Page 1

ソ ム リ エ 石 田 通 也 の ワ イ ン コ ラ ム

Le vin et La vie ワインのある暮らし ソムリエ:石田 通也 1970年生まれ。フランス本社「ブリストル・ジャ ポン」長野地区エージェント。フリーのソムリエとし てホテルやレストランのイベントで活躍するほか、 N HK文化センターのワイン講座講師も務める。(社) 日本ソムリエ協会認定「シニアソムリエ」。

010.和食とワイン  お正月、日本人の食が欧米化してきたと言っても、この月は和食を召し 上がる機会が多い事と思います。日本にも定着しつつあるワインですが、 和食との相性はどうなのでしょうか。  ワインを「味」で合わせる場合、重要な要素は「酸」になります。この 酸と相性が良く、バランスをとってくれるのが脂(油)で、この脂は赤ワ インのタンニン(渋味)ともまた相性が良いのです。つまり、肉類やオイル、バターを多用する西洋料理は自ずと 相性が良くなります。逆に「辛口」のワインが嫌うのが、料理の甘味や強い旨味です。では脂分が少なく、甘味・ 旨味のしっかりした物の多い日本料理とは相性が悪いのでしょうか?  以前、ある漫画で「ワインは魚介類には絶対に合わない」と言う主張がありました。根拠は、『魚介の磯(生)臭 さを煽るから』だそうです。しかし、磯の香りの好きな方にはどうでしょう?それは最高の組み合わせとなります。 前述も踏まえ、確かに理論上は厳しい所もあるかも知れませんが、料理との相性はあくまで客観ではなく主観であ るべきだと思います。我々プロは、そのそれぞれの主観に沿えるように理論も勉強しているのです。  日本人は、美意識を1つの感覚器ではなく五感全てで楽しむ事が上手な民族です。味が難しければ香りで合わせ ても良いし、服の色や料理の色、還暦に赤とかお花見にロゼ、星空(お月見)と泡など見た目に合わせても良い、 注ぐ音を楽しんだり音楽を合わせても良いし、渋い人に渋いワイン、熱い人にホットワインなど触感で合わせても 良い…要は楽しむ幅は無限にあるので、和食でも「これにはこれ」と決めつけず、自分なりの楽しみを発見して頂 きたいのです。そして、それを『手助けする事』がプロの役割だと思っております。まだ発展途上の和食とワインは、 裏を返せば新たな発見の宝庫なのです。

ソ ム リ エ 石 田 通 也 の ひ と り 言 ∼ コ ス ト パ フ ォ ー マ ン ス ∼ 私が20代前半の頃の事なのですが、私も名だたる高級ワインを追いかけていた時期がありました。仕事がフレンチだったのでフ ランスの物が多かったのですが、ある日イタリアンのマネージャーから「石田君、イタリアにも良い物があるから飲んでみな」と1 本のワインを渡されました。飲むとフランスの高級ワインにも勝るとも劣らない素晴らしさでした。しかし、本当に驚いたのはその 後で「よほど高いワインではないですか?」と伺うと「3,500円だよ」と…まさに驚天動地…その頃からワインは高い物が良いと いうよりも、良い物を安価で提供し、少しでも多くの人に楽しんでもらおうとする生産者の姿勢に畏敬の念を抱くようになりました。 石田さんを驚かせたワインの銘柄はパプリカブログで! ! http://ameblo.jp/paprika-n/

bimi_201001  

Le vin et La vie

Read more
Read more
Similar to
Popular now
Just for you