Issuu on Google+

4.3 解析結果の分析 4.3.1 分析方法 ここでは第四章の結果をもとに個々の結果を俯瞰し、分析を行っていく。こ の分析を第三章との関係性の考察にも用いる為、季節や開口部使用状況に重 点的に着目し、まとめていくこととする。

A風解析結果の分析方法 A-1 快適風速エリアの量的比較 A-1 研究手法でまとめた平均風速と主風向の季節変化からもわかるように、 その風速と風向は季節によって変化する。この変化の影響を受け、オフィス 境界部の快適風速エリアも変化することを、4.2.2 解析結果のまとめにおい て示した。ここではこのエリアを①オフィスの境界部全体の量、②オフィス の境界部を方位別に分類した量として季節ごとに比較を行うこととする。 その際、4.2.2 では STREAM での解析結果上に白色で快適風速を満たすエ リアを示したが、これをわかりやすくするため解析図を消去し、図 1 のよ うに北北東からの風の場合を青く、南西からの風の場合を紫色で着色を行っ た。この図式を用いて今後比較を行っていく。

図 1

快適風速

エリアの図式化 (西田作成)

136


A-2

開口部使用状況を考慮した快適風速エリアの拡大縮小の様子

4.2.2 解析結果のまとめからもわかるように、季節ごとの開口部使用状況の 変化によって、境界部の快適風速エリアは拡大したり、縮小したりする。こ こではこの拡大縮小の様子をわかりやすくするために、先ほどの図 1 快適 風速エリアの図式化上にオフィス内外の風の流れをまとめていく。この表現 においては図 2 のように、4.2.2 解析結果のまとめを参照し、快適風速内の 穏やかな風を緑色、それ以上のやや強い風を黄色、ほぼ無風に近い状態を紫 色で表している。

図 2

開口部使用状況を考慮した、オフィ

ス内外の風の流れの図式化(西田作成)

また、えんがわオフィス開口部使用の様子を再度説明すれば、以下の図 3 のような北側縁側①②、東側縁側③④、南側エントランス⑤⑥を季節ごとに 組み合わせを変え、解析をしている。

図 3 開口部番号(西田作成)

137


Bオルゲーの生気候図による快適域の分析方法 B-1 快適域の量的比較 オルゲーの生気候図による快適域は、季節によって大きく増減することを 4.2.2 解析結果のまとめにおいて示した。ここではこの快適域の①オフィス の境界部全体の量、②オフィスの境界部を方位別に分類した量として季節ご とに比較を行うこととする。その際ここでも、解析図を消去し、図 3 のよ うに快適域を黄色く、すべてが快適域外になってしまう場合は灰色に着色し た。この図式を用いて今後比較を行っていく。

図 4 快適域の図式化

また、快適域は季節によっても変化するが、その変化を時間軸上で微細に読 み取ることもできる。

図 5 快適域の時刻変化の様子

例えば図 4 では、9 時では快適域が南側部分のみであったのが、11 時には 全体が快適域となり拡大している。この様子を図式の下に「快適域が全体的 に拡大する。」と記述し、この間の時刻変化を分析する。この変化の様子を それぞれの時間間隔ごとに繋げていくことで、1 日の快適域の変化の様子を 読み取ることができる。

138


4.3.2

分析結果

A-1 快適風速エリアの量的比較

①オフィスの境界部全体の快適風速エリアの量的比較

表 1 オフィスの境界部全体の快適風速エリアの量的比較 季節

境界部全体の快適風速エリアの量

・日中は風速が 2m/s 以上と大きい為、縁側の西側及び北東は快適風速エリアから外れる。ま た、風力が分散されるためか、縁側の南側は無風に近い状態になり、快適風速エリアから外れ る。 ・夜間風速が減少し、主な風向が増えることで、それぞれのカバーする快適風速エリアが互い を補う。これにより、快適風速エリアはほぼ全域にまで拡がる。

快適風速エリア の総評 ・日中は風速が 2m/s 以上と強い 時間が多い為 か、快適風速エ リアが全体的に 少ない。 ・夜間は快適風 速エリアがほぼ 全域にまで拡が る。

