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お金について学ぶことの必要性 (この章では、少々衝撃的な話をしなければなりません)

初⼼者向けの「お⾦の⼊⾨書」を読むと、必ずと⾔っていいほど書いてある⾔葉があります。 それは「⽇本⼈はお⾦に対して満⾜な教育を受けていない」という⾔葉です。 数年前にサラリーマンの間でブームになった「⾦持ち⽗さん、貧乏⽗さん」という本の中でも⾔われ ていますし、最近ブームの勝間和代さんも本の中で「司法試験にストレートで受かった友⼈がクレジ ットカードの仕組みも知らなかった」と⾔っています。 でもそれは仕⽅なのない事でもあるのです。 「そういう教育」を受ける機会が無かっただけなのですか ら。でも「知らなかった」からアナタが何か困った事になったとしても誰かが助けてくれるわけでは なりません。 「株や FX に興味がある!」という⼈や「経済学部・商学部に在籍していた」という⼈意外の⼈たち は恐らくお⾦に対して本当に無知です。 たいていの⼈は社会⼈になってから初めて税⾦の重さに気がつきます。 将来、マイホームを買ったり、結婚や育児の事を考えた場合に、資産運⽤に付いても知らねばなりま せん。ある程度の年齢になれば⽣命保険の勧誘もやってくることでしょう。 「いいよ、お⾦の話は。株とか投資信託とか興味ないし!」

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「どうせ素⼈はプロの⾷い物にされるだけなんだから!」 そう思う⽅も居るかもしれません。 しかし、残念ながら投資の話から逃げることはできません。 これからの社会では、ますます「⾃⼰責任」というものが問われるようになってきます。 このグラフを⾒てください。

これは年代別の個⼈⾦融資産の残⾼を表したグラフです。 これを⾒ると、今、⽇本の⾦融資産のほとんどは⾼齢者層が握っているのがわかると思います。 しかもその割合はさらに⾼齢者よりへと移っています。 60代以上の⾼齢層が⽇本の全⾦融資産の 6 割ほどを握っています。 それなのに、⾼齢者は医療費がタダになったり、JAL の⼀件を⾒ても、現役社員の給料カットやリス トラは⾏われても、OB の年⾦については未だに決着がついていません。 今話題になっている⽇航の再建問題では OB の⽉平均 50 万近く、という⾼い年⾦額が問題なっていま すが、私たちが基本的に受け取れる年⾦は実は最⼤で 7 万円です。今の⾼齢者は問題なく年⾦を受け 取っていますが、私たちが⽼後迎えるころまでに年⾦が破綻していない保障はどこにもありません。 これからの世代はそんな⾼額な年⾦を受け取れるハズもありませんし、もしかした基本部分の⽉ 7 万

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円ですら確実にもらえるかは怪しいところです。 これから少⼦⾼齢化社会が本格的にやってくる中、ただ社会に流されるままでいれば、確実に格差の 下の側に回ってしまいます。⽼後を迎えて、新たな職を探す気⼒もチャレンジ精神も無くしてしまっ た時になって後悔しても遅いのです。 私たちの⽼後は、いまのまま⾏けば、現在の⾼齢者層よりもだいぶ苦しいものになるはずです。 もしかしたら、70、80 を過ぎてホームレスになる⽼⼈が⼤量に発⽣するかもしれません。 そうならないためにも、最低限、⾝を守るタメの⾦融知識だけは⾝につけておかねばなりません。 そのためにはまず最初に、現在の「お⾦」というものには実態がなく、ほぼ概念上の産物に過ぎない という事を理解しなければなりません。 「現⾦を絶対安全な唯⼀の資産だと思わないこと」これがまず第⼀歩です。 多くの⼈は「現⾦こそが安全だ」と思っていますが、それはある意味では正解ではありますが、同時 に⼤きな間違いでもあるのです。

