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KTM CONNECT PICKUP KTM BIKES Vol.3

KTM990SM T

Vol.3


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KTM CONNECT

Vol.3

果たして最高のツーリングとはなんだろう? 最高のツーリングバイクとはなんだろう? KTM990 SM-Tでイタリアを走って、その質問に対する答えが見えてきた。 写真・文/三上勝久

PICKUP KTM BIKES Vol.3

KTM990SM T

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CHECK!

KTM-JAPAN.CO.jp

生きることを楽しむ。 それを実感したイタリアの旅。 by

 午後の強い陽射しが緑の丘に あたって光輝いている。初夏の牧 草は、まるで草自身が発光してい るかのような鮮やかな発色。しか し、その丘の向こうの空は真っ黒 だ。その向こうに広がる丘陵地 帯が雨だってことは、重い雨雲か ら、ところどころ薄黒いカーテン が地面に続いていることでわか る。  東北へと向かう道が高速道路 への入り口を向かう道だったが、 僕は雨雲の薄い西北へと進路を とることにした。そうすると、今 日のゴール地であるピサの先に着 くまでの大部分は一般道になって しまうが、レインウエアのないま ま雨に振られるのは嫌だ。  僕はフィレンツェとピサの中間 にある、イル・チョッコというと ころから、ローマまで往復する1 泊2日のツーリングの途中にいた。 初日は、ヴェスパの本社のあるポ ンテデラ周辺のワインディングを 走ってからローマへと高速道路を 走り、夕方遅くにローマ市内を

走ってホテルに泊まった。  今日は再びイル・チョッコに戻っ てバイクを返さねばならない。 Google Mapで調べると、距離 はおおよそ450kmくらい。平均 時 速 50km/hで 走って9時 間、 70km/hで走れば6時間強。昨日、 せっかくのイタリアなのに高速走 行に多くの時間がとられてしまっ たことに辟易していたので、今日 は出来るだけ一般道を走って、そ のあと高速で一気にピサへと向か うことにしていた。  しかし朝のローマを見てみたい と、ローマ市内に向かってしまっ たのがまずかった。なにがまず かったって、面白いのだ! 道の わからない僕の横を、まるでモデ ルのように美しい女性が、ファッ ション誌から抜け出てきたような ピシっとしたスーツ姿でビッグス クーターに乗って駆け抜けてい く。  その走りは御世辞にもジェント ルとは言えない、もう、自由とか、 気ままとか、自分勝手とか、そん

三上勝久

な表現がぴったりくるものだ。渋 滞していたら反対車線を走るのは 当たり前。ヴェスパがこの国で生 まれたのが本当によくわかる。み んな、本当、蜂みたいに自由に 街を飛んでいるのだ。  その道の左右の歩道では、こ の季節ならではのキラキラして透 明な陽射しをうけながら、やはり ファッショナブルでルックスのい い大学生たちが木陰で笑顔で話 し込んでいたりする。そこここに、 色とりどりの花を売る屋台や、新 聞や雑誌がずらりと並んだ売店。 濡れるとびっくりするくらい走りに くい石畳の道をフィアット500や ミニが走っていき、その向こうを クラシックなルックスの路面電車 が走っていく。  日本の今が暗いムードであるこ とは東日本大震災の影響である ことは間違いないが、生きている 僕らはもっと生きることを楽しん だほうがいいんじゃないか。ロー マの街を走りながら、僕はそんな ことを思っていた。

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地球のどんな道も走ってみたい。 しかし、高速のクルーズも、 ワインディングでのスポーツランも楽しみたい。 そんな夢を果たすのが、スーパーモト・トラベルだ。 トレビーニャ・ロマーノからグローセットへと向かう途中、道を間違えて ダートに入ってしまった。しかしそんな道ですら、このバイクはこなして しまう。ロードモデルベースのネイキッドではなしえない、タフな車体だ からこそ出来る離れ業だ