・日中は朝と午後の約 1.5m/s の風速により快適風速エリアが拡大し、昼にはやや強くなり 1.8m/s となることで夏と同様に、縁側の西側・北東が快適風速エリアから外れる。 ・夜間風速が減少し、主な風向が増えることで、それぞれのカバーする快適風速エリアが互い を補う。これにより、快適風速エリアはほぼ全域にまで拡がる。

・日中は風速が 約 1.5m/s と夏よ り減少するため か快適風速エリ アは拡大してい る。 ・夜間は快適風 速エリアがほぼ 全域にまで拡が る。

・朝は風速が減少し、主な風向が増えることで、それぞれのカバーする快適風速エリアが互い を補う。これにより、快適風速エリアはほぼ全域にまで拡がる。 ・昼と午後は南西の風が吹き、主に北側と南側が快適風速エリアとなるが、東側には無風とな るエリアも多い。 ・夜間風速が増大し、やや快適風速エリアは減少するが、主な風向が増えることで、それぞれ のカバーする快適風速エリアが互いを補う。これにより、快適風速エリアはほぼ全域にまで拡 がる。

・朝は快適風速 エリアがほぼ全 域にまで拡が る。 ・南西の風の影 響で日中の快適 風速エリアが夏 や秋とでは変化 する。東側には 無風のエリアも みられる。 ・夜間は快適風 速エリアがほぼ 全域にまで拡が る。

139


②オフィスの境界部を方位別に分類した際の快適風速エリアの量的比較 ここでは、境界部を方位別にした際の量を季節ごとに比較する。 表 2 オフィスの境界部を方位別に分類した際の快適風速エリアの量的比較 季節 北側縁側

東側縁側

オフィスの境界部の方位別分類 南側縁側

西側縁側

無風や、やや風速の速 いエリアもあり、斑が ある。夜には主風向が 増え、風速が減少する ことでやや快適風速 エリアが拡大する。

やや風速の速いエリアが多 く、快適風速エリアは少ない。 夜、風速が減少することで拡 大している。

無風のエリアが多く、快適風速 エリアは全体に減少している が、夜には主風向が増え、風速 が減少することで拡大する。

やや風速の速いエリア が多く、快適風速エリ アは少ない。夜、風速 が減少することで拡大 している。

夏よりも風速が減少すること で、快適風速エリアは拡大し ている。

無風のエリアもまだ多いもの の、夏よりも快適風速エリアは 拡大している。夜には主風向が 増え、風速が減少することで拡 大する。

夏よりも風速が減少す ることで、快適風速エ リアは拡大している。

無風や、やや風速の速 いエリアもあり、斑が あるが、①②の北東部 の風速が弱まり、夏よ りも快適風速エリア が拡大する。夜には主 風向が増え、風速が減 少することで拡大す る。

140


夏・秋とは主風向が南西へと 南西の風が主となり、 変わること、風速が減少する 夜やや風速の速いエ ことから無風のエリアも多く リアもあるが、快適風 なる。朝・夜は主風向が増え 速エリアは他の季節 ることで快適風速エリアが拡 よりも全体的に拡大 大する。 している。

141

夏・秋とは主風向が南西へと変 わること、風速が減少すること から快適風速エリアは拡大し ている。

夏・秋とは主風向が南 西へと変わることから 快適風速エリアは減少 する。 朝には主風向が増え、 拡大するが、夜は風速 が増大する為、少ない ままである。


A-1-2

考察

表 1 では、縁側全体を通して考察する。 まず季節ごとの平均風速に快適風速エリアが左右されることがわかる。夏の 平均風速が大きいときには境界部の風速に斑ができて快適風速エリアも少 ないことや、秋には平均風速が減少することで快適風速エリアが拡大してい ることがわかる。一方冬には1日の主な風向が南西へと変化し、快適風速エ リアの様相が大きく変化する。また、夏④・秋④・冬①・冬④では北北東と 南西の 2 つの主風向が満たす快適風速エリアを考 えることができ、縁側のほぼ全域にまで拡がることがわかる。

