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Pocket world 2009Sayaka Abe


Pocket world 私にとってポケットとはいつも一緒にいられる小さ なスペース。   例えば、恥ずかしいと思った時、 ここにいたくな いと思った時、ついポケットへ手を入れてしまう。   それらのスペースはとてもプライベートなもの であり、外に持ち歩ける自分の家のようなもの。 そのように、安心出来るスペースを運んでくれるポ ケットは、人と会う時に私を助けてくれるのです。 ジュエリーもそれに近いもの。いつでもどこへでも 運ぶ(身につける) ことが出来ます。 また人々が無意 識に指輪やネックス、時計などに触れる光景を目に する事がよくあります。 ジュエリーは、持ち主に何かしら特別な感情をもた らします。 私はオランダで学び、 オランダと日本、二つの異な る文化の中で言葉以上に強い自分のコミュニケー ションツールを見つけました. それが「人は何故物を持ち運ぶ(身につける)の か?」 という疑問から出発し、到達した卒業制作のド ローイングとアッサンブラージュ (物の断片を寄せ 集めた芸術)作品なのです。


Pocket World: The Pocket girl material: pencil drawing,textile,crystal clear 270(h)140(w)cm year:2009 Collection of Ministry of culture(OCW), The Netherlands,


Pocket World: Candy girl material: pencil drawing,textile,crystal clear 270(h)140(w)cm year:2009 NOG-SNS Reaal Art Foundation collection


Pocket World: Mr. Fatty material: pencil drawing,textile,crystal clear 270(h)140(w)cm year:2009


Pocket World: 4M material: pencil drawing,textile,crystal clear 270(h)140(w)cm year:2009


Pocket World: 4W material: pencil drawing,textile,crystal clear 270(h)140(w)cm year:2009


Pocket World: The Family material: pencil drawing,textile,crystal clear 270(h)140(w)cm year:2009 NOG-SNS Reaal Art Foundation collection


Pocket World: Hiding under a wig material: pencil drawing,textile,crystal clear 270(h)140(w)cm year:2009


Maria series 私はマリアという68歳のオランダ人女性に出会い、彼女の明るく元 気のよい姿に憧れ、興味をもちました。 オランダ人をもっと深く知りたいという思いで彼女を週二回訪ねるよう になり、やがて彼女の家でドローイング(描画) を始めたのです。一ヶ月 間のその集中した時間はたわいもないことを話したり、彼女の旅の話 をしたりとても暖かい時間となりました。 私のドローイングにマリアがコメントをしたり、 マリアが作品に手を加え ることもありました。 しかしその濃縮した時間はただの友人という人間関係ではなく二人の 関係をより繊細で壊れやすいものへも導いたのです。 私は人間の光と陰を見た。未来のあるものと、老いていくもの。 人間の中に潜む光と陰の部分。 また外側と内側。人は誰しもその二面 性を持ちバランスをとりながら歳を重ねて行く。 このことを強く知った のが今回の訪問プロジェクトの結果でした。 私はオランダ人を見つめていたのではなく、一人の人間の人生の歴史 をみていることに気がついたのです。 ドローイング’マリアシリーズ’はそんなマリアの心の内側を表現したも のです。


彼女は手の平ほどある大きな銀 の指輪をとても大切にしています が、それを身に着けるわけではな く、いつもバックに入れて持ち歩くこ とで安心すると言います。 彼女にとってバックはジュエリーボ ックスのようなものだと私は思いま した。 それにはしっかりとセキュリテ ィーも必要なので、 ドローイングの 中のマリアには、鍵付きのドアがつ いたバックを持ってもらうことに。

Maria series 1 material: pencil drawing on textile,copper 270(h)140(w)cm year:2009


彼女はたくさんのジュエリーを持 っています。200、300それ以 上!? それらは世界中から集められ、南ア メリカからアフリカ、 またイタリアな どまで。 「これはどこで見つけたの?」 と聞 けば、一つひとつのジュエリーのス トーリーを夜が更けるまで話してく れます。 ああ、 このジュエリーはマリアの生 きている歴史そのもので、彼女と切 っても切れない関係なんだな。彼女 はまるで宝石箱の中に住んでいる ようです。 私はそんな彼女を、 ドローイングの ジュエリーの中へポンっと入れてし まうことにしました。 彼女はそんなドローイングを見て、 うんうんとうなずいていました。

