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Node of the City 人々は建築に対してどんな権利を持つのか? グローバリズムの展開により、都市は人間味を失っている。 路地空間の連続性が織りなす歩行者ネットワークに再び命を 吹き込み、人はまた建築に吸い込まれる。

SDL 170035 山下 翔平


Concept 資本主義的な再開発により人のスケールを逸脱してしまった都市、銀座。 中央通りを中心としたツーリズムの風潮は、人々のアクセシビリティーを低下させ、都市は有機性を失う。 路地を用いた歩行者ネットワークを回復するための節点となる建築を提案する。

新たな歩行者ネットワークの提案                                                    

薄れゆく人と道と建物の関係性

三次元的な路地的空間を持つ建物を提案

都市のあいだの空間のデザイン                                                     

銀座における路地の連続性に着目

上層階にも路地空間を意識

平面的にヴォリュームをずらす

立体的なズレにより路地空間が連続性を持つ


銀座3丁目 中央通り沿い

街区のほとんどすべてを建物が埋め尽くす 銀座。 赤の計画地に路地空間の連続性を 持つ建物を設計することで、 歩行者ネット ワークは活性化する。 初めの段階としてそ のうちの一つの敷地に建築を提案する。

Ginza Nolli Map S = 1/2000


Urban Globalism Nolli Map

Building Height

Commercial Program

地と図で示される建物のビル群と外部空間の 割合。地価の高騰が進む銀座では、ペンシル ビルや街区一つを覆ってしまうような資本主 義的な建物が多く建てられている。高層化、 高密度化によって建物のあいだの空間は物質 的に減少し、界隈性や親密感が失われている。 路地を用いた歩行者ネットワークが存在して いた以前の銀座の都市構造を見直し、グロー バル化に対応すべく三次元的な路地的空間の 連続性によって、建物と人の関係性を強め、 街をまた活性化させる。

ディベロッパーやビルのオーナーは利益や効 率化を優先し、できるだけ高層なビルを設計 し、単一なユニットが縦に連続して連なって いる。道との関係性が薄れる上層階では、空 き部屋や空きテナントなどの無駄なスペース が増えていき、矛盾が生じている。人のスケー ルの観点から空間構成を行うことで、歩行者 を引きつけ、建物自体が有機的に機能するこ とができるのではないか。グローバリズムに よる建物や機能の集中化がこの問題を生み出 している原因である。

20世紀終わりより、銀座にブランドショッ プが進出を果たし、銀座=ブランド街という イメージを人々に与えている。ビルのファ サードは看板といわんばかりに装飾が施さ れ、飾られた街並みを構成している。結果的 にその飾りは観光客を引きつけているのと同 時に、ある人々には入店するのをためらわせ るような印象を与え、人を選ぶ街に様変わり している。本質を形取る、歴史的・文化的背 景を失うことによって、街は死にゆく危険性 があるのではないか?


Streets for Vehicles

Streets for People

Transition of Roji

中央通りを中心に、銀座はグリッド上に道路 が張り巡らされている。車中心の現在におい て、利便性を考慮した都市開発は随所で見ら れる。しかし都市全体がヒューマンスケール を逸脱してしまったら、人々はどこにいけば いいのだろうか。街は自動車のためではなく、 人のためにあるべきではないか?歩行者のた めに街歩きの楽しさを演出することが、街を 活性化させ、建物と道、そして人との関係性 を強く保つことができるのではないかと思わ れる。

祝日に催される中央通りの歩行者天国は、観 光客によって賑わっている。道路には椅子や 机などが置かれることによって、人々の活動 の多様性が増している。しかし歩行者の動線 は中央通りに集中しており、裏通りは依然と して閑散としている。この道の二面性を路地 というとヒューマンスケールに沿った小道を 設けることによって、人々は都市全体に広 がっていき、路地を用いたネットワークが毛 細血管のように広がっていくのである。

江戸時代より多くの路地空間が生活空間への アクセス、またはショートカットの手段とし て多く用いられてきた。時が経つにつれて、 火事や地震、戦争などの災害によって都市構 造は壊滅的な被害を被ってきたが、依然とし て路地的空間は保たれてきた。21世紀に入 ると大規模開発によって路地は潰され、歩行 者ネットワークの機能が衰退しつつある。こ のネットワークの節点となるような路地的空 間の連続性を持つ建築を提案しようと思う。


Relationships グローバリズムによって都市の均質化を招き、街はアイデンティティを失っていく。 界隈性や歴史的・文化的背景はどこに痕跡を残しているのか?生活の溢れ出しによって空間の雰囲気が形成 されている路地的空間に人々の活動が生まれ、銀座らしさを手に入れることができるのではないか?

