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TOKYO DESIGN FLOW paper N5

TOKYO DESIGN FLOW paper N5

Design & philosophy

Design 現代の新しいデザインを作るデザイナーはスターになり 骨董品や古くからのモノを見抜く人は目利きと言われる。

Fashion 新しい生き方をファツションで表現できる人はカリスマになり、 頑なに普通の服にこだわる人は頑固者と言われる。 しかし多くの人はその間にいる。 目立たないけれど静かに自己を表現しているものだ。 デザインとあまり言い過ぎるのは何か古くさい感じがする。 自然に奇麗なものはどこから来るのだろうか。 デザインを比べて論じ合う機会を毎年持つのはいいことだ。

Tokyo Design Flow 2008 fall 2008年東京のデザインの流れはどうだったのだろうか? (デザイン) に対する嫌悪が始まった。 アメリカの金融危機は実はアートとデザインの健全さからすると 至極当然な帰結とも言える。 バブルデザイナーの凋落。  ――実体のない形だけの遊びの終焉。 デザインの役割は変わってきた。 デザイナーであることが普通のことになってきた。 Depression, Chaos, Crisis, Falling down, Decline.

TOKYO DESIGN FLOW organized by Media Surf Communications Inc. www.mediasurf.co.jp info@tokyodesignflow.com

TOKYO DESIGN FLOW paper Publisher: Teruo Kurosaki Producer: Akihiro Matsui (Media Surf Communications Inc.)

Copyright©2008 Media Surf Communications Inc. All rights Reserved.

Editor in chief: Daisuke Horie (Media Surf Communications Inc.) Editorial Manager: Masatsugu Kayahara

Art Director: Kazuhisa Yamamoto (Donny Grafiks) for Media Surf Communications Inc. Designer: Donny Grafiks

Photographer: Shunji Iwai(p11Last Thursday)

Supported by Ourselves.

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TOKYO DESIGN FLOW paper N5

Design & philosophy

Design 現代の新しいデザインを作るデザイナーはスターになり 骨董品や古くからのモノを見抜く人は目利きと言われる。

Fashion 新しい生き方をファツションで表現できる人はカリスマになり、 頑なに普通の服にこだわる人は頑固者と言われる。 しかし多くの人はその間にいる。 目立たないけれど静かに自己を表現しているものだ。 デザインとあまり言い過ぎるのは何か古くさい感じがする。 自然に奇麗なものはどこから来るのだろうか。 デザインを比べて論じ合う機会を毎年持つのはいいことだ。

Tokyo Design Flow 2008 fall 2008年東京のデザインの流れはどうだったのだろうか? (デザイン) に対する嫌悪が始まった。 アメリカの金融危機は実はアートとデザインの健全さからすると 至極当然な帰結とも言える。 バブルデザイナーの凋落。  ――実体のない形だけの遊びの終焉。 デザインの役割は変わってきた。 デザイナーであることが普通のことになってきた。 Depression, Chaos, Crisis, Falling down, Decline.

TOKYO DESIGN FLOW organized by Media Surf Communications Inc. www.mediasurf.co.jp info@tokyodesignflow.com

TOKYO DESIGN FLOW paper Publisher: Teruo Kurosaki Producer: Akihiro Matsui (Media Surf Communications Inc.)

Copyright©2008 Media Surf Communications Inc. All rights Reserved.

Editor in chief: Daisuke Horie (Media Surf Communications Inc.) Editorial Manager: Masatsugu Kayahara

Art Director: Kazuhisa Yamamoto (Donny Grafiks) for Media Surf Communications Inc. Designer: Donny Grafiks

Photographer: Shunji Iwai(p11Last Thursday)

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TOKYO DESIGN FLOW paper N5

Report DESIGNTIDEを 振り返って

世界へ向けて「TOKYO」の発信力をよ り強めていく、そんな時期に来ているの ではないでしょうか。東京をおもしろくす るための場作りと提供が我々の使命だと 思っています。そのような場の上で国内 外の人々の出会いとデザインの創造があ る。世界から見て東京という街は日本の 最高の財産だと思います。

デ ザインをリスペクトし愛 する人 々を 「DESIGN LOVERS」と呼ぼうと決めま した。デザインポータルで世界を変える ことができる。もし100 万人の DESIGN LOVER 達が集まったらなにができるか?  猪子くん(Team ☆ Lab 猪子寿之氏) とも話しているけど、そこで儲けてやろう ということではなく、いろんな人達に参加 していただき、すごいことができる場所 にしたい。ポータルサイトを運営するに Luke Hayes photography

TOKYO DESIGNERS WEEKを 振り返って 川崎健二(DESIGN ASSOCIATION)

日本の東京ではなく、インターナショナル なトウキョウ 今年からイベントのタイトルを変更したん です。 『 TOKYO DESIGNERS WEEK 』、 を際立たせたかった。そんな流れを反映 してか、海外からの出展者、来場者は

ともに増えています。今年のイベントが今 までで一番海外からのお客様が多かっ た。ビジネスの面でも来年の展示会へ の海外からの仮契約が多く集まりました。 TOKYO DESIGNERS WEEK を 何 を もって成功とするかの一つのラインは、 出展者の半数以上が海外からのデザイ ナーになった時だと思っています。 秋のトウキョウを彩るもう一つのデザインイ ベント『DESIGNTIDE TOKYO』も今年 から組織も名称も変わって、デザインの 潮流、流れが変わってきている。 東京という都市で行われる、TOKYO DESIGNERS WEEK、100% Design TokyoそしてDESIGNTIDE TOKYO そしてTOKYO DESIGN FLOW、 これらの組織がゆるやかな連帯の下に、

Luke Hayes photography

Luke Hayes photography

松澤剛(株式会社 E&Y 代表) ―今年の DESIGNTIDE TOKYO 終 わってみていかがでしたか? 今後も継続していく姿勢と構成力だけで はなく、運営面も含め精度をあげる努力 は必要だと感じましたが、メイン会場では 新たな形を形成できたと思っています。ま た、メイン会場だけではなく、ひとつひと つが意味を持ったコンテンツとなり、言わ ばディレクションされた内容になったのでは ないかと思います。

Luke Hayes photography

「デザインが世界を変える」ということを ずっと言ってきましたが、具体的にどう やるのかの方法論としてのデザインポー タル、「DESIGN CHANNEL」(www. design-channel.com) を立ち上げました。 ウェブの世界では「ユーザー」という言葉 が一般的に使われますが、我々はデザイ ンを作る人を「DESIGN PARTNERS」、

あたりどこからお金を持ってくるの?という ことは今のところ全く考えていません。と にかくデザインに関わる人達を増やした い。TOKYO DESIGNERS WEEK の イベント会場には 10 万人の人々が集まり ますが、彼らがある程度影響力のある 人達だとしても、世界を変えるにはまだぜ んぜん足りない。デザイン学校の卒業生 や DESIGNTIDE TOKYO や TOKYO DESIGN FLOWを合わせたとしてもまだ 足りない。活動の総量をいかに増やすか が大切なんです。もちろんバイリンガルで 世界に向けて発信します。そのキーワー ドが 100 万人なんです。そこには無限の 可能性が秘められています。

来年は「GREEN」でいきます! 来年のテーマを何にしようかと、イベントの ショーデザイナーをお願いしているマイケル (ヤング)と話していたんだけど、いまさら という感もあるが、やはり「GREEN」じゃ ないかと。エコとか環境とか、ある意味 使い古されたテーマだけど、GREEN + αで、GREEN DESIGN, 100% GREEN など、GREENを一つ大きなテーマとして 来年やっていきたいです。デザイン周辺 の人々が環境を扱うという状況はまだ今ひ とつ進んでない感があります。TOKYO DESIGNERS WRRKはずっと「LOVE」 というテーマでイベントを行ってきました が、これは変えるつもりはないので、そ の延長上に、地球や環境への LOVEと しての「GREEN」を象徴的な言葉として 使っていきたいです。テントもGREENに、 ボタンもGREENに。2009年は「GREEN」 でいきます!

―これからの DESIGNTIDE TOKYO はどういう方向に向かっていくのでしょう か? まずこの秋の期間を軸に企画展や、新 たに強度をもちつつも物事の本質を見せ ることができる活動を、年間を通して行え る組織にするのが大きな目標です。日本 で数少ないデザインイベントを行っている 責任と意味は決して軽い物ではなく、こ

れから、 「次の表現者」 を伝えていくには、 「環境」と「箱」の本質をもつ構造を考え、 両立させていかなければなりません。そう しなければ、正しく伝えることができない と思います。表層的であったり、単なる 繰り返しの行為は、あらたな物と環境を 生みません。 ―東京という都市とデザインの関係性を どうお考えになられますか? 東京はいわば日本にいるクリエイターに とっての武器のようなもの。 環境としての東京は良い意味で混沌とし ていて、さまざまなものが集約されてい ます。それにどう装置をつけて、世界に 投げかけられるかが重要になってきます。 デザインが東京のみで生まれる必然性 はありません。地方都市にいる表現者を ローカルからグローバル化する作業はもち ろん必要であり、単独で動く個々の強さ や、それをまとめる作業をする人間も環 境も大事です。これからそれらの真価が 問われるのではないでしょうか。 ―世界経済がいま、大きな変化のまった だ中にあります。世界不況になってもイ ケてるデザインとはどういったものだとお 考えですか? 体験したことのないすさまじい不況や戦 争が起きたら、デザインは今までとは違っ た意味でそぎ落とされて、本当に必要な 部位だけが残る気がします。そして残る ものは、本質と背景とを意識したデザイン なのではないでしょうか。 もしくは無くなる物がほとんどかもしれませ ん。そういった上で残るものは、本質と 背景とも意識したデザインなのではないで しょうか。

松澤剛 (株式会社 E&Y 代表) 神奈川県出身。立 体造形作家として活動した後、 MODERNICA( 株式会社マシンエイジ)を経て、1999 年 E&Y 入社。2007 年に同社代表取締役に就任。 DESIGN TIDE TOKYOのディレクターもつとめる。 photo: Hiroyuki Matsubara

Luke Hayes photography

Luke Hayes photography

100 万人の DESIGN LOVERS

昨年までとは運営メンバーやコンセプト、内容などを心機一転し、 新たなステージに立った今年の DESIGN TIDE TOKYO。 9 人いるディレクターの一人である、株式会社 E&Y 代表の松澤剛氏に 今年の感想やこれからの方向性を伺った。

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Report DESIGNTIDEを 振り返って

世界へ向けて「TOKYO」の発信力をよ り強めていく、そんな時期に来ているの ではないでしょうか。東京をおもしろくす るための場作りと提供が我々の使命だと 思っています。そのような場の上で国内 外の人々の出会いとデザインの創造があ る。世界から見て東京という街は日本の 最高の財産だと思います。

デ ザインをリスペクトし愛 する人 々を 「DESIGN LOVERS」と呼ぼうと決めま した。デザインポータルで世界を変える ことができる。もし100 万人の DESIGN LOVER 達が集まったらなにができるか?  猪子くん(Team ☆ Lab 猪子寿之氏) とも話しているけど、そこで儲けてやろう ということではなく、いろんな人達に参加 していただき、すごいことができる場所 にしたい。ポータルサイトを運営するに Luke Hayes photography

TOKYO DESIGNERS WEEKを 振り返って 川崎健二(DESIGN ASSOCIATION)

日本の東京ではなく、インターナショナル なトウキョウ 今年からイベントのタイトルを変更したん です。 『 TOKYO DESIGNERS WEEK 』、 を際立たせたかった。そんな流れを反映 してか、海外からの出展者、来場者は

ともに増えています。今年のイベントが今 までで一番海外からのお客様が多かっ た。ビジネスの面でも来年の展示会へ の海外からの仮契約が多く集まりました。 TOKYO DESIGNERS WEEK を 何 を もって成功とするかの一つのラインは、 出展者の半数以上が海外からのデザイ ナーになった時だと思っています。 秋のトウキョウを彩るもう一つのデザインイ ベント『DESIGNTIDE TOKYO』も今年 から組織も名称も変わって、デザインの 潮流、流れが変わってきている。 東京という都市で行われる、TOKYO DESIGNERS WEEK、100% Design TokyoそしてDESIGNTIDE TOKYO そしてTOKYO DESIGN FLOW、 これらの組織がゆるやかな連帯の下に、

Luke Hayes photography

Luke Hayes photography

松澤剛(株式会社 E&Y 代表) ―今年の DESIGNTIDE TOKYO 終 わってみていかがでしたか? 今後も継続していく姿勢と構成力だけで はなく、運営面も含め精度をあげる努力 は必要だと感じましたが、メイン会場では 新たな形を形成できたと思っています。ま た、メイン会場だけではなく、ひとつひと つが意味を持ったコンテンツとなり、言わ ばディレクションされた内容になったのでは ないかと思います。

Luke Hayes photography

「デザインが世界を変える」ということを ずっと言ってきましたが、具体的にどう やるのかの方法論としてのデザインポー タル、「DESIGN CHANNEL」(www. design-channel.com) を立ち上げました。 ウェブの世界では「ユーザー」という言葉 が一般的に使われますが、我々はデザイ ンを作る人を「DESIGN PARTNERS」、

あたりどこからお金を持ってくるの?という ことは今のところ全く考えていません。と にかくデザインに関わる人達を増やした い。TOKYO DESIGNERS WEEK の イベント会場には 10 万人の人々が集まり ますが、彼らがある程度影響力のある 人達だとしても、世界を変えるにはまだぜ んぜん足りない。デザイン学校の卒業生 や DESIGNTIDE TOKYO や TOKYO DESIGN FLOWを合わせたとしてもまだ 足りない。活動の総量をいかに増やすか が大切なんです。もちろんバイリンガルで 世界に向けて発信します。そのキーワー ドが 100 万人なんです。そこには無限の 可能性が秘められています。

来年は「GREEN」でいきます! 来年のテーマを何にしようかと、イベントの ショーデザイナーをお願いしているマイケル (ヤング)と話していたんだけど、いまさら という感もあるが、やはり「GREEN」じゃ ないかと。エコとか環境とか、ある意味 使い古されたテーマだけど、GREEN + αで、GREEN DESIGN, 100% GREEN など、GREENを一つ大きなテーマとして 来年やっていきたいです。デザイン周辺 の人々が環境を扱うという状況はまだ今ひ とつ進んでない感があります。TOKYO DESIGNERS WRRKはずっと「LOVE」 というテーマでイベントを行ってきました が、これは変えるつもりはないので、そ の延長上に、地球や環境への LOVEと しての「GREEN」を象徴的な言葉として 使っていきたいです。テントもGREENに、 ボタンもGREENに。2009年は「GREEN」 でいきます!

