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T

A

W

O

R

K

S

2011-2018


Morphing に よ る 形 態 変 化 を 用 い た 設 計 手 法 の 提 案 ト

 

 


b a ck ground

実験概要

本研究はアニメーションで使用される「Morphing」の概念を幾何学に適用し、形態変化の実験を行う。生まれた形態を設計に適用し、新たな手法の

 「Morphing」を様々な図形に行なう事でどのような形態変形が起きるか実験するための概要である。まず実験で利用するためのツールについて述べ、

提案を行うものである。実験は 3D モデリングソフト Rhinoceros のプラグインである Grasshopper のツール「srfMorph」コマンドを利用し行う。

次に実験対象図形の選定。最後に具体的な実験方法をまとめた。

「srfMorph」コマンドとは Morphing を利用し「対象面の形状に合わせて立体幾何学を変形する」という働きを持つものである。

Grasshopper,SrfMorph コマンドについて

Morphing とは?

 SrfMorph とは grasshopper の機能のひとつであり Morphing という概念を利用したコマンドである。G に入力した図形を S に入力した面に移動、 変形させる機能を持っている。R 端子は入力されたジオメトリーに対し最小限となる box を描くものである。入力端子 U,V,W は面の分割数、及び高さ 情報である。この数値を変化させる事で生成されるモデルに違いが生まれる。U,V とは UV 座標の事であり、入力された数値は対象面の分割数を意味 する。W は変形後の図形の高さ情報である。 SrfMorph コマンドの説明

u,v,w の数値と生成形態結果の関係

サーフェス上での u,v,w 座標の関係 w

変形させる図形

v

u

位置情報の基準となる図形

(u,v)

書き換える面

位置情報を2D座標で表示したもの。

Uの分割数 Vの分割数 高さ

u=1,v=5,w=2000

u=5,v=5,w=4500

SrfMorph コマンドの変形原理の確認  実験に用いる SrfMorph コマンドは、Grasshopper のツール機能ではあるが、オリジナルコードは不明であり、機能の詳細はブラックボックス化さ れている。そのため書き換え操作実験を行うのに先行して原理を明らかにするための実験を行った。この実験はコマンドの G 端子に正 3 角形を入力し、 正 3 角形を回転させると書き換え面(4 角形)上で 3 角形がどのように移動、変形するかの考察を行ったものである。この実験から G 端子の図形は寸 法や曲直とは無関係に仮想 box 内での相対的な位置情報を維持したまま、対象のサーフェスに書き換えられる事がわかった。 入力結果

G 入力 = 正三角形

出力結果

回転した事で図形を 包む最小限の box が大きくなった。

Morphing とは、映画やアニメーションで使用されるコンピュターグラフィックス手法のひとつで、ある物体から別の物 体へと自然に変化する映像をみせるものである。変身・変化を意味するメタモルフォシスの中間部分から命名されたと いう説と move( 移動)+ morphology( 形態)の合成語であるという説がある。

変形操作のプロセス

1. 底面と側面の図形が同じ場合

変形回数 1

2

3

4

対象図形

正十二面体

三角錐

 対象とする図形はモデリングソフト Rhinoceros でコマンド化された図形及び筑波大

四角形

2. 底面と側面の図形が異なる場合

変形双 5 角錐

四角台塔

学准教授である三谷純氏の HP(http://mitani.cs.tsukuba.ac.jp/polyhedron/) にまとめられ た多面体データから図形を選択利用した。また、SrfMorph の変形原理から、この実験