路地と人との関係性                                                            

促進

路地の形態学的特性 ①街区の形の複雑性②エントランス空間の開放性③路地を構成する建物数

路地の空間性を評価する溢れ出しの要素 三つの形態特性と溢れ出しの出現数を比較し、空間を評価する。

路地空間の形態学的分析                                                        

溢れ出しの個数

Large Small

路地空間の閉鎖性 路地空間の閉鎖性

街区のビルの多様性 街区のビルの多様性

溢れ出しの

High

High

High

High

Large

Low

Low

Low

Low

Smal

①街区の形の複雑性、 ②エントランス空間の開放性、 ③路地を構成する建物分布の三つの視点を計測可能なパラメータを設置することによって定量的に分析し、 その関係性を地図上で透明度の違いで表す。 各路地空間における溢れ出し要素の出現率との関係性を可視化することによって、 路地の空間性を評価する。


路地空間の形態学的分析                         

65

1500-

                   

①街区の形の複雑性

②エントランス空間の開放性

120

90

90

100

75

80

60

60

45

40

30

20

15

28

79

77

74

75

11 - 20

59

2

21 -

3-

→スラブを細分化し、 平面的な形の   複雑性を増加させる。

65

30

4030

道幅

15 Tunnel

101 77

74

8060 6045

79

10075

45

15 1

③路地を構成する建物数 12090

60

22

個 - 10 建物 曲がり角

101

  

-1499

1500-

45 30

22 28

曲がり角 - 101 建物

15 2 11 - 20

213- -

→アクセシビリティを促進させる大きな  →立体的にヴォリュームを細分化し、    エントランス空間を設ける。   スキップフロアを設け縦方向を意識。

路地空間の変遷                                                              

1900 年 明治

1950 年 昭和

75 60

2015 個個

90

2000 年 平成

個 道幅

T


History of Ginza

徳川幕府 銀座町人街建設開始

15 90

16 12

銀座の大火 路地の本数:99本

18 72

18 77

関東大震災 路地の本数:78本

銀座・朱座・大判座設 置

レンガ街完成

19 23

19 東京大空襲 45

ブランドショップ進出 路地の本数:20本

19 96

20 20

東京オリンピック 路地の本数:?


Analyzing in-between Space 路地的空間の雰囲気を作り出すものとして、そのスケール感、すなわち形態学的特性によって唯一無二の空 間が作り出される。路地自体は不規則な形のユニット群から構成され、かつ銀座全体でお互いが連続性を 持ってネットワークを生み出している。この特性を分析し、設計に応用できないだろうか?

路地空間の形成と消滅

人口増加により高密度化が起こる

Study 模型

街区が南北方向に割られる

土地の売買により路地空間が消滅


路地空間の特性 Transition

Definition ・ 歩行者のための道 ・ 人と自転車のみが通り抜けられる道 ・ 車が進入できない道 ・ 建物の間の空間 ・ Semi-private/public 空間

銀座の路地の数は徐々に減少している。

Back Space

Shortcut

路地空間はウラの空間として機能する。

路地空間は歩行者に街歩きの多様性をもたらす。

Sunlight

Community

太陽光は建物の間の空間に差しこむ。

狭い道は隣人同士の交流の機会を与える。


12 13

12 13

7

8

4

18

19

20

14

18 19 11

6

14 8

20

18

4

19 20 5 7 路地の形態と溢れ出しの関係性 形と Affordance が作り出す場所性の相関性 -                      11 10 93 17

