周年、 今後は?

始発駅ならではの 定刻出発  フアラムポーン駅は、 ほかの交 通機関と比べて圧倒的に利用 者が少ない。 とはいえ1日6万人 規模の利用者がある。 遅延の多いタイ国鉄だ が、 フアラムポーン発 の列車は基本的には 定刻出発なので利用 しやすい。

参考: 『王国の鉄路 タイ鉄道の歴史』柿崎一郎著 タイ国鉄ホームページ www.railway.co.th/home/viewcontent.aspx?id=railway-history タイ国鉄広報部発行119年記念パンフレット

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駅構内を見学してみよう 歴史のある駅舎は、 ただ見ているだけでも面白いポイントがいっぱい。 今のうちに目に焼き付けておくのがいいかもしれない。

① ②

④ ①駅に入って正面の広場。両側に ベンチが並べられ待合所になってい る。構内には飲食店、 フードコート、 薬局、 旅行代理店、 タイマッサージな どがあり、旅の身支度を整えることが できる ②駅のホーム。北に伸びる 線路は旅愁を誘う。車内はアルコー ル厳禁で、構内にはアルコールを捨 てるボックスが設置されている。 「旅 の楽しみがひとつ減った」 と嘆く鉄 道ファンも多い ③駅構内。 ドーム 上の天井が美しい ④きっぷは窓 口で当日券、前売り券を購入でき る。外国人専用窓口もある

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①②番ホームへ フアラムポーン駅事務所

床屋がずらり

J: 両替所 K: スナック&ドリンク売店 L: スナック&ドリンク売店 M: スナック&ドリンク売店 N: ブラックキャニオンコーヒー O: トラベル&ツアー P: サイバーカフェ (Wi-Fiホットスポット)

バス乗り場

A: スナック&ドリンク売店 B: 外国人専用チケットセンター C: スナック&ドリンク売店 D: 麺食堂 E: ミスター・ブン (ベーカリー) F: PAILIN (書店) G: コンビニ H: タイマッサージ : I ダンキンドーナツ

ファーストクラス・ ラウンジ

12 11 6 10

重量計

9

8

ticket 1-11

i

H

F

L

M

J i

鉄道 博物館

荷物預かり所 4時~23時

K i

フードセンター

E

駅案内所

「フアラムポーン駅=出発地点」 という意味で、大学の卒業記 念やウエディングの撮影で来る人も多い

G

D

地下鉄へ

2階

I

荷台車サービス

ticket 12-22

待合所。両脇 (ピンク部分) にイスがたくさん

C

O

P

B 時刻表

タクシー乗り場

※道路の向こうに駐車場

12番線の横では青空床屋が営業中。いつもそこそこ混んでい るが、 みんな旅の前には身支度を整えたくなるのだろうか

3

7

A

N

4

5

正面入口

KFC

2階

ツーリスト案内所 鉄道警察派出所

鉄道博物館には

恐すぎる ポスターがある  駅入り口の左手には小さな鉄道博物館 がある。 その2階には、列車利用マナーを啓 蒙する昔のポスターが展示されている。10 年ほど前まではルールも整備されておらず、 事故も多かったそう。それにしてもこのポス ター、 なんともおどろおどろしい……。 Thai Railway Museum 10時~18時 月、 祝休 無料

