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光 宗 薫  初 個 展

スーパー


劣等 生 レ ビ ュー &イ ン タ ビュー 異色の経歴を持つ若干 20 歳のボールペン画 アーティスト光宗薫による初個展が、関西のア ンダーグラウンドなカルチャー&ミュージッ クシーンから突然変異的に出現した実験的空 間ギャラクシーギャラリーにて開催された。来 場者 2000 人を超える大盛況となったイベント のレポート&個展終了直後に行われたインタ ビューをお届けします。

INTERVIEW, TEXT&PHOTO : 磯 井 玲 志   取材協力:GalaxyGallery


ー 初個展のタイトル「スーパー劣等

ー 造形作品「はげたん」に込められ

生」に込められた意味は?

た意味は?

光:今回の展示は自分の外面でない部

光:はげたんは、はげたんなので、そ

分の表現が主になると思うのですが、

れ以上の意味はなにもありません。い

自分はいつも、何をするにも、過剰に周

つも笑っています。

りの反応を気にして自分が見えなく なってしまう。まずそうならないよう

ー 個展開催中、ずっと箱の中に入っ

自ら否定するところから始めたいと

ていたということですが、箱の中でど

思いました。

んなことを感じたり、考えていました か?退屈したり、出たくなることはな かったですか?


光:あまり何も考えていませんでし

ン画を選んだ理由は?

た。退屈になることもありませんでし たが、来場された方の声は入口から全

光:絵はもともと人に見せる気もな

て聞こえていたので、盗聴しているよ

く、ずっと描いていて、だから気持ち

うな後ろめたい感じはずっとありま

を伝えるのに、一番早いかなと。ある

した。ただ本当に想像以上に居心地が

時期本当に時間を潰したくて、描いて

良かったので、最終日はもう箱に入れ

いたときがあるんです。死にたいとま

ないということで現実に戻らなけれ

では思わないけど、意識がない状態に

ばならないという寂しさも感じまし

なりたくて、なるべく考えることをし

た。

ない感覚で過ごしたいときがあって。

ー 表現行為の手段としてボールペ

ー その状態になれるのが絵だった


のですか?

対する興味って実は上辺だけでなん じゃないかと、本当はみんな自分に一

光:そうですね。

番関心があると思うことがあるんで す。

ー アートに対する興味は以前から ありましたか?

ー みんな他人を通じて、結局自分を 知ろうとしているということでしょ

あまりなかったかと思います。人の

うか。絵を描くのには、孤独に向き合

話を聞くのも人の絵を見ることもあま

う能力や資質が要るから、むしろ向い

り気が進みませんでした。人とずっと

ているのでは?

関わってたり、長時間一緒に過ごすの がすごく苦手なんです。私は、他人に

光:感覚としては、ずーっとみんなに


置いてかれている感じがしていて。

は全然なく。例えば、全く自分に自信 がなくて、それでも愛されたいという

ー それはいつからですか?

気持ちがある方が、なりふり構ってい られないじゃないですか。何かをする

光:いつからですかね?本当にうま

にあたって躊躇していられないとい

くできることがなくって。これまで

うか。動いている方は少なからずある

ずっーと本当にないんですよ。だか

と思いますけど、自分自身に満足して

ら、何かことを起こす際に人によって

いる人の方が少ないんじゃないかな

はもし失敗したらとか、プライド的な

と。私は何においてもやはりまだまだ

ところで戸惑う人も居るけど。私の場

浅いですし軽度ですが。

合そんなこと言ってたら本当に息も できないというか。自信があるわけで



PART.2

光 宗 薫 × ギャラクシーギ ャラリー 「スーパー劣等生」展示終了直後の鼎談


2013 年 10/11 ~ 10/20 に開催された光宗薫初の初個展「スーパー 劣等生」終了直後に行われた、光宗薫×ギャラクシーギャラリー (ColoGraPhonic &高良和泉)の鼎談 &『箱の中』を公開!!!! ー どうもおつかれさまでした。個展

