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高岡市本丸会館 保存・活用にかんする一次提案書

(概要版)

2009年5月・本丸会館とまちづくりの会

(序章・建築的価値の保存)

1. 本丸会館をいきた建築遺産として保存することを提案します  本丸会館・本館は高岡電燈本社ビルとして1934年に竣

マ ッ タ

工しました。日本の近代建築運動の先駆けとされる分離 派建築会の矢田茂(1896-1958)が清水建設にて設計を 担当しました。本会は解体にチョットマッタを主張する とともに、国内でもまれにみる近代建築遺産の代表例と して、建築的・歴史的な価値の保存を提案します。

(3章・本丸会館からはじまるまちづくり)

2. 本丸会館からはじまる、新しい高岡のまちづくりを提案します  本会は、建築的価値の保存をとおして、本丸会館を新 しいまちづくりの拠点とすることを提案します。本丸会 館は高岡の旧市街と新市街の中間地点に位置し、高岡市 のメインストリートである広小路に面し、背後には古城 公園があるなど今後のまちづくりを考える上で非常に重 要な立地にあります。そのため様々な活用の可能性が考 えられます。その一つとして、新館等の跡地を誰もが気 軽に利用できる都市公園として整備する案があります。 これにより、古城公園と連続する新しいパブリックス ペースが生まれ、広小路沿いに新しい高岡の中心地が生 まれます。このように、ただ建築的な価値を残すのでは なく、まちづくりの視点からの保存・活用を考えること 重要であると考えます。

(1章・維持管理費の課題)

3. 諸制度の活用・受益者負担により、無駄のないコンパクトな運用を提案します  現在の本丸会館は4つの建物から構成されています。 全棟保存した場合、当然多額の維持管理・修繕費用が生 じます。本会はその建築的価値を重視し、本館のみの保 存活用を行なうことで維持管理経費のコンパクト化を行 なうことを提案します。高岡市は本丸会館にたいし年 5,000万円の経費を要していると公表していますが、こ のおおよそ2/3は人件費など施設管理公社の運用に関わ

450

4,550

る費用です。これらの無駄な費用を全て削減し、本丸会 館・本館に要する最低限の維持管理コスト(光熱水費) を試算した結果、年450万円程度で十分であることがわ

施設管理公社の総支出にたいする本館の光熱水費の割合


補助金受給対象

かりました。また、今後の保存・活用により、修繕費や 耐震改修費などの発生も考えられますが、これは文化財

修繕費

登録や歴まち法のコア事業とすることで、国からの補助 人件費・管理費など

を受けることができます。以上をふまえ、利用者など受 益者負担とすることで無駄のないコンパクトな運用を行 ない、かつ文化財保護法等の制度を積極的に活用するこ とを提案します。

光熱水費 約450万円

受益者負担

ランニングコストのイメージ (1章・耐震強度の課題)

4. 今後、専門家による耐震診断の実施が求められます  本丸会館は本館、別館、新館、保健センターの4棟か らなる建築物群です。問題とされている耐震強度にかん しては調査結果などが公表されているわけではなく、こ

保セ

れを検証するには資料が不足しています。そこで本会 別館

新館

は、2009年3月、市に対して情報公開請求を行ない本丸

本館

会館本館、新館、別館の3館の竣工図面を入手しまし 広小路

た。今後は専門家の協力のもと、耐震診断等を行なうこ とが求められます。

(2章・保存活用へのプロセス)

5. 保存活用にむけ、<使いながら考える>シナリオを提案します  本丸会館の保存/解体という問題について、現時点で

現在

保存協議期間

コ ンセ ン サ ス ×

3∼4 年程度

市民のコンセンサスは得られていません。そこで、本会 保存

コ ン セ ン サス の 形 成

は3∼4年程度の<保存協議期間>を設定し、積極的な 市民

議論、および現状維持した上での積極的活用を行なうこ とにより、市民で本丸会館の問題を考える期間を設ける ことを提案します。またこれに併せ、積極的な議論を行

「 保 存 協 議 会 」: 保 存案 の 議 論

本会

解体

「 本 丸 会 館 R P 」: 本 館の 積 極 的 活 用 専門家

う「本丸会館保存協議会」(以下、「保存協議会」)、 積極的活用をおこなう市民団体「NPO本丸会館リノベー ションプログラム」(以下「本丸会館RP」)という2つ

調査研究

所有 高岡市

専門家

管理 積極的活用

保存協議会

「活用企画書」 の承認

企業の代表者などから構成します。専門性のある議論を

「活用企画書」 の提出

行うことで、現実的な保存・活用案を策定すことが求め

市民

られます。

地元企業

市民

関係団体

広報

の組織の設立を提案します。  <保存協議会>は市民、行政、有識者・専門家、地元

本丸会館

市民

本 丸 会 館 RP 行政 地元企業

教育機関

 <NPO本丸会館リノベーションプログラム>は市民の 有志によるNPO団体です。本丸会館の「活用企画書」を 作成しこれを実行すること、活用方法についての調査・ 研究を行なうこと、本丸会館の価値を市民にひろめるこ となどが期待されます。

[企画] 本丸会館とまちづくりの会 http://hon-maru-kaikan.cocolog-nifty.com/ [編集] 法澤龍宝/法澤建築設計事務所 http://homepage.mac.com/ryuho/rha_web/


hmk renovation 1ji teian, Digest