―これからの DESIGNTIDE TOKYO はどういう方向に向かっていくのでしょう か? まずこの秋の期間を軸に企画展や、新 たに強度をもちつつも物事の本質を見せ ることができる活動を、年間を通して行え る組織にするのが大きな目標です。日本 で数少ないデザインイベントを行っている 責任と意味は決して軽い物ではなく、こ

れから、 「次の表現者」 を伝えていくには、 「環境」と「箱」の本質をもつ構造を考え、 両立させていかなければなりません。そう しなければ、正しく伝えることができない と思います。表層的であったり、単なる 繰り返しの行為は、あらたな物と環境を 生みません。 ―東京という都市とデザインの関係性を どうお考えになられますか? 東京はいわば日本にいるクリエイターに とっての武器のようなもの。 環境としての東京は良い意味で混沌とし ていて、さまざまなものが集約されてい ます。それにどう装置をつけて、世界に 投げかけられるかが重要になってきます。 デザインが東京のみで生まれる必然性 はありません。地方都市にいる表現者を ローカルからグローバル化する作業はもち ろん必要であり、単独で動く個々の強さ や、それをまとめる作業をする人間も環 境も大事です。これからそれらの真価が 問われるのではないでしょうか。 ―世界経済がいま、大きな変化のまった だ中にあります。世界不況になってもイ ケてるデザインとはどういったものだとお 考えですか? 体験したことのないすさまじい不況や戦 争が起きたら、デザインは今までとは違っ た意味でそぎ落とされて、本当に必要な 部位だけが残る気がします。そして残る ものは、本質と背景とを意識したデザイン なのではないでしょうか。 もしくは無くなる物がほとんどかもしれませ ん。そういった上で残るものは、本質と 背景とも意識したデザインなのではないで しょうか。

松澤剛 (株式会社 E&Y 代表) 神奈川県出身。立 体造形作家として活動した後、 MODERNICA( 株式会社マシンエイジ)を経て、1999 年 E&Y 入社。2007 年に同社代表取締役に就任。 DESIGN TIDE TOKYOのディレクターもつとめる。 photo: Hiroyuki Matsubara

Luke Hayes photography

Luke Hayes photography

100 万人の DESIGN LOVERS

昨年までとは運営メンバーやコンセプト、内容などを心機一転し、 新たなステージに立った今年の DESIGN TIDE TOKYO。 9 人いるディレクターの一人である、株式会社 E&Y 代表の松澤剛氏に 今年の感想やこれからの方向性を伺った。

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TOKYO DESIGN FLOW paper N5

TOKYO DESIGN FLOW paper N5

Report

EVENT REPORTS from NEWSER デザインウィークの5日間は各会場に多くの人が訪れ、デザインに触れた。それぞれのデザインに向けられる目の視 点は人それぞれ。それらは貴重な意見となります。デザインジャーナリストの声だけでなく、すべての人が自分の目 で見たものを、自分なりに解釈し、ニュースを届ける。すべての人が「NEWSER」です。今回はデザインイベントの 来場者の声をお届けします。

Tokyo Designers Week, 100% design tokyo Plop by ふじもとまさひろ × 家具デザイン研 究所 × スイコー株式会社 水滴の落ちる瞬間を中空のスツールとテーブ ルの中に閉じ込めました。"Plop"とは、ぽちゃ んと水の落ちる音。クッションの裏や床に照明 を入れると、内側の突起がぼんやりと光りま す。周りの穴の開け方によって色々な表情を もつ、今までにないスツール(テーブル) だと 思います。 100%デザインの入場料が年々高くなってるこ

Adventure of wisdom is now in the city. No one can find the utopia, but now it might be found in the city. 10/31 LOOKING FOR URBAN UTOPIA text: MAT.

On the night of 31st of October, We created a situation of URBAN UTOPIA at United Nations University in Aoyama. What we think the URBAN UTOPIA is; the place you can learn through playing. the place everyone can meet up without their own interests. the place helps people to discuss, not to make mobocracy but to make the world better with wisdom. We wanted to create situation like above, so we provided contents. Not to make the night just one fabulous

party, but to make it to be the place to find hints for the future. We provided many contents such as live shows, talk sessions by the rector of UNU on their new projects, Swedish designers on sustainable design, Mark Dytham on Architecture in Tokyo and so on... Discussion has kept going after sessions. Utopia supposed to be the place that no one can find, but now we think it might be found in the city. It is already there...

ともあってか、今年は行かなかったという意見 を周りではけっこう聞きました。 今年の Weekは去年よりも商業展示会に近く なってしまってまとまりが無かった感がしました。

アンバランスなバランスの椅子 by エマニュエル・ムホー アクリルの座面の中で屈折したような椅子の脚 が座ってみてくれと訴えるようで好奇心を掻き 立てられます。

メイン会場で配られた不織布のバッグ by 森美穂子 家に着くころには底が擦れてバッグとして機能 しなくなりました。役目を終えたものが壊れる。 普通のことで、ものを使って生きる私たちが忘 れてはならない感慨をもたらす出来事なので すが、現代の強化されたものに囲まれる生活 ではなかなか味わえない。こういう、人の気持 ちや考えをデザインすることが今のデザイン業 界に求められているのだと確信しております。

軸のない時計 by コシマタモツ 文字盤が存在しない上に、時針の回転にとも なって傾く時計。大体の時刻。時間が相対 的であることをふと思い出してしまうような作品 です。 二次元のような花器 by 鈴木元 (E&Y CO.,LTD) E&Y CO.,LTD のブースは椅子の展示が多 かったのですが、しゃんと佇んで目に留まった のが鈴木元の花器でした。冷たくて重たい質 感で、角が鋭利、淡色でマット。なのに、温 かい空気をそこに醸していました。実際の質 量よりも薄く、平面に描かれた絵のように見え ます。作品そのものとしては一番ぐっときたか な。 古き良き調理器具や食器を、 現代の感覚で再デザイン by Arabeschi di Latte 食は栄養補給の他にも、創作、コミュニケー ションなど幸せのかほりでいっぱいです。そこ にデザインを加えてモチベーションを刺激する のも気持ち良いですよね。

鍵の無いドア/stereotype by 山本和豊 固定概念という鍵。ネタはばらしたくないです ね (笑) 「扉についているノブは、開けるためにあるモ ノ。だから、そこを引けば開くだろう」 人は自然とそんな風な固定観念に縛られてし まっている。しかし、この作品は違う。それを 逆手に取ってしまうのだ。パイプを引いてもド アが開かない。なぜだろう? ?そこには驚くべき 答えがあった。 「これは外せるんですよ∼!」 と、 山本さんはドアパイプをとってしまった! !なんてこ とだ。ドアパイプが外れるなんて予想だにしな い! しかもそのパイプを、ドアの蝶番 ( 軸 ) があ ると思っていた側につけた。「こちらを開けて みてください」すっと、ほとんど力を入れずに 簡単に開いてしまった。このドアは、人の先 入観を利用して鍵を閉めることを狙ったものだ

金曜日、後から、夜、国連大学の現場に到 着したとき、あの風船たちのお出迎えが、とて も幻想的で、率直に感動し、ときめきました。 あぁゆう、出会い頭のサプライズ的なインスタ レーションは、なんか、ときめき心潤うので、 すきです。黒崎さんたちのセッションは、例の バーベキュー隊でほぼ聞けませんでしたが、 会場内部は、オーガナイズされきれてない感

存在するはずのないユートピアを求めて。 10/31「LOOKING FOR URBAN UTOPIA」。

僕らの考える、「都市のユートピア」。 それはつまり、遊ぶように学べる場所。 利害関係を乗り越えて、誰もが集まれる 場所。 衆愚に向かうのではなく、議論がなされ 人々の叡智が集結することにより、 より良い世界へと向かうためのヒントを導き だす場所。 僕らはそういった状況を作り出したいと考 え、国連大学を舞台に単なる打ち上げ 花火としてのパーティでなく、 「都市のユー

の終了後も、その熱気は残り、会場の至 る所で議論が行われた。

国連大学の壁面には画像が投影され、 光り輝く風船や植物によって幻想的な空 間が作り出された。また、会場の奥に設 置されたメインステージでは国連大学の 学長によるプロジェクト紹介やスウェーデ ンデザイナー達が考える「サステナブルデ ザイン」、日本を舞台に活躍の幅を広げ る建築家マークダイサム氏の「建築から 見た東京」のトークセッションなどが行わ れ、同時に会場の前庭ではライブ演奏や パフォーマンスが行われた。今回のテー マに基づきフランスやフィンランドの長い歴 史をもつメーカーの家具も展示された。 トークセッションやライブパフォーマンスなど

元々トマス・モアが提唱した「ユートピア」 は管理された共産主義に理想を求め、 決して存在しない場所を通して当時の体 制を逆説的に批判したものであったのだ ろうけれども、僕らが行い、これからも探 し続けるそれは、議論、いや討論や激 論の先にある、より資本主義的な理想郷 なのかもしれない。 そして、それは決して存在していないも のではなく、もうすでにそこにあるのかも しれない。 この都市のなかに。

DESIGNTIDE TOKYO 2008メイン会場に「blur collection: 曖昧な輪郭」を出展し、好評を博した倉本仁。今年、これまでの デザインイベントでも度々注目を集めてきたデザインチーム「f.a.t」 を離れ、個人での活動を開始した。イベントの感想とともにデザ イナーとしての思想の変化を聞いた。

そうだ。大人であればあるほど、いや、頭が 固くなればなるほど、このドアは開かなくなる。 まず、「取っ手 (ドアパイプ) がとれる」という発 想がないだろう。この作品は、その思考回路 を利用してドアに鍵を閉める。人は学習能力 があるので、2回目はすぐに開けることができ る。だが、初めてこのドアを見たときに開けら れるかどうか?そこに、その人の頭の柔らかさ を見て取れるのではないだろうか? KENZO POWER by 原研哉 グラフィック・デザイナー原研哉氏がデザイン を手がけた、ファッションブランドKENZOの香 水。一般に、"POWER"という単語は力強い 男性的なイメージを連想させるが、今回は「繊 細さ」と「力強さ」の両面を持つ言葉として表 現されている。それは、谷崎潤一朗が『陰翳 礼讃』の中で描いた日本人の闇中の美しさと、 華麗で活力に満ちた西洋の美しさの融合とも いえる。バラでも、ジャスミンでも、フリージア でもない。しかし、何かを感じさせる香り。外 面に表れる力強さと、日本的な感性によって 見出される内面の精細さの、「内」 と 「外」の2 つの美が折り重なったとき、そこには香水の真 髄ともいうべき" 可憐な花 "の生命の香りが漂う TIDEのセレクトショップ感がよかった。 デザインタイドには、デザイン学校の友人たち と行ったのですが、アイディアとエネルギーが よかったとおもいます。個人的な好みになっ ちゃいますが、完成されたものより、ちょっと実 験段階的なものが好きなので、おもしろかった です。会場もこじんまりとしているのが、作り 手の温度を感じられていいとおもいました。会 場の不織布のパーテーションも暖かさややわら かさを演出していて、距離感が近まる感じが よいなとおもいました。

じが、あの場の自由でゆるい空気感をうみだ し、その未完成な感じが人間的でよいなと思 いました。あと、なんとなく吸い寄せられて来 ちゃった人が、不可思議そうに、けど、興味 を持っている様子もまた、なんともサプライズ・ プレゼントを送っているような感じでよかったよ うに思いました。

(Media Surf Communications Inc.)

トピア」に触れる場所として様々なコンテン ツを用意した。

僕のなかでデザインの潮流は 確実に変わってきたのでしょう。

DESIGNTIDE TOKYO

知の冒険はいま、都市に。

10/31 の夜、「サステナブル」「グリーン」 「デザイン」 といったテーマのもと、 青山の国連大学に一夜限りの「都市の ユートピア」 を作り出した。

倉本仁

エッジに曲面をくわえたシェルフ。そよ風をイ メージして名付けたとのことです。見た目だと わかりにくいですが、局面の仕上げがすばら しく、触り心地がとても気持ちいいです。

UNU

text: Akihiro Matsui

EXHIBITER INTERVIEW

from MEMBER 凄まじいスピードで変化しつづける都市、東京。その変化の波を伝えるTOKYO DESIGN FLOW。 そして、その原宿を中心に変化を巻き起こす一つの渦、Last Thursday。僕たちが創ります。

MAT. Director

トモジ Director

堀江大祐 Editorial Manager

清田直博 Prodution Manager

  今 年の DESIGNTIDE は去 年と はまた違った雰囲気でした。という のも去年まではすごく現場感が強く て、そこが面白いところでもあったん ですが、その分アラも目についてい ました。対照的に今年はものすごく 計画的に作りこまれていたので、ク オリティやまとまり感があったように思 えます。メインサイトのパワーは上 がったように感じました。会期中のミッ ドタウンでは他のイベントもやってい たのでDESIGNTIDE目当てではな い人も少なからずいて、結果的には お客さんの生の声が多く聞けたこと がうれしかったですね。  ただ賑わいがあったことはとても良 かったのですが、展示を見るための 適切な距離感が取れなくなっていた ような気もしました。出展者としては ブース全体の雰囲気と作品一つ一 つの雰囲気で個人の世界観をわか りやすく表現したいという思いがあり ます。少し離れて見る事で感じられ る雰囲気というのがとても重要だと 思っています。もう少し空気が入ると さらによかったのかもしれませんね。   今 年 僕 が 出 展したの は「blur collection: 曖昧な輪郭」といって、 「blur」は「ぼやけた」という意味な んですが、モノがもつ機能と機能と の境界線の曖昧さを表現したもので 新作を4 つ展示しました。例えば、 花瓶と水差し。花があるときは花瓶 として存在し、でも花がなければ水 差しとして機能するモノ。まな板とお 皿も食材を切る機能と料理を盛りつ ける機能、それぞれ異なる機能だけ ど境界を曖昧にすることで一つにな るというものです。  便利グッズのように思われてしまう かもしれませんが、このテーマは僕 の最近の考え方の変化と関係して いて、あまりモノを増やしたくないと いうか、最近あまりモノを買わない んです。食べ物みたいに残らないも のは買いやすいんですが、捨てるも の、使わなくなっても残るものは買い にくい。「すでに手元にある道具を 試行錯誤しながら上手につかって生 活してゆくコトがなんだかいいぞ」と いう考え方が今回の作品に如実に 反映されていると思っています。今 回の展示では興味を持ってくれる人 と、そうでない人にはっきり分かれた のですが、幸運なことに今 4 つとも