かったです。私の身体のサイズには、

を無事終えて、まずはどんな感想です

そんなに苦ではないんですよ。

か? GG:確かに光宗さんが普通の方法で在 光宗:思っていたより、幾分かあたた

廊してたなら、ファンとして来られた

かい感じで終わりました。以前の活動

方は作品に集中できなかったでしょ

では、舞台に立ち、全てにおいて素敵

うね。

に見られるよう必死になることが私 にとって普通の環境でした。今回の展

ー  光宗さんのことを何も知らず来た

示は、かわいそうなカタチといったら

人にとっても、これは映像なのか、中

語弊がありますが、少なくとも今まで

に誰かいるのか?一体これは何なん

のような存在の出し方ではありませ

だろう?という不思議な世界観を演

んでした。

出していました。

ギャラクシーギャラリー ( 以下 GG):

光宗:大多数の方々がポジティブに捉

今回の個展では、場内に設置された箱

えてくださりすごく楽しかったです。

の中から映しだされた影として、そこ

でも、まだ本来私が吐き出したい感情

に存在しているかどうかも定かでな

よりも数段ライトになっているとこ

いという状況で、実際には、光宗さん

ろはあります。

本人がそこで毎日7時間、計56時間 入っていましたからね。

GG:ライトにしてこれだけの世界観と は驚きです!今後も楽しみですね。光

光宗:例えば、もし私が普通に在廊し

宗さんのよりコアな感情の一部が箱

て椅子に座っていたら、自分にとって

の中のイメージですね。かなりダイレ

も、来て下さった方にとっても居心地

クトな表現として最終日に公開され

の悪い空気になっていた可能性があ

ました。

るじゃないですか。今回、箱に入る ことに関しては本当に全然つらくな

光宗:もっとダイレクトな表現もでき


ると思うんです。でもそれをすごく直

し、同じ生身の人間なんだ、箱の中に

接的に伝えてしまうと本当に箱の中

は同じ人が入っている、っていう。そ

のようにぐちゃぐちゃで、ごく一部の

こを感じとっていただけたらなと。人

人にしか伝わらないかもしれないし、

だってことにも気づかれずにずーっ

それでは意味がないと思うんです。

と入ってるというのは、伝え方として はとても不器用というか。もう少しイ

GG:箱の中を公開することは当初から

ヤミなく、ストレートにそういうこと

考えていましたか?

を伝えられる方法を今後みつけられ たら良いなと思います。

光宗:はい、前日まで入って最終日に は開けようと思ってました。箱の中の

ー ギャラクシーギャラリーという

世界は、自分のコアな部分にある存在

場所が、今回の展示会場となったこ

とつながっていると思います。そうい

と自体も印象的でした。これまでメ

う部分を人に見せること、自分自身を

ジャーなシーンで活動されていた光

認めて欲しい、深めたい、理解したい

宗さんと、アンダーグラウンドーな

という感情は、ポジティブなことだと

パーティーシーンの流れを汲むギャ

思うし、それに対して今後もしっかり

ラクシーギャラリーとで化学反応が

と向き合っていきたいです。今回の展

起こったように思いますが、どういっ

示で絵が上手かどうかとかそういう

た経緯でここを選ばれましたか?

ことを審査していただきたかった訳 ではなく、そういう意味で私自身の本

光宗:私自身としては自分なりにリ

当の本当の気持ちというのは、箱の中

サーチした上で間違いのない場所だ

の方だと思います。でも、そういうも

と思ってやって来てました。それに、

のを上手く作品として見せるのは難

あんまりこういう雰囲気の場所って

しいですね。

他にないですし、すごく独特ですよ ね、この場所。

GG:最終日に、実際に箱の中をご覧に なられた方々は、いろいろ感じられる

GG:あんまり見たことないですね。

ことがあったと思います。 光宗:可愛いナチュラルな雰囲気の 光宗:作品だけでなく箱の中に居ると

ギャラリーでの展示だと、今回のイ

いう行為の意味を問いかけて欲しい

メージとは合わないような気がして。


GG:この近くで、日本橋~難波周辺 で探していたんですよね?

