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Go Blog of Liyuhan

Abstract Preface: As with the cuisine in Okinawa, the first thing comes into people’s mind is pork food. Pork food like Rahute, mimiga, and etc, are typical Okinawa Cuisine well-known all over the country. In the meanwhile, pork dishes, as formal oblations, are indispensible in special occasions, such as funerals, weddings, sacrifice days, the annual event, and so on. In Okinawa, the word “meat” simply means pork, and traditionally, no Okinawa dishes can be made without pork. From this, we can see the dominant role pork plays in the food culture of Okinawa. However, according to the investigation (on the basis of annual consumptions of pork in Okinawa from 1966 to 2005) conducted by me, the proportion of pork consumption has experienced a dramatic change from 1966 to 2005. At the very beginning, compared with beef and chicken, the percentage of pork eaten by people in Okinawa was extremely high. Yet with time going by, the proportion of pork consumed has dropped significantly.

Main Structure: With regard to this change, I would like to have a discussion about the pork food and food culture in Okinawa in this essay. Firstly, I will try to give an explanation towards the problem why pork food owns such a special position in Okinawa’s food culture. This problem will be discussed from a historical and cultural viewpoint. Secondly, a discussion will be made on the change of the pork consumption in the meat-consuming structure made up by consumptions of pork, beef and chicken. I will compare the proportion of pork consumption with chicken and beef, and try to analyze the cause to its change, thereby predicting the change of the food culture in Okinawa. Thirdly, I will reason the possible effects upon the development of the food culture in Okinawa according to this change.

Conclusion: First, possible reasons contributing to the previous dominant role of pork food in Okinawa can be the following three. To begin with, unlike the mainland of Japan, there is no religious taboo for pork food in Okinawa, which encouraged the consumption of pork there. What’s more, the history-honored tradition for pig breeding is another explanation for the large use of pork in cooking. Moreover, pork food as a necessary element in special occasions like annual event, adult ceremony, and sacrifice days guaranteed the stable consumption of pork.


Go Blog of Liyuhan Second, as regards why the percentage of pork consumption went down gradually in the post war time, I think the influence from western countries and the modern life style cannot be ignored. The United States and other countries have brought fast food chains like A&W, KFC,Macdonald’s and new cooking method to Okinawa. Because of the fierce competition in the modern world, the speed of life has become so fast that people now have little time to prepare for their meals at home. With these two reasons combined, now Okinawa locals prefer to have fast food and western cuisines (like the beefsteak), which leads to the transform from a predominant pork consumption to a more balanced consuming structure with proportions of chicken and beef consumption increased. This change is also a reflection of the trend to eat outside in fast food restaurants or with cooked food taken rather than the old habit to have food at home. Lastly, possible results of this phenomenon can be impacts on the longevity and traditional culture in Okinawa.


Go Blog of Liyuhan 小論文

豚肉を通して見る沖縄食生活の変遷 はじめに 沖縄料理といえば、豚肉料理が一番先にあげられるだろう。ラフテーやミミガーといっ た豚肉料理は、沖縄の代表料理として日本全国で知られている。豚肉料理は、沖縄のハレの 食として年中行事や冠婚葬祭のときの行事食にも欠かすことができないものでもある。沖縄 料理は豚肉なしでは成り立たないともいわれている。では、沖縄の食肉消費量の中で豚肉の 割合は実際にはどの程度なのだろうか。そこで、1966 年から 2005 年までの沖縄における肉 食年間 1 人当たりの消費量をみると(1)、確かに最初、豚肉消費量は食肉消費量の中でも非常 に高い比率を占めていた。ところが時間のたどりについて、食肉消費量における豚肉の割合 は下がる一方であった。そこで、本論文ではまず、沖縄において豚肉消費量比率が高い理由 について、歴史と文化の視点で解釈していきたい。次に、豚肉を中心とした食肉構造である が、時代とともに変化し、現在では牛肉や鶏肉も多く食べるようになり、豚の消費量比率は 低下しているが、それはなぜだろうか。また、こうした食肉構造の変化は、沖縄の食文化に どのような変化を表わしているのだろうか。そして最後に、その沖縄の食生活の変化によっ て、どのような影響がもたらされるだろうか。以上の諸点について検討していきたい。