双三角錐

三角柱

六角錐台

ねじれ三角柱

七角錐

星形

五角錐台

3. 側面が複数種類の図形で構成される場合

十角錐

五角錐

において重要なのは図形の底面と側面の関係である事がわかった。これらの関係性から 対象図形を 4 種類に分類した。

双側正三角柱

放物面

三角台塔

正五角台塔

 双側台塔欠損斜方 20・12 面体

切頭二十面体

円錐

ドーナツ

4. 曲面を用いた場合

曲面


実験結果 全ての図形を紹介する事は出来ないので一部を紹介する。

側面を同じ図形の底面で書き換えた場合

trigonal pyramid 基本パターン

面を分割

plan 1

plan plan

plan 2

plan 3

plan 4

plan 5

u1v1 pl

plan

isome

elevation

elevation 1

elevation 2

plan 1

plan 2

elevation 1

elevation 2

elevation 3

isome

elevation 4

elevation 5

plan 4

plan 5

u5v10 pl

u10v10 pl

u10v1 pl

elevation 4

elevation 5

u5v10 el

u10v10 el

u10v1 el

u1 v1 el

基本パターンに回転を加える 三角錐を利用した書き換え実験結果である。三角錐はすべての変数に対応し、様々 な変化が見られた。

plan 3

基本パターンを回転する事で基本パターンとは全く違う形態が生まれた。面の分 割数を増やすと線状の形態に変化していく。

plan

square pyramidsquare

isome elevation 3

基本パターン

面を分割

plan 1

plan

plan 2

plan 3

plan 4

u1v1 pl

plan

isome

u1v5 pl

isome u1 v1 el

u1v5 el

elevation 1

elevation 2

elevation 3

elevation 4

plan 1

plan 2

plan 3

plan 4

u10v1 pl

u5v10 pl

u10v5 pl

u5v5 pl

u10v10 pl

elevation 1

elevation 2

elevation 4

u10v1 el

u5v10 el

u10v5 el

u5v5 el

u10v10 el

基本パターンに回転を加える plan

elevation

 錐台とは錐体から、頂点を共有し相似に縮小した錐体を取り除いた立体図形で ある。基本の変形パターンではプロポーションを維持しながら変形しているが、 面の分割数を変化させた場合をみると、原型がわからない程、線的な形状に変形

plan

isome

している。 elevation 3


側面を同じ図形の底面で書き換えた場合

tetragon

基本パターン

plan 1

plan 2

書き換えモデルの高さを 2 倍

plan 4

plan 3

plan

plan plan

isome

isome elevation 1

elevation

elevation 2

elevation 3

elevation 4

基本パターンに回転を加える

plan 1

四角形は、4 つの頂点と辺を持つ多角形の総称。方形とも呼ぶ。こ

plan 2

plan 1

plan 2

elevation 1

elevation 2

plan 3

plan 4

plan 4

plan 3

の変形は最も見慣れたフラクタル変形ではないだろうか。この図形 は唯一、面の分割数を変化させても変形結果に全く影響がなかった。 plan

isome elevation 1

dodecahedron

elevation 2

elevation 3

elevation 3

elevation 4

elevation 4

基本パターン 面を分割 u1v1 pl

plan 1

plan 2

plan 3

plan plan

plan

u1v5 pl

isome u1 v1 el

isome

u1v5 el

elevation

書き換えモデルの高さを 2 倍

plan 1

plan 2

plan 3

正十二面体とは、空間を正五角形 12 枚で囲んだ凸多面体である。この

u1v10 pl

u5v10 pl

u1v10 el

u5v10 el

u10v5 pl

u5v5 pl

u10v10 pl

u5v5 el

u10v10 el

図形も回転のパラメーターでは変形後の図形に大きな結果をみる事は出 来なかった。また、面の数が多いため、少ない書き換え操作回数で大き な表面積が生まれた。

plan

isome elevation 1

elevation 2

elevation 3

u10v5 el


側面を異なる図形の底面で書き換えた場合

nejire triangular prism

基本パターン

面を分割

plan 1

plan 2

plan 3

u1v5 pl

plan 4

plan plan plan

u10v1 pl

isome

isome

elevation

elevation 1

elevation 2

plan 1

plan 2

elevation 1

elevation 2

elevation 3

u1v5 el

elevation 4

u10 v1 el

書き換えモデルの高さを 2 倍

plan 3

plan 4

u5v10 pl

u10v5 pl

elevation 4

u5v10 el

u10v5 el

u1v10 pl

u10v10 pl

 三角柱にねじれを加えた図形。側面を異なる図形の底面で書き換えた場 合では、回転を加えても基本のモデルと変形傾向に大きな差が見えなかっ た。もともとの図形がねじれているためか、生成後の図形にも柔らかい印 象を受けた。 plan

isome elevation 3

基本パターン

pentagonal pyramid

isome

elevation 1

plan 2

elevation 2

U1V1 pl

plan 3

elevation 3

plan

elevation

u5v1 pl

isome p1v1 el

plan

u10v10 el

面を分割

plan 1

plan

u1v10 el

u5v1 el

書き換えモデルの高さを 2 倍

plan 1

plan 2

plan 3

u5v10 pl

u10v5 pl

u5v5 pl

u10v10 pl

u5v10 el

u10v5 el

u5v5 el

u10v10 el

 十角錐とは、面が正十角形で、頭頂点から底面に下ろした垂線が底面の 中心で交わる角錐である。角錐の場合、どの図形でも変形回数を繰り返す 事で花のような形態に変化していく。