やたらと血が飛ぶスプラッタなデザインと、 「どうしてこうなった?」 と突っ込みを入れたくなるような状況のポスターたち

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P a r t2 タイ国鉄で 旅に出よう

昭和の匂いが残る 寝台列車に乗ってみた

ライター髙田胤臣のブルートレイン紀行

かつての日本と旅をする  チェンマイ駅17時発、JR西日本で活躍して

動リクライニング、 エアコン、簡易式洗面台も備

いた寝台車「ブルートレイン」に乗車した。LCC

わっていた。 コンセントがあり、パソコンが置け

なら1時間程度、1000B以下で移動できるが、

るテーブルまである。食堂車は日本の車両で

ブルートレインは個室の場合1953B、時刻表の

はないけれど窓が全開で気持ちがいいし、個

上では13時間もかかる長旅となる。

室に専属係員が注文を取りに来て、時間どお

 日本では「あさかぜ」 として呼ばれていた車

りに部屋まで食事を運んでくれた。

両は今でも随所に日本語が見られ、乗り込ん

 17時に列車はチェンマイ駅をするりと発ち、

だときに昭和の匂いさえ感じられた。個室は電

およそ1時間で山間へ。だれも乗り降りをしな

い小さな駅にも停車した。 その頃になると東か

ブルートレインといっても車体はパープル。 タイ国鉄は女性専 用車両も走らせていて、 このような標識がついている

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ら夜が訪れる。窓外が真っ暗になったらゆっく

て、 バンコク到着は定時よりもたった50分遅れ

り本を読む。 さすが日本製だけあって、揺れ心

ただけだった。 アユタヤーを過ぎた辺りから空

地もいい。

が白み、 ランシットに来るとバンコクの朝も動き

 することがなくなったら列車の揺れに身を

出していた。そのため、徐行を余儀なくされ、

任せ、 目をつむる。 ときどき大きな駅に到着した

定時より遅れたのだ。 フアラムポーン駅もチェン

のか、 ホームに響く構内放送や出発を知らせ

マイからの旅路のあとでは大都会に感じる。

る機関車の汽笛が聞こえる。

居心地がよい車内では、 ぐっすりと眠れたので

 北本線は複 線 化などの工 事が進んでい

1日の始まりを元気に迎えることができた。


鉄道の旅は、 ノスタルジックな雰囲気や、のんびりとした時間の流れが魅力だろう。  タイ国鉄は大きく分けて、北本線、東北本線、東本線、南本線、 メークローン線、 エアポートリンクがあり、現在 の総距離はおよそ4072km。車両は輸入ばかりで、 日本製も多い。有名なのはJR西日本のブルートレインだ。  今回、 このブルートレインに乗って、チェンマイーフアラムポーン間を旅した。飛行機なら1時間ちょっとのとこ ろを、13時間かけて移動する。 これって、 もしかしたら最高の贅沢なのかもしれない。

タイ国鉄に乗って さぁ、 あなたはどこへ行く ?

④東本線

(距離約534km)

 バンコクからカンボジア国境、 アランヤプラテート駅までを本線 としていて、 チャチェンサオからサ タヒープやシーラチャーなどの支 線は主に貨物路線となる。

チェンマイ ラムパーン

ノンカイ ウドンターニー

サンカローク

①北本線

(距離約781km)

バンコクとチェンマイを結び、途 中ロッブリー、 ピサヌローク、 ラム パーンなど主要都市を通過す る。フアラムポーンを18:05に 出発する寝台列車「ナコンピン 号」 はタイ国鉄でもっとも由緒正 しき 「1番列車」 となっている。

ピサヌローク

ナコンサワン

ウボンラーチャターニー ナコン ラーチャシーマー

ナムトックスパンブリー

バンコク

コンケン

スリン

アランヤプラテート シーラチャー レムチャバン サタヒープ

プラチュアップ キーリーカン

チュムポン

エアポートリンク

(距離約29km)

国鉄子会社が運営。スワンナ プーム国際空港とBTSパヤタイ 駅付近を結ぶ。

②東北本線

(距離約1093km)

ナコンラーチャシーマー駅(コ ラート) で分岐して本線はノンカ イ駅、支線としてウボンラーチャ ターニーまで走り、 イサーン (東 北) 地方の生活の足となる。 かな り古い路線である。

キーリー ラットニコム

ナコンシー タマラート

メークローン線

(距離約65km) カンタン ハートヤイ (ハジャイ) パダン・ブサール

マハチャイ線 (東線) とメークロー ン線 (西線) からなる。列車到着 で傘を畳む市場の「タラート・ロ ム・フープ」 が有名。

スンガイコーロック

⑤ ①チェンマイ駅を出発した17時発のブルートレイン ② チケットの確認にまわってきた車掌 ③レトロな雰囲気の 個室。係員がベッドメイキングもしてくれる ④あちらこち らに見られる日本語。旧友に出会ったような気持ちになる ⑤車窓からの風景。時間がゆっくりと流れていく バンコク発 19時35分 チェンマイ着 8時40分 (13 番列車) チェンマイ発 17時 バンコク着 6時15分 (14番列 車) 1等個室1953B、 寝台 (上) 1253B、 (下) 1453B 2等寝台 (上) 791B、 (下) 881B   食堂車時間:5時~22時