光宗:私自身は正直もともとメジャー なシーンにあまり魅力を感じてはい なかったのですが、実際にそこで、こ

光宗:はい。以前日本橋でバイトをし

れまであったフィルターを外し目を

ていたこともありとても落ち着く場

向けてみるとすごく面白い場所でし

所なので、その近くでと考えていまし

た。

た。 GG:レアだし貴重な経験ですよね。そ GG:光宗さんが、最初に展示のイメー

れに両方行き来きできる存在っての

ジをまとめた企画と一緒に送ってき

は面白いと思う。独特な体験が光宗さ

た曲のプレイリストの中に、七尾旅

んの制作のモチベーションの根底に

人、ネイキッドシティなんかが入って

あるんでしょうね。

いたのが印象的でしたね。彼らはアバ ンギャルドなシーンや DIY のやり方

ー ギャラクシーギ ャ ラ リ ーにとっ

の実践者で、メジャーなシーンで活動

て、今回の展示で印象的だったこと

されていた光宗さんのリストの中に

は?

そういう選曲があるのが面白いなと。


GG:特殊な経歴をお持ちの光宗さんの 作品や展示空間に向き合うストイッ クな姿勢からも感じたのですが、絵 を描く事によって昇華させなければ

光宗 薫 (みつむね かおる ) 1993 年 4 月 26 日生まれ。女性。O 型。

生きていくバランスを保てないよう

2007 年にはげたんと出会う。

な、表現者が表現者である理由を抱く

2 0 11 年3 月に神戸コレクションモデ ルオーディションでグランプリを受賞 し、同年 12 月に AKB48 の 13 期生とし て活 動 を開始する。

アーティストであると深く感じまし た。アート作品は観る人の意識を映す 鏡のようなものでもあり、今回来場さ れた方は、作品の中に光宗さんと見て いる自分とを投影していたと思いま す。

2012 年 10 月 24 日に活 動 を 辞 退 する ことを発表。2013 年 9 月よりなんと なく活 動 を 再 開 する。 2013 年 10 月11 日 〜 20 日にかけて GALAXY GALLERY にて ボ ー ル ペ ン 画 に よ る 個 展「 ス ー パ ー 劣 等 生 」 を 開 催。 と て も 楽 し か っ た。

morethanenoughistoomuch.com


「スーパー劣等生」@ギャラクシーギャラリーを観て by McRazy

弱冠二十歳にしてその動向がメディアに注目される人物による、 常ならぬエネルギーと集中力が込められたボールペン画の展示 とパフォーマンスを観て、その直後に作家本人に直接話を聞かせ ていただく貴重な機会を得て、感じたことを記す。 まず、そのポートレートと作品を一見して才色兼備と思える女性 が何故「スーパー劣等生」!?と、思わず戸惑いを感じさせるタ イトルである。彼女のことを既にメディアを通じて良く知る人 やファンの方々には、あるいはその意味がすんなり理解出来たの かもしれない。多様な個性や才能を引き寄せるギャラクシーギャ ラリーという実験場で起こり続ける非日常的な祝祭イベントの ひとつとして、私はほぼ前知識なくこの展示を観た。タイトルに 感じた戸惑いや、異例の来場者で連日賑わうギャラクシーギャラ リーの異常事態も含めて、純粋に面白いイベントとして楽しみ、 作家の瑞々しくパンクな感性に打たれた。 インタビュー中に彼女は「あらためて観るという行為を自分自身 のこととして感じていただけたら」と語った。 「本当の姿は箱の中 にある」とも言っていた。箱に入るという表現行為は、様々な解釈 の余地を与えるメタファーだ。ひとつの読み方として、ある個人 や出来事に関する事柄を見聞きし識るということについて、あま りにも無自覚にメディアによる情報を一方的に受け入れること、 直接会ったこともない人や知らない事柄について、メディア上 に流布する情報を確たる根拠もなく真実として受け入れてしま う表面的な見方や人の認識作用に対しての違和感のようなもの