製品化が進んでいます。  最近思うことなのですが、僕を含 めたデザイナーの傾向としてコンセプ トが手法になってしまっているような 気がしていました。デザインを面白く 見せるためには、面白く説明できな くてはいけない、みたいに。人に納 得してもらう為のコンセプトのような。 そのために面白い考え方を無理矢 理絞り出すというような本末転倒な ことにもしばしばなってきます。その 点今回は、モノに対してシンプルに、 明確に向き合えたのかなと思うし、 それがデザインのように思えます。  デザインはモノを作る手法です が、最近はできるだけモノを作らず に質素に生活していきたいんです。 な生活をストイックに突き詰めていき たい。デザインとしても、今までは何 か面白い素材を使って、デザインを 面白くしたいと思ったこともありました が、今は特別な素材は使わず質素 なものを作っていきたいと思っていま す。僕のなかで、デザインの潮流が 変わってきたのでしょう。イベントに関 して言うと、来年はもっとメイン会場 で貯めたパワーが街に広がり、伝播 し、溢れる文化的な状況が生まれる とすばらしいなと願っています。

Jin Kuramoto 1976 年兵庫県淡路島生まれ。1999 年金沢美 術工芸大学工業デザイン学科卒業。2003 - 07 年 f.a.t のメンバーとしてデザイン活動を展開。 2008 年 JIN KURAMOTO STUDIOを設 立。 IF Design 賞、Good Design 賞等、受賞多数。

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Report

EVENT REPORTS from NEWSER デザインウィークの5日間は各会場に多くの人が訪れ、デザインに触れた。それぞれのデザインに向けられる目の視 点は人それぞれ。それらは貴重な意見となります。デザインジャーナリストの声だけでなく、すべての人が自分の目 で見たものを、自分なりに解釈し、ニュースを届ける。すべての人が「NEWSER」です。今回はデザインイベントの 来場者の声をお届けします。

Tokyo Designers Week, 100% design tokyo Plop by ふじもとまさひろ × 家具デザイン研 究所 × スイコー株式会社 水滴の落ちる瞬間を中空のスツールとテーブ ルの中に閉じ込めました。"Plop"とは、ぽちゃ んと水の落ちる音。クッションの裏や床に照明 を入れると、内側の突起がぼんやりと光りま す。周りの穴の開け方によって色々な表情を もつ、今までにないスツール(テーブル) だと 思います。 100%デザインの入場料が年々高くなってるこ

Adventure of wisdom is now in the city. No one can find the utopia, but now it might be found in the city. 10/31 LOOKING FOR URBAN UTOPIA text: MAT.

On the night of 31st of October, We created a situation of URBAN UTOPIA at United Nations University in Aoyama. What we think the URBAN UTOPIA is; the place you can learn through playing. the place everyone can meet up without their own interests. the place helps people to discuss, not to make mobocracy but to make the world better with wisdom. We wanted to create situation like above, so we provided contents. Not to make the night just one fabulous

party, but to make it to be the place to find hints for the future. We provided many contents such as live shows, talk sessions by the rector of UNU on their new projects, Swedish designers on sustainable design, Mark Dytham on Architecture in Tokyo and so on... Discussion has kept going after sessions. Utopia supposed to be the place that no one can find, but now we think it might be found in the city. It is already there...

ともあってか、今年は行かなかったという意見 を周りではけっこう聞きました。 今年の Weekは去年よりも商業展示会に近く なってしまってまとまりが無かった感がしました。

アンバランスなバランスの椅子 by エマニュエル・ムホー アクリルの座面の中で屈折したような椅子の脚 が座ってみてくれと訴えるようで好奇心を掻き 立てられます。

メイン会場で配られた不織布のバッグ by 森美穂子 家に着くころには底が擦れてバッグとして機能 しなくなりました。役目を終えたものが壊れる。 普通のことで、ものを使って生きる私たちが忘 れてはならない感慨をもたらす出来事なので すが、現代の強化されたものに囲まれる生活 ではなかなか味わえない。こういう、人の気持 ちや考えをデザインすることが今のデザイン業 界に求められているのだと確信しております。

軸のない時計 by コシマタモツ 文字盤が存在しない上に、時針の回転にとも なって傾く時計。大体の時刻。時間が相対 的であることをふと思い出してしまうような作品 です。 二次元のような花器 by 鈴木元 (E&Y CO.,LTD) E&Y CO.,LTD のブースは椅子の展示が多 かったのですが、しゃんと佇んで目に留まった のが鈴木元の花器でした。冷たくて重たい質 感で、角が鋭利、淡色でマット。なのに、温 かい空気をそこに醸していました。実際の質 量よりも薄く、平面に描かれた絵のように見え ます。作品そのものとしては一番ぐっときたか な。 古き良き調理器具や食器を、 現代の感覚で再デザイン by Arabeschi di Latte 食は栄養補給の他にも、創作、コミュニケー ションなど幸せのかほりでいっぱいです。そこ にデザインを加えてモチベーションを刺激する のも気持ち良いですよね。

鍵の無いドア/stereotype by 山本和豊 固定概念という鍵。ネタはばらしたくないです ね (笑) 「扉についているノブは、開けるためにあるモ ノ。だから、そこを引けば開くだろう」 人は自然とそんな風な固定観念に縛られてし まっている。しかし、この作品は違う。それを 逆手に取ってしまうのだ。パイプを引いてもド アが開かない。なぜだろう? ?そこには驚くべき 答えがあった。 「これは外せるんですよ∼!」 と、 山本さんはドアパイプをとってしまった! !なんてこ とだ。ドアパイプが外れるなんて予想だにしな い! しかもそのパイプを、ドアの蝶番 ( 軸 ) があ ると思っていた側につけた。「こちらを開けて みてください」すっと、ほとんど力を入れずに 簡単に開いてしまった。このドアは、人の先 入観を利用して鍵を閉めることを狙ったものだ

金曜日、後から、夜、国連大学の現場に到 着したとき、あの風船たちのお出迎えが、とて も幻想的で、率直に感動し、ときめきました。 あぁゆう、出会い頭のサプライズ的なインスタ レーションは、なんか、ときめき心潤うので、 すきです。黒崎さんたちのセッションは、例の バーベキュー隊でほぼ聞けませんでしたが、 会場内部は、オーガナイズされきれてない感

存在するはずのないユートピアを求めて。 10/31「LOOKING FOR URBAN UTOPIA」。

僕らの考える、「都市のユートピア」。 それはつまり、遊ぶように学べる場所。 利害関係を乗り越えて、誰もが集まれる 場所。 衆愚に向かうのではなく、議論がなされ 人々の叡智が集結することにより、 より良い世界へと向かうためのヒントを導き だす場所。 僕らはそういった状況を作り出したいと考 え、国連大学を舞台に単なる打ち上げ 花火としてのパーティでなく、 「都市のユー

の終了後も、その熱気は残り、会場の至 る所で議論が行われた。

国連大学の壁面には画像が投影され、 光り輝く風船や植物によって幻想的な空 間が作り出された。また、会場の奥に設 置されたメインステージでは国連大学の 学長によるプロジェクト紹介やスウェーデ ンデザイナー達が考える「サステナブルデ ザイン」、日本を舞台に活躍の幅を広げ る建築家マークダイサム氏の「建築から 見た東京」のトークセッションなどが行わ れ、同時に会場の前庭ではライブ演奏や パフォーマンスが行われた。今回のテー マに基づきフランスやフィンランドの長い歴 史をもつメーカーの家具も展示された。 トークセッションやライブパフォーマンスなど

元々トマス・モアが提唱した「ユートピア」 は管理された共産主義に理想を求め、 決して存在しない場所を通して当時の体 制を逆説的に批判したものであったのだ ろうけれども、僕らが行い、これからも探 し続けるそれは、議論、いや討論や激 論の先にある、より資本主義的な理想郷 なのかもしれない。 そして、それは決して存在していないも のではなく、もうすでにそこにあるのかも しれない。 この都市のなかに。

DESIGNTIDE TOKYO 2008メイン会場に「blur collection: 曖昧な輪郭」を出展し、好評を博した倉本仁。今年、これまでの デザインイベントでも度々注目を集めてきたデザインチーム「f.a.t」 を離れ、個人での活動を開始した。イベントの感想とともにデザ イナーとしての思想の変化を聞いた。

そうだ。大人であればあるほど、いや、頭が 固くなればなるほど、このドアは開かなくなる。 まず、「取っ手 (ドアパイプ) がとれる」という発 想がないだろう。この作品は、その思考回路 を利用してドアに鍵を閉める。人は学習能力 があるので、2回目はすぐに開けることができ る。だが、初めてこのドアを見たときに開けら れるかどうか?そこに、その人の頭の柔らかさ を見て取れるのではないだろうか? KENZO POWER by 原研哉 グラフィック・デザイナー原研哉氏がデザイン を手がけた、ファッションブランドKENZOの香 水。一般に、"POWER"という単語は力強い 男性的なイメージを連想させるが、今回は「繊 細さ」と「力強さ」の両面を持つ言葉として表 現されている。それは、谷崎潤一朗が『陰翳 礼讃』の中で描いた日本人の闇中の美しさと、 華麗で活力に満ちた西洋の美しさの融合とも いえる。バラでも、ジャスミンでも、フリージア でもない。しかし、何かを感じさせる香り。外 面に表れる力強さと、日本的な感性によって 見出される内面の精細さの、「内」 と 「外」の2 つの美が折り重なったとき、そこには香水の真 髄ともいうべき" 可憐な花 "の生命の香りが漂う TIDEのセレクトショップ感がよかった。 デザインタイドには、デザイン学校の友人たち と行ったのですが、アイディアとエネルギーが よかったとおもいます。個人的な好みになっ ちゃいますが、完成されたものより、ちょっと実 験段階的なものが好きなので、おもしろかった です。会場もこじんまりとしているのが、作り 手の温度を感じられていいとおもいました。会 場の不織布のパーテーションも暖かさややわら かさを演出していて、距離感が近まる感じが よいなとおもいました。

じが、あの場の自由でゆるい空気感をうみだ し、その未完成な感じが人間的でよいなと思 いました。あと、なんとなく吸い寄せられて来 ちゃった人が、不可思議そうに、けど、興味 を持っている様子もまた、なんともサプライズ・ プレゼントを送っているような感じでよかったよ うに思いました。

(Media Surf Communications Inc.)

トピア」に触れる場所として様々なコンテン ツを用意した。

僕のなかでデザインの潮流は 確実に変わってきたのでしょう。

DESIGNTIDE TOKYO

知の冒険はいま、都市に。

10/31 の夜、「サステナブル」「グリーン」 「デザイン」 といったテーマのもと、 青山の国連大学に一夜限りの「都市の ユートピア」 を作り出した。

倉本仁

エッジに曲面をくわえたシェルフ。そよ風をイ メージして名付けたとのことです。見た目だと わかりにくいですが、局面の仕上げがすばら しく、触り心地がとても気持ちいいです。

UNU

text: Akihiro Matsui

EXHIBITER INTERVIEW

from MEMBER 凄まじいスピードで変化しつづける都市、東京。その変化の波を伝えるTOKYO DESIGN FLOW。 そして、その原宿を中心に変化を巻き起こす一つの渦、Last Thursday。僕たちが創ります。

MAT. Director

トモジ Director

堀江大祐 Editorial Manager

清田直博 Prodution Manager

  今 年の DESIGNTIDE は去 年と はまた違った雰囲気でした。という のも去年まではすごく現場感が強く て、そこが面白いところでもあったん ですが、その分アラも目についてい ました。対照的に今年はものすごく 計画的に作りこまれていたので、ク オリティやまとまり感があったように思 えます。メインサイトのパワーは上 がったように感じました。会期中のミッ ドタウンでは他のイベントもやってい たのでDESIGNTIDE目当てではな い人も少なからずいて、結果的には お客さんの生の声が多く聞けたこと がうれしかったですね。  ただ賑わいがあったことはとても良 かったのですが、展示を見るための 適切な距離感が取れなくなっていた ような気もしました。出展者としては ブース全体の雰囲気と作品一つ一 つの雰囲気で個人の世界観をわか りやすく表現したいという思いがあり ます。少し離れて見る事で感じられ る雰囲気というのがとても重要だと 思っています。もう少し空気が入ると さらによかったのかもしれませんね。   今 年 僕 が 出 展したの は「blur collection: 曖昧な輪郭」といって、 「blur」は「ぼやけた」という意味な んですが、モノがもつ機能と機能と の境界線の曖昧さを表現したもので 新作を4 つ展示しました。例えば、 花瓶と水差し。花があるときは花瓶 として存在し、でも花がなければ水 差しとして機能するモノ。まな板とお 皿も食材を切る機能と料理を盛りつ ける機能、それぞれ異なる機能だけ ど境界を曖昧にすることで一つにな るというものです。  便利グッズのように思われてしまう かもしれませんが、このテーマは僕 の最近の考え方の変化と関係して いて、あまりモノを増やしたくないと いうか、最近あまりモノを買わない んです。食べ物みたいに残らないも のは買いやすいんですが、捨てるも の、使わなくなっても残るものは買い にくい。「すでに手元にある道具を 試行錯誤しながら上手につかって生 活してゆくコトがなんだかいいぞ」と いう考え方が今回の作品に如実に 反映されていると思っています。今 回の展示では興味を持ってくれる人 と、そうでない人にはっきり分かれた のですが、幸運なことに今 4 つとも

製品化が進んでいます。  最近思うことなのですが、僕を含 めたデザイナーの傾向としてコンセプ トが手法になってしまっているような 気がしていました。デザインを面白く 見せるためには、面白く説明できな くてはいけない、みたいに。人に納 得してもらう為のコンセプトのような。 そのために面白い考え方を無理矢 理絞り出すというような本末転倒な ことにもしばしばなってきます。その 点今回は、モノに対してシンプルに、 明確に向き合えたのかなと思うし、 それがデザインのように思えます。  デザインはモノを作る手法です が、最近はできるだけモノを作らず に質素に生活していきたいんです。 な生活をストイックに突き詰めていき たい。デザインとしても、今までは何 か面白い素材を使って、デザインを 面白くしたいと思ったこともありました が、今は特別な素材は使わず質素 なものを作っていきたいと思っていま す。僕のなかで、デザインの潮流が 変わってきたのでしょう。イベントに関 して言うと、来年はもっとメイン会場 で貯めたパワーが街に広がり、伝播 し、溢れる文化的な状況が生まれる とすばらしいなと願っています。

Jin Kuramoto 1976 年兵庫県淡路島生まれ。1999 年金沢美 術工芸大学工業デザイン学科卒業。2003 - 07 年 f.a.t のメンバーとしてデザイン活動を展開。 2008 年 JIN KURAMOTO STUDIOを設 立。 IF Design 賞、Good Design 賞等、受賞多数。

