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W

O

R

K

S

2 0 1 2 ~ 2 0 1 5

Y O S H I M I C H I

S A K A I


portfolio by yoshimichi sakai

[ Biography ]

酒井 禅道

Yoshimichi Sakai

1991

_

福島郡山市生まれ

2009

_

福島県立安積高等学校 卒業

2010~2013

_

千葉大学 工学部 建築学科

2014~

_

東京大学大学院 工学研究科 建築学専攻 川添善行研究室

実家の洞泉寺にて

[ Award ] 2011~2013

_

設計課題Ⅱ~Ⅷ 学内優秀作品選出

04, 2011

_

愛知建築士会第 2 回建築コンクール 佳作 ( 空間デザインチーム CUAD として受賞 )

03, 2013

_

千葉県 5 大学建築系学科合同講評会 (C リーグ ) 優秀賞 3 位

02, 2014

_

千葉大学卒業設計 奨励賞 2 位

02, 2014

_

全国合同卒業設計展「 卒、」 3 位

03, 2014

_

JIA 千葉県建築学生賞 最優秀賞

06, 2014

_

JIA 全国卒業設計展出展


portfolio by yoshimichi sakai

[ Work Experience ] 2012~2013

_

日本設計 ( 模型製作アルバイト )

2012

_

岡田哲史建築設計事務所 ( 模型製作、CG パースアルバイト )

2013~2014

_

Sala design Inc. ( 図面作成補助、CG パースアルバイト )

2014~

_

Yusuke Hara Architects (CG パースアルバイト )

[ Skills ] Adobe

_ Illustrator, Photoshop, Flash (in progress)

CAD

_ Auto CAD, Vector Works

3D

_ Archi CAD, Artlantis Studio, Rhinocerous (in progress)

[ Skills ] Mail

_ yshmch9@iis.u-tokyo.ac.jp yoshimichi9@gmail.com

Phone

_ 080 8721 8096


portfolio by yoshimichi sakai

[ Contents ]

[ Capter 1 ] No.01~03

- Research and Forming -

02_ 記憶に残る場所をつくるということ

03_ ( scale ) * ( sequence ) “get lost in the ceder forest”

urban complex , 2013

elementary school , 2012

garally, 2012

( Chiba University , Bachelor Diploma )

( Chiba University , Bachelor Studio #5 )

( Chiba University , Bachelor Studio #7 )

01_ 湧

源 都 市 (Source of spring in the city)


portfolio by yoshimichi sakai

[ Capter 2 ] No.04~06

- Detail and Totality -

04_ 集合知のための器

05_wooden velodrome

06_ 東京大学

- , 2014

velodrome , 2014

library , academic commons , 2014-

( Tokyo University , Design Studio -Yoshiyuki Kawazoe )

( Tokyo University , Timeberize TOKYO 2020 )

( Tokyo University , Kawazoe Lab. )

総合図書館 新館アカデミックコモンズ ( 仮 )


portfolio by yoshimichi sakai

[ Capter 1 ]

01

_

湧 源 都 市

2013      _Bachelor Diploma Project Chiba University Professor   _ Satoshi Okada (Architect , Chiba University) Program    _ urban complex Location    _ Shibuya Duration   _ 2.5month Award    _ JIA 千葉県建築学生賞 最優秀賞(JIA 全国卒業設計展選出)           全国合同卒業設計展「卒、」3位 , 学内講評会 2位


portfolio by yoshimichi sakai

scale : 1/150 material : sina veneer , PET , cypress bar , gel medium size : 860*570*490 (mm)

湧 源 都 市

So u r ce o f Sp r i ng i n t he C i t y

- model data -


portfolio by yoshimichi sakai

「都市と地方では 1 つの建築がその地に与える影響 は否応なく都市のほうが小さくなる。だから最近 の卒業設計は地方でわかりやすいことをやるほう がウケるし、実際の設計も地方のほうが多くなっ ているよね。」

ある建築家から言われたこの一言。建築に対して 懐疑的になっているその姿勢に失望したし、憤り を感じた。ではこれから都市に建築は建たなくなっ ていくのか?

東京 渋谷

これからめまぐるしく変わっていくこの都市に建 築を建てることにどんな意味があるのか。

私は都市のあり方をかえるまでの 力が建築にはあると信じている。


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渋谷の雑居ビルに背を向けられるよう にしてひっそりと流れる渋谷川。現在

渋谷付近はその名の通り谷底に位置し

は水たまり程度にしかその水量は無

ているため、周囲の高台で湧いた湧き

く、都市の裏側に追いやられている。

水が小川となり幾本流れ込み、豊かな 水系を築いていた。

都市河川と渋谷川

“ Ur b an Ri v e r ” a nd “S h ib uy a Riv e r”

恵比寿方面へ

渋谷川はかつて豊かな水量を誇ってお

駅の開発とともに宅地の造成がされて

り、その様子を浮世絵に描かれたほか、

いくに従い生活排水を流すために徐々

豊かな生態系や清らかな流れが童謡とし

に数多くの小川が側溝化されるか、小

て謳われ、永く人々に親しまれてきた。

川に側溝が接続されていき水質の悪化 が進んでいった。

青山方面へ

原宿方面へ

六本木 渋谷駅

生活排水を流すようになった小川は見 現在の渋谷川はほとんどの区間で 暗渠されており、地上に見える部 分は渋谷駅から 2.6Km 下流の部分 だけである。しかしその部分もコ ンクリートの擁壁に囲まれており 恵比寿

川というには程遠い状態である。

た目にはどこから川か側溝かっ区別が つかない。いつしか湧水が流れていた はずの小川は生活排水まじりの水路と なり、人 々 の 意 識 化 で は ド ブ 川 と し て定着してしまった。


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恵比寿方面へ

下水の流れ 渋谷川 ( 開渠部分 ) 下水道 ( 暗渠部分 )

暗渠化された渋谷川の上流部は下水道

清流復活事業によって下水処理水を生

化されているが、渋谷駅付近の地下に

活排水などにより汚染された河川に放

設置されている分水堰によって下水は

流する。それによって水辺空間として

開渠部に流れることなく、そのまま下

の地位を回復した河川の事例が近年増

水処理場へと流れていく。

えてきている。

原宿方面へ

大雨などによって、水が分水堰の高さ 渋谷川でも処理水が流されているが、開

を超えた時にだけ、元の川に水が流さ

渠部分でも下流の位置であることから、

れることになっている。つまり現在地

上流部分は以前と変わらず水たまり程度

上に見える渋谷川は非常時における雨

の水量しかない。

水放出路という役割となっているので ある。

晴天時と雨天時(水量が分水堰を上回 る時)では開渠区間に流れる水量には

渋谷駅周辺の再開発によって再び注目

かなりの差が現れるが、この水は下水

された渋谷川。周辺の再開発とともに、

が溢れだしたものあり川の水質に与え

水辺空間として再生する計画が進行し

る影響は深刻なものである。

ている。


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渋谷川

平面ダイアグラム 1885 年

1885 年

1907 年 1911 年 市電

玉電

大山街道

1920 年

1927 年 1933 年

井の頭線

東横線

2027 年

1934 年

渋谷川

渋谷駅の誕生

玉電、市電の開通

渋谷駅の移動

東横線、井の頭線の開通

1938 年

1954 年 1956 年

1964 年

1970 年

1977 年 1978 年

東京オリンピック

東急会館

田園都市線

半蔵門線

東急文化会館

ab o u t t he c ha ng e o f S h i bu y a

渋谷の街の変貌

東横百貨店の開館

銀座線の開通

東急会館、東急文化会館開館

首都高速の開通

東急百貨店(南館)の開館

田園都市線、半蔵門線の開通

1996 年

2000 年

2000 年

2012 年

2013 年

2027 年

渋谷の街は、渋谷川と渋谷駅とともに発展してきた。当初は貨物列 埼京線の開通

マークシティの開館

副都心線の開通

ヒカリエの開館

東横線と副都心線の相互直通

超高層化

1885 年

1907 年 1911 年

1920 年

1927 年 1933 年

車の停車駅でしかなかった渋谷駅も、銀座線開通とともに繁華街と しての渋谷の姿を更新してきた。渋谷は新たなフェーズを迎えよう としている。谷間に囲まれ平面的な広がりはもうこれ以上見込めな くなってきている今、地上高くに人の活動の場を伸ばそうとしてい