plan

isome elevation 1

elevation 2

elevation 3


多種類の側面を底面で書き換えた場合

triangular cupola

plan

plan

書き換えモデルの高さを 2 倍

基本パターン

plan 1

plan 2

plan 3

plan 4

elevation 1

elevation 2

elevation 3

elevation 4

plan 1

isome

plan

isome elevation 1

plan 2

elevation 2

plan 3

elevation 3

elevation

基本パターンに回転を加える

面を分割

正三角台塔とは、底面が正六角形の立体である。上面が正三角形のもの は、3 番目のジョンソンの立体である。変形の傾向としては、2 つの面

plan 1

に合わせてプロポーションをかえながら変形が起きている。「複数の図

plan 2

U1V5 pl

plan 3

u10v1 pl

u10v10 pl

形を持つ側面を底面で書き換えた場合」でも回転を加えるパラメータは 変形に大きな影響がないことがわかった。

plan

plan

isome elevation 1

parabigyrate diminished

elevation 2

elevation

u10v1 el

u10v10 el

面を分割

基本パターン

plan

p1v5 el

elevation 3

plan plan

isome

u5v1 pl

u1v10 pl

p1v5 el

u5v1 el

u1v10 el

isome

isome plan 1

U1V5 pl

plan 2

書き換えモデルの高さを 2 倍

双側台塔回転欠損斜方 20・12 面体とは 76 番目のジョンソン立体である。 半正多面体の一種で、正十二面体または正二十面体の辺を削ったような立 体である。ダイアモンドのようなこの図形は変形を繰り返す事で結晶のよ うな状態に変化する。このような面の多い図形は面を分割し、書き換え実

u10v5 pl

u5v5 pl

u10v10 pl

u5v10 pl

u10v5 el

u5v5 el

u10v10 el

u5v10 el

u10v1 pl

験を行うと変形後のボリュームが線的になってしまうため、建築空間への 応用には不向きだと言える。

plan

isome plan 1

plan 2

u10v1 el


曲面を書き換えた場合

donut 基本パターン

面を分割

plan 1 plan

plan 2

u1v5 pl

u10v5 pl

u1v5 el

u10v5 el

plan 3

elevation

 円形の真ん中を丸く抜いて輪にしたもの。 「曲面を書き換えた場合」 では基本操作で不思議な変形が見られたが、パラメーターを操作する事 で変形に大きな影響は見られなかった。しかし、面の分割数を変化させ た場合では臓器に近いグロテスクな形態が得られた。

plan

plan

isome

elevation 1

elevation 2

isome

elevation 3

u10v1 pl

u10 v1 el

cone

u10v10 pl

u10v10 el

面を分割 u1v10 pl

u10v1 pl

基本パターン

plan 1 plan

plan 2

plan 3

plan 4

plan 5

elevation

u1v10 el

u10 v1 el

u5v10 pl

u10v10 pl

 円錐とは、円を底面として持つ錐状にとがった立体のことである。こ のパターンの基本変形では今まで見る事の出来なかった程初期形状が崩 れてとても不思議な形態が生まれた。4-01 ドーナツと同じように面の分 割以外のパラメーター操作では大きな変化は見えなかったが、面の分割

plan isome

isome

isome elevation 1

数の操作によって基本操作とは異なる変形が見られた。

elevation 2

elevation 3

elevation 4

elevation 5

ball 基本パターン

面を分割 u1v10 pl

plan 1

plan

plan 2

u10v1 pl

plan 3

elevation

u1v10 el

u10 v1 el

 球とは、半円をその直径を軸として回転させることによって得られ る回転体の一種である。この変形結果もその他の「曲面を書き換えた 場合」と同じように予想のつかない変形が生まれた。面の分割数を操