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TOKYO DESIGN FLOW paper N5

TOKYO DESIGN FLOW paper N5

10/30 DESIGNTIDE TOKYO

Jaime Hayon -Life with Smileハイメアジョン氏来日@ 伊勢丹新宿店 19:00-21:00 DESIGNTIDE TOKYO 2008 OPENING PARTY @ 東京ミッドタウンホール 20:00-22:00 elegance for future @ ザ・リッツカールトン東京 19:00-21:00 Generate Presents : Limited Editions by Design's Rising Stars @ ヴット ベルリン

10/31 18:00-21:00 +d EXHIBITIO0N 2008 @ LIGHT BOX STUDIO AOYAMA 18:00-20:00 WE ALL LIVE IN THEORY / "co existence" @ セオリー青山本店 18:30-21:00 Not UK. But UK.@ ロイズ・アンティークス青山 19:00WISM 2008 -Halloween Friday@ 恵比寿ザ ・ガーデンホール 19:00-21:00 unexpected harmony (PARTY) @ CIBONE AOYAMA 19:00-23:00 5th ANNIVERSARY PARTY @ CLASKA

11/1

11/2

15:00-19:00 TOKOLO meets INFRAME 「建築と連結 ∼繋がること、組み立てていくこと∼」 @ Life Creation space OVE

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11/3

nothing

19:00THOUSAND LEAVES @ OFFICE

12:00-13:00 感性 -Japan Design ExhibisionMETTI 高木 JETRO 稲葉 チームラボ株式会社 猪子 JTQ 谷川 日経デザイン下川 デザインアソシエーション

13:00-14:00 HEIGO

17:00WISM 2008 -Organic Saturday@恵比寿ザ ・ガーデンホール 18:00-22:00 the MOTHER of DESIGN Reception Party @丸の内ハウス 19:00-22:00 Ping Pong Project @ MiLK CAF_ 21:00-23:00 5th Anniversary

19:30-21:30 -Roppongi Kimono Night in DesignTide- @ awai 20:00-21:30 MUJI @ MUJI 東京ミッドタウン

TOKYO DESIGNERS WEEK 100% Design Tokyo

11:00-11:45 100% From Zero/Presentation テコデザイン 柴田映司 福嶋賢二 山口光 14:30-15:30 kanada karada 16:00-17:00 環境問題をデザインから考える partⅡ 町田ひろ子アカデミー 町田ひろ子 環境省 地球環境局 チーム・マイナス6% 林 俊宏

11:00-11:30 100% Professional/Presentation 大西香次郎 によるプレゼンテーション 11:00-13:00 ZERO EXHIBITION/Presentation Z-20 tickle 有村勇 Z-31 吉岡海士郎 Z-25 松原美恵  Z-16 STORE MUU 浅倉昌宏 Z-09 Oyadica 青山美波 Z-01 葵花織 Z-37 金澤匠平+中村友美 Z-45 向出めるも Z-29 村上江里子

14:00-16:30 「デザインと匠の技」世界デザイン編集長会議 パネリスト Marcus Fairs Annina Koivu Chantal Clavier Hameaide 喜多俊之 17:30-19:30 100% Award Ceremony & Party

13:00-15:00 Chairs&lights

15:00-16:00 デザインとアート サイトウマコト×喜多俊之

15:00-16:30 マイケル・ヤング×カルタ・ヒーリー

16:00-17:30 駐日欧州委員会 表彰式

17:00-19:00 STUDENT EXHIBITION Review

Company Presentation 10:30-11:00 TOTO 株式会社 11:30-12:00 株式会社エイブル 14:00-14:30 日産自動車株式会社 15:00-15:30 株式会社モリモト 16:00-16:30 富士通株式会社 17:00-17:30 富士電機システムズ株式会社 Container Presentation 11:00-11:30 多摩美術大学 12:00-12:30 家具研究所 15:00-16:00 浅葉克己×日蓮宗

19:00-20:00 TOKYO DESIGN PREMIO

16:30-17:30 「家具を作る会社」株式会社マルニ木工 開発部 部長 河村謙一 によるプレゼンテーション 19:00-21:00 Designers Party

TOKYO DESIGN FLOW

20:00-5:00 Last Thursday 22:00-23:30 Night Pedal Cruising

18:00-23:00 URBAN UTOPIA @ UNU

12:00-17:00

12:00-17:00

@GYRE

@GYRE

nothing

We are Looking For… Situationist 都市に状況を作ることに興味が在る人, 現代の革命家を捜しています。政治や経済よりもスポーツや文化で社会に新しい状況を作ろう。

Newser, Writer, Executive Contributer, Editor. 携帯電話一つで社会を斬る新しいニュース記者を求めています。ウェブ上に投稿するNewser、読者の評価で印刷媒体 (Tokyo design Flow 等) のWriter へ、 そして文章の力で人々を動かす事のできるExecutive Contributor、 そしてメディアサーフの新しい情報事業の編集を進めるEditor を募集しています。詳しくはinfo@tokyodesignflow.com へお問い合わせください。

Web Creator トウキョウのデザインの流れを伝えるメディアとしての機能を果たすTOKYO DESIGN FLOW のウェブサイトを一緒に作り上げてくる方を募集しています。アイディアとセンスで既成概念を越えていく 「WEB CREATOR」 をお待ちしています。

Message from TOKYO DESIGN FLOW WEB TEAM

たり明治神宮前だったりする。 でもどれもウソではない。

表参道の測量

 ウェブサイトに掲載されている「地図」 というのは大抵がリアルからはほど遠

 街からコトへ、 モノへ、 そしてヒトへ。 あなたとわたしが見ている街はきっと違

い代物で、 それは北が上にしろ下にしろ、 わたしたちは誰かの主観によってデ

う。 でも両方ともがホンモノで正しい。 それは「地図」 というすぐには変えられな

フォルメされた何かを見せられている。 もちろん、 GoogleMapだってそう。 それ

い道、 建物、 駅によって裏付けられる物語だから。

「表参道」 と言われると、 なぜか銀杏並木を思い出す。 よく考えればあの並木

ない。

は便利とはまた別の次元の話。 ロケーションというのは概念的で曖昧だけれ

 表参道のリアルを一望する、 インタラクティブな地図作成プロジェクト。地図は

道の最寄駅は外苑前だから、 きっと表参道とはみんな呼ばない。 でも、表参道

ど、 でも絶対に、 最もその人にとってリアルであるべきものなのだ。

必ずしも在るものではなく、 ときに人が自由に生み出すものだろう。街のイマの

から歩いたあの日があるから、 わたしにとってそこはもう「表参道」なのだ。 その

 わたしたちはいま、 誰にとっても「リアル」で在り続けられるウェブ上の地図を

体温を感じられる絵画、 それがわたしたちの描きたい「地図」である。

くらい、地名というのはあやふやで、融通が利くものだと思う。 だって実は六本

作ろうとしている。 たとえば、 ジョガーにとってのリアルな表参道は走りやすい道

木と乃木坂は目と鼻の先だし、原宿と明治神宮前なんてほぼ同じ駅。 けれども

だろうし、 スカウトマンにとっては可愛い若い子の集まる通りなのだろう。 さらにも

わたしたちはミッドタウンを六本木と呼び、 代々木体育館は人によって原宿だっ

しかしたら、 ネズミにとっては誰も気付かないところに走る下水道なのかもしれ

文:ocojo


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10/30 DESIGNTIDE TOKYO

Jaime Hayon -Life with Smileハイメアジョン氏来日@ 伊勢丹新宿店 19:00-21:00 DESIGNTIDE TOKYO 2008 OPENING PARTY @ 東京ミッドタウンホール 20:00-22:00 elegance for future @ ザ・リッツカールトン東京 19:00-21:00 Generate Presents : Limited Editions by Design's Rising Stars @ ヴット ベルリン

10/31 18:00-21:00 +d EXHIBITIO0N 2008 @ LIGHT BOX STUDIO AOYAMA 18:00-20:00 WE ALL LIVE IN THEORY / "co existence" @ セオリー青山本店 18:30-21:00 Not UK. But UK.@ ロイズ・アンティークス青山 19:00WISM 2008 -Halloween Friday@ 恵比寿ザ ・ガーデンホール 19:00-21:00 unexpected harmony (PARTY) @ CIBONE AOYAMA 19:00-23:00 5th ANNIVERSARY PARTY @ CLASKA

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15:00-19:00 TOKOLO meets INFRAME 「建築と連結 ∼繋がること、組み立てていくこと∼」 @ Life Creation space OVE

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19:00THOUSAND LEAVES @ OFFICE

12:00-13:00 感性 -Japan Design ExhibisionMETTI 高木 JETRO 稲葉 チームラボ株式会社 猪子 JTQ 谷川 日経デザイン下川 デザインアソシエーション

13:00-14:00 HEIGO

17:00WISM 2008 -Organic Saturday@恵比寿ザ ・ガーデンホール 18:00-22:00 the MOTHER of DESIGN Reception Party @丸の内ハウス 19:00-22:00 Ping Pong Project @ MiLK CAF_ 21:00-23:00 5th Anniversary

19:30-21:30 -Roppongi Kimono Night in DesignTide- @ awai 20:00-21:30 MUJI @ MUJI 東京ミッドタウン

TOKYO DESIGNERS WEEK 100% Design Tokyo

11:00-11:45 100% From Zero/Presentation テコデザイン 柴田映司 福嶋賢二 山口光 14:30-15:30 kanada karada 16:00-17:00 環境問題をデザインから考える partⅡ 町田ひろ子アカデミー 町田ひろ子 環境省 地球環境局 チーム・マイナス6% 林 俊宏

11:00-11:30 100% Professional/Presentation 大西香次郎 によるプレゼンテーション 11:00-13:00 ZERO EXHIBITION/Presentation Z-20 tickle 有村勇 Z-31 吉岡海士郎 Z-25 松原美恵  Z-16 STORE MUU 浅倉昌宏 Z-09 Oyadica 青山美波 Z-01 葵花織 Z-37 金澤匠平+中村友美 Z-45 向出めるも Z-29 村上江里子

14:00-16:30 「デザインと匠の技」世界デザイン編集長会議 パネリスト Marcus Fairs Annina Koivu Chantal Clavier Hameaide 喜多俊之 17:30-19:30 100% Award Ceremony & Party

13:00-15:00 Chairs&lights

15:00-16:00 デザインとアート サイトウマコト×喜多俊之

15:00-16:30 マイケル・ヤング×カルタ・ヒーリー

16:00-17:30 駐日欧州委員会 表彰式

17:00-19:00 STUDENT EXHIBITION Review

Company Presentation 10:30-11:00 TOTO 株式会社 11:30-12:00 株式会社エイブル 14:00-14:30 日産自動車株式会社 15:00-15:30 株式会社モリモト 16:00-16:30 富士通株式会社 17:00-17:30 富士電機システムズ株式会社 Container Presentation 11:00-11:30 多摩美術大学 12:00-12:30 家具研究所 15:00-16:00 浅葉克己×日蓮宗

19:00-20:00 TOKYO DESIGN PREMIO

16:30-17:30 「家具を作る会社」株式会社マルニ木工 開発部 部長 河村謙一 によるプレゼンテーション 19:00-21:00 Designers Party

TOKYO DESIGN FLOW

20:00-5:00 Last Thursday 22:00-23:30 Night Pedal Cruising

18:00-23:00 URBAN UTOPIA @ UNU

12:00-17:00

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@GYRE

@GYRE

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We are Looking For… Situationist 都市に状況を作ることに興味が在る人, 現代の革命家を捜しています。政治や経済よりもスポーツや文化で社会に新しい状況を作ろう。

Newser, Writer, Executive Contributer, Editor. 携帯電話一つで社会を斬る新しいニュース記者を求めています。ウェブ上に投稿するNewser、読者の評価で印刷媒体 (Tokyo design Flow 等) のWriter へ、 そして文章の力で人々を動かす事のできるExecutive Contributor、 そしてメディアサーフの新しい情報事業の編集を進めるEditor を募集しています。詳しくはinfo@tokyodesignflow.com へお問い合わせください。

Web Creator トウキョウのデザインの流れを伝えるメディアとしての機能を果たすTOKYO DESIGN FLOW のウェブサイトを一緒に作り上げてくる方を募集しています。アイディアとセンスで既成概念を越えていく 「WEB CREATOR」 をお待ちしています。

Message from TOKYO DESIGN FLOW WEB TEAM

たり明治神宮前だったりする。 でもどれもウソではない。

表参道の測量

 ウェブサイトに掲載されている「地図」 というのは大抵がリアルからはほど遠

 街からコトへ、 モノへ、 そしてヒトへ。 あなたとわたしが見ている街はきっと違

い代物で、 それは北が上にしろ下にしろ、 わたしたちは誰かの主観によってデ

う。 でも両方ともがホンモノで正しい。 それは「地図」 というすぐには変えられな

フォルメされた何かを見せられている。 もちろん、 GoogleMapだってそう。 それ

い道、 建物、 駅によって裏付けられる物語だから。

「表参道」 と言われると、 なぜか銀杏並木を思い出す。 よく考えればあの並木

ない。

は便利とはまた別の次元の話。 ロケーションというのは概念的で曖昧だけれ

 表参道のリアルを一望する、 インタラクティブな地図作成プロジェクト。地図は

道の最寄駅は外苑前だから、 きっと表参道とはみんな呼ばない。 でも、表参道

ど、 でも絶対に、 最もその人にとってリアルであるべきものなのだ。

必ずしも在るものではなく、 ときに人が自由に生み出すものだろう。街のイマの

から歩いたあの日があるから、 わたしにとってそこはもう「表参道」なのだ。 その

 わたしたちはいま、 誰にとっても「リアル」で在り続けられるウェブ上の地図を

体温を感じられる絵画、 それがわたしたちの描きたい「地図」である。

くらい、地名というのはあやふやで、融通が利くものだと思う。 だって実は六本

作ろうとしている。 たとえば、 ジョガーにとってのリアルな表参道は走りやすい道

木と乃木坂は目と鼻の先だし、原宿と明治神宮前なんてほぼ同じ駅。 けれども

だろうし、 スカウトマンにとっては可愛い若い子の集まる通りなのだろう。 さらにも

わたしたちはミッドタウンを六本木と呼び、 代々木体育館は人によって原宿だっ

しかしたら、 ネズミにとっては誰も気付かないところに走る下水道なのかもしれ

文:ocojo


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Kensho Onuki

30 OCT.2008 REPORT

Interview

前号に引き続きロックDJ大貫憲章氏のインタビューを掲載!