断面ダイアグラム 1885 年

玉電

2027 年

1934 年

る。渋谷の更新はこれからも続いていく。

市電

渋谷川

渋谷駅の誕生

玉電、市電の開通

渋谷駅の移動

東横線、井の頭線の開通

1938 年

1954 年 1956 年

1964 年 東京オリンピック

1970 年

1977 年 1978 年

田園都市線 東急会館

半蔵門線

東急文化会館

東急百貨店の開館

銀座線の開通

東急会館、東急文化会館開館

首都高速の開通

東急百貨店(南館)の開館

田園都市線、半蔵門線の開通

1996 年

2000 年

2008 年

2008 年

2013 年

2027 年

埼京線の開通

マークシティの開館

副都心線の開通

副都心線の開通

東横線と副都心線の直通

超高層化


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現 在 の 渋 谷 駅 は 今 までの更新のフェーズに類を見ない変化を遂 げ よ う と し て い る 。今後 2027 年までに現在の渋谷駅は高さ

現在の渋谷駅周辺

230m の ビ ル を 中 心 としてなる駅ビルとなり、また長らく渋谷 の シ ン ボ ル と な っ ていたマークシティの隣には店舗、事務所か ら な る 複 合 ビ ル が 建つ計画となっている。起伏に富んだ地形の 中 に ス ケ ー ル の 小 さい雑居ビルが雑然と立ち並ぶ現在の渋谷の 姿 か ら は 想 像 に 難 い新しい「渋谷」がそう遠くない未来に生ま れようとしている。

2027 年、再開発事業完了後の渋谷の姿


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- 渋谷川における清流復活 -

渋谷駅

渋谷駅の再開発とともに再開発ビルの足元にある渋谷川の復活計画が進 行している。しかし、川に流す処理水の水質は満足できるものではなく、 生物の生息や、水に触れ合うということまでには適さない。ここに再開 発計画で見る「清流復活」「水辺空間の再生」という言葉に些か疑問を感 渋谷駅南街区再開発

じるのである。

R e d e ve l o p m e n t a nd Re s t o r a t i o n o f t h e S h ib uy a Ri v e r

再開発と渋谷川の復活

プロジェクトの計画範囲

連絡橋 JR 線ホームなどから接続

- 再開発と駅周辺の動線の変化 -

渋谷駅

再開発ビル

再開発ビルは渋谷駅と連絡橋、地下通路で繋がることが想定でき、 人々は渋谷駅と再開発ビル内での移動で活動が完結しうる。水辺空 間としての渋谷川・再開発ビル、この2つの開発は乖離していてパ フォーマンスとしての渋谷川の再生となりかねない。

地下通路

渋谷川

東京メトロ、東急東横線ホームなどから接続

- 渋谷の街のスケールの変化 -

起伏のある地形に対応するため 5~10m 四方程度の小さなスケールの雑 230m

居ビルが雑然と街を形成することで渋谷の独特な風景を生んでいた が、駅周辺を始めとした巨大な再開発ビルが林立することで、徐々に 新宿・品川・丸の内といった高層ビル群のような画一化された光景へ と近づきつつある。


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- ユニットの反復 -

商業施設

集合住宅

高度下水処理施設

オフィス

渋谷川から始まる親水都市となるために

T o b ecom e t he hy d r o p hil ic cit y t hat st a r t s f r o m S hi b u y a R i v e r

- プログラムの関係イメージ -

5~10m ( 雑居ビルの平均的サイズ )

満足でない水質・水量を補うために高度下水処理機能を計画されて いる再開発ビルのプログラムに立体的に組み込む。


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都市の延長として建築に都市空間を内包させ、高度下水処理機能を建築 ( 建 築空間・都市空間 ) へと挿入していく。内部の親水空間は建築の中から都 市へと溢れだしていく。 建築によって復活する川を渋谷という都市に顕在化させていく。


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1F 親水空間をみる


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11F 屋上空間


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構成についてⅠ

ab ou t com p osit io n Ⅰ ( t u b e )

チューブの 2 辺を切り欠く操作によっ て 5 つのパターン ( 上下反転の形態は 重複と見なさない ) に分けられる。こ れらをグリッド上に配置していくこと

で平面的、断面的変化が空間に現れて いく。

①垂直に落下する水 x<90°

-

容積率いっぱいのマッスを渋谷の雑居 ビルの平均的スケールに切り分ける。 チューブ状の躯体の間には路地状の空 間が広がる。

a

b

c

d

②伝い流れる水 0°<x<90°

③内部から流れる水 90°<x

e

チューブの形状によって、垂直方向の 水の流れ落ちる様子に差異が生まれ る。縦方向の水の落下から周辺の環境 や空間性に変化が現れていく。


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10m

20m

50m

-northeast elevation -


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構成についてⅡ

ab ou t com p osit io n Ⅱ ( sl u b )

商業施設スラブ

Large Size

オフィススラブ

Midium Size

住宅スラブ

Small Size

グリッド上に配置されたチューブを平面的に繋げる役割 としてスラブを挿入する。下層には店舗を中心とした商 業施設を配置し、中層から上層部にかけては住宅、オフィ スを配置する。各層のスラブはオフィス、住宅等異なる プログラム同士において視線が交錯しない程度に上下に ずらして、チューブ間に挿入していく

LEVEL

湧泉が海に注ぐまでに川は幾つもの支流と合流して大き

A

B

C

D

E

F

G

H

I

high

J

( 支流 ) K L Large

な川となっていく。この様子を模式的に捉えた図が①で ある。これを挿入するスラブに反映させる。上層に行く に従い、独立性の強い住宅・オフィスなどプログラムを 繋ぐ1つのスラブの大きさは小さくなっていく。下層に 行くに従いパブリックな商業施設等のプログラムが平面 的に広がっていくことにより、チューブを繋ぐ1つのス ラブの大きさは大きくなっていく。  low

渋 谷 川 ①渋谷川とその支流との模式図

Small ②チューブを繋ぐスラブ1枚当たりの大きさの変化


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ab ou t com p osit io n Ⅲ ( hy d r o p hil ic s p a c e )

構成についてⅢ

最上部にまで汲み上げられた水は水盤か ら溢れ出し、壁面を流れ降りていき、張 り巡らされた水路を流れていく。流れ降 りていく途中で分岐、合流を繰り返して 最終的に渋谷川に流れ込む。幾つもの支 流が合流して大きな川となるようよう に、この建築の水路は渋谷川の新たな支 流となりかつての姿へと戻していく。

中空のチューブはトップライトとして採 光を図るのに加えて、チューブ内には縦 8 本のチューブを縦動線としてのコア

方向に流れる水の大きな動線ができる。

機能をもったチューブとする。このコ

滝のようにこのチューブ内を流れ落ちる

アチューブは地下から処理水を汲み上

水は空気と撹拌され、水中の酸素量の増

げるポンプの水動線も備えており、

加を促す。

チューブ最上部の水盤に水を一時的に

また上層階ではオフィススラブと住宅ス

溜め、そこで太陽光を利用した浄化を

ラブの間に位置することで 2 つの機能の

行う。

緩衝空間として機能する。


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1 階 平 面 図 Gr o und F lo o r P la n 明治通り 首都高速 3 号 渋 谷 線

