Polish Culinary Paths, ポーランド料理道

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香 辛 料 、香 草 、料 理 の 付 け 合 せ

伝 統 的 な 調 味 料 と 付 け 合 わ せ

· ポーランド料理によく使われる調味料は塩で、昔最も主要な保存料の一つ として利用されていました。ポーランドでは、岩塩の鉱床は西部、中部と南部 にあります。一番有名な岩塩鉱はヴィエリチカに位置し、20世紀の70 年代から ポーランド遺産、そして1978 年から世界遺産として登録されています。 · 伝説によると、ヴィエリチカ周辺の塩が発見されたのはポーランド支配者 のボレスワフ・フスティドリヴィ Bolesław Wstydliwy(1226–1279)の妻となっ たハンガリーの王女、聖キンガ Kinga(1254–1292)のおかげだったようです。 旅行中の聖キンガは現在岩塩鉱がある所で夜を過ごすことにし、すぐ眠りに 落ちましたが、振動で目が覚めたのです。直ぐに召使いに穴を掘らせると、見 つかったのは塩でした。聖キンガは結婚の贈り物として自分の新しい国、ポー ランドに塩を捧げることにしました。 · 塩は昔、とても高価なものでしたが、現在は安く誰でも手に入れられるよう になり、ポーランド料理に塩がないことは想像しがたいほど一般的に使われて います。塩漬け、パン、肉・魚料理に欠かせない材料です。様々な儀式にも重 要な役割を果たしていました。悪霊から守ったり清めたりすると信じられてい たため、人生の重要な出来事に登場することも度々あり、赤ちゃんの産湯に入 れたり、結婚式で新郎新婦を迎える際、故人が見送られる際も使用されまし た。お守りとして持つ塩は、安全の確保や家と家畜を火事から守り、もしこぼ すと喧嘩の兆しとされました。 · 昔のスラブ人にとっては、ニンニクも欠かせない物でした。調味料だけでな く薬として扱われていたり、また魔法の力があり悪霊や鬼、特に吸血鬼を追い 払う効能を持つと思われ、大切にされていました。 · その他に、現在まで料理の付け合せとして用いられ続けている人気の食 物は西洋ワサビです。西洋ワサビの葉はパンを焼く時に使われ、またバター

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