表 2 では、縁側の方位別に考察する。 まず北側縁側であるが、夏・秋にかけては風速に斑がある。秋にはやや風速 が落ち着き、快適風速エリアは拡大している。一方冬には風向が南西に変化 することにより拡大し、やや斑が解消されている。 次に東側縁側であるが、主風向のひとつである北北東の風においては寄井座 と商店街に挟まれたオープンスペースを抜けて東側縁側に流れ込む為、夏・ 秋にかけてダイレクトに平均風速の影響を受けることがわかる。平均風速が 穏やかになる秋には快適風速エリアが拡大している。 また南側縁側も東側の風が影響しているのか、夏よりも秋に拡大している。 冬には南西の穏やかな風が拡大させている。 最後に西側縁側であるが、これも夏よりも秋の穏やかな風が西側縁側の快適 風速エリアを拡大させている。冬には風向が南西へと変わることが影響し、 減少している。

よって、表 1・表 2 より、快適風速エリアの量的比較においては、全体と部 分の関係は平均風速の変化を軸として比例関係にあり、平均風速の穏やかな 秋に全体と部分が最も拡大していることがわかる。

142


A-2

開口部使用状況を考慮した快適風速エリアの拡大縮小の様子

表 3 開口部使用状況を考慮した快適風速エリアの拡大縮小の様子 季節 夏 開口部 番号① ②③④ ⑤⑥す べて開 放。

秋 開口部 番号 ①②③ ④を開 放。

冬 開口部 を全て 閉鎖。

快適風速エリアと開口部使用状況 ・全ての開口部を開放する為、東側から吹く少し強い風は、オフィス内部を流れるころには快 適風速となり、南北に心地いい風が流れる。このオフィス内部に入った風が分散され、弱くな る。その結果、北側の縁側における開口部付近では快適風速エリアが拡大している。 ・夜に吹く南西からの風は風速が小さいこともあるが、エントランス部分の開口部から北側縁 側へと抜ける以前に無風に近くなってしまう。

総評 ・開口部をす べて開放す ることで、オ フィス内と 北側縁側に 心地いい風 が流れ、北北 東の風の場 合によい結 果がでてい る。

・北側開口部、東側開口部を開放することで、東側から流れ、オフィス内部を流れる風は快適 風速となるものの、南側エントランスの開口部を閉鎖することで、南側に抜ける風は失われる。 しかし、分散されないことで、北側の縁側における開口部付近では快適風速エリアが拡大し、 ここでの風速は夏よりも大きくなっている ・南側エントランスの開口部を閉鎖することは、南側縁側にも影響を与えている。真南に位置 する住宅との間を通り抜ける風は強まり、南側縁側の快適風速エリアは拡大している。 ・夜に吹く南西からの風は南側エントランスの開口部を閉鎖することで寄井座から折り返す風 が生まれるためか、北側縁側の快適風速エリアは拡大し、心地いい風が吹く。

・風速は夏よ りも小さい が、南側エン トランスを 閉鎖するこ とで、北北東 の風の場合 に 北 側 縁 側・南側縁側 に心地いい 風が流れて いる。

・全ての開口部を閉鎖することで、北北東の風の場合にはオフィス内部から、北側縁側に抜け る風がなく、無風に近いエリアとなっている。 ・主風向が南西の場合が多くなり、南側エントランスの開口部を閉鎖することで寄井座から折 り返す風が生まれるためか、北側縁側の快適風速エリアは拡大し、心地いい風が吹く。

・全開口部を 閉鎖するこ とで、北北東 の風の場合、 北側縁側に 抜ける風を 失う。 ・南西の場 合、南側エン トランスを 閉鎖するこ とで北側縁 側に心地い い風が吹く。

143


A-2-2

考察

表 3 より明らかになったように、季節によって開放する開口部の組み合わ せパターンを変えることによって、オフィス内部のみならずオフィス境界部 としての縁側を流れる風にも変化が起きている。 これは「開口部を使用することにより生まれる風がオフィスの境界部の微気 候の変化を生む」ことにつながっていると考えられ、オフィス外部の気候を 内部に取り入れることで境界部にも変化を与え、良い結果を生み出している と言える。 また、この微気候は周辺敷地が及ぼす風の影響を強く受ける為、境界部の風 を考える際には周辺建物のつくりだす外皮をも考慮する必要があると考え られる。