G_01

9

16 Morphology

2

10

G_02

Morphology

16 3

5

Afuredashi

Afuredashi

8

1

G_03

7

Morphology

13 4

4

18 19

14

18 19 3

20 5 12

11

6

G_072

G_08

Morphology

Afuredashi

16 Morphology

2

Afuredashi

14

8

Afuredashi

8

1

6 13

12 5

3

16

G_09

151

6 7

13

17 2

5 10

3 9

11

17

1

4

10

9

Morphology

14

Afuredashi

4

20

15

G_06

13

Afuredashi

6

5

3

Morphology

Morphology

12

Afuredashi

15 7G_05

G_04

12

17

16

2

8

15

17 6

13

G_10

Morphology

7

12 G_11

Morphology

G_12

Morphology

18 2 Afuredashi

11

19

9

4

Afuredashi

11 19

10

1

15

4

Afuredashi

18

10

9 1

20 Afuredashi

Morphology

14

20 11 17

10

169

5

3

6 3

5

6

12 17

13

16 8

G_13

8

Morphology

14

G_14

Morphology

7

15

G_17

3

4

Morphology

5

6 11

3

10 17

14

4

G_18

G_20

Morphology

15

6

5

Afuredashi

12

Afuredashi

6

5

133

Afuredashi

12

2

18 20

19

13

18

19

14 20

1

10

9 1

15

4

5

6

W = 860 mm

G_03

W = 1000 mm

G_17

11

W = 1550 mm

11

15 10

G_06

W = 1080 mm

14

14

14 8

W = 890 mm

3

G_12

W = 3000 mm

6

5

G_16

W = 3000 mm

G_18

W = 2400 mm

4

12

12

13

7

10 1

3

Tunnel

16 5 3                   13

9

G_05

4

9

17

1 7

Wide Gap

6

7

13

2

12

15 8

Narrow Gap 3

17 16 11

2

8

G_02

20

17

16

路地と街のインターフェイス - 形態学的特性とアクセシビリティーの考察 10 1 9

14

19

4

11 8

Morphology

7

18

2

8

G_19

Morphology

2

12

17

10 1

14

Afuredashi

15

9 16

11

7 13 4

16

Morphology

Afuredashi

1

12

9

20

Afuredashi

7

20

2

G_16

19

Morphology

8 Afuredashi 15

Afuredashi

2

18

G_15

5

13

12 13

6

2 G_04

W = 2960 mm

G_08

W = 1260 mm

9

8

10

G_09

W = 1650 mm

4

11

1

1

W = 2600 mm

11

2 9

G_11

10

9

10

3

5

11 6


18 19

20

18 19

20

17 16 17 16

15 15

14 14

12 13

12 13

11

9

8

9

10

11

10

8

77

4 4

3 3

5 5

2 2

1

Roji Map S = 1/2000

1

6

6


Proposal フィールドワークから抽出した 10 タイプの不規則な形を、タイポロジカルアナリシスによって空間をスタ ディ。都市の節点となりうる敷地を選定し、三次元的に路地空間の連続性を持った建築を提案する。今後の 再開発に対して一手を投じることができるのではないだろうか?

計画地:東京都中央区銀座3丁目 構造 :鉄骨造 高さ : 26000 mm


Section S = 1/100

0

5

10 m


地上階と上層階の連続性

既存の路地との連続性 奥に気配を感じる空間

新たなネットワークの形成

ギャラリー

ブランドショップA +500

小動物スケールの路地空間

既存の路地空間とのつながり 建物の裏口への連続性

閑散とする裏通り

Ground Floor Plan S = 1/150


既存の路地空間への連続性

従業員が休憩できる空間

太陽光を路地に取り込む空間

+2500

雑貨屋 和菓子屋

アクセシビリティを考慮した空間

+2000

ブランドショップB

カフェ

店舗の裏として機能する空間 中央通りから店舗への連続性

中央通りから裏通りへの連続性

N 観光客で賑わう中央通り

0

5

10 m


地上から 6500 mm の路地空間

+5000

Dance Studio +3000

Dance Studio +7000 Shop B

+4000 +8000

+4000

Shop C

2F Plan S = 1 / 300

+6500

Shop F

Shop G

Shop A +4000

+8000

+3500

0

5

10 m

3F Plan S = 1 / 300

Shop E

Shop D +7500


4985

1400

床仕上げ 木材タイル 500×500

床仕上げ タイル 300 mm×300 mm ブランドショップ 店内

1230

雑貨屋 店内

6950

2210

外壁仕上げ モルタル グレー系

985

路地空間 (1階部)