plan

plan

isome

isome

作した場合では細胞をイメージさせる形態が生まれた。 elevation 1

elevation 2

elevation 3

u10v10 pl

u10v10 el


曲面を書き換えた場合

surface+folded-plate

plan

elevation

u10v1w8000 pl

u10v5w2000 pl

u10v5w3000 pl

u10v10w3000 pl

u100v1w2000 pl

u100v1w8000 pl

u50v50w3000 pl

u100v1w2000 el

u100v1w8000 el

u50v50w3000 wl

u1v1w2000 pl

u1v1w3000 pl

u1v1w8000 pl

u5v1w2000 pl

u1v1w2000 el

u1v1w3000 el

u1v1w8000 el

u5v1w2000 el

u5v1w3000 pl

u5v5w2000 pl

u10v1w2000 pl

u5v1w3000 el

u5v5w2000 el

u10v1w2000 el

u1v1w2000 pl

u1v1w8000 pl

u5v1w2000 pl

u5v1w4000 pl

u1v1w2000 el

u1v1w8000 el

u5v1w2000 el

u5v1w4000 el

u5v1w8000 pl

u5v5w4000 pl

u5v5w8000 pl

u10v1w2000 pl

u10v5w8000 pl

u10v10w2000 pl

u10v10w4000 pl

u50v1w2000 pl

u50v10w8000 pl

u50v50w4000 pl

u50v50w8000 pl

u5v1w8000 el

u5v5w4000 el

u5v5w8000 el

u10v1w2000 el

u10v5w8000 el

u10v10w2000 el

u10v10w4000 el

u50v1w2000 el

u50v10w8000 el

u50v50w4000 el

u50v50w8000 el

u10v1w8000 pl

u10v5w2000 pl

u10v5w3000 pl

u10v10w3000 pl

 曲面と折板の 2 つの図形を融合させたものである。このパターンは 今まで行った連続的に変形を行うのではなく、面の分割数の変化が結 果にどのような影響を与えるかを考察した。結果を見て行くと分割数 が多くなると折り板が線状のものに変化し与える素材のイメージが回 数が変わるごとに変化していく印象を持った。 u10v1w3000 pl

u50v10w2000 pl

u50v25w2000 pl

u50v50w1000 pl

u50v50w8000 pl

u100v100w2000 pl

u100v100w8000 pl

u50v1w3000 pl

u100v100w2000 pl

u100v100w8000 pl

u50v1w3000 pl

u50v1w4000 pl

u50v10w2000 pl

u50v10w4000 pl

u50v1w4000 el

u50v10w2000 el

u50v10w4000 el

面を分割 isome

isome u10v1w3000 el

u50v10w2000 el

u50v25w2000 el

u50v50w1000 el

u10v1w8000 pl

u10v5w2000 pl

u10v5w4000 pl

u10v5w2000 el

u10v5w4000 pl

u50v50w8000 el

surface+folded-plate

plan

u10v1w4000 pl

u10v1w4000 el

u10v1w8000 el

elevation

 このパターンも曲面と折板の 2 つの図形を融合させたものであるが先 程と曲面の向きを反対にしたものである。変形結果の違いは大きな違い は見えないが対象面が反転した事で生成後の図形には違いが見られた。

面を分割 isome

isome


設計提案 1- 連続的書き換え操作を応用したギャラリーの提案 - 森の中を敷地として

・変形のダイアグラム

・設計プロセス 1

森に沿って一筆書き動線の設定。

書き換え操作は三角錐を回転させ、連続的に変化を与えた。

2

3

4

変形後に生じた面の隙間を開口部と する。

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6

8

7

変形過程。

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10

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13

構造体としてのボリューム。

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敷地写真 変形過程。

敷地は多治見市内の森林地区である。近くには若手陶芸家を教育する専門機関があり、その施設と

14

関連を持たせた陶芸ギャラリーの提案である。全体構成は三角錐の連続的書き換え操作により決定

15

16

した。三角錐の先端の尖った形態が周辺の木々の景観に合っていると判断したためである。この 三角錐の変形を周辺の木々と混ざるように森に沿って一筆書き動線を設定し、動線に沿って操作を

行った。生まれた造形は立体的なねじれを繰り返したものとなり、書き換え操作によって生まれた 隙間を窓とする事で木漏れ日のような光が生まれた。

小さな中庭をつくる。木々に挟まれ た空間。

変形過程。

出口。構造体として地面に接地する。


設計提案  外観パース


平面図、断面図

 生まれた空間は床、壁、天井が連続するものであり、書き換え操作により発生する「変形」を体

展示室

験出来る空間となった。

 三角錐が書き換えられた図形の境界面では床の勾配が変わり、空間の連続性を持ちながらも見え 0 トのような窓が生まれた。この窓からは木漏れ日のような光が差し込む。この光は一繋がりのチュー

展示室

N

10 (m)

ブ空間を緩く分節する光であり、この光が空間のリズムであり秩序である。

配置図兼 1F 平面図 1/150 0

10

N

A-A' section

(m)