144


Bオルゲーの生気候図による快適域の分析 B-1 快適域の量的比較 ①オフィスの境界部全体の快適域の量的比較

図 6 夏の快適域の時刻変化

境界部全体の快適域の量

6月

生気候図上の快適範囲に入る時間帯が多く、全て快適域内とな っている。また気温が高く快適範囲から外れる場合でも、風速 がそれを満たすため全て快適域内となっている。 6月と比べ、急激に気温が高くなるため、全ての時間帯が快適 域外となっている。それにともない生気候図上必要とされる風 速も 2.5-3.0m/s と大きく、満たすことができない。 7月に同じく、急激に気温が高くなるため、全ての時間帯が快 適域外となっている。それにともない生気候図上必要とされる 風速も 2.5-3.5m/s と大きく、満たすことができない。また、② の場合には気温が高すぎる為、風速範囲外となっている。

7月

8月

145

境界部全体の快適域の1日における時刻 変化 1日を通して、全て快適域内。

1日を通して、全て快適域外。

1日を通して、全て快適域外。


図 7 秋の快適域の時刻変化 月

境界部全体の快適域の量

9月

生気候図上の快適範囲に入る時間帯は少ないが、全快適域内と なっている。これは気温が高く快適範囲から外れる場合でも、 風速がそれを満たすため全て快適域内となっているためであ る。 9月に比べ、生気候図上全て快適域内となる時間帯は減少する が、これは徐々に気温が下がり始め、輻射を必要とする時間帯 が存在するためである。また、輻射を必要とする場合必要な日 射量を満たす場合でも、日影図の結果を反映している為、日射 が当たらない部分は快適域外となる。 生気候図上全て快適域内となる時間帯はなくなり、全ての時間 帯において輻射を必要とする。また、輻射を必要とする場合必 要な日射量を満たす場合でも、日影図の結果を反映している為、 日射が当たらない部分は快適域外となる。

10 月

11 月

146

境界部全体の快適域の1日における時刻 変化 1日を通して、全て快適域内。

朝快適域が徐々に拡大し、全て快適域内と なり、昼は全て快適域内。17時には日射 が当たらず縁側全域が影となってしまう 為、全て快適域外となる。 10 時ごろから日射が当たり始め、快適域 が部分的に拡大するが、昼には影の影響で 縮小し始める。17時には日射が当たらず 縁側全域が影となってしまう為、全て快適 域外となる。


図 8 冬の快適域の時刻変化 月 12 月

1月

2月

境界部全体の快適域の量

境界部全体の快適域の1日における時刻 変化 生気候図上全て快適域内となる時間帯はなくなり、全ての時間 朝快適域が徐々に拡大し、15時には生気 帯において輻射を必要とする。また、輻射を必要とする場合必 候図上必要な日射量を満たさない為、全て 要な日射量を満たす場合でも、日影図の結果を反映している為、 快適域外となってしまう。 日射が当たらない部分は快適域外となる。 12月より気温は急激に下がり、③では輻射範囲内であっても 生気候図上必要な日射量が大きく、それを満たすことが出来な い。①の 9-10 時及び④の時間帯においては生気候図上の輻射範 囲外となる。 生気候図上、輻射範囲外となる時間帯が多く、②のように輻射 1日を通して、全て快適域外。 範囲内であってもそれを満たす日射量がないため、全ての時間 帯が快適域外となっている。 ほぼ1月と同様であるが、13時に輻射はに内となり、生気候 ほぼ快適域外であるが、13時に快適域が 図上必要な日射量を満たす為、快適域がやや出現している。 出現する。

147


②オフィスの境界部を方位別に分類した快適域の量的比較 表 7 南側縁側の快適域の時刻変化 ①9-11時

②12-14時

③15-17時

④18-21時

6月

1日中快適域内。 7月

1日中全て快適域外。 8月

1日中全て快適域外。 9月

1日中全て快適域内。 10 月

朝、部分的に拡大し、11:00 には全て快適域内となり、17 時には全て快適域外となる。 1 1 月 朝 10:00 より拡大し始め、ほぼ全て快適域内となる。12時以降縮小しはじめ、18時には全て快適域内となる。 1 2 月