渋谷川

A

G L + 1 0 0 0   商 業 施 設 フ ロ ア

A

10m

20m

50m


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2 階 平 面 図   G L + 7000

3 階平面図  G L + 13500

4 階 平 面 図   G L + 18500

5 階平面図 GL+25000

6 階平面図 GL+31000

7 階 平 面 図   G L + 36000

8 階平面図  G L + 40000

9 階 平 面 図   G L + 44000

11 階平面図 GL+53500

12 階平面図 GL+57500


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1 0 階 平 面 図 1 0 t h F l oor Pl an

住戸用 EV

中空チューブ

オフィス用 EV

中空チューブ

中空チューブ

濾過装置

濾過装置

住戸用 EV

G L + 4 8 5 0 0   オ フ ィ ス ・ 住 戸 フ ロ ア

10m

20m

50m


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- A-A’ section -

10m

20m

50m


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太陽光

酸化チタンガ ラ ス

浄化処理のフローと天候による変化

②酸化チタンガラスによる浄化

F l ow of W at er Cl ean in g T r e at m e n t an d C ha ng e Ca us e d b y t h e W e at h e r

高度下水処理について

H ig h- Deg r ee W at er C l e an in g T r e at m e n t

①セラミック膜濾過

現 状

提 案

Pr es en t C o n di t i o n

P ro p o sa l

晴天時

晴天時 酸化チタン光触媒

落合水再生センターからの処理水 渋谷川本流 渋谷川幹線 ( 下水道 ) セラミック膜濾過

初期浄化

暗渠区間

開渠区間

雨天時(増水時)

暗渠区間

開渠区間

雨天時(増水時) 頂上部の水盤が水量調節の水甕となる

暗渠区間

初期浄化後、本流へ

暗渠区間

開渠区間

暗渠区間

開渠区間

溢れだす下水を初期浄化し、その後にポン 増水時、下水の水は分水堰を越え渋谷 処理は頂上部の水盤、また流れ落ちていく過程の中で濾過装置を通 過することによって細菌の除去、不純物の濾過といった2段階の浄 化がなされ、渋谷川へと流される

川の開渠部分に流れ込む。

プで建築内の処理水路に組み上げ、川全体 の水量調整も行う。


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- model data scale : 1/500 material : sina veneer , acrylic bar , cypress bar , LEDtape size : 820*425*180 (mm)


portfolio by yoshimichi sakai

この建築の頂上からわき出す水は建築の壁を伝い流 れ、内部へと染み込み、時には激しく流れ落ちる過 程のなかで、その透明度を増していき、かつて清流

この建築は源泉を生む地形、大地や山脈のような、

渋 - 谷川再生の象徴として

この建築を流れる水路はその地形を流れ降りていく

-

と呼ばれた川へと注ぎ込まれる。湧き出た水は川を 潤し、都市を潤し、親水都市を形成する。水辺に群 がる人々には新たな水に対する意識が生まれ、忘れ 去られていた川に水が満ち、そして人が満ちていく。

幾本もの支流のようなメタファーとして渋谷という 都市に建ち、そして湧源都市を形成していく。

都市の裏側に忘れ去られた、かつて清流と呼ばれた 川がもう一度その水の流れを取り戻す為に


portfolio by yoshimichi sakai

[ Capter 1 ]

02

_

記憶に残る風景をつくるということ

2012      _Bachelor Studio #5 Chiba University Professor   _ Hiroshi Miyazaki (Plants Associates Inc.) Program    _ elementary school Location    _ konan-machi (Fukushima) Duration   _ 2month Award    _ 学内優秀作品選出 , 千葉県五大学建築系学科合同講評会 優秀賞 3 位


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portfolio by yoshimichi sakai


portfolio by yoshimichi sakai

私の故郷のこの町には駅もなければコンビニもない。しかし優しい人々と豊かな自然がある。 私の幼少期の記憶には、いつもこの土地で遊んだ思い出が残っている。 子どもたちの、そこに住む人々の記憶にいつまでも留められるような建築をこの場所に


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- 福島県 郡山市 湖南町 -

37


portfolio by yoshimichi sakai

- 提案の背景となる町の姿 -

- 地域の高齢化、限界集落としての姿 -

- 四季を通して魅せる自然の姿 -

- 提案 -

- 地域の核となるような小学校

-

- 地域に根ざした環境学習の機会の創出

人口 4000 人ほどの町であるが過

黄金色に輝く稲穂の絨毯や真っ

消えつつある商店や集会所など

去 10 年で 1000 人の人口減少をみ

白に広がる蕎の花。新緑が生い

から地域コミュニティの場とし

境学習をの場を案する。農家、

せる。15 歳以下、65 歳以上の人

茂り、心地よい風が湖面から吹

ての要素を引き継ぎ、過疎社会

JA 等と協力した試験農場での農

口も市内でぞれぞれ最小、最大

き込む。湖南町の自然は子供た

における老人の孤立を防ぐ拠り

業体験。近年汚染が進む猪苗代

となっており少子高齢化の影響

ちにとっては飽きることのない

所となるような空間を提案する。

湖の清掃、水質改善活動等への

を強く受けている。

遊び場となり、またその目に永

またクローズドな地域社会にお

積極的な参加。地域の人にとっ

遠に焼き付く原風景として残る

ける小学校と地域との関わりを

ても小学生の一時的な活動だけ

故郷そのものとなる。

農業や自然保護活動等を通して

で終らないような自然に密に接

密接にしていき地域との連携を

する活動の機会を創出する。

図っていく。

周囲の豊かな自然を活用した環

-


portfolio by yoshimichi sakai

- roof study process -

shape 2

shape 1

shape 3

周囲を囲む水田から矩形の大屋根

生徒・教員の動線を検討した上で

 敷地北面の水田が緩やかに下っ

北立面に対して

をイメージ。低層の周辺住宅、北

ボリュームを 2 棟に分割。敷地周

ていることから屋根を同様に傾

山々の稜線を要素

面に広がる水田から低層のボ

辺要素、敷地内の動線から x-y 軸

斜。敷地の微傾斜を屋根によって

反映。山々と同様

リュームを検討。

の要素を発見。

感じさせる。

景に溶け

y

x

- zoning phase 2 -

ure nat

- zoning phase 1 生徒、職員の動線を抽出。こ

te

va pri

の中から主立った動線に関し て直行 x-y 軸として抽出。これ ら x-y 平面上で表される2軸の

の検討を開始する。

要素を周辺コンテクストから 当てはめる。x 軸には敷地の地 域への開放の程を軸にとり、y

交点を neutral point と定義し、 ここを起点としてゾーニング

x-y、2 本の軸に準ずる 4 つの

軸には場所に対しての自然の

lic

豊かさ⇔住人の生活圏 (nature

pub

⇔civilized) を要素として軸に

ed

iliz

civ

とる。


portfolio by yoshimichi sakai

shape 4

shape 5

てその背景となる

shape 6

shape 7

屋根を東西に延長することによって東西で

南面の住宅地を検討に反映させ、よ

最終ボリューム。

素として大屋根に

隔てられている空間つなげる。屋根の起伏

りパブリックな要素を含むゾーンと

構造、採光、室内環境などのディ

様に起伏を伴い風

にさらに水平性の広がりの要素も強調させ

して新たにもう1つのボリュームを

テールを要素として検討に加味

る。

挿入。

して構築。

け込む。

nature

- zoning phase 3 -

multispace (for students) teacher’ s room classroom

private

gymnasium gallery library cooking and sawing room civilized

public

- zoning phase 4 -

phase2において当てはめた x-y

街区や動線を整理してプラン

軸による要素を小学校におけ

ニングしていく。中庭を中心

る諸室の性格と比較し、x-y 領

として囲む3枚の屋根に対し

域内にプロットしていくこと

てプライベート⇔パブリック

でボリューム毎に機能を分配。

のグラデーションをつける。

地域開放の面からもそれに応

また敷地南側にオープンス

じた諸室を配置する。

ペースを設け、地域からの介

hall

入を促す。

private

public


portfolio by yoshimichi sakai

- classroom and openspace -

General project plan 1.classroom and openspace 2. multipurpose space 3. school infirmary 4. teacher’ s room