展示室

ホール

倉庫

展示室

ホール

B-B' section

展示室

C-C' section


パース集

内観パース:入口。斜めの床を結ぶように階段が設けられる。

内観パース:三角錐形状のひだをつなぐように展示台を設ける。

内観パース:三角錐により生まれたひだが空間に見え隠れをつくる。

外観パース:出口を見る。周辺の木々と寄り添う風景。


設計提案 3- タイリング的書き換え操作 + 連続的書き換え操作を応用した 2 世帯住宅の提案 ・変形プロセス 1

2

二世帯住宅のため 2 つのスタート地点から変形をス タートさせた。

3

4

左側のボリュームは入り口から進行方向に開口部。反 対のボリュームは背後に開口部を作り、外部との関係 性がボリュームを行きかう事で反転する。

敷地写真

5

6

7

8

 敷地は名古屋市天白区の住宅街の角地である。この敷地に 2 世帯住宅を提案す

る。全体構成は四角錐台を利用する。全体構成から部分の要素までをまとめやす

いためこの図形を利用する事とした。2 世帯住宅のため書き換え操作を 2 箇所か らスタートし、合流した部分を共有空間とした。全体構成は連続的書き換え操作 を用い、最後にタイリング的書き換え操作を行い窓を設けた。それらの形状を変 化させる事で風景や光に多様性が生まれた。 ・変形のダイアグラム

2 つボリュームが繋がった部分を共用部とした。

プロセスの最後にタイリング的書き換え操作を用い開 口部を設けた。


設計提案  外観パース

A-A’ section

B-B’ section

C-C’ section


平面図、断面図 配置図兼 1F 平面図 5

0

10

(m)

2F 平面図

 四角錐台の変形により生まれた二世帯住宅は 北棟と南棟で体験出来る空間感覚が全く逆なも

のとなった。南棟では進行方向に常に開口部が 空けられ広がりのある空間であるのに対し、北

棟の進行方向は壁であり、斜めの視線の流れを

LDK

作っている。この 2 つの関係性の違いが真ん中

サニタリー

の共用部で混ざり合う構成である。タイリング 的書き換え操作により生まれたボリュームを開

吹き抜け

口部として扱っているが、このタイリングを操

玄関

作する事で空間の性格を変化させている。大き なトップライトは住宅のいスケールを超越する

5

0

10

5

0

(m)

10

(m)

もので不思議な空間をつくった。

共有 LDK

断面図 1/100

寝室

断面図 1/100

C

共有リビング サニタリー

ホール

C

寝室 吹き抜け LDK

B

E 0

D-D’ section

ホール 5

B

10

LDK

A

サニタリー

(m)

C’

A’

A

B’

F’

断面図 1/100

玄関

E’ LDK

F

寝室

寝室

D’

共有リビング

D ホール

サニタリー C

5

0

10

(m)

A-A’ section

E

10

サニタリー

寝室

D

E-E’ section (m)

B

A C’

A’

寝室 寝室

断面図 1/100

共有リビング

B’

共有リビング LDK

リビング LDK サニタリー

サニタリー

寝室

ホール

A-A' section

A-A’ section

ダイニング

LDK

B-B’ section B-B' section

D-D’ section C-C' section

F-F’ section D-D' section

E-E' section


パース集

内観パース:トップライトを見上げる。背の高いプロポーションのを持つ住宅となった。

外観パース

内観パース:共有部をみる。変形原理により生まれた床はくつろぎの空間となる。

内観パース:南等リビングの様子。大きなトップライトを 2 つの場で共有する。

南棟内観パース:玄関から中庭を通し反対のヴォリュームを見る。リビングを通し 共有部を見る。

外観パース:北棟入口を見る。様々な方向に風景がある空間。


湯 隈

の 研

駅 事

お 所

お 担

ゆ 作


■建築概要 ・建築主 鹿角市長 児玉一 ・用途 マーケットその他の物品販売を営む店舗 ・敷地面積 24,571.72 ㎡ ・建築面積 1,169.73 ㎡ ・延床面積

1,014.73 ㎡

・階数   平屋 ・構造   木造 ・基本計画、基本設計、実施設計、現場監理担当


賑わいを生み出すまちの「えんがわ」 秋田の名湯、鹿角市の大湯温泉のための、公園と一体となった地域交流施設。道の駅認定を受けた「湯の駅」と定期市のための「市日」 、お 祭りなどのイベントを行う「屋外ステージ」を計画した。地域住民、観光客を迎え入れるみんなが集まるまちの「えんがわ」のような交流空 間施設を目指した。