通りから続くタイル張

床仕上げ 無垢フローリング バーチ

1250

階段(外部空間) W = 1100 mm H = 220 mm D = 210 mm

2230

600

カフェ:店内

4475

窓 はめ殺し窓

カフェ:キッチン

物販ショップ 店内

床仕上げ 化粧合板

4100

Detail Plan S = 1/50

1700


屋上へとつながる空間

+13000

Gallery +9000

+12000

Shop F

Back Space

Shop F +12000 +16000

Shop H

Shop H +16000

+13000 Shop D

Shop D +15500 Shop F

+11500

4F Plan S = 1 / 300

0

5

10 m

5F Plan S = 1 / 200


ブランドショップ 店内 本屋:店内

1000

階段(ショップ) W = 1500 mm H = 180 mm D = 220 mm

天井 ラワン合板 目透かし張り

2500

外壁仕上げ モルタル グレー系

路地空間 (上部階)

500

高窓 はめ殺し窓

床仕上げ 無垢フローリング バーチ

カフェ:店内

高窓 はめ殺し窓

4500

階段(外部空間) W = 1200 mm H = 220 mm D = 210 mm

壁仕上げ 化粧合板

500

アパレルショップ 店内

路地空間 (1階部)

階段(カフェ) W = 1500 mm H = 200 mm D = 220 mm

天井 構造用合板

3500

アパレルショップ 休憩室

床仕上げ 化粧合板

基礎

通りから続くタイル張

GL

Detail Section S = 1/50


開放感のあるエントランス空間

Cafe C +17000 Restaurant +21000

Lounge +24000

Shop H +20000

Shop F +19000

+23000 Cafe D +22000

Lounge +21000

6F Plan S = 1 / 300

0

5

10 m

7F Plan S = 1 / 300


500 3500

500

天井 ラワン合板 目透かし張り

2300

500

3500

床仕上げ 無垢フローリング バーチ

500

500

アパレルショップ 店内

階段(外部空間) W = 1200 mm H = 220 mm D = 210 mm

路地空間 (1階) 外壁仕上げ モルタル グレー系

階段(エントランス) W = 4000 mm H = 400 (200×2) mm D = 210 mm 通りから続くタイル張

Entrance Section S = 1/50

休憩所 (2階)


路地と内部の境界

隣の建物の間から光が差し込む空間

Section Perspective


RF

05. 最上階へと続く立体性のある連続的空間

7F

6F 04. 階段によって繋がる建物内の路地的空間

05

5F

04 03. 溢れ出しを促す閉鎖的なトンネル型空間

4F 03

3F 02. 銀座裏通りから二階へのアプローチ空間

02

2F

01. アクセシビリティを考慮した出入り空間

01

1F

Shop

Gallery

Cafe

Bar

Restaurant

Isonometric Projection S = 1/300


上の階へと引き込まれる

裏口で会話が発生する

スキップフロアが連続する


溢れ出しが人の目を惹き付ける

隣のヴォリュームと空間がつながる

路地空間のスキップフロア


屋上から下を覗いてみる

階段の隙間から他の路地空間を眺める

溢れ出しが店の情報を伝える

Profile for Yamaxile

Diploma Design | Node of the City | Japanese | 2017 | Keio Univ.  

This portfolio contains diploma design project worked at Keio university in Bachelor. The language is Japanese but diagrams and graphics wil...

Diploma Design | Node of the City | Japanese | 2017 | Keio Univ.  

This portfolio contains diploma design project worked at Keio university in Bachelor. The language is Japanese but diagrams and graphics wil...

Profile for yamaxile
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