160226_若林拓哉_修士設計

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~1945 佃

1945~1970

月島

独立住宅、住商併用建物

勝どき

独立住宅、住商併用建物

現在の用途分布については既に「2.3.2 用途分布」で言及したが、

豊海

倉庫・運輸関連施設

晴海

倉庫・運輸関連施設

日の出

ここでは、複数の年代に跨って存在している建築物を保有する島 について考察する。基準を第二次世界大戦前後とし、1945 年以前、 1945~1970 年の間に竣工した建物のうち、現存する建物があるか

倉庫・運輸関連施設

芝浦2

集合住宅、事務所建築物等へ更新

芝浦3

集合住宅、事務所建築物等へ更新

芝浦4

集合住宅、事務所建築物等へ更新

芝浦アイランド

集合住宅、事務所建築物等へ更新

芝浦埠頭

□用途蓄積

該当無しの要因

独立住宅

独立住宅、住商併用建物

港南

外形に変更が無い箇所が存在すれば対象とする。また、建物の形

供給処理施設 倉庫・運輸関連施設 独立住宅

枝川1

独立住宅

枝川2

独立住宅

潮見

状自体に変化は無いが、改修が行われたことが分かる建物 ( 倉庫・ 運輸関連施設など ) の場合でも、用途に変更が無ければ対象とする。 計画が新しい

以上の前提をもとに分類したのが左図である (fig.46)。これを見

倉庫・運輸関連施設、スポーツ・興行施設

平和島

計画が新しい

昭和島

計画が新しい

京浜島

ると戦前では、明治・大正期には既に埋め立てられていた佃・月島・勝 どきには独立住宅や住商併用建物といった小規模の建物群が今尚現存して

計画が新しい

いる。また、日の出は埠頭用地として機能していたため倉庫・運輸関連施

供給処理施設

城南島

設が残されている。芝浦埠頭が特殊で、埠頭用地であったものの西側は独

計画が新しい

豊洲

専用工場

東雲

独立住宅、住商併用建物

有明

立住宅や住商併用建物が存在し、その一帯は第二次世界大戦による空襲も

GHQ による接収も免れたため、現存している (fig.47)。一方、接収さ

集合住宅、事務所建築物等へ更新

お台場

計画が新しい

フェリー埠頭

計画が新しい

辰巳

物については建て替えが行われた可能性が高いため、街区や建物

集合住宅、事務所建築物等へ更新

塩浜2

大井

ることとする。この時、独立住宅や住商併用建物等の小規模の建

倉庫・運輸関連施設

塩浜1

勝島

分析に際し、国土地理院が公開している航空写真を元に判別す

倉庫・運輸関連施設、専用工場

天王洲 品川埠頭

否か判断する。

れた埠頭用地についてだが、『東京港史』の接収港湾施設の概要を 見ると、埠頭用地として接収されたことを意味する「岸壁と桟橋」

集合住宅

新木場1

計画が新しい

新木場2

計画が新しい

若洲

計画が新しい

fig.46 島別用途蓄積表

「物揚場」「上屋」の欄には竹芝・日の出・芝浦埠頭しか記載され fig.47 GHQ による接収地

ていないが、港湾用地としては晴海や豊洲も接収されているとい う記述がある。この接収によって、東京港へ入港する一般入港船は、 沖合に停泊して艀を利用した貨物輸送を余儀なくされ、艀荷役港 の状態に陥ってしまった。その状況を打開するべく、晴海や豊洲 といった大型船埠頭の整備が進められた。 東京港の歴史的文脈を考察する上で、接収地である日の出・芝 浦埠頭は押さえるべき島である。 戦後では高度経済成長期に建てられた倉庫・運輸関連施設や人 口流入に対する宅地が現存しているパターンが多い。その中で例 外なのが、品川埠頭、大井の供給処理施設であるが、これは火力 発電所である。また、芝浦埠頭と豊洲にはセメント工場、コンクリー ト工場がそれぞれ現存している。勝島は競馬場施設である。 一方、埋立時期自体は早期だったものの、芝浦地区や天王洲、

fig.48 『新修港区史 付図』太平洋戦争中の空襲による消失及び建物疎開区域図

有明の倉庫・運輸関連施設は産業転換とモータリゼーションによ

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