5. school office 6. entrance 7. principal’ s office 8. gymnasium 9. cooking nad sawing room 10. media room 11. multipurpose hall 12. open deck


portfolio by yoshimichi sakai

5 4 7

3

2

6 1

12

8

EV

9

10

12

11

12

0

10

20

40 m


portfolio by yoshimichi sakai

- inner yard 中央の庭は子どもたちの遊び場、地域との関わりを作る場として機能する。 深い庇を持った屋根の下の空間は緩やかに自然光を取り込む。


portfolio by yoshimichi sakai

- deck , mediaroom and multipurposehall 町と一番近いデッキには子どもたちだけでなく、地域の人々が自然と集まる場所となり 地域の人と子ども、地域の人同士の恒常的な交流の場となる。


portfolio by yoshimichi sakai

傾斜した地形、幾重にも連なる背後の山々の稜線、どこまでも広がる水田。 この建築はこの地の風景に溶け込むようにして存在する。

- northwest elevation -

0

7,500

15,000

30,000 mm


portfolio by yoshimichi sakai

麓山

・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・

岩上山

高森山

高旗山


portfolio by yoshimichi sakai

- section-

0

7,500

15,000

30,000 mm


portfolio by yoshimichi sakai

教室などが位置する北側ルーフの中央部には集成材による格子状の構造体

- 構造体によって作られる教室空間

-

を用いる。格子は部分的に板を入れ、面剛性を上げる。

この構造体は教室のロッカーや児童の作品を展示する展示スペー スなど学校空間に要求される様々な役割を果たす。

また児童数が少ないこの小学校では、特別教室は存在せず、この 構造体によって教室と仕切られている北側のスペースを多目的ス ペースとし特別教室・ランチルームなど機能を変えて使用する。 格子から視線が通る事によって、教室と多目的スペースは緩やか に空間を共有する。互いの活動をより近くで実感できるこの空間 は学年の垣根を越えて、互への興味関心育む場所となりうる。

wiew


portfolio by yoshimichi sakai


portfolio by yoshimichi sakai

- model data scale : 1/150 material : sina veneer , woodpanels , PET , cypress bar , color spray , hinge size : 1300*920*250 (mm)


portfolio by yoshimichi sakai

-

-

猪苗代湖

猪苗代湖の水質汚染 -

環境学習を通じた地域と小学校の関わり方 -

- 農業とその高齢化 -

近年、自浄作用がある湖水に変化が現れ

湖南町の 2.5 世帯に1世帯は農家(販売

ている。湖水が富栄養化する傾向にあり、

農家)で生計を立てており、郡山市の他

これにより水草や藻といった水生植物の

地区と比較すると最も高い割合となって

成長が促進されるが夏の終わりから秋に

いる。高齢化が進み農家の人口のほとん

かけ枯れてしまうと成長の際に吸い込ん

どが老齢人口 (65~74 歳 ) の人々によっ

だ汚れを戻してしまう。人間の営みによ

て構成されており、新たな品種の改良や、

る環境の破壊が間接的に現れており、多

新技術が導入されるには厳しく、また後

くの機関、団体が水質の浄化に動き始め

継者不足も深刻な状況になっている。

ている。


portfolio by yoshimichi sakai

- 地域の問題にリンクする環境学習 水質汚染への理解・行動 活動の認知・拡散 食育・農業への関心 後継者育成

小学校の北側に広がる水田と湖、この2つの自然資源を 環境学習の要素とする。湖の畔には水質調査や、清掃活

- 小学生 -

動等の活動の拠点となる建築、水田の中に農業体験、ビ オトープとして水質、生物調査の活動の拠点となる建築 を計画する。これら2つの建築で行われる小学生の環境 学習は地域で抱える、農業・水質汚染などの問題に対し てリンクしていき地域について考える機会を創出する。

水草堆肥の 有効性の検証 - NPO など活動団体 - 農家・JA -


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- field pavilion -

周囲を水田に囲まれた中フィールドワークの拠点となるよう な施設を提案する。稲作体験を通して食育を行い、また地域 の生業である稲作についての理解を深める。使用される水田 は地域の試験水田を兼ねており、水田での水生生物調査は付 近一帯の水田における生息生物の把握の役割も果たす。 lakeside pavilion で作られた水草による有機肥料を使うこと によって大量に採取される水草による堆肥の有効性、使用の 促進をすすめる。

    

- lakeside pavilion -

猪苗代湖に環境学習の拠点となるような施設を提案する。湖の 水質を調査する際の水際へのアクセスを容易にし、さらに湖に 伸びる壁は室内から見た時に水中からどこまで壁を見ることが できるかで水の透明度を測るものさしとして機能する。湖の汚 染の原因である腐敗した水草を回収→堆肥化させる簡易的な機 能を有するためその場で堆肥加工の段階へと移行できる。field pavilion の試験水田の有機肥料として活用される。  ただの拠点施設としてではなくこの建築のある風景は湖の一風 景として人々の心に刻み込まれるかもしれない。  


portfolio by yoshimichi sakai ・農業体験を通しての食育

1. approach 2. exibiton room 3. deck

・農業への興味、関心。より身近なものへ。 ・水田を利用した水生生物調査。水質調査。

4. warehouse 5. paddy field

1

小学生

4 2 JA など

3

地元農家

・試験水田で小学生との協同の活動。

・後継者の育成。

・高齢化する現状をカバー。

・生物、水質等の現状の

・生物の棲息、水質環境の把握。

水田環境についての認知。 ・新たな農業環境の開拓。

5 0

5,000

10,000

20,000 mm

・猪苗代湖の水質調査をすることで、 現状の汚染を認識。 ・NPO 等による活動の認知。

1. pier 2. exibition room 3. temporary strage

1

4. compost fermenting room 5. warehouse

小学生

地元 NPO

地元農家

・自分たちの活動を小学生を通して

・水草による堆肥の使用、

地域の人に知ってもらう。 ・新たな処理施設の拡大。 ・水草による堆肥の利用促進。

2

その有効性の検証。 ・地元の環境保護活動への フィードバック。

0

5,000

10,000

20,000 mm

5

4

3


portfolio by yoshimichi sakai

55 - elementary school -

0

25

50

- field pavilion -

100 m

- model data scale : 1/500 material : sina veneer , square timber â–Ą=80 , PET , gel mediums , color spray size : 2550*500*50 (mm)


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- lakeside pavilion 56

2 つの拠点施設は小学校の脇から湖へとまっすぐ伸びる道の軸線に沿って作られる。


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季節が変わる毎に 日の暮れる時間が変わり 風の香りが変わり 虫の鳴き声が変わるのが こんなにも感じられた。

私の記憶に残るのは 黄金色に輝く稲穂とその間を抜ける瑠璃色に染まった湖へと伸びる1本の道。

  その記憶に残る風景の断片をなぞっていくことで、この建築は出来上がりました。


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[ Capter 1 ]

03

_ (scale ) × (sequence)

“get lost in the ceder forest”

2012      _Bachelor Studio #7 Chiba University Professor   _ Akiko Okabe (Tokyo University) Program    _ garally in the park Location    _ Showanomori-park (Chiba) Duration   _ 1.5month Award    _ 学内優秀作品選出 , 千葉市役所代表プレゼンテーション選出


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get lost in the ceder forest


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Toke sta.

Hoki mus.