例えば、アナタは堅実にコツコツと貯⾦をするかもしれません。 将来に備えて、毎⽉の給料のなかからコツコツと積⽴貯⾦をしているアナタは⼀⾒、とても堅実な⽅ 法をとっているかのように⾒えます。 しかし、アメリカ⼈から⾒ると、アナタは円という信⽤⼒の低い通貨に全⼒投資しているギャンブラ ーと⾒ることも出来ます。 近年「ドルの基軸通貨としての地位が揺らいできている」と⾔われてはいますが、 世界的に⾒ればまだまだ円よりも⽶ドルの⽅が信⽤⼒があります。

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もちろん⽇本国内だけで⼀⽣を終える⼤半の⼈たちにとってはあまり関係のない話に聞こえるかもし れせん。 「対外的に円の価値がどう変わろうと、⾃分の銀⾏預⾦が減るわけじゃない」 確かにその通りです。 ⽇本が「今のままの社会」を続けられていたら・・・の話ですが。 北朝鮮では今年(2009 年)12 ⽉⼤規模なデノミが⾏われました。 そのため多くの⼈⺠の銀⾏預⾦が 10 分の 1 になり、タンス預⾦は 100 分の 1 になりました。朝⽇新 聞の報道によれば、これは 1992 年依頼、5 度⽬の事だと⾔うことで、北朝鮮ではそんなに珍しい事 態でも無いようです。もし⽇本で同じようなことが起きたとしたら・・・? さらに、ジンバブエでは2008年末に1億ドル札、5億ドル札が⽴て続けに発⾏されるというあり 得ない状態になった後、2009年に⼊ってわずか1ヶ⽉の間に100億ドル札、100兆ドル札が 発⾏され、インフレ率が 1112 万%を超えました。 これは年率換算すると 157 垓 3519 京 6000 兆%という驚異的なインフレです。 トラック満載の札束が 1 円以下の価値になってしまったと考えてください。 第⼀次世界⼤戦後のドイツマルク紙幣のハイパーインフレの話をしているのではありません。 今現在、近隣の国で起こっている経済現象の話です。 もちろん、どちらも元々社会情勢的にも財政的にも不安定な国だった事は⼤きな要因ではあります。 しかし、社会的に不安定だから、先進国じゃなかったから通貨の価値が暴落するわけではありません。 たとえば、イギリス。 1992 年にイギリスポンドを⼤暴 落させイングランド銀⾏を破綻させた悪魔の男と呼ばれるジョー

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ジ・ソロスという⼈物がいます。アジア通貨危機を引き起こした男とも⾔われていて、この時彼は1 晩で1000 億円の利益を得たといわれています。2002 年には引退宣⾔をした筈なのですが、2006 年 には⾃らの運⽤するファンドから 900 億円あまりのボーナスを受け取っています。彼らのような投資 ファンドに狙われた場合、例え先進国家といえども抵抗しきれない可能性もあります。 実際、⽇本もハゲタカファンドに何度も狙われています。 なかでも 2004 年に起きた、俗称「⽇銀砲」と呼ばれる出来事はつい最近のことです。 、、 、 主にアメリカの投機家達が世界中からお⾦を集めてきて、⽇本市場を狙い撃ちいにしたのですが、、 この時は、政府が⽇銀を通じて1分間に10億円という凄まじい規模での為替介⼊を⾏ったため、 ⼤事には⾄りませんでした。準備した 100 兆円のうち、実に 30 兆円ものお⾦ををつぎ込んだ結果と なったのですが、このような対応はそう何度もとれるものではありません。 ⽇本が現在途⽅もない借⾦を抱えているのは知っていますか? マスコミなどでも「国⺠⼀⼈当たり約 700 万円〜1500 万円の借⾦をしている」と騒いでいるのを聞 いたことがあるかと思われます。 もしも。もしも、ですが。⽇本政府が国債の償還に失敗してデフォルトを起こしたらどうなるでしょ うか? 「銀⾏が破綻しても預⾦ 1 千万円までは預⾦が保証される」 このような保証が全く意味を成さないことに気づいているでしょうか? 第⼆次世界⼤戦敗戦直後のように札束を出しても、うどん⼀杯しか買えななかったような状況になっ てしまったとして、1 千万円の現⾦にいったい何の意味があるでしょうか? もちろんこれはあくまでも「最悪の事態」の話なので、そう簡単にはそんな悲惨な状況にはならない