1.沖縄における豚肉食の歴史およびその位置づけ 沖縄における豚肉食の歴史といえば、琉球王国に遡らなければならない。沖縄は 1879 年 (明治 12 年)までは琉球王国として存在した。琉球王国は 15 世紀はじめから、約 500 年間 は、中国冊封体制と日本の幕藩体制の狭間に置かれ、中国、日本とは多くの貿易や交流が行 われたため、料理文化や食思想は中国と日本と多くの関わりがある。 さて、琉球における食肉文化であるが、仏教の影響が強い日本本土では、明治時代にな るまで、哺乳類の肉を公然と食べることはタブーであったに対し(2)、琉球では、日本のよう に仏教の殺生戒・肉食禁止が浸透せず、古くから獣肉の食習が定着して、肉食タブーのない 食生活が営まれてきた。しかし、かつての琉球では主な肉食として牛や山羊が多く食べられ ていており、食肉の中心は豚ではなかった。17 世紀半ばごろ、羽地朝秀の構造改革が行われ、 勧農政策の一環で労役に必要な牛馬を屠蓄して食べてはならないという禁止令が出された。 そしてそれ以降、琉球王府は豚肉食を進め、庶民の行事食も豚肉が主になっていく。とはい え当時の豚肉食は年に五、六回のご馳走であって、日常的に食べていたわけではない(3)。 では、豚肉食はどのように普及したのだろうか。その直接の原因は、中国の使節団(冊 封使節)が滞在する際の食料調達にある。琉球に滞在する中国人たちの食事には大量の豚肉


Go Blog of Liyuhan が必要であった。使節団は総勢 400~500 人で、長い時には 8 ヶ月も琉球に滞在した。彼らの 食料として、1 日に 20 頭の豚を屠畜せねばならず、はじめは琉球王府はこの膨大な数の豚を 調達することができず、奄美まで出かけ調達していた。そこで、王府は中国使節団の来琉に 備えて豚の増産に乗り出し、各地の村々に豚の飼育を強制的に行なわせたのであった。同時 期に沖縄各地に飼料として使えるサツマイモが普及したことも、豚の飼育を加速させる助け となったようだ。こうして琉球の各地に豚の飼育が広まり、現在にいたる沖縄の豚肉料理が 定着することになる(4)。 沖縄ではシシ(肉)といえば、豚肉をさすほど日常食生活に欠かせない食材である。それだ けではなく、豚肉料理は年中行事や冠婚葬祭のときに行事食として多く使われる。沖縄の正 月は「豚正月」といわれ、餅や雑煮のかわりに豚肉料理が食卓に並ぶ。豚肉を食べると悪霊 から身を守ることが出来るといわれている(5)。他にも、祖霊祭りのシーミー(清明祭)のと き必ずついてくる御三味(豚、鶏、魚など)の重詰料理や、25 年忌や 33 年忌の仏事に食べ られる血イリチーなど、豚肉料理は沖縄の宗教行事に欠かせないものとなっている(6)。この ように、豚肉料理は特殊な意味を持つことにより、沖縄の食文化の中でもかけがえのない地 位を占めているといえよう。

2.沖縄食肉構造の変化を通して見る戦後の食生活の変遷 沖縄では豚肉料理が歴史と伝統文化の面で独特な地位を占めていたために、豚肉は沖縄 の食肉消費量の中で高い比率を占めていたのではないか。それは、下の表1のデータからも ある程度に現われている。1966 年の豚肉消費量をみると、肉の消費量(牛、鶏、豚肉をあわせ た消費量)の中で 73%あまりを占め、全国より 14%も上回っていた。また、沖縄年間 1 人当た りの豚肉消費量は全国平均値の 2 倍強であった。 表 1:1966 年沖縄における食肉消費量(1 人当たり)

沖縄県 年次

1966

単位:kg

( )内%

全国

牛肉

鶏肉

豚肉

牛肉

鶏肉

豚肉

1.7

2.7

11.8

1.2

2.7

5.7

(10%)

(17%)

( 73%)

(13%)

(28%)

(59%)

沖縄に豚肉の高い消費量はこれからも続いていくかどうか、筆者は 1966 年以降のデータ について調べ、表 2 と表 3 のデータをまとめたてみたところ、意外な結果を見つけた。1966 年から 2005 まで豚肉の消費量の占める比率は約 23%も減尐し、その代わりに鶏肉と牛肉の消 費量の占める比率が増加傾向をしめている(表 2)。全国との比較では、沖縄の豚肉消費比率と 全国豚肉消費量比率は 1966 年から 2005 までの間、差がだんだんなくなったことが分かる(表