タイ国鉄の今後は? ③南本線

(距離約1570km)

トンブリー駅からタイ南部へと向 かう路線で、 マレーシアのパダン ベサールなどへも行くことができ る。支線も7つあり、 カンチャナブ リーのナムトック線は特に有名。

 タイ国鉄は今大きな転換期を迎えている。 p.19で述べた 中央駅機能の移転に加え、高速鉄道の建設だ。高速鉄道 はラオスや中国雲南省の昆明への国際線開通に向け、 ま ずはバンコク-コラート間、国内向けではフアヒンなどに通 す方向で計画中だ。 タイ国鉄の長官であるウティチャート・ ガンヤーナミット総裁は「2016年内にバンコク-フアヒン、 バ ンコク-ラヨーン間のルートを着工したい」 と語った。 23


P a r t3

あなたにとってタイの タイの鉄ちゃんに 鉄道ってなんですか? 話を聞いた

GE型 (1964~6年米国製) 「今の電気式ディーゼル機関車のモデルとなった名機。一度見たら忘れられない個性派俳優ですね」

猪股賢一さん

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名前: 猪股賢一さん 職業: 山小屋支配人 (日本) タイ国鉄鉄ちゃん歴: 25年 ジャンル: 撮り鉄 (形式写真など) オススメのフアラムポーン発の旅: 16時40分発スパンブリー行き普通列車 「南本線から分かれたあとはとにかく幽霊列車です!」

 まるでカタログのように真横から揃えて撮ら れた車両の写真。 これを形式写真という。  撮影者の猪股さんは、父親がSL機関士だっ た影響で幼い頃から鉄道好きだった。 タイを訪 れたとき国鉄に魅せられ、 形式写真での記録を はじめる。 「小さいころから図鑑が好きだったので同じよ うに揃えて撮るのは性分なんです、 きっと」  今回はその形式写真の中からディーゼル 機関車の一部を紹介していただいた。 「吹き上げる排気煙、 その排気で煤汚れた車 体。 『 寡黙な労働者』 って感じが魅力です」  猪股さんはタイ国鉄の魅力をこう語った。 「かつて日本の鉄道がもっと人間臭い乗り物 だったころの雰囲気がタイ国鉄にはある。鉄道 と人の距離感が懐かしくも心地よいのです」

GEA型 (1995年米国製) 「主に優等列車を牽引するマンモス機。前面は警戒色として黄色に」

HAS型 (1986年ドイツ製) 「入替機です。 フアラムポーンで作業していたのが昨日のことのよう」

HID型 (1993年日本・日立製) 「GEA型と同じく、個人的にはがっかりな現塗色です」

HID型 (1993年日本・日立製) 「牽引機です。現国鉄ディーゼル機関車の中で唯一のブルー系」

photo by Kenichi Inomata

B級 ノスタルジー 私にとってタイ鉄道は


ここでは、 タイの鉄道に魅せられてしまった日本人たち (=鉄ちゃん) に登場していただこう。 彼らはなぜ鉄道にハマり、 タイ国鉄のどこに魅力を感じているのか。彼らの写真を見れば、 タ イ鉄道の魅力が伝わるだろう。  さらにはフアラムポーン駅発のおススメの鉄道旅についても聞いてみた。  さて、みなさん、 「タイ鉄道の魅力ってなんですか?」

2009年クウェー川鉄橋にて撮影。 カラフルな電車と武骨に佇む橋との対比が美しい

 鉄道は旅の基本だという大西さん。かつて photo by KOJI ONISHI www.koji-thephoto.com

はシンガポールからバンコクまでの国際列車 での旅もした。 「日本の鉄道は単なる移動手段になってしま いました。一方、 タイ国鉄はずっと鉄道として の魅力を保っていますね」  大西さんはプロ・フォトグラファーらしく列車 だけでなく、鉄道のある風景を美しい写真に 切り取る。それはまさにタイ撮り鉄の「作品」 と なっている。

いつか見た 風景

名前: 大西弘司さん 職業: フォトグラファー タイ国鉄鉄ちゃん歴: 13年 ジャンル: 撮り鉄 (風景) オススメのフアラムポーン発の旅: フアラムポーンーチェンマイのブルートレイン 「なんと言っても日本の車両に乗って旅ができるのでオススメです」