- 昭和の森 -

千葉市で最も広い総合公園(約 100ha)。広大な芝生の広場や花菖蒲が観賞で きる湿生植物園、さらに遠くは九十九里一帯を一望できる展望台があり、日 本都市公園百選に選定されている。

周囲を住宅地に囲まれている立地である反面、敷地内には原生に近い森林が 広がっており、広場と森林という2つの側面を持っている。

- Showanomori Park -


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- about ceder forest -

スギ

ナラ

カバ

ニレ

建築は公園敷地内に生い茂る杉林の中に建てられる。 杉林は花粉や、その暗く湿ったイメージからあまり良い印象を受けることがない。上部に茂る葉に よって暗く閉ざされた森の中の空間も光が射すことで、光の帯となって地上へと落ちていき森の中 に光の溜りが生まれる。その光芒の美しさ、またそれを作り出す杉林も美しいのである。

また、杉の特徴としてはその垂直に伸びる姿でもある。15 メートル以上にもなる幹の先には葉が生 い茂り陰を作る。頭上を覆われる感覚は森の奥深くへと来たという感覚を増幅させる。 杉林の中に建築を挿入することはその垂直性を建築の要素の1つとして取り入れることにも繋がる。


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- about 3 scales -Ⅰ-

敷地内のファクターとなる 3 つのス ケールを抽出する。人のスケールを逸 脱してしまっているために人がとどま る場所が生まれづらい杉林内に建築を 挿入することで、建築内、またその周

human

architecture

ceder forest

~2,500mm

~7,000mm

(~15,000mm)

-Ⅱ-

fig.1

fig.2

建築空間のボリュームによりスケール 15,000mm

感をコントロール、開口部の大きさか ら視線をコントールする (fig.1) ほか、 敷地内の起伏を利用することで、人々 が感覚として受容するスケール感の増 幅 (fig.2) を感化させる。建築空間の 作り方によって視線、身体感覚の移ろ いをデザインしていく。 CH=2,500

CH=7,000

window size = small

window size = large

15,000mm +α

辺に人々の居場所を作り出していく。


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scale

- scene 4 -

- scene 1 -

- scene 2 -

- scene 5 -

- scene 3 -

- scen


portfolio by yoshimichi sakai

- scene 7 -

- scene 8 -

- about sequence -

人、建築、杉林。3 つのスケールが建 築のシークエンスに沿って展開してい く。広場から建築の内部に入り、また

- scene 9 -

広場に戻っていく中で建築内の空間の 広がり、内部空間・外部空間の移り変 わりなどの変化が展開していく。

ne 6 -

procedure


portfolio by yoshimichi sakai

General project plan 1.approach 2. entrance 3. office 4. toilet 5. exibition space1

6. lounge 7. passage 8. bookcafe 9. workshop 10. warehouse 11. machine room


portfolio by yoshimichi sakai

7 6

4

8 9

3

10 11

5

1

2

0

5,000

10,000

20,000 mm


portfolio by yoshimichi sakai

7

3 6

B1F  plan

2

-3500

5

1.exibiton space2 2. warehouse 3. machine room

4. exibition space1 5. slope 6. lounge 7. passage for forest

4

1

0

5,000

10,000

20,000 mm


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- model data -

scale : 1/100 material : sina veneer , PET , cypress bar size : 840*594*450 (mm)


エントランスへと伸びていく壁沿 いにアプローチが徐々に下ってい くことで、杉林のスケールがさら に大きくなるような錯覚が起き る。徐々に杉林が大きくなってい くような感覚を抱くことで、林の 奥に足を踏み入れていくという感 覚を加速させていく。

光に誘われてきた先には、垂 直に伸びる杉が目前に迫るラ ウンジへと行き着く。室内空 間は外部の杉林へと拡張して いく。ここでこの建築の 1 つの クライマックスを迎える。

- scene 2 -

- scen

- scene 5 -

- scen


頭上に覆い被さるような屋根により初 めて建築のスケールを感じ、さらに先 に見える光に導かれ建築の奥へと進ん でいきスロープを降りていき地形の傾 斜、斜面に沿って建つ建築の空間の広 がりを感じていく。

ne 3 -

- scene 4 -

ne 7 -

- scene 8 -

渡り廊下で建築の全貌を初め て認識することができ、広場、 杉林、建築の関係が明らかに なりブックカフェでくつろぎ ながら今まで自分が辿ってき た道を振り返る。


portfolio by yoshimichi sakai

- section -

0

5,000

10,000

20,000 mm


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- elevation -


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[ Capter 2 ]

04

_

集合知のための器

2014      _ Design Studio Tokyo University Professor   _ Yoshiyuki Kawazoe Program    _ --------------Location    _ Yoyogi Uehara Duration   _ 1.5month


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portfolio by yoshimichi sakai

今まで、考えることをしてこなかったこと。

描いては消し描いては消しを繰り返した。 今まで、目を通す程度でしかなかった建築知識、ディテール とにかくディテールが載っている本を片っ端から読み漁った。 まだまだ目の当てられないものばかりだが、自分が作りたい空間を実現するディテール とはどんなものか。それを考える良いきっかけになった。


portfolio by yoshimichi sakai


portfolio by yoshimichi sakai

この建築には機能が無い。

ある二人の夫婦のための場所を設計する。一人は戦後の日本社会をリードした立役者。もう一 人は随筆家として知られる名文家。二人がもし二人が今も生きていて都内に彼らの居場所を作 るとしたらどのようなものになるのだろうか。二人が静かに知と向き合える場所を設計する。

知と対峙する場所

白洲 正子

次郎

Shirasu Masako

白洲

Shirasu Jiro

1910-1998

1902-1985 実業家、官僚。国家の危機に際してカントリー

随筆家。一流の文化人と交流しながら、日

ジェントルマンとして駆けつけ、ビジネスノ

本文化全般に関する随筆を執筆。幼い頃か

ウハウを国家の復興に活かした。彼の生き方

ら能の世界と向き合った姿勢に、美の根源

は破天荒・傍若無人などと言われるが、常に

があった。

自分の信念を貫いていた。


portfolio by yoshimichi sakai

二人にとっての「知」

次郎と正子の夫婦生活は少々奇妙なものであった。彼ら二人は来客 という第三者を通じて関わるということが多かったのである。

現在町田市鶴川に次郎と正子が生前住んでいた農家を改築した武相 荘が資料館として現存している。そこには文人、芸術家、工芸家な ど様々な人が足を運んでは次郎、正子と話を交わしていた。 例えば「器物は使ってこそ」という正子の考えかたは小林秀雄氏か ら受けた考え方であり。その他にも多くの知識人と話を交わすこと により、様々な知恵が次郎、正子の血となり肉となり二人の生活観、 また振る舞いに現れていたのかもしれない。


2015.03.08

2015.04.24 2012.08.24

2015.02.10

2015.01.29

2014.12.02

2014.11.23

2014.09.29

2014.09.02

2014.08.21

2014.07.07

2014.06.03 2014.04.17

2012.09.12

2014.03.22 2014.01.13

うつわとしての空間 - 週末、ある人はいつもと違う場所を求めて絵を描きに来る -

2013.12.07

- また別の日に今度はまた違う人が静かに執筆をするために訪れるかもしれない -

[ 前にこの場所を使った人の道具や、置いていったスケッチ・原稿、その人の痕跡が蓄積していく ]

この場所に集まる人はみんなそれぞれ目的を持ち、それぞれが違う方向を向いている。しかし、この場所では人々の行為、また 2013.11.11

空間に何らかの形で蓄積していくその人の痕跡がある人に対しては素晴らしい知恵、発想を与えるものになるかもしれない。 そんな何層にも積み重なっていく知を無限に許容し続ける空間。