Go Blog of Liyuhan 3)。では、なぜ沖縄における豚肉の消費比率は低くなっただろうか。また、どのような食生 活の変化がおこったのだろうか。 表 2:

表 3:

沖縄年間一人当たり豚、牛、鶏肉消費量占める比率

全国と沖縄の豚肉消費量占める比率の比較 ps:豚肉消費量占める比率=豚肉の消費量÷( 豚+牛+鶏肉の消費量)

80.0 80.0

60.0 50.0

豚肉消費量占める比 率

40.0

鶏肉消費量占める比 率

30.0

牛肉消費量占める比 率

20.0

70.0 60.0 パーセント

沖縄豚肉消費量占め る比率

50.0 40.0

全国豚肉消費量占め る比率

30.0

年度

2005

2000

1995

1990

1985

1980

1975

2005

2000

1995

1990

1985

1980

1975

1970

0.0 1966

10.0

0.0

1970

20.0

10.0

1966

パーセント

70.0

年度

注:以上の資料は沖縄県畜産物の需給状況及び全国豚、鶏、牛についての食料需給表から1人当たりの消費 量を取り出して、表を作ってまとめたもの

このような変化の原因として、まず戦後から 1972 年までの 27 年間沖縄はアメリカに統 治されていたという歴史的原因があげられるだおう。すなわち、アメリカが沖縄の食文化に もたらした影響が大きいと考えられる。ここでは、とくにアメリカ文化が沖縄に残した産物 であるファストフード店とステーキ屋について述べる。 日本の初ファストフード「A&W」が 1963 年に沖縄にオープンしてから(本土より 7 年間 も早かった)、国産系、外資系の洋風ファストフード店が次々と進出した(7)。もともと肉 好きな沖縄の人はハンバーガーなどのファストフードを抵抗なく受容したようである。ファ ストフード店は家族連れや友達同士、会社帰りの人々、おばあさんまで各階層の人に利用さ れている。2006 年の調査によると、沖縄県はハンバーガー店が日本一多く、沖縄県民の利用 頻度の高さがうかがえる。ファストフード店を利用が多いということは、鶏肉の消費量比率 が高くなった理由の一つとして挙げられるだろう。 そして、沖縄で普及したステーキ屋についてである。沖縄では、戦後すぐにアメリカ軍 が兵隊用にステーキ肉を持ち込み、それが横流れしされ、本土とは比べ物にならないほどの 安値で取引されていたこという。それが牛肉が沖縄に普及した切っ掛けと言われている。復 帰後も、沖縄では輸入肉に対する特別措置法が適用されて、現在でも本土に比べて安い牛肉 が輸入されている(8)。沖縄では、ボリュームのある上質の肉が安く味わえるということで、 沖縄ではステーキ屋が多くのところに存在し、沖縄の人々に利用されている。こうしたステ ーキ屋の存在が牛肉の消費に拍車をかけたといえよう。


Go Blog of Liyuhan また、ファストフードとステーキ屋以外の外食、中食の利用も豚肉の消費比率を低下さ せた大きな理由として挙げられるのではないだろうか。外食と中食に使われる肉食は多様で、 豚肉にこだわらないため、外食と中食を利用すれば利用ほど、豚肉消費量の比率も低下する のではないだろうか。 つまり、豚肉消費比率の低下は、沖縄における食生活の形態の変化を表わしている。か つて生活は貧しかったため、外で食事をすることは、ハレの行事の一つとして非日常的な食 事の形態であった。普段の食事はほとんど家で作っていた。戦後、日本は高度経済成長を遂 げ、皆ファミリーレストランなどの店で外食をするぐらいの余裕ができ、また女性の社会進 出も進み、昔のように家で料理を作らなくなっている。そのため、家で作るより、簡便な外 食や中食の利用が増えている。