冒険都市、原宿

text: 三枝弦太郎

Night Pedal Cruising

シリーズ5 回目を迎えた「Last Thursday」。今回のテーマは「Looking for Urban Utopia ∼都市のユートピアを探して∼」。ユートピアは冒険の中にこ そ出現する。都市に潜む冒険を炙り出し、都市の風景を変貌させる試みに、異 彩を放つ面々が集結した。彼らは、都市の冒険者。原宿に異空間が出現した。

自転車の流れは未来へ繋がっている

text: 清田直博(Media Surf Communications Inc.) 萱原正嗣(カヤハラマサツグ)

Drag Queen ドラッグクイーン参上! Last Thursdayにドラッグクイーンが登場。縛られ るものが多い都市の中で、誰もが自分らしくいら れるのがUrban Utopia。

LAST THURSDAY LIVE PAINTING PERFORMANCE 原宿での思い出はありますか?  セントラルアパートに編集関係やカメラ マンの事務所があったので、 1階の喫茶店 レオンで待ち合わせをしたり、そこで色々 な人に取材をしてました。 その頃の原宿は まだ大人がいる場所で、文化人、編集者、 デザイナー、そういう人が沢山いて、その 中にいることで自分が少し偉くなったよう な気になったりもして。その後だと、パンク の頃に極楽鳥ていう輸入雑貨のお店が できて、 そこの人と仲良くなってよく遊びに いってましたね。 あと古着屋の赤富士で初 めてピストルズのシングルを買ったりとか、

色々な思い出があります。

profile 大貫憲章

今興味があることは?  ラジオを面白くしたいですね。何時も同 じ曲ばかりではなく、来週はどんな音楽が かかるか分からない、 そんな番組をやりた いです。何千と番組がある中でそういう番 組があっても良いと思うので。 あと、 僕は音 楽難民と呼んでるんですけど、 何を聞いて 良いか分からない人が非常に多い。そう いう人達に向けても、 みんなが本当に聞き たい曲、良い曲を聞かせてあげたいです ね。

51 年東京生まれ。立教大卒。音楽評論家、 DJ、 イベント プロデューサー。 71 年大学在学時から音楽評論家とし てキャリアをスタート、当時無名のQUEENを日本にい ち早く紹介したり、 SEX PISTOLS,THE CLASHなど のロンドン・パンクを現地取材するなど、 時代の節目節目 でのキーを握る。雑誌「an an」でのエディターなどを経 てNHK FM「若いこだま」でラジオDJ 活動も開始。 79 年、 日本初のUK 専門チャート番組となるラジオ日本「全 英TOP20」を、 さらに同局の「サウンドプロセッサー」、 JFN「ロックディメンション」、 TVK「ミュートマ・ワールド」 などを経て現在JFN12 局OA 中「ロンナイ」で選曲、構 成、 パーソナリティーの三役をこなす。主な専門分野は 60∼90年代のイギリスのロック。 www.kenrocks.net

TOKYO DESIGN FLOW and Cabaret proudly present Jim Avignon SMOKE Omotesando, Nov. 27th and at Farmer's Market, Nov. 30th You are invited to join in for an evening of music and live painting performances by the Berlin based pop-artist icon Jim Avignon, at his first time in Tokyo! TOKYO DESIGN FLOW & Cabaretプレセンツジムアヴィニョン ベルリンのPOPアーティストアイコン、 ジムアヴィニョン遂に東京、初上陸! TOKYO DESIGN FLOW LAST THURSDAY @Smoke11月27日とFarmer's Market@ キャット ストリート・表参道11月30日! ジムアヴィニョンのLIVEコンザート&ペインティングパフォーマンスやりま す。Check it out!!! 11月29,30日のFarmer's Marketでもパフォーマンスします。 Jim Avignon a.k.a. Neoanginは、 イラストや音楽を手掛けるドイツのポップアーティストで、 ニューヨークとベルリンを拠点に活動していま と、 アート す。スピードイラストと異色のパフォーマンスでよく知られ、 「ひとつの作品を1000ドルで売るより、多くの作品を1ドルで売りたい」 マンスを演じて見せました。かつてベルリンの壁だったイーストサイドギャラリーにも彼のイラストが描かれており、世界各地で作品を発表し てきました。 また、 ワンマンバンドNeoanginとしてCDも何枚か出していて、 ショータイムでは歌をうたったり、 ライブペインティングも行なった りしています。今年はワールドツアーを行い、 サンパウロではアートスペースで作品を展示し、 モスクワやフランスではアートフェスティバルの 企画・運営、 ニューヨーク、 ルツェルン、 ムルハウス、 ベルリンでも各種パフォーマンスを演じました。 そしてついに11月末には東京を訪れ、 日本のファンの前でライブペインティングとミュージックパフォーマンスを見せてくれることになりました。

www.jimavignon.com

Fire Performance by aira 蘇る炎の記憶 火は太古より人類とともにあった。火のぬくもり に、火の揺らめきに、中空を舞う炎に、太古の記 憶が蘇る。

Hoop Tokyo @OMOTESANDO st.

10月30日ハロウィンで盛り上がる表 参 道 の 夜、GYRE ビ ル 前 はNight Pedal Cruising の噂を聞きつけ総 勢100 名を 超えるペダリストが集結、一ヶ月ぶりの再 会を祝うフラフープ&ファイヤーダンスは 文字通りその熱気の火に油を注ぎ、現場 は一時騒然となった。 その騒ぎに集まった オーディエンスに見送られスタート。表参道 を凱旋周回し、恵比寿方面へ明治通りを 上る自転車の一群。 排気ガスをまき散らし化石燃料を大量消 費しながら、年間何万人もの交通事故死 者の屍の上に発展していく自動車産業。 自 動車に占拠されてしまった道路へヒューマ ニティーを取り戻すため、 サンフランシスコ で1992 年から始まったとされるクリティカル は1997 マス (大集団によるグループライド) 年に7000台を超えるサイクリストを集め、 そ の最高潮を迎えた。僕らもその夜、規模は 違えどマスな気分の一端を味わったような 気がする。代々木公園にゴールした後は、 皆さん思い思いの自転車談義。 なにより事 故も無く、 無事にライドを終える事ができス タッフ一同は胸を撫で下ろす。 この月に一 度の自転車の流れが勢いを増し、今後の 社会の流れを変えていけることを祈る。 賞品協力:株式会社やまと

いつもより多めに廻しています。

DJs & Lives

フープ集団 Hoop Tokyo が表参道で遊ぶ。特 別なステージはない。彼女たちが立つところが、 ス テージになる。

いつものバーやカフェが、 この日はクラブに、 ライブ 会場に。 お酒と音楽で、 みんな友達。

*本イベントはあらゆる自転車の参加を歓迎しますが、 交通 法規を守り安全にグループライドを行う事を最優先します。 ノンブレーキ自転車を推奨するものではありません。

Farmer's Market@GYRE REPORT フスタイルを探っていきたいと思います。 一つ渦ができれば、 それを二つ三つと増や していけます。渦が集まれば、都市の流れ を変えられるでしょう。 まだ見えない、 明るい 未来の都市生活。 答えはきっと、 渦の中に。

PARTNER(出店者)

YOKONORI&ROCK の精神で フルーツの魅力を伝えていく。 text:成瀬大輔

次回および次々回概要: 日時:11月29日、 30日 11時から17 時 12月20日、 21日 11時から17 時 場所:GYRE B1F 詳細:http://www.tokyodesignflow.com/ event/fm.html

ORGANISER

未来は渦の中に text:田中佑資(TOKYO DESIGN FLOW)

http://www.eco-land.jp/ 今回、 イベントの開催に当たって、中古食器のリユース提供をさせていただきました。 エコランドとは 「そんなに、いらない。Less is beautiful.」 をコンセプトにエコなライフスタイルのご提案やリサイクルを通して、お客様の暮らし をスマートにし、地球環境をサステナブルにするサービスです。

サービス概要 1. エコ回収 (お片づけ/回収・買取) エコ回収ではお客様一人一人のライフスタイルに合わせた整理収納のお手伝いと、 いらなくなったモノの回収・買取を致します。

きながらも中心を持ち、 ヒトやモノを惹き 付け、エネルギーを生み出す運動体。渦。

ことができました。  クリエイター(農家) の想いが詰まった 有機野菜に旬の果物、 さらには人の背た けほどもある盆栽や切り花、 ブーケまでが 並び、 それをアーティストの音楽が彩る。 自 然の恵み踊る、楽しげな空間。来ていただ

いたお客様には、少しでもそれを味わって いただけたのではないかと思います。 見た目は何の変哲もないニンジン。食べ てみる。今まで食べたことないくらい美味し い。植物の大胆さ、花のキレイさにみとれ る。 なんだか救われたような気持ちになる。 見たことのない野菜を知る。ひとつの果物 でも産地によって色々な種類があることを 知る。 と同時に、世界が広がる。農家の人 のまっすぐな想いに触れる。心が温まる。 こ れが安心。

今年の7月からTOKYO DESIGN FLOW にも参加している南青山にあるChambres 楽・アートのイベント VIVA LA FRUITS を開催、 そして今回、 そのご縁もあって、 した。祖父・父・自分と受け継がれたフルー ツ店をいかに楽しく継続するかをモットー に、 自分が影響を受けたサーフィン・スノー ボード・音楽の感覚をフルーツと融合させ、 新感覚のフルーツ店を目指しています。 目 で色を、 口で味覚を感じ、 自分で見て食べ て納得いくものを提供していきたいと思っ ています。今回のイベントに参加し、 フルー ツを通じて色々なお客様とコミュニケーショ

ンがとれ、 改めて対面販売の楽しさと大切 さを再認識し、 新たなフルーツの可能性を

しいと言ってくれる時が最高の幸せです。 創業百年を目指し、常にYOKONORI & ROCKの精神でフルーツの美味しさと美し さを伝えていきたいです。

1970 年東京都生まれ。西武新宿線都立家政駅前のフ タバ・フルーツ三代目。サーフインやスノーボードを通じ て自然や仲間の大切さを学ぶ。 自然の恵みであるフルー ツをさまざまな角度からアピールし、 フルーツ本来の可愛 らしさや美味しさを伝えていくべく活動中。道すがら仲間 が集まり、 クリエイティブチームMEOWを発足。 ものづく りからイベント企画まで、 想いのままに動き回る。 meow-mm.com

は、 日常の中の、 こういう豊かさです。いま の都市生活に、 ちょっとした物足りなさや後 ろめたさ、 ありませんか。 それはどこから来る んでしょうか。TOKYO DESIGN FLOW 人、都市と自然をつなぎなおし、新しいライ

2. Re-use 不用になってしまった品物でも100 円から出品することでちょうどこれが欲しかった!という人に届けることができる独自のシステムです。エコオクで落札されなかった品物 はリサイクルショップに運びメンテナンスやクリーニングの工程を経て店頭にて販売されます。

3. Re-cycle またエコオク、 リサイクルショップでもRe-use の難しいモノについては、 ゼロエミッションセンター(ZEC) にて徹底的に解体・分別・加工しRe-cycleをしております。

4. Re-arise

>>> 12.25 2008

Peace Night in Smoke We need ladies and gentlemen. 平和は煙の中にある。 12.25(Thu) 20:00 OPEN @ SMOKE Live and DJs, Special Drink and Food (Smoke BBQ)


10 TOKYO DESIGN FLOW paper N5

TOKYO DESIGN FLOW paper N5 11

Kensho Onuki

30 OCT.2008 REPORT

Interview

前号に引き続きロックDJ大貫憲章氏のインタビューを掲載!

冒険都市、原宿

text: 三枝弦太郎

Night Pedal Cruising

シリーズ5 回目を迎えた「Last Thursday」。今回のテーマは「Looking for Urban Utopia ∼都市のユートピアを探して∼」。ユートピアは冒険の中にこ そ出現する。都市に潜む冒険を炙り出し、都市の風景を変貌させる試みに、異 彩を放つ面々が集結した。彼らは、都市の冒険者。原宿に異空間が出現した。

自転車の流れは未来へ繋がっている

text: 清田直博(Media Surf Communications Inc.) 萱原正嗣(カヤハラマサツグ)

Drag Queen ドラッグクイーン参上! Last Thursdayにドラッグクイーンが登場。縛られ るものが多い都市の中で、誰もが自分らしくいら れるのがUrban Utopia。

LAST THURSDAY LIVE PAINTING PERFORMANCE 原宿での思い出はありますか?  セントラルアパートに編集関係やカメラ マンの事務所があったので、 1階の喫茶店 レオンで待ち合わせをしたり、そこで色々 な人に取材をしてました。 その頃の原宿は まだ大人がいる場所で、文化人、編集者、 デザイナー、そういう人が沢山いて、その 中にいることで自分が少し偉くなったよう な気になったりもして。その後だと、パンク の頃に極楽鳥ていう輸入雑貨のお店が できて、 そこの人と仲良くなってよく遊びに いってましたね。 あと古着屋の赤富士で初 めてピストルズのシングルを買ったりとか、

色々な思い出があります。

profile 大貫憲章

今興味があることは?  ラジオを面白くしたいですね。何時も同 じ曲ばかりではなく、来週はどんな音楽が かかるか分からない、 そんな番組をやりた いです。何千と番組がある中でそういう番 組があっても良いと思うので。 あと、 僕は音 楽難民と呼んでるんですけど、 何を聞いて 良いか分からない人が非常に多い。そう いう人達に向けても、 みんなが本当に聞き たい曲、良い曲を聞かせてあげたいです ね。

51 年東京生まれ。立教大卒。音楽評論家、 DJ、 イベント プロデューサー。 71 年大学在学時から音楽評論家とし てキャリアをスタート、当時無名のQUEENを日本にい ち早く紹介したり、 SEX PISTOLS,THE CLASHなど のロンドン・パンクを現地取材するなど、 時代の節目節目 でのキーを握る。雑誌「an an」でのエディターなどを経 てNHK FM「若いこだま」でラジオDJ 活動も開始。 79 年、 日本初のUK 専門チャート番組となるラジオ日本「全 英TOP20」を、 さらに同局の「サウンドプロセッサー」、 JFN「ロックディメンション」、 TVK「ミュートマ・ワールド」 などを経て現在JFN12 局OA 中「ロンナイ」で選曲、構 成、 パーソナリティーの三役をこなす。主な専門分野は 60∼90年代のイギリスのロック。 www.kenrocks.net

TOKYO DESIGN FLOW and Cabaret proudly present Jim Avignon SMOKE Omotesando, Nov. 27th and at Farmer's Market, Nov. 30th You are invited to join in for an evening of music and live painting performances by the Berlin based pop-artist icon Jim Avignon, at his first time in Tokyo! TOKYO DESIGN FLOW & Cabaretプレセンツジムアヴィニョン ベルリンのPOPアーティストアイコン、 ジムアヴィニョン遂に東京、初上陸! TOKYO DESIGN FLOW LAST THURSDAY @Smoke11月27日とFarmer's Market@ キャット ストリート・表参道11月30日! ジムアヴィニョンのLIVEコンザート&ペインティングパフォーマンスやりま す。Check it out!!! 11月29,30日のFarmer's Marketでもパフォーマンスします。 Jim Avignon a.k.a. Neoanginは、 イラストや音楽を手掛けるドイツのポップアーティストで、 ニューヨークとベルリンを拠点に活動していま と、 アート す。スピードイラストと異色のパフォーマンスでよく知られ、 「ひとつの作品を1000ドルで売るより、多くの作品を1ドルで売りたい」 マンスを演じて見せました。かつてベルリンの壁だったイーストサイドギャラリーにも彼のイラストが描かれており、世界各地で作品を発表し てきました。 また、 ワンマンバンドNeoanginとしてCDも何枚か出していて、 ショータイムでは歌をうたったり、 ライブペインティングも行なった りしています。今年はワールドツアーを行い、 サンパウロではアートスペースで作品を展示し、 モスクワやフランスではアートフェスティバルの 企画・運営、 ニューヨーク、 ルツェルン、 ムルハウス、 ベルリンでも各種パフォーマンスを演じました。 そしてついに11月末には東京を訪れ、 日本のファンの前でライブペインティングとミュージックパフォーマンスを見せてくれることになりました。

www.jimavignon.com

Fire Performance by aira 蘇る炎の記憶 火は太古より人類とともにあった。火のぬくもり に、火の揺らめきに、中空を舞う炎に、太古の記 憶が蘇る。

Hoop Tokyo @OMOTESANDO st.