朝11時より拡大し始め、ほぼ全て快適域内となる。13:00 には縮小し始め、15:00 には全て快適域外となる。 1月

1日中全て快適域外。 2月

昼13時にほぼ全てが快適域内となる以外は、全て快適域外である。

148


表 8 北側縁側の快適域の時刻変化 月 ①9-11時

②12-14時

北側縁側 ③15-17時

④18-21時

6月 1日中快適域内。 7月 1日中快適域外。 8月 1日中快適域外。 9月 1日中快適域内。 10月 朝拡大し始め、11:00 には全て快適域内となり、17 時には全て快適域外となる。 11月 10:00 にわずかに拡大するが、11:00 には影となるために快適域外となる。12:00 にやや拡大し、13:00 には全て快適 域外となる。 12 月 昼 12:00 からわずかに拡大し始め、すぐに縮小しだし、14:00 には日射量がなくなり、全て快適域外となる。 1月 1日中快適域外。 2月 昼13時に部分的に快適域内となる以外は、全て快適域外である。

149


表 9 東側縁側の快適域の時刻変化 ①9-11時

②12-14時

③15-17時

④18-21時

6月

1日中快適域内。 7月

1日中快適域外。 8月

1日中快適域外。 9月

1日中快適域内。 10月

朝拡大し始め、11:00 には全て快適域内となり、17時には全て快適域外となる。 11月

10:00 にわずかに拡大する以外は、全て快適域外となる。 12 月

1日中快適域外。 1月

1日中快適域外。 2月

1日中快適域外。

150


表 10 西側縁側の快適域の時刻変化 ①9-11時

②12-14時

③15-17時

④18-21時

6月

1日中快適域内。 7月

1日中快適域外。 8月

1日中快適域外。 9月

1日中快適域内。 10月

朝拡大し始め、11:00 には全て快適域内となり、17時には全て快適域外となる。 11月

10:00 より部分的に拡大し始めるが、13:00 には全て快適域外となる。 12 月

11:00 に拡大し始め、12:00 には全て快適域内となり、14時には全て快適域外となる。 1月

1日中快適域外。

151


2月

昼13時に全て快適域内となる以外は、全て快適域外である。

B-1-2

考察

①においては快適域を、縁側全体を通して考察する。季節ごとにそれを比較 すれば、夏は6月以外すべての時間帯で快適域外となっている。しかし、え んがわオフィスは7月開所の為、6月を経験しておらず、夏の縁側は過ごし にくいと感じているだろうと予測される。 秋では9月は1日中快適域内となるものの、10月以降は輻射を必要とする 時間帯が現れる為、縁側全体の面積において快適域が占める割合が減少する。 しかし、他の季節に比べれば快適域となる時間帯が多く、縁側で多くの時間 を過ごしやすい時期であることが予測される。 冬には1月以外は部分的に快適域が現れるものの、その時間は短く、午後に は全て快適域外となってしまう。これは冬に縁側で過ごす際に限られた場 所・限られた時間でしか心地よく過ごすことができないだろうと予測される。

②においては快適域を縁側の方位別に、それぞれの快適域の時間変化を比較 する。各縁側の快適域が発生する時間及び消滅する時間は、ほぼ同時刻とな る場合が多いのではあるが、縁側一つ一つの面積において発生する快適域が 占める割合に差が出た。これを比較すれば以下のようになる。 6月 8月 10月 12月 2月

北=東=南=西 北=東=南=西 南>北=東=西 南>西>北>東 南=西>北>東

7月 9月 11月 1月

北=東=南=西 北=東=南=西 南>西>北>東 北=東=南=西

この様に、全てが快適域内・快適域外となる月以外、常に快適域に有意差が 現れている。その順位は常に南側の快適域が他の縁側よりも大きいことを示 し、西側の縁側がそれに続く結果となった。これは快適域に輻射量や日影図 を考慮しなければならない月に限られ、日射の当たる時間の多い南側が優位 となることからも自明ではあるが、その差は気温が下がるに従って大きく開 く結果となった。 152


12解析結果の分析