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とは思いますが・・・。 というのも、⽇本は債務国であると同時に債権国でもり、借⾦の 94 パーセンとは国⺠から借りてい るという世界でも類を⾒ない特殊な状態にあるからです。つまり、国の借⾦が増えれば増えるほど、 国⺠の資産が増えてゆくという不可解な状況にあるわけです。しかしそれがいつまでも続くという保 障はどこにもありません。現在1000兆円に届こうとしている国の借⾦はこれらかもどんどん増え てゆくでしょう。かといって⼼配しすぎる必要もまたありません。 ポンドが暴落した結果、イギリス社会が凄惨な状態に陥ったという事はありませんでした。 ただ、通貨・現⾦といったものが絶対に安全確実なものと保障されているわけではない、というのは わかっていただけたかと思います。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 何も無理に「投資しろ!資産運⽤しろ!さもないと将来⼤変な事になるぞ!」と⾔うわけではありま せん。不安に駆られたあまりに、あやしげな投資商品に⼿を出してしまったり、詐欺にあってしまっ たり、といった危険も考えられます。そうなってしまっては本末転倒です。 しかし! 「お⾦」というものに対して正しい知識を⾝につけなければならないのです。 だからこそ、 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 今からちょうど 40 年前の 1970 年の⼤卒初任給の平均⽉給が 4 万円程度。 (森永卓郎

物価の⽂化史辞典より)

今が 2010 年。⼤卒初任給の平均⽉給は 18 万〜20 万と⾔われています。 もし「資産運⽤なんてしるかよ!将来に備えて貯⾦しとくぜ!」と 40 年前からコツコツ貯⾦してい

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ただけだったとしたら、どうなっていたでしょう? 初任給 4 万の頃にできる貯⾦なんてタカが知れています。 私たちが年⾦をもらえるようになるのは、だいたい今から 40 年後だとすると、2050 年の⽇本はどの ような事になっているでしょうか? 想像もつきません。 40 年あれば、何が起こってもおかしくはありません。 ただ、今現在役に⽴つお⾦の知識を⾝につけておいて、損をすると⾔う事だけは絶対にないと思いま す。次のページからは「社会⼈として、お⾦に付いてどう考えてゆくべきか?」について具体的なマ ニュアルが書かれています。

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現在、⽇本で主流となっているのは「フラット35と呼ばれる住宅⽀援機構が提供している 住宅ローンだと思います。それ以外にも様々な⺠間銀⾏がいろいろなプランを⽤意していますが、 基本的な考え⽅はどれも⼀緒です。 ズバリ「相⼿の⾔うことを素直に信じるな!」

もちろん私たちは銀⾏員の⽅からみてまったくの素⼈なわけですから、最終的には銀⾏を頼るほかあ りません。しかし1から10まで相⼿の⾔うとおりにローンを組むというのは散髪屋に⾏って「髪を 切ったほうがいいでしょうか?」と聞くようなもので、あまりにも無防備すぎます。 かといって疑⼼暗⻤になりすぎても困りますけどね(笑

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サラ⾦よりあくどい!?住宅ローンの真実! (インパクトをもたせるために、多少⼤げさに⾔いましたw)

住宅ローンの返済⽅法は主に「元利⾦等返済⽅式」 「元⾦均等返済⽅式」の2種類に分類することがで きます。グラフを⾒ると⼀⽬瞭然ですが、元利⾦等返済⽅式では毎⽉の返済額が⼀定となります。 多くのサラリーマンがこの⽅式を選択します。 どの銀⾏に⾏っても、まず間違いなくこのプランを進められます 【元利⾦等返済⽅式のグラフ】

そしてもうひとつが、元⾦均等返済⽅式。

【元⾦均等返済⽅式のグラフ】

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毎⽉⼀定の元⾦を返してゆくものなので、元⾦とその時の利息を⼀緒に払います。 借り⼊れ当初の返済額の負担は相当なものになります。