駐車場

湯の駅 市日 ビオトープ 広場、山並み、川への眺望

おおゆ広場

草すべりの丘

自然保護区域

屋外ステージ

大湯川


湯 の 駅


営業時間を考慮したゾーニング計画 湯の駅はカフェ、マーケット、公衆トイレの 3 つの機能で構成されている。トイレに関しては 24 時間利用できる事が求められた。 そのため、大屋根に外部空間を挿入し、3 つのゾーンに分けた。カフェ、マーケットは運営者が 9-18 時まで営業を行い、閉店後もセキュリティ 上問題無く、24 時間トイレが利用できる計画とした。

<日中利用時> ■平面計画

搬入動線

賑わいの”えんがわ”

憩いの”えんがわ”

24時間トイレ

事務室 厨房

風除室

えんがわゲート

おおゆラボ

研修室

CAFE 風除室

おおゆマーケット

24時間トイレ

展示・販売スペース

<夜間利用時> 24時間トイレ、休憩 スペースのみ利用可能 となります。

24時間トイレ 休憩スペース


落雪に配慮した断面計画 ■ 1-11_2 融雪について 融雪池 屋根勾配については落雪しやすく、積雪荷重を緩和できるように 4.5 寸の勾配とした。軒高の設定は排煙窓を確保したうえで、外観上、垂壁

が軒で隠れるようになるべく低く抑えた。屋根から落ちた雪をお湯で融雪出来るように、落ちた雪を貯めるスペースと融雪用の池を設けた。 建物周辺には融雪用の池を設けます。広場側には温泉じゃぶじゃぶ池を設けます。じゃぶじゃぶ池は夏期は子供の遊び場になり、冬は融雪として利用されます。

駐車場側には融雪池を設けます。夏期は景観に配慮した水盤になり、冬は融雪の池となります。また、庇の長さを確保する事で落雪から外壁を守り、サービス動線を確保します。 雪の落雪距離を考慮し、軒先と池の間に離隔距離を設け、雪が直接池に落ちるのを防ぎます。また、大きな軒下空間は外壁が痛むのを防ぎます。

駐車場側

広場側

落雪

融雪池

夏:水盤

冬:融雪池(温泉水利用)

温泉じゃぶじゃぶ池 夏:遊び場 冬:融雪池(温泉水利用)

融雪

融雪

庇下はサービス動線を確保し ます。大きな軒出は外壁が痛 むのを防ぎます。

* 温泉じゃぶじゃぶ池については 見積もり漏れしていましたので 現場で調整したいと思います。


湯 の 駅   内 観


秋田の文化を継承する円筒 LVL 円筒 LVL とは秋田県立大学木材高度加工研究所が開発研究 した円筒状の LVL。金属製の円筒芯(マンドレル)に帯状に単 板を何層にも巻き重ねて製造したものである。 曲げわっぱに見られる秋田県特有の木の曲げ加工技術を継承す る。雪荷重の強度向上、耐震性強化など構造要素としても寄与 している。湯の駅ではスクリーンのみでなく、ベンチや什器、 レジカウンターなど円筒 LVL の家具を散りばめた。

製作風景


風景を繋げる木マリオンカーテンウォール カーテンウォールについては構造柱のピッチに揃え、柱の集成材をマリオンに兼用した。 柱の集成材にガラス受け材を設け W2700 × H2200 のガラスを支えている。抑縁無しのフラットフェイス工法を採用した。 柱間のグレーチングには結露防止のラジエーター設け、冬季でも結露しないように配慮している。


地域の素材を使用した内装計画

壁 : 杉ストランドボード

床 : 十和田石入り洗い出し

天板 : もみがらボード

内壁の杉ストランドボードは間伐材の利用方法の提案として岐

敷地の近くの十和田地方に採石場があり、温泉などの水場に良く利

カフェのテーブルにはあきたこまちの籾殻を固めた天板を設けた。も

阜県のエスウッドという会社で製作している。既成品は OSB よ

用される十和田石の砂利を床に混ぜ、洗い出し仕上げとした。

ともとは建材用のボードとして使用されていたが、撥水性が高くコー

うなボードで、不燃を取るためにダイライトに木材を接着して

床には冬季に備え、防滑性とスパイク靴への耐久性が求められた。

ヒーやワインを零しても拭き取れた事から天板に使用した。先端のディ

いる。今回は接着する木の量を減らし、ダイライト面を背景色

十和田石特有の青味掛かった独特な表情を獲得した。

ティールについては木と同様テーパー処理とした。

で塗装する事で木の端材が際立つ壁となった。


木材で作る 2 種類の足湯 温泉資源を利用できる事が本施設の最大の魅力でもあった。 カフェの前に足湯、マーケットの前に温泉じゃぶじゃぶ池(子供の遊び場 ) を設けた。共に、木材に加圧注入処理を行ったベンチを設けた。 ベンチは様々なレベルを設け、浸かる湯の深さに合わせてレベルを選ぶ事が出来る。