3.長寿のかげりと伝統文化への影響 沖縄県はかつて男性も女性も平均寿命は全国一であり、日本一長寿県として誇りを持っ ていた。しかし、近年は長寿のかげりが見られる。2000 年には女性の平均寿命は全国トップ の座を保つことができたが、男性の平均寿命の全国順位が 47 都道府県中 26 位へ転落した。 沖縄の長寿のかげりの要因の一つとして、食生活の変化が挙げられると考えられる。従来、 沖縄の長寿をもたらした食生活の特徴として、医食同源の食思想や野菜と肉類(特に豚肉) をバランスよく食べるなどが挙げられている。沖縄の人は豚肉を多く食べていたが、豚肉だ けを食べるわけではなく、昆布などの野菜と一緒に煮込んだりしていた。一時間から二時間 の長時間煮込む過程によって、30%~60%の脂肪分を取り除くことができる(9)。しかし、 生活スタイルの変化によって、手間がかかる料理を作らなくなったり、家で食事をしなくな ったりするようになった。そのため、先に述べたように簡便な外食や中食の利用が普及して きた。しかし、コンビ二やファストフードは肉や脂肪に偏った食事であると思われるし、料 理法も揚げ物の多い外食は従来の「医食同源」の伝統料理と比べてやはり健康ではなかろう。 沖縄の女性の平均寿命はまだトップだが、コンビ二やファストフード好きの若い世代はこの 誇りを保っていけるかどうかはわからない。 また、コンビ二やファストフードなどの外食や中食に頼りすぎて、沖縄の伝統文化にも 影響を及ぼすのではないかと考えられる。沖縄の伝統料理は時間や手間をかけて作っていた ものだが、伝統的な調理法は若い世代に伝承されにくい状況が生まれ来ているという。ティ ビチ(豚足)汁や中身汁を作るときに、以前は下処理をした上、生から炊いて作っていたが、 最近では、臭いもきつく、時間もかかるという理由で、スーパーで販売されている手軽なレ トルト食品を利用して作るようになったという(10)。伝統料理は沖縄では、行事食として、 欠かせない料理である。伝統料理の作り方が伝承できなくなったら、行事料理の意味なども 伝承されにくくなるではないだろうか。 沖縄は独特の信仰があり、本土と違う神秘的な色彩にあふれた行事があるが、行事食の 意味が薄れていけば、行事の趣にも変化がおこるのではないだろうか。


Go Blog of Liyuhan 終わりに かつて沖縄では、豚肉が多く食べられていた。それは宗教的に肉食タブーがなかったこ と、養豚の歴史が比較的古いこと、行事食に欠かせないこと、という三つの原因が挙げられ た。しかし、かつての豚肉の消費量比率の高さも、戦後はだんだんと低下してきた。それは、 沖縄人がファストフードやステーキ屋やコンビ二などの外食や中食を利用することによって、 豚肉の消費比率が牛肉と鶏肉に分散したことが原因として指摘できる。こうした食肉構造の 変化は、戦後沖縄における食生活の変化を表わしている。すなわち、料理を家で作らなくな ったり、家で食べなくなったりし、外食や中食を利用するようになったことである。また、 そうした食事形態の変化が、沖縄の長寿と伝統文化にも影響を及ぼすことも懸念される。

注: 1.

畜産物の需給表、農林水産省「ブロイラー流通統計」「畜産物流通統計」、沖縄地 区税関「輸出入統計」、沖縄総合事務局調査、沖縄県調査。それら表の中の鶏、牛、 豚肉の1人当たりの消費量を取り出して、表を作って分析した。

2.

石毛直道『食事の文明論』中央公論社、1982 年、p.76。

3.

金城須美子ほか『琉球文化圏とは何か』藤原書店、2003 年 p.201-202。

4.

http://okinawa-rekishi.cocolog-nifty.com/tora/2007/04/post_e24d.html

5.

赤嶺政信『沖縄の神々と食の文化』青春出版社、2003 年、p.141。

6.

松本嘉代子『沖縄の行事料理』沖縄文化社、2006 年、p.26、p.65-66。

7.

金城須美子、田原美和ほか『沖縄の食にみる米国統治の影響(第一報):外資系洋 風ファーストフード(米国型)の導入と受容』琉球大学教育学部紀要 第一部・第二 部 (47)173-180、1995 年。

8.

中村清司『腹ぺこチャンプラーズ:沖縄大衆食堂』双葉社、2001 年、p.92-94。

9.

赤嶺政信、『沖縄の神々と食の文化』青春出版社、2003 年、p.142。

10. 松田伸子ほか、『沖縄県の長寿のかげりと食文化・生活史の変遷-肉食・豆腐・海 藻の文化と社会生活を中心に-』、女子栄養大学紀要 Vol.37、2006 年、p.40。

その他参考文献: 1.

新里恵二ほか『沖縄の歴史』山川出版社、1972 年

2.

渡辺欢雄、岡野宣勝ほか『沖縄民族辞典』吉川弘文館、2008 年

3.

高良勉『沖縄生活誌』岩波新書、2005 年


豚肉を通して見る沖縄食文化の変遷