10月30日ハロウィンで盛り上がる表 参 道 の 夜、GYRE ビ ル 前 はNight Pedal Cruising の噂を聞きつけ総 勢100 名を 超えるペダリストが集結、一ヶ月ぶりの再 会を祝うフラフープ&ファイヤーダンスは 文字通りその熱気の火に油を注ぎ、現場 は一時騒然となった。 その騒ぎに集まった オーディエンスに見送られスタート。表参道 を凱旋周回し、恵比寿方面へ明治通りを 上る自転車の一群。 排気ガスをまき散らし化石燃料を大量消 費しながら、年間何万人もの交通事故死 者の屍の上に発展していく自動車産業。 自 動車に占拠されてしまった道路へヒューマ ニティーを取り戻すため、 サンフランシスコ で1992 年から始まったとされるクリティカル は1997 マス (大集団によるグループライド) 年に7000台を超えるサイクリストを集め、 そ の最高潮を迎えた。僕らもその夜、規模は 違えどマスな気分の一端を味わったような 気がする。代々木公園にゴールした後は、 皆さん思い思いの自転車談義。 なにより事 故も無く、 無事にライドを終える事ができス タッフ一同は胸を撫で下ろす。 この月に一 度の自転車の流れが勢いを増し、今後の 社会の流れを変えていけることを祈る。 賞品協力:株式会社やまと

いつもより多めに廻しています。

DJs & Lives

フープ集団 Hoop Tokyo が表参道で遊ぶ。特 別なステージはない。彼女たちが立つところが、 ス テージになる。

いつものバーやカフェが、 この日はクラブに、 ライブ 会場に。 お酒と音楽で、 みんな友達。

*本イベントはあらゆる自転車の参加を歓迎しますが、 交通 法規を守り安全にグループライドを行う事を最優先します。 ノンブレーキ自転車を推奨するものではありません。

Farmer's Market@GYRE REPORT フスタイルを探っていきたいと思います。 一つ渦ができれば、 それを二つ三つと増や していけます。渦が集まれば、都市の流れ を変えられるでしょう。 まだ見えない、 明るい 未来の都市生活。 答えはきっと、 渦の中に。

PARTNER(出店者)

YOKONORI&ROCK の精神で フルーツの魅力を伝えていく。 text:成瀬大輔

次回および次々回概要: 日時:11月29日、 30日 11時から17 時 12月20日、 21日 11時から17 時 場所:GYRE B1F 詳細:http://www.tokyodesignflow.com/ event/fm.html

ORGANISER

未来は渦の中に text:田中佑資(TOKYO DESIGN FLOW)

http://www.eco-land.jp/ 今回、 イベントの開催に当たって、中古食器のリユース提供をさせていただきました。 エコランドとは 「そんなに、いらない。Less is beautiful.」 をコンセプトにエコなライフスタイルのご提案やリサイクルを通して、お客様の暮らし をスマートにし、地球環境をサステナブルにするサービスです。

サービス概要 1. エコ回収 (お片づけ/回収・買取) エコ回収ではお客様一人一人のライフスタイルに合わせた整理収納のお手伝いと、 いらなくなったモノの回収・買取を致します。

きながらも中心を持ち、 ヒトやモノを惹き 付け、エネルギーを生み出す運動体。渦。

ことができました。  クリエイター(農家) の想いが詰まった 有機野菜に旬の果物、 さらには人の背た けほどもある盆栽や切り花、 ブーケまでが 並び、 それをアーティストの音楽が彩る。 自 然の恵み踊る、楽しげな空間。来ていただ

いたお客様には、少しでもそれを味わって いただけたのではないかと思います。 見た目は何の変哲もないニンジン。食べ てみる。今まで食べたことないくらい美味し い。植物の大胆さ、花のキレイさにみとれ る。 なんだか救われたような気持ちになる。 見たことのない野菜を知る。ひとつの果物 でも産地によって色々な種類があることを 知る。 と同時に、世界が広がる。農家の人 のまっすぐな想いに触れる。心が温まる。 こ れが安心。

今年の7月からTOKYO DESIGN FLOW にも参加している南青山にあるChambres 楽・アートのイベント VIVA LA FRUITS を開催、 そして今回、 そのご縁もあって、 した。祖父・父・自分と受け継がれたフルー ツ店をいかに楽しく継続するかをモットー に、 自分が影響を受けたサーフィン・スノー ボード・音楽の感覚をフルーツと融合させ、 新感覚のフルーツ店を目指しています。 目 で色を、 口で味覚を感じ、 自分で見て食べ て納得いくものを提供していきたいと思っ ています。今回のイベントに参加し、 フルー ツを通じて色々なお客様とコミュニケーショ

ンがとれ、 改めて対面販売の楽しさと大切 さを再認識し、 新たなフルーツの可能性を

しいと言ってくれる時が最高の幸せです。 創業百年を目指し、常にYOKONORI & ROCKの精神でフルーツの美味しさと美し さを伝えていきたいです。

1970 年東京都生まれ。西武新宿線都立家政駅前のフ タバ・フルーツ三代目。サーフインやスノーボードを通じ て自然や仲間の大切さを学ぶ。 自然の恵みであるフルー ツをさまざまな角度からアピールし、 フルーツ本来の可愛 らしさや美味しさを伝えていくべく活動中。道すがら仲間 が集まり、 クリエイティブチームMEOWを発足。 ものづく りからイベント企画まで、 想いのままに動き回る。 meow-mm.com

は、 日常の中の、 こういう豊かさです。いま の都市生活に、 ちょっとした物足りなさや後 ろめたさ、 ありませんか。 それはどこから来る んでしょうか。TOKYO DESIGN FLOW 人、都市と自然をつなぎなおし、新しいライ

2. Re-use 不用になってしまった品物でも100 円から出品することでちょうどこれが欲しかった!という人に届けることができる独自のシステムです。エコオクで落札されなかった品物 はリサイクルショップに運びメンテナンスやクリーニングの工程を経て店頭にて販売されます。

3. Re-cycle またエコオク、 リサイクルショップでもRe-use の難しいモノについては、 ゼロエミッションセンター(ZEC) にて徹底的に解体・分別・加工しRe-cycleをしております。

4. Re-arise

>>> 12.25 2008

Peace Night in Smoke We need ladies and gentlemen. 平和は煙の中にある。 12.25(Thu) 20:00 OPEN @ SMOKE Live and DJs, Special Drink and Food (Smoke BBQ)


12 TOKYO DESIGN FLOW paper N5

TOKYO DESIGN FLOW paper N5 13

モンゴル、草原のアフォーダンス

Cycle Stand Project

(affordance)

草原という空間は「とらわれない視点もつ」 ことを私たちに促す。 text: 伊藤洋志(モンゴル武者修行ツアー http://www.furowork.net/)

 2003 年の 9月、京都は鴨川の橋の上 でふと数キロはなれた大文字山を見たら、 光の点がまばらに見えた。「送り火じゃな いのになぜ山が光ってる?」と思った数秒 後、その光がはっきりと「H」 「T」 「V」の 文字に見えた。2003年といえば、そう 「阪 神(H)」 「タイガース(T)」 「優勝(V)」で ある。湧き立つ血を鎮めつつ、自転車を 走らせ大文字山のふもとに急行。山道を

ビーチサンダルで駆け上り頂上につくと、 でかい懐中電灯を持った一団、いや、 「名 も知らぬ同志」がいた。ダッと駆け寄り一 言、「うちの父もタイガースファンなんで す!」。堅く握手を交わし下山した。このよ うに、単なる光の点を自動修正して文字 と認識し行動までしてしまう人間。その 文字認識能力は高すぎるほどである。  ここで、東京の電車に乗ってみよう。

広告の声が聞こえる。「英語しゃべれな いのですか?」「お金借りませんか?」「こ の車かっこいいだろ」「転職は自重しろ」 ・・・。ただでさえ、人間は視界に文字ら しきものが存在しただけで認識して意味 を読み取ってしまう。人間にとって、現代 の生活環境はあまりに過酷じゃないだろう か。 。しょうがないから、たいていの人は 感覚を少しだけ鈍磨させて防御する。感 覚を鈍磨させてオッケーな世の中なら、そ れでもいいのだが21世初頭のいまは乱世 である。流されていると乗ってる船が沈没 したり、しなかったり、ときには奴隷船だっ たり。だからたまには、感覚を研ぎ澄ます ことも必要である。そのためにはいっさい 視界に文字情報が入らない環境に身をお きたいところだが、現代社会でそうそう文 字から逃げられない。  だからというわけではないが、私は色々 理由をつけて毎年モンゴルへ行く。たま に行きたいという人たちと一緒に行く。そ こは草原、人工物は限りなく少ない。あ まりにも遠くが見えすぎて「あの山までどの くらいでいけるか」という距離感覚も失わ れる、「惑星っていうかんじがしますね」 と

東京ストリート事情 東京の自転車カルチャーを牽引しているショップ「CARNIVAL TOKYO」。 そこで働くTommy 氏 (T-19) に東京の自転車を取り巻く環境について聞いた。 text: 大矢知史(TOKYO DESIGN FLOW)

自転車スタンドがもっとカッコ良ければ、 みんなちゃんと駐輪するんじゃないか?

いう感想を述べる者もいる。そして、そ の草原で人力生活をまっとうする、馬にも 乗るし、丘に登るし、ゲルを自力で建て て泊まるという足腰の強い生活。生まれ てからそんな環境で育った力強いモンゴ ルのちびっ子たちを見て妙な希望が湧い てくる。一週間もいれば、感覚がふだん より研ぎ澄まされてくるのが分かる。「結 局、何が大事か」とか、そんなことを考 えずして、湧いてくるような状態。無論、 日本に戻ればまた鈍磨状態にはなるのだ が、そのときの感覚の記憶は消えない。 草原という空間は「とらわれない視点も つ」 ことを私たちに促す。いうならば、是、 草原のアフォーダンス。都市で鋭く生きる には、都市にばかりいてはいけない。た まに草原のような反対側に行くのもあんが い大事ではないかだろうか。

無く、その名の通りストリート(道)でしか も夜の繁華街等で行動するしか無く、そ れによって様々な弊害が生まれている現 状があり、このままでは渋谷区を発信地 としているストリートスポーツが衰退して いってしまうという心配も浮上してきていま す。そこで、私たちは1980 年代から続く ストリートスポーツを支援し、近年地方で の施設建設ラッシュが続く中、東京都心 部ではいっさい聞かれません。ストリート スポーツの発信地となっている渋谷区にス トリートスポーツ施設の建設を検討して頂 けるよう嘆願書を店舗に置き、ストリートス ポーツを愛する人々にご協力をお願いし ています。普段、練習をしている世田谷 公園では、区と提携しスケートパークの 着工も予定しています。」

text: 清田直博(Media Surf Communications Inc.)

 東京に住んでいてしかも自転車に乗っ ている人なら、駅の周辺や駐輪禁止区 域に自転車を留めてしまい撤去された経 験のある方も多いと思う。また、最近の いわゆる自転車ブームの影響で高級自転 車が増えた結果、プロの窃盗団も現れ始 めているという物騒な話題もあり、自転車 の置き場に困っているペダリストも多いの では? こんなときにいったい東京都はな にをしているんだ! ということでちょっと調 べてみました。  平成 18 年度に行われた東京都の調査 によると、自転車駐車場の駐車可能台 数は 82 万台、実際に駐車している台数 は61 万 9 千台で共に過去最多。しかし、 駐車可能台数の方が多いという状況にも かかわらず、撤去された放置自転車は過 去最多の 91 万 7 千台。しかも自転車関 連費に年間 150 億円を超える予算を掛け ているらしい!  一方、海の向こうのメッセンジャーの聖 地ニューヨークではこんなにイカしたプロ ジェクトをやってます。いまニューヨークに は5000 個のU型の自転車スタンドが設置 されているけど、それでも足りずに盗難 が絶えない。そこで、市はスタンド数を増 やして盗難を減らし自転車通勤者を倍増 すべく、2015 年まで年間 1000 個を目標に

※アフォーダンス・・・ 椅子はそれ自体が座ることを促 す、ボタンは押すことを促す(アフォードする)など、環 境にあるもの全てが人に行動をうながす要素もつこと を示したアメリカの知覚心理学者ジェームズ・J・ギブソ ンによる造語。広告に囲まれた空間が、感覚を防御 することを促すならば、草原はその逆かもしれない。

都市に実りを ∼オルタナティブとしての農∼ 東京の真ん中で収穫を祝おうじゃないか。 text: 萱原正嗣(カヤハラマサツグ、ライター/コピーライター http://kayamasa.blog59.fc2.com/)

ラックを新設、そして自転車スタンドのデ ザインコンペを行い優秀なデザインを新し い自転車ラックに反映させていくとのこと。  かっこいい自転車スタンドが東京に無 いのはおかしい! ということで、僕たち TOKYO DESIGN FLOWもサイクルスタ ンドのデザインコンペプロジェクトをスタート させます。東京の街にこそ最高にヤバい サイクルスタンドがあって当然だから。

Tommy 氏 「現在、街ではストリートスポーツが盛ん に行われているのにも関わらず、施設が

と街の距離を近づけてくれるヒーローな のかもしれない。 今 後 僕たちもTokyo Design Flowに協力頂いている店舗と共 に働きかけていきたいと思う。一人の少 年として。 CARNIVAL TOKYO 150-001 東京都渋谷区神宮前6-23-11 J-six-2F tel&fax 03.5485.8581

いまやストリートスポーツは街に根付き、 我々のライフスタイルの中では切ってもき れない存在となっている。純粋に物事を 追求する姿勢は、誰しも時が経つにつ れて忘れてしまいがちである。彼らは人

蟻の動きとアスファルトの匂い メッセンジャーから見た東京の景色 STOP & GOを繰り返しながら1日100kmを走るタフな職業、メッセンジャー。 10 年以上そのペダルを踏み続け、東京の街を見てきた一人のメッセンジャーが語る自転車への想い。 text: 清田直博(Media Surf Communications Inc.)