足湯

温泉じゃぶじゃぶ池


市 日


市 日 定期市で使用する想定で設計を行った。オープンな 6 区画と壁の中に 6 区画の出店が可能なように設計を行った。2t トラックが搬入 を行う必要があり、その設定で間口の設定を行ったため中が暗くならないように真ん中に波板ポリカでトップライトを設けた。


屋 外 ス テ ー ジ


賑わいを生む屋外ステージ 伝統的なお祭りである大湯大太鼓やイベントのためのステージを設計した。当初は鉄骨造で設計していたが、コストが合わず、木造の計画となった。大断面の集成材に 90 角の木材 を接合している。90 角の木材は構造に効いており、棟梁を無くす事が出来た。 屋根、壁は半透明のポリカーボネートを使用した。90 角の木材はタイトフレーム受けも兼ねている。


富 隈

岡 研

市 事

役 担

所 作


新 た な 都 市 動 線 を つ く る 通 り 庭 上州富岡駅

富岡市役所

富岡倉庫

" 通り庭 "

" 新たな都市動線 "

主要用途 : 市役所本庁舎 施主 : 富岡市 富岡製糸場

敷地面積 :8,093.92㎡ 建築面積 :3,867.56㎡ 延床面積 :8,681.70㎡ 階数 : 地上 3 階 構造 :S+RC 混構造 設計期間 :2012 年 10 月 -2015 年 10 月 施工期間 :2016 年 1 月 -2018 年 3 月 現場常駐監理担当

群馬県富岡市の市役所の計画。2012 年に開催されたプロポーザルで隈事務所の提案が選ばれた。TNA が設計した「上州富岡駅」や世界遺産である「富岡製糸場」との関係、まちと の関係を重視し、富岡製市場への新たな動線をつくる公共の通り庭を持つ市庁舎である。


大中小 3 つのスケールを持つ通り庭

EV 議会棟3階

EV

建設

道路

議会棟

行政棟

計画

都市

課 建築

供給公

県住宅

行政棟3階 課

建築

議会棟2階

市長室

東屋

課 秘書 課 財政 策課 政 課 企画 づくり 課 地域 機管理課 危 総務 課 振興 産業 課

秘書 室

副市長

土地

行政棟2階

課 教育 課 学校 財保護 課 文化 育総務 教

議会棟1階

納税 も課 こど 課 年金 国保 課 市民

通り庭

改良

課 農政

南庁舎(解体)

課 税務 課 会計

西駐車場

仮入

旧庁舎(解体)

行政棟1階

護 齢介

福祉

2期工事範囲

凡例 :執務空間 北庁舎(解体)

:会議室関係 :市長室、副市長室 :廊下 :バックスペース

イベント時の広場の様子

平面計画

執務機能中心の行政棟と、会議室機能中心の議会棟、市民の憩いの場としての東屋を庭を囲むように配置した。広場は市民に開放された公共の空間として、様々なイベントが行われ ている。様々なイベントに対応できるように大、中、小の 3 つのスケールに分けて使えるように大きさの異なる芝を設けた。


「富岡の森」をつくるトミオカ・ルーバー

スギ

カラマツ

ホウ

ミズキ

クリ

ルーバーは片面木、片面アルミとし、上州富岡駅から見 ると木面、製紙場側から見るとアルミ面が見えるような 体験型のルーバーを計画した。木面には越井木材のマク セラムを使用した。通常マクセラムの木材は外材のラジ アーターパインであるが、富岡森林組合協力の基、富岡 の森から森林を伐採し、フェノール樹脂材の含侵実験を 行った。結果、 「クリ」 「ミズキ」 「ホウ」 「スギ」 「カラマツ」 の 5 種類のルーバーが生まれた。配置は同じ樹種が隣合 わないように現場で全てのルーバーの樹種配置指示書を 作成した。外装材ではあまり使用されない広葉樹の割合 を多めに配置を行っている。富岡の豊かな森林を広場に 取り入れた。


繊細な印象をつくるトミオカ・ルーバ詳細 4mm アルミ勝たせた。

木材の先端をさね加工 し、 ケ ー ス 状 に ア ル ミ と篏合させる事で固定 用 の ビ ス を 減 ら し た。 ビ ス は 焼 き 付 け 塗 装。 (19-60D)