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胸を張って乗るということ。  990SM-Tの"SM"は言うまでも なく、スーパーモタード(Super Motrad)に由来している。KTMも 過去に連勝を重ねた実績をもつ、 舗装路・未舗装路の両方の路面を コースに配置したニュースタイルの レース。そのルーツは1980年代に アメリカで開催されていたスーパーバ イカーズというレースなのだが、こ れについてはまたの機会に。  要は、スーパーモタードというモー ターサイクルのジャンルはオンロード もオフロードも両方走れる能力をも たせたものだ。 「それならトレール車 があるじゃないか」と言う人もいる かもしれないが、オフロード性能を 優先したトレール車とは異なり、スー パーモタードでは、よりハイアベレー ジでのオンロード走行が想定され る。たしかに昔はモトクロッサーに ロードタイヤをはかせただけのスー パーモタードもあったが、現在では それこそ150〜200km/hのコーナ リングすらこなせるような、しっかり とした足まわりとハイパワーなエン ジンを搭載するものが主流となって いる。990SM-Tもそうしたモデル のうちの1つだ。   搭 載 する エ ン ジ ン は、KTM 990ADVをルーツとするLC8エン ジン。パリダカなどのラリーでかつ て活躍したパワフルなDOHC Vツ インエンジンをストリート用にモディ ファイしたものだ。そのエンジンを 搭載するトラス構造のフレームには 前後17インチのキャストホイールが セットされ、ブレーキにはブレンボ 製のラジアルマウントキャリパーが ダブルで装着される。つまり、ルー ツをたどればたしかにオフロードとな るのだが、現在の構成はオンロード バイクそのもの、と言うことになる。  990SM-Tは、そうしたスーパー モタードとしての性能に加えて"T = トラベル"への対応性をもたせたもの だ。よりスポーティかつアグレッシ ブ な 方 向 へ と 進 化 して い る 990SM-Rよりも耐候性の高いフェ アリング、快適なシート、大容量 フューエルタンクなどを採用。もち

ろん、エンジンや足まわりの特性も ツーリング向きにマイルドな方向へ と振られたモデルである。  跨ってみると、ごく軽い前傾とな るアップライトなポジションに幅広 いハンドルが、このモデルがスーパー モタードモデルであることを感じさせ る。そして、この上体の起きたポジ ションこそが旅でベストなのだ。  上体が起きている、胸を張ったラ イディングポジションによって、ライ ダーはまるで観客席の最前列にいる かのようなダイレクト感で、前方に 広がるすべての風景を感じ取れるの だ。一方で、雨や風は適度なサイズ のカウルがその空力でライダーの左 右へと切り分けてくれる。  必然的にシートに体重の大半がか かるライディングポジションとなるの だが、厚めでソフトなシートは今回 6時間ほどぶっ通しで走っても尻が 痛くなるようなことはなかった。ス テップとの位置関係、サスペンショ ンの良さなどが効いているのだ。  このポジションが生むメリットは 眺めの良さだけではない。滑りやす く狭い、タイトなワインディングで も緊張することなくライディングを楽 しめるし、旅先で狭い路地を散策す るときに気負わず曲がれ、走れる扱 いやすさを生んでいるのだ。さらに、 多少の未舗装路ならなんの苦も無く 走らせてくれる。それでいて、高速 道路では軽く上体を屈めるだけでハ イアベレージのクルージングが楽し める。  つまりは、世界中のあらゆる道を 走ってみたい……と夢見るツーリスト にとって、じつによく出来たバイクで あるのだ。990ADVなどの「アドベ ンチャーバイク」と非常に近い守備 範囲をもつのだが、それらと違うの は舗装路での走り、楽しさが飛躍 的に大きいということ。とくにハイ スピードのワインディングでは豪快 かつ爽快な走りを楽しめる。  オフロードはまず走らない、けれ ども荒れた道も高速道路も快適に 走りたい……そんなライダーにはぜ ひ選択してほしいマシンだ。

PICKUP KTM BIKES Vol.3

KTM990SM T

ローマ市街に入った瞬間、大粒の雨 が降ってきた。濡れた石畳は非常に 滑り、走りにくい。しかしこうした悪 条件時に強い990SM -Tでは怖さを 感じずに走ることができた

←→ローマ北部、バルバラー ノロマーノの付近は爽快な牧 場の中のワインディングが続 く ↓活気に溢れた朝のローマ市 街。渋滞の中を縫って進むよ うな走りも苦にならない

振動も少なく、軽やかな吹け上がりにセッティン グされたLC8エンジン。アクセル一発で追い越し を完了できる加速力はそのまま、ツーリングでも 快適なクルーズができる特性となっている

K TM純正アクセサリー、POWERPARTSにラ インアップされるサイドバッグ。 サイレンサーのフッ クにワンタッチで装着できる使いやすいバッグ だ。多少の雨もこらえてくれる。完全防水バッグ 製のインナーバッグもセットされている

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KTM CONNECT-990SMT  

KTM990SM-Tでのイタリアツーリング。そのショートストーリーです。

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