2013.10.10 2013.09.16

2013.08.30

2013.07.01

2013.06.29

2013.05.09

2013.03.11

2013.02.05

2012.12.31

2012.11.03


portfolio by yoshimichi sakai

知と対峙する空間を設計するにあたり、次郎、正子二人だ けの空間ではなく、更に二人と関係がある者(特定の数人 程度)も使用する空間を設計する。他人の痕跡を感じなが らもひたすらに自分と向き合うことができる空間、またそ

es oitc

n

B

’B-

の外にでて関り合いを持つことの出来る空間。2つの空間

ro ng lou d ar ry

ng e

in

ne

lou te

3 om ro

n

co m

m

on

atio

on

ecti

e

lev

iva

th e

pr

sou

om

ro om

4

2

en

tra

nc

e

ro

om

1

pr

iva

te l

ou n

ge

が、知をより深める場所となりうるのではないのだろうか。

’s A-A


portfolio by yoshimichi sakai

262

外界から隔絶されるこの場所では、太陽の光、それによってでき る木陰のみが壁面に映り、その存在を知らせる。


portfolio by yoshimichi sakai

vessel 3

vessel 4 common living

B’

B

GL-6500

GL+1000 GL-1000

private living

GLÂą0

A

A’ entrance vessel 2

vessel 1

private living

0

2,500

5,000

10,000 mm


portfolio by yoshimichi sakai

Low-E ガラス t=3mm×2 通気層

300

冗長性を持つうつわとしての空間

t=12mm

300 300

300

組み木:スギ 60mm×300mm スギ 120mm×300mm 溝形鋼 40mm×75mm ガルバリウム鋼板 t=0.4mm 縦ハゼ葺き アスファルトルーフィング 940 野地板:ラーチ合板 t=12 通気桟:ベイツガ 30mm×60mm 断熱材:押し出し法ポリエチレンフォーム t=45mm 化粧野地板:ラーチ合板(実付き)t=24mm 木材保護塗料

250

登り梁:スギ 60mm×180mm

オークフローリング t=14mm 構造用合板 t=12mm 400

グラスウール t=45mm 根太 40mm×45mm

200 200

平面寸法が等しい 4 つのボリュームは、上下方向の空間の広がり と躯体に架かる木架構のもたらす採光によって空間性に差異が微 かに現れてくる。その時その場所を使う人が求める空間として性 格の違う 4 つの空間が現れる。

地下外壁:ガスファルト防水 押出法ポリスチレンフォーム t=50

S=1:30


portfolio by yoshimichi sakai

X7

X6

X5

X4

X3

X1

X2

2750 8100

2200

5600

2310 900 4050

2310

private living

750

2000

4750

2750

7750

3150

vessel 1

2200

vessel 2

private living

2250

20250

0

2,500

5,000

10,000 mm

- A-A’ section -


portfolio by yoshimichi sakai Low-E ガラス t=3mm×2 通気層

t=12mm

登り梁:スギ 60mm×120mm

2 つの木架構の考え方

120 60 350

組木:スギ 60mm×120mm ガルバリウム鋼板 t=0.4mm 縦ハゼ葺き アスファルトルーフィング 940 野地板:ラーチ合板 t=12 通気桟:ベイツガ 30mm×60mm 断熱材:押し出し法ポリエチレンフォーム t=45mm 化粧野地板:ラーチ合板(実付き)t=24mm 木材保護塗料 250

登り梁:スギ 60mm×180mm

木質柱:スギ 180mm×180mm

壁:撥水剤塗布 180

  杉板型枠コンクリート

扉:撥水剤塗布   杉板型枠コンクリート

コンクリートの躯体に覆いかぶさるように架かる4つの木架構と、 4つのボリュームをつなげる役割として、躯体に支えられて成立 する木架構というように2つの考え方を持つ架構がある。個々の 持っている「知」が集合することによって新たな知が形成される ということのメタファーとなり、躯体に支えられる架構の下には

S=1:30

コモンラウンジとして人々の集う空間が現れる。


portfolio by yoshimichi sakai

X’2

X’1

X’3

X’4

2850 900 3800 2200

7550

vessel 3 3300

4700

1000

common living

9150

vessel 4

9200

4750

7750 21700

0

2,500

5,000

10,000 mm

- B-B’ section -


portfolio by yoshimichi sakai

- framework for vessel 2 -

都内でも閑静な緑の多い住宅街に建つこの建築の架構は周囲 の木々から差す木漏れ日のような光の空間内にもたらす。あ るものは木々の根本で感じるきらめく木漏れ日のような、ま たあるものは藤棚に茂る藤の花の間から漏れさすふんわりと した光のような。架構ごとに異なる光を空間内に取り込む。

- framework for vessel 1 -


portfolio by yoshimichi sakai

- framework for vessel 4 -

- framework for vessel 3 -

それぞれの架構は、重なり、厚さ、密度などを変化させ ていき、採光量をコントロールする。同じ空間の中でも 光の演出によって異なる印象を与える。


portfolio by yoshimichi sakai


portfolio by yoshimichi sakai


portfolio by yoshimichi sakai

- drawing data painting tools : pencil(HB~6B) sharppencil base : kent paper size : 1189*841 (mm)


portfolio by yoshimichi sakai

最終アウトプットはこの矩計図1枚。 1 枚の紙に手描きでひたすらスタディを繰り返していく。な かなか決まらなかった箇所は自然と消しゴムで消した跡が 残り、紙が擦れていき、検討を繰り返した痕跡が残っている。

課題提出時は矩計図1枚の最終提出物のために、それに適する設計としまし た。今回再びまとめ直すにあたり平面を修正し設計をやり直してあります。


portfolio by yoshimichi sakai

[ Capter 2 ]

05

_ Wooden Velodrome

2014      _Timberize TOKYO 2020 Team     _ Yoshiyuki Kawazoe +Kawazoe Lab. Program    _ Velodrome Location    _ Ariake Duration   _ 2month


portfolio by yoshimichi sakai


portfolio by yoshimichi sakai


portfolio by yoshimichi sakai

@Shigeo Ogawa


portfolio by yoshimichi sakai

period : 2014 , 0905 ~ 0915

site : spiral garden (spiral 1F)

host : NPO corporation team Timberize

これまで木造建築は、地産地消の元森林資源の豊かな地域で積極的につくられ てきました。しかし森林を活性化させることは、その地域のみならず全国規模 で考えていかなければならない問題です。特に森林資源の恩恵を享受している 都市部ではその積極的な活用が求められます。2020 年のオリンピックは都市木 造の可能性を考える貴重な機会と考えられ、実際に都市木造によるまりづくり が行われれば、オリンピックはもちろん、それ以降の都市の姿に大きな影響を 及ぼすことになります。( 中略 )2020 年のオリンピックは、これから東京のあ るべき姿を書き出し、新しい価値観を提示するまたとない機会です。( 中略 ) 2020 年という一つの道しるべに向かっていく動き (2014~2020) とそれ以降 (2020~) を来場者の方に実感していただきます。

(Timberize TOKYO 2020 より )


portfolio by yoshimichi sakai


portfolio by yoshimichi sakai

比重 (t/m3)

Timber

Steel

Reinforced-Concrete

0.4~0.7

7.8

2.4

- 木の特徴をデザインにどう落としこむか -

本展覧会は木造建築の魅力を周知させるための展覧会である。 そのため、展覧会のあらゆる展示は木造ということが前提である。 私達が提案したベロドローム ( 自転車競技場 ) は、主構造はあくまで木であるものの、 一つの建築を成立させる要素として鉄、コンクリートを使用している。鉄の 7.8、鉄筋 コンクリートの 2.4 に対して 0.4~0.7 という圧倒的な軽さを持つ木の比重に注目し、その 特徴をいかすデザインを考えた。


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@Shigeo Ogawa

- model data -

scale : 1/200 material : sina veneer , woodpanels , cypress bar , piano wire , color spray , oil stain size : 654*654*350 (mm)


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0.4~0.7 (t/m3) Timber

- 天秤のような構造体 -

外周部の鉄骨の柱を支点とし、内部の木架構と 外部のコンクリートデッキが重量的にバランス する天秤のような構造体として競技場を構成す る。比重の軽い木の梁は内部の大空間を実現し、 外周部のコンクリートデッキは、周辺の都市と 接続する連続的な回廊を生み出す。