アルミは Lixil で型をつくり押出成形した。

先端の詳細は繊細な印象となるようにアルミ面と木面の間に隙間を設け、小口を見せる納まりとした。またルーバーの見え方を揃えるため、材料の伸縮が小さいアルミ勝ちとし、木面の伸縮で先端の勝ち負けが 変わらないように配慮した


" 隠す " グレー ," 消す " グレー、" 見せる " グレー " 消す " グレー 屋根の要素は見せるグレー(25-70B) 25-20B

使用箇所 : バックパネル、ガラ ス裏の壁等

" 隠す " グレー

25-40B

使用箇所 : 壁、SD、ルーバー下 地等 背景となる壁要素は隠すグレー (25-40B) ガラスの裏に来る要素は消すグレー

" 見せる " グレー

(25-40B) 25-70B

外壁の色については新しい背景色として暖色のグレーを使用した。 (日塗工 25-40B) 屋根を構成する母屋や CT 梁は意匠的に見せたい要素だったので色相と彩度を揃え た見せるグレー( 25-70B) を使用した。色相と彩度を揃えた事で違和感なく馴染ませる事ができた。

使用箇所 : 母屋、屋根梁 CT 等


行政棟 : 断面図


養蚕農家の形式を踏襲する越屋根

養蚕農家の越屋根

天井が高い養蚕農家建築にとって、越屋根は光と風を確保するための重要な形式であった。敷地周辺にはかつて養蚕で栄えた名残りで越屋根を持つ養蚕農家が散見された。庁舎の越屋根は養蚕農家の形式を踏襲 する事で生まれた。庁舎の越屋根は採光の確保、高さを生かした重力換気、排煙窓としての機能を持つ。越屋根は夕刻になると美しい光を導いてくれる。


庁舎の玄関口に相応しい吹き抜け空間

エントランスは吹き抜け空間とした。吹き抜けを螺旋状に登る大階段を設けた。屋根際の階段は屋根勾配と階段勾配を揃え、屋根を登るような体験をつくった。階段ささらやガラス手摺も螺旋状に繋がるように 詳細を検討した。エントランスと執務空間は気積が大きくなるため床吹き出し空調とし、居住域を効率よく空調している。


養蚕業の歴史を継承するきびそ壁紙

きびそ加工前

きびそ加工中 エントランスの面積が大きい壁面はきびそ壁紙とした。きびそとは蚕が一番最初に吐き出す糸。一般的には捨ててしまうものである。きびそを壁紙として売り出しているメーカーを見つけ、既製品にはある横糸 を無しとし、背景の和紙の色を変更し、既製品をアレンジした壁紙の制作を行った。


現象的な体験をつくるセラミックプリント

ガラス手摺の入稿データー。ガラス手摺の大きさに対し 1/1 データーを作る必要があったため、30 本程度のきびそをスキャ ンし、つなげ合わせて使用した。ディティールを忠実に再現す る必要があるため拡大を禁止し、同じパターンが続かないよう に配慮した。

公共建築ではガラス手摺にパンチラ防止用の処理が行われる事が多い。今回は壁面で利用したきびそをスキャンし、壁紙のきびそピッチと同じピッチで転写を行った。モアレが起き、動きに合わせて表情が変化 する手摺となった。


3F 執務空間


議会棟エントランスホール


き び そ 和 紙 に 包 ま れ た 議 場 空 間

議長室からの見え

議場空間はきびそと和紙を組み合わせたきびそ和紙を KAMISM で制作し、屋根勾配に沿った段々の天井とし、壁まで連続させた。間接照明のみでは照度が足りず別途ダウンライトを設けた。側面の壁は吸音性に 配慮し、高圧木毛セメント板を使用した。暖かい印象とするため表面のセメント面を削り木面を見せるようにした。


市 民 の 新 た な 憩 い の 場

隣接するひかり公園で市民の憩いの場として利用されていた東屋が市道の拡幅工事で解体が決まったため、庁舎の広場に機能移転する提案を行った事から計画がスタートした。屋根の詳細は庁舎に合わせたディ ティールとした。ルーバーについては庁舎よりフィンの長さが短くなり、耐風圧のハードルが下がったため、庁舎よりシャープな断面が実現できた。道沿いの人の流れを引き込むリニアな形状とし、両側にベン チを作り滞留しやすい空間を目指した。


Profile for 太田雄太郎

作品1  

作品1  

Profile for y_ohta
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