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PROJECTS IN UNIVERSITY KAZUKI ONOGI PORTFOLIO


大野木 一輝 / おおのぎ かずき 1995 京都 生まれ 2017 近畿大学 松岡聡研究室 卒業 2018 東京工業大学大学院 山崎鯛介研究室 入学 Mail onogi7325@gmail.com


作品 ・交差点の広がる町  2017 近畿大学 卒業設計   ・町をひとつの宿に見立てるエントランス  2016 近畿大学 研究室プロジェクト


交差点の広がる町


島之内地区で交差点を広げる建築の「かた」の提案


島之内地区について  島之内地区は大阪市中央 区に位置する。地域内には 商業施設が多数点在してい る。観光客や近隣のオフィ ス街で働く社会人を含む多 くの人が、これらの施設を 利用するためにこの地域を 出入りしている。


南船場

長岡通

島之内地区

道頓堀川

難波

千日前

阪神高速

阪神高速

堀江


交差点の広がりについて  この町の交差点には広がりがあ る。建物や敷地の構えに応じて、 交差点が面的に広がっている。町 の人たちは広がった交差点で、よ り複雑で多様な活動を行う。「交 差点の広がり」はこの町を特徴付 ける質を持った都市空間である。


交差点の広がり方のタイポロジー  交差点の広がりは、3 つのタイプに分けるこ とができる。左から「オープンな屋外」 「内外 の連続」「遠景への抜け」とする。


広がり方① : オープンな屋外  建物のセットバックによって生まれた 屋外空間が交差点を広げる。オープンス ペースとして自由に利用される。


広がり方② : 内外の連続  店舗が交差点に対して大きく開 くときに発生する。店舗空間と交 差点空間が一体となり、広がりを 形成する。


広がり方③ : 遠景への抜け  空き地や駐車場越しに、隣接する 建物や風景の様子が見える。角地に 建物が建たないことで、交差点が視 覚的に広がる。


交差点の広がりのゾーニング / 問題提起  交差点の広がりの 3 タイプをゾーニングとして記述 した。この図では、交差点の広がりが自身の質を変えな がら連続する、この町ならではの街並みを表現している。  現状の街並みは細切れになっており、町の部分的なエ リアには行き届いていない。原因は、広がりの無い交差 点及び同種の広がりが連続していない箇所がそれぞれ点 在していることである。


交差点を広げる建築の提案  分断されたゾーニングをつなぎ合 わせ、交差点の広がる街並みが途切 れること無く続く状態を目指す。  本計画は、問題のある交差点の内 1つをケーススタディとして取り上 げる。そしてこの地域で交差点を広 げるための、建築の「かた」を提案 することを目的とする。


