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multilayer screen


concept AR やプロジェクションマッピング、バーチャルライブ等、時間や環境を含めたリアルタイムな映像 体験を身近に見るようになった近年、映像はよりイベント性のある、新しいエンターテインメント の形を見出しつつある。私はその可能性の一つとして、透明スクリーンを用いたマルチレイヤー映 像での新しい体験を提案する。それが『マルチレイヤースクリーン』だ。 この映像体験の最大の特徴は 3 枚の透明スクリーンが平行に並んでいることだ。物理的な平面の積 み重なりにより、3D 映像とは違った立体感を得ることができる。また、このレイヤー構造は映像 鑑賞における視点の固定を必要としない。側面から各レイヤーを覗きこむなど、既存のディスプレ イにはない新しい楽しみ方を提供できる。映像表現が急速に多様化し、身近に感じられるようになっ た今だからこそできる、価値ある体験をこの『マルチレイヤースクリーン』で実現する。


idea マルチレイヤー構造を実現するにあたっ ての構想。最終的にプロジェクション マッピングによる一台のプロジェクター で3枚のレイヤーに像を投影する方法を 採用した。大型化を考慮する際、プロジェ クターは相性がよく、また機材が少ない ことは不備の回避など利点に繋がると考 えた。


design

透明スクリーン ×3

マルチレイヤースクリーンのイメージは、宙に浮く 3 枚の板だ。人々には3枚の板を様々な角度から眺めて 欲しかった。そうなると、プロジェクターの光は非常 に厄介だ。そこで透明スクリーンを宙に下げ、光を上 方へ逃す方法を考案した。 鑑賞者の視点を避け、なおかつそれぞれのスクリーン に光を当てる反射鏡の角度や、スクリーンの高さなど は重要な要素だ。しかし、構造的には簡易であり、ど こにおいてもすぐに設置することができるのは、この スクリーンの大きな特徴だ。 プロジェクター 反射鏡


image 3枚のスクリーンに映し出されるマルチスク リーン映像。透明スクリーンの透過性を利用す ることで、マルチレイヤー構造による映像の多 層表現を可能としたものだ。


物理的な平面の積み重なりで表現されるため、 見る角度によって様々な立体感を得ることがで きる。


各層の映像は鮮明に映し出されている。正面だ けではわからない細かな点も、覗きこむことで 発見できるのだ。スクリーンの周囲をぐるぐる と回り鑑賞することは今までの映像体験に無 く、実に新鮮味に溢れている。


このりんごは、版画などでよくある多色刷りを 参考にしたものだ。光であるため、色を重ねる と白に近付いていく。3枚のレイヤーに単色の 像を映し、色鮮やかなりんごを出現させるとと もに、構造的な理解にも繋がる。


vision この映像表現の効果を最大限に活かすためにも、歩くことで 3 枚 のレイヤーの距離感が感じられる大きさを目指していきたい。3 枚のレイヤー構造であることは、側面から各レイヤーを覗きこむ など、既存のディスプレイにはない新しい楽しみ方も提供出来る。 小さなモデルで一度に全貌が見渡せるのではなく、歩くなどの行 動を交えた映像の楽しみ方がこのマルチレイヤースクリーンで実 現できると期待している。 またコンテンツについても、3枚のレイヤーという特性上先例が なく、まだまだ魅力ある表現方法が追求できると考えている。 将来的に、映像表現はとても身近なものとなるだろう。プロジェ クターは各家庭に一台、透明スクリーンが店の窓に貼られること が当たり前になるかもしれない。その中でもぶれない価値ある体 験としてこの研究を進めて行きたい。


Thank you for viewing!


Multilayerscreen  
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