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TAIPEI

THURSDAY,

MARCH 17TH

すべてはイメージの問題 自転車に乗らない人達と普段何気なく交わす会話の

性向上、さらにはノンサイクリスト(自転車を乗用

中で、ふとなるほどなと思わせる言葉を耳にするこ

しない人達)まで引きつけるような結果を生み出す

とがある。彼らがほぼ共通して口にするのが「イメ

卵ともなりうる可能性が秘められている。その国の

ージ」という言葉だ。私の18歳になる娘も好んで自

多くの人たちが自転車を利用するようになったら世

転車に乗るタイプではないが、やはり自転車のもつ

界はどうなるか、ヨーロッパならコペンハーゲン、

イメージを気にしている。サイクリングに無縁の人

ミラノ、アムステルダムをはじめとするサイクリン

たちにサイクリングを始めさせようとするのは、そ

グシティー、米国ならポートランドやデイヴィスや

れこそ鶏が先か卵が先かの議論になってしまうが、

ボールダーを見ればわかるはずだ。さらにGocycle

例えば、自転車専用道路にしろ、安全性確保にし

やiF Modeをはじめとる折りたたみ自転車や電動自

ろ、天候にしろ、その大部分は自転車業界の手にお

転車、カバー付自転車、カーゴバイク、リカンベン

えるものではない。サイクリング振興のための活動

ト、ヴェロモービルといったノンサイクリストを引

や自転車専用道への資金的サポートも大事ではある

きつける製品群を見てほしい。これらの製品は従来

が、およそ業界活動の中核にはなり得ない。自転車

からのサイクリストには不向きな代物かもしれない

はデザインのうちの技術面ではかなりいい線を行っ

が、「アップル・バイシクル」のような製品はブル

ている。効率性のアップや軽量化、ハイスピード化

ーオーシャン(未開の大海原)の人達や車にためら

などの進展には目覚ましいものがある。しかしデザ

いを覚える人たちを十分に惹きつけるものがあるだ

インのもうひとつの面、すなわちイメージとかクー

ろう。

ルさといった要素はもっとじっくり見てみる必要が

自転車がサイクリストのための娯楽やスポーツか

あるだろう。異業種での動きを見てみると、最近の

ら、この世のすべての人の交通手段の主流へと変

中ではアップルの自転車へのアプローチが目に留ま

容すればMTBが巻き起こした一大ブームもまるで

る。アップルの展開には、自転車利用の幅を広げ、

小さな丘で起きたささやかな出来事になってしま

そこから自転車専用道の増設、サイクリングの安全

うかもしれない。私が喜ばしく感じたのは、私の こうした見方は業界(もっぱらスポーツマンタ イプの典型といった男性で構成)に快く思われ ないかもしれないとの予想に反して、これに賛 同を示してくれたことだ。一方で、業界の現状 はと言えば、収益の多くが「レッドオーシャ ン」(熾烈な生存競争が続く市場) からのもので、ビジネスの主力 は需要の中核を成すサイクリ スト向けという状況から抜け きれず、ブルーオーシャン (未開の大海原)開拓へ財 源を回す余裕が持てないま までいる。

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PART 2 マーク・サンダース

Taipei Show Daily 2011 (Issue 2)  

2011/03/17 - Show Day 2