2.4 (t/m3) Reinforced-Concrete


portfolio by yoshimichi sakai

屋根:ステンレス複合板平滑葺き    ゴムアスファルトルーフィング    断熱シート   野地板

吊材:St-rodΦ200 垂木:木製材 300×300 横架材:木集成材 600×900

柱:FRSt-□ 300×900@8400 ハイサイドライト 吊材:St-rodΦ200

登り梁:木集成材 2-300×3000

庇:RC 打放し 撥水材塗布 梁:RC 2-500×1500 3500

1650

床:RC 打放し 表面強化剤

床:フローリング

手摺:St-FB 1200 2000

4800

15450

4600

梁:RC 2-300×900

5100

▼GL

14540

7000

5290

900

6000

2550

980

▼2FL

0201 6001

吊材:St-rod

梁:木集成材 900×1200(耐火)@8400

柱:木集成材 900×900(耐火)@8400

- section of detail -


portfolio by yoshimichi sakai

b48

a49

b49

a50

b50

a51

b51

a52

b52

a1

a2

a1 : b1 = a2 : b2 = a3 : b3 =

b1 b2

a3 ・・・・・・・

b3 b4

・・・・・・・

・・・・・・・

b47

a48

= a50 : b50 = a51 : b51 = a52: b52

a4 ・・・・・・・

・・・・・・・

a47

・・・・・・・

・・・・・・・

52 本の梁は中央部の柱に 26 本ずつ積層し ていき、全体の剛性を高める。またそれ ぞれのコンクリートデッキ (an) と登り梁 (bn) との比は常に一定となっている。そ のためにコンクリートデッキには片持ち の距離に差が現れ空間に差異が現れる。


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- Tokyo Bay -

- 敷地から考える構造システム -

この天秤のような構造体は足元に生じる曲げ モーメントを最小化することができ、人工的な 埋め立て地である敷地に対する応力負荷を考慮 したものとなっている。


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- diagonal section-


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@Shigeo Ogawa


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@Shigeo Ogawa


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- Olympic Legacy オリンピック後は、人口が急激に増える近隣に対し、駅のすぐそばに立地するこのベロド ロームは、商業施設に移行することを想定する。内部空間は、集成材による規則的な構造 形式を採用しており、オリンピック前後の用途変更に対応できるおおらかな可変性を有し ている。自転車競技が行われたトラックの下は、商店街の通路のような回遊動線となり、 トラックの上は、その地形的な特徴をいかして劇場やカフェの一部として活用される。


- 動線の変化 -

+10000

during olympic

- プログラムの変化 public access player access backyard access

+10000

+6000

+6000

+1000

+1000

after olympic

during olympic

retail cultural green mall back yard

after olympic


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[ Capter 2 ]

06

_

東京大学 総合図書館 新館アカデミックコモンズ ( 仮 )

2014      _ Kawazoe Lab. Tokyo University Design    _ kawazoe lab. + Tokyo University faculities department + Shimizu Corporation Program    _ library, plaza Location    _ Tokyo University Hongo Campus Completion _ Mar , 2017


portfolio by yoshimichi sakai


portfolio by yoshimichi sakai


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このプロジェクトは川添研究室の学生ではなく研究員が進めているプロジェクトで す。川添研究室ではこういった実施プロジェクトが幾つか存在しています。研究員が 進めているこれらのプロジェクトに対して学生はある一定の期間の間、研究員と同じ 勤務時間で作業をすることもできる環境もある特殊な研究室でもあります。

私の関わったこのプロジェクトは実施設計の終盤の段階で、私は残されていた細かい 部分のスタディーから、最重要な部分のスタディー、また現状の設計から違和感のあ る部分を炙り出し、その部分について再検討を行っていく作業を行っていきました。 東京大学の図書館という権威ある建物対して新館となる建築がどのような関係を築く のか。全体と部分、特に部分については本館と新館のディテールをどういう関係とし て捉えるのかといったことを考えるプロジェクトでした。


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東京大学 総合図書館 新館計画

- 歴史を継承しながら、未来の情報活動拠点をうみだす -

築90年を迎える大学付属総合図書館(以下「総合図書 館」)の貯蔵冊数増大による大規模増築計画である。既存

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建物は、昭和3年完成の建物であり、まもなく築90年 を迎えようとしている。現状120万冊の書庫収蔵が可 能となっているが、将来的な書庫機能拡張を考慮し、3 00万冊の保存書庫(自動化書庫)の建設を行うことを 検討している。このため、歴史的建造物でもある既存建 物を維持、保存し、増築を行い、300万冊の自動化書 庫を備えたアカデミックコモンズが新たに設置されるこ ととなった。設置にあたり、キャンパスの景観を損なわ ないように、図書館前の噴水広場の地下に自動化書庫を 埋設する計画としている。さらに、地下1階は全学の学 生がグループセッション等、能動的学習に自由に用いる ことができるライブラリープラザも設置する。全く新し いタイプの図書館を地下に設置し知の集合として新たな 活動拠点として機能する。


総合図書館 本館

ライブラリープラザ

- 議論を誘発する広場のような図書館 自動化書庫 今までの図書館は本棚によって知識量が演出されてきたが、これからの 図書館は読むだけでなく、議論することが重要になる。議論によって新 しい知恵が生まれていく。ワンルームのような形では複数の音をどうコ ントロールするかが課題となってくる。その1つにカテナリーで構成し た杉の無垢材の天蓋がある。天井をデザインするとともに音をコントロー ルする役割をもたせ、議論のしやすいようなうるさすぎず、静かすぎな い暗騒音を作り出す音場をデザインすることを試みている。

section


portfolio by yoshimichi sakai

- study 2 -

- study 3 -

- study 4 -

B1 アカデミックコモンズに設置され

新館の計画で地上にでる2つのボリュー

円形のプランの外周部(クリエイティブ

る輻射パネルの断面形状、設置間隔

ムの内の一つの EV の基本的な寸法、ま

ボックス)の検討。中央部とは違ったっ

のスタディ。同じく東京大学野城研

た詳細の検討。全体のボリュームスタ

空間性を確保するために、テーブル、パー

究室の協力の下、パネルのプロポー

ディーから収まりまで、全体と部分の検

テーションなどの造作家具の検討を行っ

ションとより表面積を増やし効率化

討を行った。

を図る形状の検討を行った。

- study 1 B1アカデミックコモンズ天井部に設置 される天蓋の検討。木材の断面形状の検 討や、円周上に並べる際の収まりを図面、 模型を通して行った。

た。ここでは図書館の職員の管理の及ぶ 範囲と可変性をとのバランスを検討した。

- study 5中央部の柱の検討。メンテナンス性を向 上させるため、地上の噴水への給水管は 構造となる鉄管とは切り離して考える。 設備配管を意匠的に見せる方法。柱をふ かして配管を内部に入れる方法。2通り の方針のもとスタディーを行った。


0

2,500

5,000

10,000 mm

B1 plan


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photo : volumestudy model No.1~13

エレベーターの検討

実施設計の際にエレベーターの検討を行った。新館の計画で は地上に現れる数少ないうちの一つなため、東京大学キャン パス内の景観、広場とそこを使う人々とのスケール感を考え、 また細部においては重厚な大学内の建築物に対してどのよう な態度を取るべきなのか、ということを考えながら提案した。

要件

Ⅰ. 石張り (1 階広場の仕上げと対応した仕上げ ) Ⅱ. 雨の吹込み防止 (EV の性能保証のため清水 建設からの要望 )  ※EV のドアに対して 45°分、軒・壁を出し、  吹込みを防止する。


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垂直搬送機

EV

EV は B1F の上にある地盤 ( 広場部分の地面 ) を大きな石の 板というように捉えた際に、その石の板と対応するものと いう基本的な考え方で検討を行っていった。