交差点を広げる建築のスタディ①


交差点を広げる建築のスタディ②


交差点から計画案を見る。   複数の建物が一体となって交差 点を広げる。建て替えと既存の改修 を段階的に行い、交差点を徐々に広 げていく。


かたのダイアグラム①  建築ボリュームを最大限に採 ると、交差点を広げることはで きない。


かたのダイアグラム②  建築ボリュームを集散させる と、交差点を広げるための空間 を作ることが可能となる。


かたのダイアグラム③   シ ア ン で 塗 ら れ た 部 分 を、 オープンな屋外として利用する ことができる。


かたのダイアグラム④  ボリュームの集散によって ファサードが多面化する。マゼ ンタに塗られた部分が交差点に 内外の連続感を与える。


かたのダイアグラム⑤  ボリュームの無い部分から遠 景の抜けが生まれ、交差点を視 覚的に広げる。


かたのダイアグラム⑥  建て替える建物に隣接する既 存のサイドファサードを改修 し、交差点の広がりに組み込む。


南側の立面を見る。


西側の立面を見る。


建て替え 既存改修


既存

既存

既存

既存

1 階平面図


既存

店舗 既存

店舗 店舗

既存

既存 店舗 店舗

2 階平面図


既存

店舗 既存

店舗 店舗

既存

既存 店舗 店舗

3 階平面図


既存

住宅 既存

住宅

既存

事務所

既存 住宅

4 階平面図


既存

住宅 既存

住宅

事務所

既存

住宅

5 階平面図


既存

住宅 既存

住宅 住宅

6 階平面図


既存

既存

住宅

7 階平面図


既存

住宅

8 階平面図


住宅

住宅

既存

住宅

既存

既存

既存

既存

既存

既存

既存

既存

既存

既存

既存

既存

事務所

事務所

店舗

店舗

店舗

A 断面図


住宅

住宅

住宅

住宅

事務所

住宅

事務所

住宅

店舗

店舗

店舗

店舗

B 断面図


既存建物から、交差点空間を見通す。  これまで交差点と関わることの無かった建物が、 集散するボリュームを通して交差点の広がりに関わ り始める。広がりの存在しなかった交差点は一転し て、町のどの交差点よりも大きく複雑な広がりを見 せるようになる。


屋上テラス群を見る。  屋上テラスはボリュームが 分散する過程で発生する。テ ラスはそれぞれの階を占有 する人々の共有スペースにな る。そして交差点空間に新し いスカイラインをつくる。


オフィス空間を俯瞰する。  ボリュームを集散させることで、 内部空間には不規則に柱とコアが配 置される。家具や什器はそれらに影 響を受けるようにレイアウトされ、 複数の場所が生まれる。


オフィス空間を見渡す。  柱とコアによって場所を分割 しつつも、端から端まで見通せ る程に透明性の高い内部空間と している。視界を遮る壁を立て ないことで、どこにいても交差 点の広がりを感じられるように なっている。


町をひとつの宿に見立てるエントランス


簡易宿所とアメニティをネットワークし、 釜ヶ崎をひとつの大きな宿泊空間にする。


釜ヶ崎地区について  釜ヶ崎は大阪市西成区に 位置し、あいりん地区とい う 呼 称 で 親 し ま れ て い る。 周辺には難波や天王寺と いった活気のある商業地域 が存在する。年々高まるイ ン バ ウ ン ド の 波 に よ っ て、 多くのバックパッカー、観 光客が姿を見せる。


難波

釜ヶ崎地区

天王寺


日雇い労働者の集まる釜ヶ崎


簡易宿所について  日雇い労働者に格安の 寝床を提供する簡易宿所 が町に数多く点在する。 1 日あたりの宿泊費の相 場は 1000 円から 2000 円。


最低限のサービスと格安の宿泊費  簡易宿所を構成するのは、3畳の寝床と共有 のトイレ、キッチンのみである。一般的なホテ ルに求められるサービスの大半を手放すこと で、破格の宿泊費を実現させている。


GUEST ROOM

GUEST ROOM

GUEST ROOM

GUEST ROOM

GUEST ROOM

KITCHEN ROOM

WC

BALCONY

GUEST ROOM

GUEST ROOM

GUEST ROOM

GUEST ROOM

GUEST ROOM

GUEST ROOM

GUEST ROOM

GUEST ROOM

GUEST ROOM

CORRIDOR

GUEST ROOM

GUEST ROOM

GUEST ROOM

GUEST ROOM

GUEST ROOM

GUEST ROOM

GUEST ROOM


宿泊のサービスを補う町のアメニティ  簡易宿所は手放したサービスを町に点在するアメ ニティ施設 ( 飲食店、娯楽施設の総称 ) で補っている。 訪れた人は町を渡り歩くようにして宿泊する。町が ひとつの宿泊施設のようである。


