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輝く女性たち

その手、しなやかに そして、力強く郷土の誇りを紡ぐ 安曇野市天蚕センター:望月 陸 るそうだ。「見学にいらしたお客様の前で昔ながら の手機織(てばたおり)作業をお見せするのですが、 使用するのはグラム単価 1,000円もする本物の天 られた反物は、一反 100万円はするのだとか。呉服 の本場・京都では 400万円以上の値で取引されるこ ともあるという。「天蚕は、この地で長く続いてい

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る産業。携わる者として、これからも大事に守り、

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蚕。神経は使いますね」こうして1本1本丹念に織

育てていきたいものです。このセンターの活動がそ んな一助になるなら」郷土に根付く産業『穂高天蚕』

モンド」とまで称される天蚕。安曇野市穂高の有

を大事に思い、慈しむよう

明地区では、天明年間(1781年∼1788年)より

に紡ぐ望月さんの手は、し

この貴重な天蚕の飼育が始められ、最盛期の明治

なやかだが力強い。「天蚕

30年頃には 800万粒もの繭を生産したこともある

の幼虫は、病気に弱く、自

そうだ。その天蚕の歴史を現代に伝える「安曇野市

然界には鳥などの天敵も多

天蚕センター」で働く望月陸さんは、この仕事を

いんです。本当に育てるの

始めてもう20年以上になる。

は大変なのですが、穂高の

 「ここで働き始めたのは、昭和 60年頃。私は松

この地は生育に適している

本の出身なのですが、実はこのセンターに入るま

のでしょうね」手を休める

で天蚕のことは知らなかったんですよ。最初、仕

ことなく、そう言って笑う

事に慣れるまではもう大変で…。皆さんにも迷惑

望月さん。その笑顔は、少

を掛けました(笑)」織り機の前に座り、馴れた手

しだけ誇らしげに見えた。

つきで器用に実演してくれる望月さん。その姿か

P r o fi l e Azumino tensan center

らは、そんな過去があるとは想像できないが、熟 練の技は一日にして成らず、か。日々の努力に培 われた今があるからこそ、その頃のことも笑って 話せるのだろう。  貴重な天蚕糸を扱うがゆえの気苦労も、勿論あ

安曇野市天蚕センター: 望 月 陸

松本市出身 安曇野市天蚕センター勤務。 貴重な天蚕を使用した昔ながらの手機織作業 を、同センターに訪れた見学者の前で実演す る。

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 伸縮性に富み、その優美な光沢から「糸のダイヤ

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