 サブプライムローン問題に端を発した リーマンショックに、金融界、経済界が 揺れている。世界各国で株価が大幅に 下落し、火の元のアメリカだけでなく、ヨー ロッパでも日本でもGDP( 国内総生産 ) の 先行きに対する見通しはよろしくない。メ ディアは、経済危機だ金融危機だと不安 を煽っている。株価やGDPに代わる「豊 かさ」の尺度をまだ手にしていない僕ら は、漠とした不安を感じながらも、株価 上昇や GDP の増加が必ずしも「豊かさ」 や「幸せ」を意味するわけではないこと にも気付いている。そんな中で起きた今 回の出来事は「危機」ではなくて、僕らが 「豊かさ」や「幸せ」に対する見方を変え る 「チャンス」だ。  ヒマラヤ山脈の南の麓にブータンとい う国がある。九州と同じくらいの国土に、 70 万人の人々が暮らす。国土の 70%以

上が森林で、最大標高 7,500m のヒマラ ヤの山々をいただく敬虔なチベット仏教の 国だ。この国に、GNH(Gross National Happiness: 国民総幸福量 )という考え方 がある。ブータン国 王 が 1970 年 代 (80 年代という説もある)に発言したとされる 「GDPよりGNH が大事だ」という言葉に 端を発している。経済成長に専念した国 が直面する多くの問題を見て、「経済発 展は南北対立や貧困問題、環境破壊、 文化の喪失につながり、必ずしも幸せに つながるとは限らない」と考えたのがきっ かけだ。豊かな自然と深い精神文化を持 つ仏教国ならではの考え方と言えるだろ う。事実、2005 年に実施された国勢調 査では、「あなたは幸せですか?」という 問いに国民の 97%が「幸せ」と答えてい る。 GNHは当初は考え方でしかなかったが、

90 年 代に入り、まずはブータン国 内で 通用する指標にしようと、具体的な研究 が始まった。そこで重視されているのは、 「持続可能かつ公正な経済的社会的発 展」、 「環境の保全」、 「伝統文化の保護 と促進・再生」、「良い統治」の4 つの観 点。GDPに対する具体的なオルタナティ ブ( 対抗軸 ) の候補として世界から注目を 集めている。  現代の東京では、生活に関わるありと あらゆるものをお金と交換で手に入れるこ とができる。衣食住はもちろん、学びも 遊びも、誰かが作った出来あいのものを 手にしている。そして、お金を得るため に誰かが作った職 ( 仕事 )にありついてい る。出来あいのものをお金で交換するこ とにすっかり慣れきってしまった僕らにとっ て、いつしか経済が、「いかに稼ぎいか に使うか」ということが、人生や社会の目

的になってしまった。経済は人生や社会 の手段に過ぎず、中心に据えるべきは「い かに生きるか」ということであるはずなの に。資本の論理や景気の波に呑み込ま れず、自分ならではの人生を送るために、 都市で生きる僕たちにもオルタナティブが 必要だ。  そこで提案。都市で農業を。農村へ 逃れるのではなく、都市を耕し都市で種 を蒔く。荒れ果てた公園を耕して畑へ変 える。軒先や街路樹の脇に種を蒔く。東

京にも土は意外にある。土があればそこ に種を蒔ける。土を囲んで人とふれあい、 食を自ら作り出す。 生きるベースは食。食があれば職がなく ても生きていける、とまでは言わないまで も、食を自分の手で作ることで見えてくる ものがあるはずだ。都市に実りを。東京 の真ん中で収穫を祝おうじゃないか。そ うすれば、都市に生きる人々の新しい「豊 かさ」のカタチが見えてくる。

東京も捨てたもんじゃない text: 草彅洋平(東京ピストル)

 もう何時になるだろう?  終電過ぎのチェーンの安居酒屋で、僕ら数人は 朝までねばっていた。席の中心にはスウェーデンか ら来た心優しいキャスパーが疲れた顔をして座って いる。  今日は彼の送別会。あと十分もすれば彼の飛行 機が発つ時間のため、キャスパーはしきりに腕時計 を見ては、僕らの日本語トークを浮かない顔で眺め ていた。  僕らが帰れないのには理由があった。待ってい るのだ。ビールや食事ではない。一人の女性、つ まりキャスパーの別れた日本人の彼女が現れるの を、僕らはもう何時間も待っていた。  日本好きのキャスパーに、僕らが女の子を紹介し たことから始まった遠距離恋愛。美人だが周りでは

人、退学した人。就職した人、退職した人。嬉し  キャスパーが立ち上がり、その場の全員にお礼 タカビー的なキャラで通っていたその子と、スウェー い人、悲しい人。僕はね、そうしたいろいろな人に、 をのべると、僕らは緊張から解放されたようにホッと デンで一緒に住むよう努力した優しいオタク。そん 一瞬でも僕の車に乗ったときに驚いて、喜んでもら した雰囲気になった。夜も明けた外に出て、キャス な二人がうまくいくわけがない。彼女はキャスパー いたいんですよ」 パーと別れのハグをする。 の手を散々焼いたあげく、ついに昨日彼に別れを  運転手の言葉を通訳すると、キャスパーは変な  仲間の一人が手を上げ、通りすがりのタクシーを 告げた。 顔をして、次の瞬間には泣いていた。 停めた。 「でも…」とキャスパーは少しも酔っていない声で  後方部の扉が開くと、仲間が驚きの声を上げた。 「僕は二度と東京に来ない、と思うほどに今日は落 言った。 ち込んだけど、こんなタクシーに乗れるなんて本当  タクシーの中が花だらけだったのだ。 「彼女は今日来ると言っていた。そうしたら僕は彼 に幸せだよ。また東京に来たい」 女とやり直せる。彼女は仕事が終わったら絶対に 「どうぞ、入ってください」  あの日以来、僕の中で東京が特別なものになっ  初老のおじさん運転手が微笑みかける。 来るだろう」 た。東京も捨てたもんじゃない。  彼女が来るまで待つ、そんな彼に同情もあって、 「この花は…?」  僕らがおそるおそる乗り込むと、運転手は「お花 僕らは深夜まで付き合わざるをえなかった。僕は何 のタクシーです」 と笑った。 度か電話をしてみたのだが、彼女はまったく電話に 「個人タクシーになってね、お花のタクシーにしよう 出てくれない。そして折り返しもなかった。 と。いろいろなお客さんが乗るでしょう。入学した 「もう飛行機の時間だ。そろそろ帰ろう」

蟻の動きとアスファルトの匂い メッセンジャーは周りに対して集中力を 保って走り続けることがとても重要です。 五感をフルに使って走っています。腕か ら伝わる路面の震動・後ろから迫る車の 音。2M 前を走る車のエンジン音やそのド ライバーの目線・腕の動きなど細かな仕 草。湿気に交じるアスファルトの匂いから 路面状態を想像してます。味覚はもちろ んその土地のおいしいものを食べること !  突然道を渡ってくる歩行者や、猫、ネ ズミ、ゴキブリ、蟻の動きまで見ています。 もちろん刻々と変化していく町並みや四季 を楽しみながら走っていますよ。冬の雨ほ ど辛いものはないですが・ ・ ・。 STOP&GO の連続で100km走ることはなくなりました が、1デリバリーを確実に丁寧にそして楽 しくこなすことが当り前のようでとても難し いのです。 メッセンジャーから見た道路事情 メッセンジャーにもピスト乗りが多く、どう してもブレーキの問題になりがちですが、 無秩序な道路事情の方が問題だと思っ 忘れてはならない。道路(歩道も道路)に

自転車・バイク・自動車・バスがこの最 低限のルールを守っていれば交通事故は 減るはずです。メッセンジャーとして一番 気を付けているのは、歩行者の前を横切 らない! ということ。思っている以上に自 転車は長く、メッセンジャーバッグは幅が あります。自分では余裕で通り過ぎている つもりでも、音なく突然目の前を通り過ぎ ていく自転車は歩行者にとってはとても恐 ろしいものです。自分は 10 年以上メッセ ンジャーとして街を走っていますが、自分 に過失のある大きな事故を起こしたことは 一度もありません。小さな事故であるパン クも少ない方だと思います。丁寧に滑ら かに走り抜けること。これが自分のメッセ ンジャーとしての走り方です。マシンの整 備から体調管理に安全確保、最終的に

荷物をお客様に手渡しするまで自分の身 の上に起こる事は全て自己責任です。本 当にスキルの高いメッセンジャーにブレー キは必要ないかもしれませんが、社会が 僕らを見ている以上、僕らが見本としてブ レーキやライトをつけようと意識する事で、 自転車を取り巻く環境を変えるきっかけに なればと思っています。※実際にほとん どのメッセンジャーがブレーキを付けてい ます。 世界中からメッセンジャーが東京に集ま る 人と人をつなぐこの職業にとても魅力を感 じています。我々の運ぶ荷物には、とて も大事なメッセージがあります。中身はそ れぞれ違うかもしれませんが、手から手 へ届けることができるメッセンジャーだから こそクライアントから信頼して貰い、我々 はそれに確実に応える。そんなアナログ

んなお互いの近況を確かめに集まる1週 間。競技も大切だけど、夜は一緒に酒を 呑み、お互いの健闘をたたえあい、朝ま で語りあう。そんな大切な時間を過ごす ために、1年分の稼ぎをつぎ込んでみん なやってくる ! 来年、2009年はこの東 京でCMWCを開催します。世界中から 集まる家族のために、いい環境を整えて あげたいと思っています。 そしてメッセンジャーだけでなく、 「自転車」 というキーワードでつながる人たちが世界 中にいます。もっと広い視野で、すべて の自転車乗りにやさしい都市に東京がな れるように、自分にできることを続けていき たいと思っています。そのベースにある のが「メッセンジャー」という生き方なんだ と思います。

大木達也 メッセンジャー。1997 年よりメッセンジャーとしてのキャ

葉が通じなくても打ち解け、BEERをお ごり、家に泊めてやる。世界中にメッセン ジャーという家族がいる。そんな仲間が 年に一度集まるイベントがある。『Cycle Messenger World Championships』 (通 称:CMWC) 。世 界 一速いメッセン

リアをスタート。2000 年に3 人の若者が立ち上げた、 東京都心部にエリアを限定したメッセンジャー会社 COURIER(クーリエ)の設立メンバー。現在は自転車 の映画祭「Bicycle Film Festival」や来年東京で開 催予定のメッセンジャー世界大会「Cycle Messenger World Championships(CMWC)」の運営などにも携 わる。


12 TOKYO DESIGN FLOW paper N5

TOKYO DESIGN FLOW paper N5 13

モンゴル、草原のアフォーダンス

Cycle Stand Project

(affordance)

草原という空間は「とらわれない視点もつ」 ことを私たちに促す。 text: 伊藤洋志(モンゴル武者修行ツアー http://www.furowork.net/)

 2003 年の 9月、京都は鴨川の橋の上 でふと数キロはなれた大文字山を見たら、 光の点がまばらに見えた。「送り火じゃな いのになぜ山が光ってる?」と思った数秒 後、その光がはっきりと「H」 「T」 「V」の 文字に見えた。2003年といえば、そう 「阪 神(H)」 「タイガース(T)」 「優勝(V)」で ある。湧き立つ血を鎮めつつ、自転車を 走らせ大文字山のふもとに急行。山道を

ビーチサンダルで駆け上り頂上につくと、 でかい懐中電灯を持った一団、いや、 「名 も知らぬ同志」がいた。ダッと駆け寄り一 言、「うちの父もタイガースファンなんで す!」。堅く握手を交わし下山した。このよ うに、単なる光の点を自動修正して文字 と認識し行動までしてしまう人間。その 文字認識能力は高すぎるほどである。  ここで、東京の電車に乗ってみよう。

広告の声が聞こえる。「英語しゃべれな いのですか?」「お金借りませんか?」「こ の車かっこいいだろ」「転職は自重しろ」 ・・・。ただでさえ、人間は視界に文字ら しきものが存在しただけで認識して意味 を読み取ってしまう。人間にとって、現代 の生活環境はあまりに過酷じゃないだろう か。 。しょうがないから、たいていの人は 感覚を少しだけ鈍磨させて防御する。感 覚を鈍磨させてオッケーな世の中なら、そ れでもいいのだが21世初頭のいまは乱世 である。流されていると乗ってる船が沈没 したり、しなかったり、ときには奴隷船だっ たり。だからたまには、感覚を研ぎ澄ます ことも必要である。そのためにはいっさい 視界に文字情報が入らない環境に身をお きたいところだが、現代社会でそうそう文 字から逃げられない。  だからというわけではないが、私は色々 理由をつけて毎年モンゴルへ行く。たま に行きたいという人たちと一緒に行く。そ こは草原、人工物は限りなく少ない。あ まりにも遠くが見えすぎて「あの山までどの くらいでいけるか」という距離感覚も失わ れる、「惑星っていうかんじがしますね」 と

東京ストリート事情 東京の自転車カルチャーを牽引しているショップ「CARNIVAL TOKYO」。 そこで働くTommy 氏 (T-19) に東京の自転車を取り巻く環境について聞いた。 text: 大矢知史(TOKYO DESIGN FLOW)

自転車スタンドがもっとカッコ良ければ、 みんなちゃんと駐輪するんじゃないか?

いう感想を述べる者もいる。そして、そ の草原で人力生活をまっとうする、馬にも 乗るし、丘に登るし、ゲルを自力で建て て泊まるという足腰の強い生活。生まれ てからそんな環境で育った力強いモンゴ ルのちびっ子たちを見て妙な希望が湧い てくる。一週間もいれば、感覚がふだん より研ぎ澄まされてくるのが分かる。「結 局、何が大事か」とか、そんなことを考 えずして、湧いてくるような状態。無論、 日本に戻ればまた鈍磨状態にはなるのだ が、そのときの感覚の記憶は消えない。 草原という空間は「とらわれない視点も つ」 ことを私たちに促す。いうならば、是、 草原のアフォーダンス。都市で鋭く生きる には、都市にばかりいてはいけない。た まに草原のような反対側に行くのもあんが い大事ではないかだろうか。

無く、その名の通りストリート(道)でしか も夜の繁華街等で行動するしか無く、そ れによって様々な弊害が生まれている現 状があり、このままでは渋谷区を発信地 としているストリートスポーツが衰退して いってしまうという心配も浮上してきていま す。そこで、私たちは1980 年代から続く ストリートスポーツを支援し、近年地方で の施設建設ラッシュが続く中、東京都心 部ではいっさい聞かれません。ストリート スポーツの発信地となっている渋谷区にス トリートスポーツ施設の建設を検討して頂 けるよう嘆願書を店舗に置き、ストリートス ポーツを愛する人々にご協力をお願いし ています。普段、練習をしている世田谷 公園では、区と提携しスケートパークの 着工も予定しています。」

text: 清田直博(Media Surf Communications Inc.)