銭湯

ゲームセンター

パチンコ

麻雀

ロッカールーム

コインランドリー

スーパーマーケット

コンビニエンスストア

生鮮食品店

酒屋

居酒屋

スナック

外食店

カフェ

タバコ屋

お惣菜屋

簡易宿所


釜ヶ崎の宿泊リサーチ : 簡易宿所  釜ヶ崎での宿泊の実態を確かめるため、宿と アメニティそれぞれをリサーチした。  右図は各簡易宿所を出入りする人の頻度と方 向を調べたものである。定点観測で得られた結 果を、1 時間ごとに作成された 24 枚の円盤を 用いて、頻度を直径、方向を偏心で記述した。 宿泊者が何時にどこへ出かけ、帰ってくること が多いのかが分かる。



釜ヶ崎の宿泊リサーチ : アメニティ  アメニティの容量を、1 時間ごとに記述した。 容量は、その場所、時間帯に開業しているアメニ ティ施設の床面積の合計で決定される。青色の波 が高く立っているほど容量が大きく、多くの人で 賑わっているエリアと言える。


0:00~0:59

1:00~1:59

2:00~2:59

3:00~3:59

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5:00~5:59

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7:00~7:59

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10:00~10:59

11:00~11:59

12:00~12:59

13:00~13:59

14:00~14:59

15:00~15:59

16:00~16:59

17:00~17:59

18:00~18:59

19:00~19:59

20:00~20:59

21:00~21:59

22:00~22:59

23:00~23:59


釜ヶ崎で都市依存型宿泊が行われている範囲  簡易宿所リサーチとアメニティリサーチを組み合わせた図。 これが表現しているのは、釜ヶ崎に特徴的な都市依存型宿泊が 実現されている範囲である。現状では、実現されているのは限 られたエリアのみで、半分以上のエリアは都市依存型宿泊に参 加できていない。


釜ヶ崎を宿泊施設と見立てられる範囲を広げる。


街全体で宿とアメニティをネットワークする仕組み  都市依存型の宿泊をより広域なものとするため、エントランス施設を 計画する。エントランスはこの町を訪れた人が初めに足を運ぶ場所で、 釜ヶ崎に点在する宿とアメニティの情報を宿泊者に提供する。


エントランス施設の構成ダイアグラム  複数の敷地に分棟で計画する。各棟は既存建物の 改修によってつくられる。1 階は壁を取り払ったパブ リックな空間、2 階はエントランスの機能を満たす空 間とする。


犬走り空間からエントランスを見る。


犬走り空間について  歩く道の選択肢が増える ことは、町の魅力の向上と 直結する。町を歩く楽しさ を増幅させるために、犬走 り空間を整備する。


エントランス施設として使用する犬走り空間の選定  フィールドワークによって人の通れる犬走りを特定し、それらをつな ぎ合わせるエントランスの配置検討を行った。


人が通れる犬走り

エントランス


塀に設えられたキッチンを見る。  地域内のスーパーで買った食材を調理し、 塀の向こう側にあるダイニングスペースで自 由に食事をすることができる。


多様な使われ方をする釜ヶ崎の塀  屋外で 1 日の大半を過ごす日雇い労働者に とって、塀は重要な都市エレメントである。右 図の写真のように、自由で多様な使われ方をす る。こうした塀の在り方をエントランスの設計 に生かす。


1 階平面図


2 階平面図


受付

犬走り

ダイニング

倉庫

キッチン

断面図


立面図


エントランス施設を俯瞰する。  犬走りがボリュームの足元に引き込ま れ、ダイニングスペースに変化する。


道路からエントランスを見る。  自由に通り抜けできる 1 階と、区画の 内側にオフセットされた塀のおかげで、 ファサードの透明性が周辺建物と比べて 大きい。


犬走りからエントランスを見る。


犬走りを介してエントランス 2 棟を見通す。  整備された犬走りと塀が、離れた敷地に分棟で建っている エントラス間をつなぐ。


キッチンとダイニングスペースを見る。


ダイニングスペースから 2 階を見上げる。  2 階の壁は取り払わず残し、囲みのある天井をつくる。 自由に行き来できる開放感のある空間と、頭上を壁に囲 まれた落ち着きのある空間を両立させている。


Kazuki Onogi Portfolio  

大学の作品をまとめたポートフォリオ

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