そして、多くの⽇本⼈は「お⾦の知識が不⾜している」のと、「現実的な問題」から 元利⾦等返済⽅式を選択します。 銀⾏に相談にいっても間違いなくそちらを進められます。 なぜか?は、グラフをみればわかるかと思います。 銀⾏員が熱⼼に元利⾦等返済⽅式を勧めてくるのは、決して親切⼼ではなく、商売だということが。

元利⾦等返済⽅式を選択してしまうと、利息ばっかり⽀払わされて、 まったく元本が減らないのです。サラ⾦や闇⾦なみにタチが悪いです。 それが、今現在⼤変な悲劇をもたらしています。

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もちろん、アメリカで問題となったサブライムローンよりはだいぶましです。 しかし、今現在、今年に⼊ってから⽇本で現実に起きている⼤変な問題があるのです。 それは、ローンを払いきれなくなって、家を⼿放す⼈たちが急増していることなのです。 ⽇経スペシャル

ガイアの夜明け

という経済番組に登場したあるサラリーマン⼀家の話はまさに悲

劇そのものでした。その⼈と仮に A さんと呼ぶことにしましょう。

A さんは、3200 万円のローンを組んで10年近く返済を続けていたにもかかわらず、今回の不況で職 を失い、ついに住宅ローンが払えなくなり、家を⼿放す事になってしまいました。

もっと早くに決断して、⾃分で不動産屋に売却に⾏けば話も違ったのでしょうが、 35 年ローンを組んで、やっと⼿に⼊れたマイホーム。層簡単に⼿放せるはずもありません。 A さんもスグに新しい職を⾒つけて、返済してやろう!と思っていたのでしょう。 しかし、現実は厳しく、再就職はままなりませんでした。 そうこうしているうちに裁判所から差し押さえ通知が届きました。

まぁ、商売だから仕⽅ないとはいえ銀⾏も冷たいものです。 ローンの返済が滞ったら、さっさと法的⼿続きに⼊ってしまいます。 その結果、A さんの家は競売に賭けられることになりました。 裁判所で差し押さえられた不動産の競売物件は当然ですが、市場価格よりもかなり格安で取引されま す。

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そして、当たり前ですが、家を差し押さえられたからといって借⾦がチャラになるわけではありませ ん。 家を失った A さんには 2900 万円の借⾦が残りました。 なぜ2900万円も!?と思うでしょうか?

グラフを再度、⾒てみてください。

10 年間、ローンの⽀払いを続けていたとしても、最初のころは利息の返済に回されるばっかりで全然 元本が減らないのです。 元利⾦等返済⽅式を選んでしまうと、ローンを払い終わる終盤にならないと元本が減っていかないの で、途中で⽀払いが滞ってしまうと、いままでず〜っとお⾦を払ってきたにもかかわらず、 全然借⾦が減っていない!! という恐ろしい事態に陥るのです。

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確かに、元⾦均等⽅式をサラリーマンが選ぶのはキツいかもしれません。 借り⼊れ当初の返済額は元利均等返済⽅式を選んだ場合の約 1.5 倍〜2 倍くらいの額になります。

元利⾦等⽅式なら⽉ 10 万の返済ですむ住宅ローンが 元⾦均等⽅式を選んだ場合は、⽉ 20 万円の返済を求められることもあります。

しかし逆を⾔うならば、元⾦均等返済⽅式でローンが払えないような借⾦をするべきでない! とも居えます。 住宅ローンというものが登場した頃は、⽇本は⾼度経済成⻑期でまた終⾝雇⽤制も年功序列制度も残 っていました。 そいう時代なら元利均等返済⽅式でのんびりと借⾦を返してゆくのも悪くはなかったでしょう。 しかし、時代は変わりました。35 年ローンどころ、10 年先だってどうなっているのかわからないよ うな状況の中で、払っても払っても中々借⾦の減らないようなローンの組み⽅はするべきではないと 思います。

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Tチーム お金マニュアル

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