を、光宗氏は今回アートという手法を選び彼女なりのメッセー ジを込めて発信していた気がする。誰もが発信者になり得る昨 今、今まで以上に玉石混淆な情報に溢れ、リアルとバーチャル の境がよりあいまいになりつつある現代の情報社会において、 同時代的で意義深い問題提起であるように感じられた。丹念に 描かれたボールペン画から伺える繊細な感受性と、計 56 時間 もの間、人知れず箱の中に入り続けるというインスタレーショ ン、そして彼女の特異な経歴から、「スーパー劣等生」をそう 読み解く。 個展の最終日前日の閉廊直後、インスタレーション作品として 展示されていた箱の中に会期中ずっと作家本人が入っていた ことが公表され、同時にライブパフォーマンスが行われた。事前 の予告なしに行われたそのイベントを体験した幸運な観客は、 作家の世界観のディープな拡がりとともに、心の声、作品に込 められたメッセージをよりリアルに体験したことと思う。 そのとき BGM に、七尾旅人の 20 代前半頃にリリースされた作 品「ヘブンリーパンクアダージョ」の音が流れていて、箱に映 し出された光と影のパフォーマンスに見事に調和していた。「ヘ ヴンリー〜」の持つ空気感(言葉にするのは困難。是非聴いてみ て欲しい)が渦巻いていた。そのことをインタビュー時に彼女に 伝えてみると、製作期間中もずっとその音楽を繰り返し聞いて いたという。七尾旅人がかつてインタビューで語っていたことが シンクロした。若くして才能を見いだされ、世に出る機会を得る も、その才能をメジャーな商品にパッケージして売り出そうとす る大きな組織や大人の事情に直面し苦悩を経て、それでもそう した大きな力に翻弄されることを拒み独立独歩を貫く姿勢、表現 したい想いや感情をあくまで自分のやり方で遂行する DIY 精神、 それらを持ち続ける意志、そんなイメージが重なった気がした。


COSMICLAB Colo GraPhonic 主宰。大阪が宇宙に誇るパワースポット“味園”を拠点に産まれたウル トラ D.I.Y パーティー”FLOWER OF LIFE”を母体に進化し、VJ/DJ/ オーガナイザー / デザイナー / ライティング / プログラマー / サウンドエンジニア等多方面のアーティス ト / クリエイターが変幻自在にコラボレートするミックスメディア・プロダクション。  http://www.cosmiclab.jp/

GALAXY GALLERY 2009年、PARTY の中の ART にフォーカスを当て誕生したアートギャ ラリー。現在進行形のレベルカルチャー/ストリートアートを背景に、次 なる可能性の波を貪欲に察知し、EYE、宇川直宏、2YANG、薬師丸郁夫、 Koutaro Ooyama a.k.a. MON 等の宇宙的 ExhiVision を展開する。所在 地は大阪が世界に誇る文化遺産「味園ユニバースビル」 。http://www. galaxygallery.info/

CLAZY MARKET COSMIC LAB がプロデュースするアートギャラリー“GALAXY GALERY”と連携したアートピースをはじめ、ここでしか購入出来 ない珠玉の作品を取り揃えてます。

http://www.clazymarket.jp/

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UCHU ∞ ( 宇宙メガネ ) 子供のときに UFO や宇宙人に想いを馳せていたようなワクワクする気持ちを、大人になっても持ち続け て真剣に追求しよう!という想いで、世界のディープスポットやイベントを駆け巡り独自にアーカイブ& 発信中。キャッチフレーズは、'NO UFO NO LIFE!!' 'Meet the alien project!!' ' 会うまでやめない ! ∞ !'   http://uchumegane.com/


UCHU∞ Superdunce  

異色の経歴を持つ若干20歳のボールペン画アーティスト光宗薫による初個展が、関西のアンダーグラウンドなカルチャー&ミュージックシーンから突然変異的に出現した実験的空間ギャラクシーギャラリーにて開催された。来場者2000人を超える大盛況となったイベントのレポート&個展終了直後に行われ...

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