Maria series 2 material: pencil drawing on textile,crystal clear 270(h)140(w)cm year:2009 Collection of Ministry of culture(OCW), The Netherlands,


私は彼女の家を訪れては、書斎で ドローイングを描いていました。 数日たって彼女の家に戻ったある 日、突然彼女が大きく笑い出した のです。 「どうしたのかしら?」 私は彼女に連れられてドローイング を描いている書斎に入りました。 すると・・・・・ 「ごめんなさーい!ドローイングに 描いてある顔がとってもとっても恐 ろしくて、ずっと見られているようで・ ・・・・。 それを変えずにはいられな かったの」とマリア。 そこで私が目にしたのは、私のドロ ーイングの上に虫ピンでとめてある マリアが新しく描いたドローイング でした。 その白い紙に描かれたもの はマリアの後頭部と彼女が一番気 に入っている毛皮の帽子、それから 金色のリングピアスです。 それがドローイングを通した私た ちのコミュニケーションの始まりで した。

Maria series 3 material: pencil drawing on textile,mixed media 270(h)140(w)cm year:2009


Sayaka Abe

works,lives:Amsterdam The Netherlands Education 2009-2011 MA of Sandberg Institute, Applied Art Department, Amsterdam, Netherlands 2005-2009 Bachelor of Arts at Gerrit Rietveld Academie, Jewelry Department, Amsterdam,Netherlands 2000-2004 Bachelor of Arts at Tama Art University, Ceramics Department Tokyo, Japan 2006 Konstfack, Stockholm, Sweden 2011- Internship with Janwillem Schrofer(Valtana consultancy) 2006-2007 Internship with Jewelry Artist, Iris Nieuwenburg and space designer Awards Agency For Cultural Affairs of Japan 2010-2011 The cultural Foundation of Okada 2010,2011 Collection 2011 ‘Pocket World’ at Ministry of culture(OCW), DenHaag, 2009 ‘NOG-SNS Reaal Art Foundation collection, Netherlands

www.sayaka.nl

Solo Exhibitions 2011 Nov ‘Pocket World’ at Ministry of culture(OCW), DenHaag, Sept ‘Nostalgia?’ at C3 gallery, Amsterdam May ‘GM House’ at Het Oude Raadhuis, Hoofd drop, Netherlands 2009 Aug ‘The pocket world’ at Kennedy van der laan lawyer office, Am sterdam Group Exhibitions(selection) 2011 Jul Sandberg graduation show at Oude Kerk, Amsterdam Jul Duty/Free Sandberg graduation show at CBK, Amsterdam Jun DMY at Tempelhof , Berlin May ‘NIJVERHEDEN’ at Zuiderzee museum, Enkhuizen Apr ‘Refracted Realities’ at OV gallery, Shanghai 2010 Oct CAMERA JAPAN, festival 2010 at Lantarenvenster, Rotterdam   Aug  ‘Learning from the Literati’ at OV gallery, Shanghai   May  Final presentation’Stamppot met Rodekool’atSieboldhuis,Leide n,Netherlands   May  Exhibition ‘Power of copy’ at Xuzhou museum of Art, Xuzhou, China   Feb  Exhibition’Black Brides, Puffing Crow’ at Kunstvereniging Diepenheim, Netherlands   Jan  Exhibition ‘Stamppot Met Rodekool’ , Living Design Center Ozone, Tokyo

Pocket world  

ポケットの世界 私にとってポケットとはいつも一緒にいられる小さなスペース。例えば、恥ずかしいと思った時、ここにいたくないと思った時、ついポケットへ手を入れてしまう.それらのスペースはとてもプライベートなものであり、外に持ち歩ける自分の家のようなもの.そのように、安心出来るスペース...

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