私にとってタイ鉄道は

大西弘司さん 25


古き良き 現役

私にとってタイ鉄道は

 中村さんが最も好んでいるのが1日1本しか 走らない支線の旅。支線の見つけ方は地図を

名前: 中村龍史さん 職業: 会社員 タイ国鉄鉄ちゃん歴: 9年 ジャンル: 乗り鉄 オススメのフアラムポーン発の旅: 16時40分発スパンブリー行き普通列車 「スパンブリー支線唯一の下り列車。スパンブリー手前で草の 中を突っ走るため、窓を閉めることを強要されます。日本じゃなか なかありえない路線です」

中村龍史さん

見るなどいろいろとあるが、中村さんは乗り鉄 らしい見つけ方をする。 「駅でもらった時刻表をじっくり眺めていると、 支線が浮かび上がってきます」  バンコクからもっとも乗りにくいのが、スラ ターニーとキーリーラットニコム間の支線だ。 「スラターニー駅から行くとキーリーラットニコ ムの集落に宿泊施設がないため、 キーリーラッ トニコム駅から乗るしか方法がないのです」  乗車時間はおよそ1時間で、運賃はせいぜ い10Bもしない。そのためだけに中村さんはそ こに足を運んだ。 「支線に乗ると達成感がありますね。窓から 顔を出して、風を感じます」  乗り鉄の意地で全支線に乗りたいと中村さ

スラターニー駅で撮影

んは笑顔を見せた。

こちらもスラターニー駅にて撮影

息遣いの 凝縮 私にとってタイ鉄道は

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こちらがパーサデット駅の外観。 レ トロな雰囲気がかわいらしい

 サラブリーとコラートの間に大きな参詣石の

S-windさんは駅への想いを自問自答した。

ある「パーサデット駅」がある。 いつ行っても人

「地元のタイの人でさえ気にかけないような

がおらず空間を独り占めできることに、駅好き

小さな駅に惹かれるのはなぜだろう。

のS-windさんは喜びを感じる。

 日々の仕事に追われ、便利ではあるが時々

「パーサデット駅は自然あふれる山あいの空

息苦しさを感じるような都会の暮らしにちょっと

間にあり、 どこから眺めても絵になります」

金属疲労を起こしてしまっている反動から来

 S-windさんの駅巡りはカーナビは使わず、

ているのかも。

古い地図と道路の標識などを頼りに、時には

 いろいろな発見が毎回あって、楽しい時間

道行く人に尋ねたりしながら行く。あえて苦労

を過ごせるなんて。 タイ国鉄の小さな駅探索、

してみつけたときの喜びが心地いい。そんな

これからもやめられそうにない」

S-windさん

名前: S-windさん 職業: 会社員 タイ国鉄鉄ちゃん歴: 10年 ジャンル: 駅鉄 (駅巡り) S-windさんのブログ: 「サラブリの風」http://scolor2549.exblog.jp/ オススメのフアラムポーン発の旅: 鈍行や特別列車 「駅舎マニアとしては普通の各駅停車の鈍行。一般向けとして は年に4回走るSL、毎年11月ごろに走るロッブリーのひまわり 畑を見に行く特別臨時列車です」

photo by S-wind

この大きな岩が有名なパーサデット駅。電車とぶつかりそう !

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第435号 建設100周年・タイ鉄道はじまりの駅 ノスタルジック フアラムポーン  

タイ国鉄を象徴する建物といえばフアラムポーン中央駅。今年で建設100周年を迎える同駅だが、高速鉄道の建設と共に数年後、中央駅が移転する計画がある。そこで、この100周年を機に、同駅の歴史を振り返り、タイ国鉄の魅力にも迫ってみた。 2016年6月20日発行

第435号 建設100周年・タイ鉄道はじまりの駅 ノスタルジック フアラムポーン  

タイ国鉄を象徴する建物といえばフアラムポーン中央駅。今年で建設100周年を迎える同駅だが、高速鉄道の建設と共に数年後、中央駅が移転する計画がある。そこで、この100周年を機に、同駅の歴史を振り返り、タイ国鉄の魅力にも迫ってみた。 2016年6月20日発行

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