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美 味彩麗紀行 ソムリエ、 石田通也の信州「美」 「食」 「人」巡り vol.03

薄井朋介(うすい ともすけ)

ソムリエ:石田 通也

「白馬錦」の醸造元である株式会社薄井商店代表取締役。『地酒と料理で

1970年生まれ。フリーのシニアソムリエ。ソムリエとして数々

遊ぼう会』ほか様々なイベントを企画・運営、日本酒の普及に務める。

のコンクールに入賞。ドイツワインケナー、利き酒師、ビア

今年で 3 回目となる『北アルプス三蔵呑みあるき』を 9 月 11 日(土)

テイスター、としても活躍中。現在NHK文化センターのワイ

に開催予定。詳細は同イベントのサイトよりご確認下さい。

ン講座講師を勤める傍ら、お酒を通じた食文化の普及啓発活

『北アルプス三蔵呑みあるき』http://www9.plala.or.jp/nomiaruki/

お 酒 の 楽し み 方

動を行っている。

に美味しくなる。私はそういった飲み方を提唱していたのですが、当時 はまだ『大吟醸を燗にするなどけしからん』という風潮が強かった。そ

石田 社長と初めてお会いしたのは…

んな中で、薄井社長が賛同して下さったのは嬉しかったです。

薄井 もう8∼9年前になりますか。僕が企画していた『地酒と料理で

薄井 例えば、日本酒の純米吟醸だとキンキンに冷やす、常温、ぬる燗、

遊ぼう会』というイベントにゲストとして参加して頂いたんですよ。石

常燗、と温度を変えることで 4 つの味を楽しめます。あっさりとした肴

田さんにはお酒の話をしてもらったり、日本酒をメインとしたカクテル

には冷やしたものを、脂っこいおつまみなら少し燗をつけることでもっ

を紹介してもらったり…。

と美味しく飲めるし脂を流してくれる働きも生まれる…お酒は温度で味

石田 毎回タイプの違う3種のカクテルを御紹介したのですが嬉しいこ

が変わるんです。自分の好きな温度帯を探すのも、日本酒を飲む際の

とに、あのカクテルは毎回売り切れになるほどの御好評を頂きました。

楽しみのひとつかも知れませんね。

薄井 そこからの付き合いで、私が企画した様々なイベントにも参加し

石田 ワインにしろ日本酒にしろ『このお酒はこう飲むべき』という発

て頂きました。石田さんとは何となくウマが合うというか…。二人とも飲

想が、私はあまり好きではないのです。日本酒も縛られることなく柔

むのが好きだし(笑) 。イベントが終わるのが大体、夜の 10 時頃。そ

軟性を持っていろんな温度帯を楽しめば良いのでは、と思います。

こから「じゃあ、軽くビールでも…」と始まって。彼と飲むと 12 時前に

薄井 僕なんか生酒もお燗しちゃいますよ(笑) 。

終わったためしがないですね。 朝の9時まで飲んだこともあったなぁ (笑) 。

石田 それはすごいですね(笑) 。

石田 近くのホテルに部屋を取っていたのですが、部屋に泊まったの

薄井 石田さんも先ほど仰ったように、 『こうでなければならない』と

は結局カバンだけだったという(笑) 。

いうものはない。美味しく感じるのなら、飲み方は自由。その方が楽

薄井 石田さんと飲むのは本当に楽しいんですよ。間違いなく、これ

しいですしね。楽しければ料理も美味しいし、お酒も一層美味しくなる

から伸びていく期待されるソムリエの一人だと思います。素直にお酒を

じゃないですか。

見てもらえるのが、蔵元の人間としては何より嬉しいですね。

石田 そういった意味では、女性の飲酒率が高まっているのはとても

石田 私の薄井社長の最初の印象は、良い意味で怖い人。そのイベン

喜ばしい傾向ですよね。女性のお酒の飲み方・選び方は自由で広がり

トでは3つの酒蔵が一堂に会していたのですが、それぞれの蔵同士のプ

がある。その辺が男性は少し柔軟性に欠けるかもしれません。 。

ライドもある日本酒業界において組合、行政などの第3者が介入せずま

薄井 男女問わずお酒は楽しく飲んでもらいたい、というのが私の望

とまると言う事は非常に珍しいことなんです。そんな難しいことを可能

み。いろいろなイベントを開催している理由のひとつもそこにあります。

にする薄井社長という方は、一体どういう方なんだろう、と思っていた

石田 楽しく飲む…その通りですね。私は日本人はもっとパーティーを

んです。でも、薄井社長と一緒に飲ませて頂いて『ああ、この方は本

開いた方が良いと思っています。華やかなパーティーならではの雰囲

当に日本酒業界全体の事を考えてらっしゃるんだ』ということが分かり

気と緊張感の中でお洒落をしてお酒も楽しむ文化が日本でも広まれば

嬉しく思ったのを覚えています。今の日本酒業界にとって、薄井社長の

良いな、と。

ような方がいてくださる事は心強い限りです。その頃はタブーとされて

薄井 まったく同感。私もこれからもパーティー形式のイベント開催を

いた『大吟醸を燗にするとか、アルコール度数の高い原酒をオンザロッ

続けていきたいと改めて思いましたよ。それに、華やいだ場に参加す

クで飲む』という飲み方を取り入れてくれたのも薄井社長でしたね。

ると気持ちも若返りますよね。 『今日はネクタイを「トトロ」にしようか』

薄井 どう飲もうと美味しけりゃ良いじゃん、と思うんですよ(笑) 。

なんて思ったり(笑) 。

石田 その通りです(笑) 。もちろん、同じ大吟醸でも燗が合うもの、

石田 社長の若さの秘密もそこにあるのかも知れませんね。今日はど

合わないものとあるのですが、合うものは本当に燗をつけることで更

うもありがとうございました。


bimi_201007