EV 設備からオーバーヘッドの寸法が決定されるが、吹込み 防止の軒を設置していくと、広場に対してボリュームが過 大になってしまう。そこで EV 籠の上部の屋根を貫通または 屋根部分に入り込むようにしてボリュームを抑えるととも に基本的な石の板という考えを尊重する結果となった。

OH= 3050mm

2600mm 500mm

study model 12,13

over 3000mm

2100mm

500mm

study model 8~11

over 3000mm

2100mm

500mm

study model 1~3

over 3000mm

500mm

~ 基本設計


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全体としてのボリュームとともに、ディ テールをの検討も行った。柱の太さ、サッ シの存在感などから、サッシと柱をある 程度一体として見せ、縦方向の線を細く、 また石の板が浮いているように見せるこ とができるようなディテールを考えた。

柱、サッシ詳細図 1

縮尺 =1/3


portfolio by yoshimichi sakai


portfolio by yoshimichi sakai

柱、サッシ詳細図 3

縮尺 =1/3


川添研究室の提案から清水建設がおこし た EV の詳細図。ガラスと柱の収まりこ そ取り入れられることはなかったが EV のプロポーションと屋根の高さ、かごの OH の寸法に関しては合意を得られた。


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新しい建築の楽しさ 2014 - 社会との関わりを見詰める建築模型展 ※出展模型製作

出展建築家 [ 前期 ] 01, 稲垣淳哉 + 佐野哲史 + 永井拓生 + 堀英祐 (Eureka) 02, 藤原徹平 03, 工藤和美 + 藤村龍至 04, 木下昌大 05, 栗田祥弘 06, 松井亮 07, 久保秀朗 + 都島有美

会期 : 前期 2014.11.6~12.26

[ 後期 ]

   後期 2015.1.6~2.21

08, 松島潤平 09, 三浦慎 10, 伊藤暁 + 須磨一清 + 坂東幸輔

会場:AGC Studio(東京・京橋)

11, 菅原大輔 12, 川添善行 13, 田辺雄之 14, 三浦丈典


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- model data scale : 1/100 material : sina veneer , cypress bar , Acrylic plate , Styrene paper , color spray , oil stain size : 805*420*500 (mm)


[ Summary ]


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[ Summary ]

[ Capter 1 ] No.01~03

敷地から読み取った情報から必然的にできる形・空間をどう作っていくのか。単なる形態操作の手法で形作っ ていくのではなく、リサーチから抽出した要素から必然的な形を実現する方法を考えた。敷地の要素、歴史 などコンテクストを読み込むことは至極当然のことであるが、どれだけ真摯に敷地と向かい合い敷地のこと

- Research and Forming -

をわかることができるかということをひたすらに考えてきた。

- リサーチと形創ること -

02_ 記憶に残る場所をつくるということ

03_ ( scale ) * ( sequence ) “get lost in the ceder forest”

urban complex , 2013

elementary school , 2012

garally, 2012

( Chiba University , Bachelor Diploma )

( Chiba University , Bachelor Studio #5 )

( Chiba University , Bachelor Studio #7 )

01_ 湧

源 都 市 (Source of spring in the city)

渋谷の街の裏側にひっそりと流れる渋谷川。

私が卒業した小学校の設計である。

自然豊かな都市公園である昭和の森 (千葉

これから再開発が進められ変わっていく渋谷

高齢化が進んでいる地域に対し核となる施

県)が敷地となるギャラリー、カフェなど

の街に対して渋谷川はどう変わるべきなの

設としての小学校となるだけではなく、小

を併設した施設の計画である。敷地内に生

か。ノスタルジックに以前の様相を取り戻す

学生の環境学習を地域の環境問題と結びつ

い茂る杉林は一般的にはあまり魅力を感じ

ような再生を行うのではなく、今の状況下で

けていく。小学校のボリューム以外にも授

ることがないが、杉の垂直性やその葉のつ

どのように更新していくのかという考え方か

業のフィールドワークでよく訪れる北側に

き方、周囲とのスケール感に着目し、建築

ら、今までのそしてこれからの都市の時間軸

ある猪苗代湖と田んぼの中に環境学習の拠

のシークエンスの中で人、建築、杉林とい

を許容するよう形として再構成を図る。建築

点となる小さな施設を設計する。美しいこ

う3つの要素を展開していく。手入れされ

内に張り巡らされた浄化機能を有する水路が

この風景に対してこれら 3 つの施設は点景

ることなく鬱蒼と茂る杉林は人を許容する

都市の裏側に追いやられ忘れ去られていた川

となり小学生のみならずそこに住む人々の

空間とはなり得ないが、建築をそこに挿入

への認識を取り戻すのとともに、親水空間に

思う原風景となりうる。

することで人の身体性、建築のスケール、

よって渋谷という年の新たな側面の形成がな

この建築は私の記憶の断片をなぞってでき

頭上に広がる杉林というように外部を取り

されていくことを期待する。

たものであり、私がいつまでも残したい風

込んだ幾つもの空間ができていく。

景そのものでもあります。


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[ Capter 2 ]

概念を実現するためのディテールというものを考え始めたのが、大学院に入学し環境が変わってからである。

No.04~06

構成的要素 (04)・力学的要素 (05)・歴史的要素 (06) これらを満たすためのディテールをとはどのようなも のなのか。全体と細部、往復を繰り返し形作っていく。Chapter1 で考えてきたことを統合して考えるように

- Detail and Totality -

なり (05)、場 ( 敷地 )・技術 ( ディテール ) を統合した建築を考えている。

- 部分と全体 -

04_ 集合知のための器

05_wooden velodrome

06_ 東京大学

- , 2014

velodrome , 2014

library , academic commons , 2014-

( Tokyo University , Design Studio -Yoshiyuki Kawazoe )

( Tokyo University , Timeberize TOKYO 2020 )

( Tokyo University , Kawazoe Lab. )

総合図書館 新館アカデミックコモンズ ( 仮 )

ある1組の夫婦の為の知と対峙する場所の

2020 年の東京オリンピックを契機として都

築 90 年を迎える大学附属図書館の貯蔵冊数

設計である。奇妙な夫婦生活を送っていた

市木造を考える機会をつくろうという趣旨

増大による大規模増案計画である。キャン

この2人の思考を辿っていき、人の痕跡か

の元企画された展示会 (Timberize TOKYO

パスの景観を阻害しないように既存の広場

ら集合知を形成していくような空間のあり

2020) の際に計画したベロドローム(自転車

地下に建物全てを埋没する。地下 2~4 階に

方を考える。4つのボリュームそれぞれに

競技場)である。純木造として考えるので

300 万冊の自動化書庫を設置し、地下 1 階は

は4つの木架構が架けられている。平面形

はなく、木の圧倒的な比重の軽さを利用し

全学の学生が集い、能動的学習に利用でき

状こそ全て同じであるが、壁の立ち上がり、

て外周部の鉄骨柱を支点として内部の木架

るライブラリープラザを設置する。このプ

木の架構が空間に差異を与え、その時、そ

構と外部のコンクリートデッキが重量的に

ロジェクトではエレベーター建屋など細か

の空間を使う人に寄り添っていく。4 つのボ

バランスする天秤のような構造体として競

い部分の検討を行っていった。キャンパス

リュームに覆いかぶさる4つの架構、ボ

技場を構成する。この構造体は足元に生じ

内の景観や、そこを使う人々とのスケール

リュームごとをつなぐ架構。それぞれの概

る曲げモーメントを最小化することができ、

感を考え、また細部においては重厚な大学

念を実現するためのディテール検討を行い、

人工的な埋立地である敷地に対する応力負

内の建築物に対してどのような態度を取る

空間を形作っていく。

荷を考慮したものとなっている。

べきなのかということを考えながら提案を 行った。


Y O S H I M I C H I

S A K A I

WORKS 2012-2015  
WORKS 2012-2015  
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