アーティスト大和由佳が2013年から取り組んでいるプロジェクトの作品集。2010年に大和は、絵画を探る道具である筆を、世界を探る杖に見立てた作品をつくった。そして2013年に、山道で杖をつく一人の女性との出会いをきっかけに、現実で使われている杖の撮影を始めた。以来、様々な土地で使われている(いた)杖とまわりの風景を写真におさめている。訪れた場所を丹念に歩き、杖を持った人に頼んだり、紹介してもらったりして、個人が所有するものを撮ることが多いが、地域の博物館や資料館などで所蔵されているものを撮ることもある。 また、これらの杖や杖の持ち主との出会いや、古代からある杖の歴史のリサーチを通して、インスタレーションやパフォーマンス作品、ワークショップへの展開もしている。