 東京に住んでいてしかも自転車に乗っ ている人なら、駅の周辺や駐輪禁止区 域に自転車を留めてしまい撤去された経 験のある方も多いと思う。また、最近の いわゆる自転車ブームの影響で高級自転 車が増えた結果、プロの窃盗団も現れ始 めているという物騒な話題もあり、自転車 の置き場に困っているペダリストも多いの では? こんなときにいったい東京都はな にをしているんだ! ということでちょっと調 べてみました。  平成 18 年度に行われた東京都の調査 によると、自転車駐車場の駐車可能台 数は 82 万台、実際に駐車している台数 は61 万 9 千台で共に過去最多。しかし、 駐車可能台数の方が多いという状況にも かかわらず、撤去された放置自転車は過 去最多の 91 万 7 千台。しかも自転車関 連費に年間 150 億円を超える予算を掛け ているらしい!  一方、海の向こうのメッセンジャーの聖 地ニューヨークではこんなにイカしたプロ ジェクトをやってます。いまニューヨークに は5000 個のU型の自転車スタンドが設置 されているけど、それでも足りずに盗難 が絶えない。そこで、市はスタンド数を増 やして盗難を減らし自転車通勤者を倍増 すべく、2015 年まで年間 1000 個を目標に

※アフォーダンス・・・ 椅子はそれ自体が座ることを促 す、ボタンは押すことを促す(アフォードする)など、環 境にあるもの全てが人に行動をうながす要素もつこと を示したアメリカの知覚心理学者ジェームズ・J・ギブソ ンによる造語。広告に囲まれた空間が、感覚を防御 することを促すならば、草原はその逆かもしれない。

都市に実りを ∼オルタナティブとしての農∼ 東京の真ん中で収穫を祝おうじゃないか。 text: 萱原正嗣(カヤハラマサツグ、ライター/コピーライター http://kayamasa.blog59.fc2.com/)

ラックを新設、そして自転車スタンドのデ ザインコンペを行い優秀なデザインを新し い自転車ラックに反映させていくとのこと。  かっこいい自転車スタンドが東京に無 いのはおかしい! ということで、僕たち TOKYO DESIGN FLOWもサイクルスタ ンドのデザインコンペプロジェクトをスタート させます。東京の街にこそ最高にヤバい サイクルスタンドがあって当然だから。

Tommy 氏 「現在、街ではストリートスポーツが盛ん に行われているのにも関わらず、施設が

と街の距離を近づけてくれるヒーローな のかもしれない。 今 後 僕たちもTokyo Design Flowに協力頂いている店舗と共 に働きかけていきたいと思う。一人の少 年として。 CARNIVAL TOKYO 150-001 東京都渋谷区神宮前6-23-11 J-six-2F tel&fax 03.5485.8581

いまやストリートスポーツは街に根付き、 我々のライフスタイルの中では切ってもき れない存在となっている。純粋に物事を 追求する姿勢は、誰しも時が経つにつ れて忘れてしまいがちである。彼らは人

蟻の動きとアスファルトの匂い メッセンジャーから見た東京の景色 STOP & GOを繰り返しながら1日100kmを走るタフな職業、メッセンジャー。 10 年以上そのペダルを踏み続け、東京の街を見てきた一人のメッセンジャーが語る自転車への想い。 text: 清田直博(Media Surf Communications Inc.)

 サブプライムローン問題に端を発した リーマンショックに、金融界、経済界が 揺れている。世界各国で株価が大幅に 下落し、火の元のアメリカだけでなく、ヨー ロッパでも日本でもGDP( 国内総生産 ) の 先行きに対する見通しはよろしくない。メ ディアは、経済危機だ金融危機だと不安 を煽っている。株価やGDPに代わる「豊 かさ」の尺度をまだ手にしていない僕ら は、漠とした不安を感じながらも、株価 上昇や GDP の増加が必ずしも「豊かさ」 や「幸せ」を意味するわけではないこと にも気付いている。そんな中で起きた今 回の出来事は「危機」ではなくて、僕らが 「豊かさ」や「幸せ」に対する見方を変え る 「チャンス」だ。  ヒマラヤ山脈の南の麓にブータンとい う国がある。九州と同じくらいの国土に、 70 万人の人々が暮らす。国土の 70%以

上が森林で、最大標高 7,500m のヒマラ ヤの山々をいただく敬虔なチベット仏教の 国だ。この国に、GNH(Gross National Happiness: 国民総幸福量 )という考え方 がある。ブータン国 王 が 1970 年 代 (80 年代という説もある)に発言したとされる 「GDPよりGNH が大事だ」という言葉に 端を発している。経済成長に専念した国 が直面する多くの問題を見て、「経済発 展は南北対立や貧困問題、環境破壊、 文化の喪失につながり、必ずしも幸せに つながるとは限らない」と考えたのがきっ かけだ。豊かな自然と深い精神文化を持 つ仏教国ならではの考え方と言えるだろ う。事実、2005 年に実施された国勢調 査では、「あなたは幸せですか?」という 問いに国民の 97%が「幸せ」と答えてい る。 GNHは当初は考え方でしかなかったが、

90 年 代に入り、まずはブータン国 内で 通用する指標にしようと、具体的な研究 が始まった。そこで重視されているのは、 「持続可能かつ公正な経済的社会的発 展」、 「環境の保全」、 「伝統文化の保護 と促進・再生」、「良い統治」の4 つの観 点。GDPに対する具体的なオルタナティ ブ( 対抗軸 ) の候補として世界から注目を 集めている。  現代の東京では、生活に関わるありと あらゆるものをお金と交換で手に入れるこ とができる。衣食住はもちろん、学びも 遊びも、誰かが作った出来あいのものを 手にしている。そして、お金を得るため に誰かが作った職 ( 仕事 )にありついてい る。出来あいのものをお金で交換するこ とにすっかり慣れきってしまった僕らにとっ て、いつしか経済が、「いかに稼ぎいか に使うか」ということが、人生や社会の目

的になってしまった。経済は人生や社会 の手段に過ぎず、中心に据えるべきは「い かに生きるか」ということであるはずなの に。資本の論理や景気の波に呑み込ま れず、自分ならではの人生を送るために、 都市で生きる僕たちにもオルタナティブが 必要だ。  そこで提案。都市で農業を。農村へ 逃れるのではなく、都市を耕し都市で種 を蒔く。荒れ果てた公園を耕して畑へ変 える。軒先や街路樹の脇に種を蒔く。東

京にも土は意外にある。土があればそこ に種を蒔ける。土を囲んで人とふれあい、 食を自ら作り出す。 生きるベースは食。食があれば職がなく ても生きていける、とまでは言わないまで も、食を自分の手で作ることで見えてくる ものがあるはずだ。都市に実りを。東京 の真ん中で収穫を祝おうじゃないか。そ うすれば、都市に生きる人々の新しい「豊 かさ」のカタチが見えてくる。

東京も捨てたもんじゃない text: 草彅洋平(東京ピストル)

 もう何時になるだろう?  終電過ぎのチェーンの安居酒屋で、僕ら数人は 朝までねばっていた。席の中心にはスウェーデンか ら来た心優しいキャスパーが疲れた顔をして座って いる。  今日は彼の送別会。あと十分もすれば彼の飛行 機が発つ時間のため、キャスパーはしきりに腕時計 を見ては、僕らの日本語トークを浮かない顔で眺め ていた。  僕らが帰れないのには理由があった。待ってい るのだ。ビールや食事ではない。一人の女性、つ まりキャスパーの別れた日本人の彼女が現れるの を、僕らはもう何時間も待っていた。  日本好きのキャスパーに、僕らが女の子を紹介し たことから始まった遠距離恋愛。美人だが周りでは

人、退学した人。就職した人、退職した人。嬉し  キャスパーが立ち上がり、その場の全員にお礼 タカビー的なキャラで通っていたその子と、スウェー い人、悲しい人。僕はね、そうしたいろいろな人に、 をのべると、僕らは緊張から解放されたようにホッと デンで一緒に住むよう努力した優しいオタク。そん 一瞬でも僕の車に乗ったときに驚いて、喜んでもら した雰囲気になった。夜も明けた外に出て、キャス な二人がうまくいくわけがない。彼女はキャスパー いたいんですよ」 パーと別れのハグをする。 の手を散々焼いたあげく、ついに昨日彼に別れを  運転手の言葉を通訳すると、キャスパーは変な  仲間の一人が手を上げ、通りすがりのタクシーを 告げた。 顔をして、次の瞬間には泣いていた。 停めた。 「でも…」とキャスパーは少しも酔っていない声で  後方部の扉が開くと、仲間が驚きの声を上げた。 「僕は二度と東京に来ない、と思うほどに今日は落 言った。 ち込んだけど、こんなタクシーに乗れるなんて本当  タクシーの中が花だらけだったのだ。 「彼女は今日来ると言っていた。そうしたら僕は彼 に幸せだよ。また東京に来たい」 女とやり直せる。彼女は仕事が終わったら絶対に 「どうぞ、入ってください」  あの日以来、僕の中で東京が特別なものになっ  初老のおじさん運転手が微笑みかける。 来るだろう」 た。東京も捨てたもんじゃない。  彼女が来るまで待つ、そんな彼に同情もあって、 「この花は…?」  僕らがおそるおそる乗り込むと、運転手は「お花 僕らは深夜まで付き合わざるをえなかった。僕は何 のタクシーです」 と笑った。 度か電話をしてみたのだが、彼女はまったく電話に 「個人タクシーになってね、お花のタクシーにしよう 出てくれない。そして折り返しもなかった。 と。いろいろなお客さんが乗るでしょう。入学した 「もう飛行機の時間だ。そろそろ帰ろう」

蟻の動きとアスファルトの匂い メッセンジャーは周りに対して集中力を 保って走り続けることがとても重要です。 五感をフルに使って走っています。腕か ら伝わる路面の震動・後ろから迫る車の 音。2M 前を走る車のエンジン音やそのド ライバーの目線・腕の動きなど細かな仕 草。湿気に交じるアスファルトの匂いから 路面状態を想像してます。味覚はもちろ んその土地のおいしいものを食べること !  突然道を渡ってくる歩行者や、猫、ネ ズミ、ゴキブリ、蟻の動きまで見ています。 もちろん刻々と変化していく町並みや四季 を楽しみながら走っていますよ。冬の雨ほ ど辛いものはないですが・ ・ ・。 STOP&GO の連続で100km走ることはなくなりました が、1デリバリーを確実に丁寧にそして楽 しくこなすことが当り前のようでとても難し いのです。 メッセンジャーから見た道路事情 メッセンジャーにもピスト乗りが多く、どう してもブレーキの問題になりがちですが、 無秩序な道路事情の方が問題だと思っ 忘れてはならない。道路(歩道も道路)に

自転車・バイク・自動車・バスがこの最 低限のルールを守っていれば交通事故は 減るはずです。メッセンジャーとして一番 気を付けているのは、歩行者の前を横切 らない! ということ。思っている以上に自 転車は長く、メッセンジャーバッグは幅が あります。自分では余裕で通り過ぎている つもりでも、音なく突然目の前を通り過ぎ ていく自転車は歩行者にとってはとても恐 ろしいものです。自分は 10 年以上メッセ ンジャーとして街を走っていますが、自分 に過失のある大きな事故を起こしたことは 一度もありません。小さな事故であるパン クも少ない方だと思います。丁寧に滑ら かに走り抜けること。これが自分のメッセ ンジャーとしての走り方です。マシンの整 備から体調管理に安全確保、最終的に

荷物をお客様に手渡しするまで自分の身 の上に起こる事は全て自己責任です。本 当にスキルの高いメッセンジャーにブレー キは必要ないかもしれませんが、社会が 僕らを見ている以上、僕らが見本としてブ レーキやライトをつけようと意識する事で、 自転車を取り巻く環境を変えるきっかけに なればと思っています。※実際にほとん どのメッセンジャーがブレーキを付けてい ます。 世界中からメッセンジャーが東京に集ま る 人と人をつなぐこの職業にとても魅力を感 じています。我々の運ぶ荷物には、とて も大事なメッセージがあります。中身はそ れぞれ違うかもしれませんが、手から手 へ届けることができるメッセンジャーだから こそクライアントから信頼して貰い、我々 はそれに確実に応える。そんなアナログ

んなお互いの近況を確かめに集まる1週 間。競技も大切だけど、夜は一緒に酒を 呑み、お互いの健闘をたたえあい、朝ま で語りあう。そんな大切な時間を過ごす ために、1年分の稼ぎをつぎ込んでみん なやってくる ! 来年、2009年はこの東 京でCMWCを開催します。世界中から 集まる家族のために、いい環境を整えて あげたいと思っています。 そしてメッセンジャーだけでなく、 「自転車」 というキーワードでつながる人たちが世界 中にいます。もっと広い視野で、すべて の自転車乗りにやさしい都市に東京がな れるように、自分にできることを続けていき たいと思っています。そのベースにある のが「メッセンジャー」という生き方なんだ と思います。

大木達也 メッセンジャー。1997 年よりメッセンジャーとしてのキャ

葉が通じなくても打ち解け、BEERをお ごり、家に泊めてやる。世界中にメッセン ジャーという家族がいる。そんな仲間が 年に一度集まるイベントがある。『Cycle Messenger World Championships』 (通 称:CMWC) 。世 界 一速いメッセン

リアをスタート。2000 年に3 人の若者が立ち上げた、 東京都心部にエリアを限定したメッセンジャー会社 COURIER(クーリエ)の設立メンバー。現在は自転車 の映画祭「Bicycle Film Festival」や来年東京で開 催予定のメッセンジャー世界大会「Cycle Messenger World Championships(CMWC)」の運営などにも携 わる。


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TOKYO DESIGN FLOW paper N5 15

『INNER PASSAGE』 カヌーから見た東京

©Setaka Mizuno

石塚元太良(いしづか・げんたろう) 1977 年生まれ。大学中退後、 世界を放浪。 アフリカ縦断、 アジア横断の後に編んだ「worldwidewonderful」で2000 年エプソンカラーイメージングコンテストグランプリ受賞。世界を2 周しながら撮影した「worldwidewarp」で2003 年、 ビジュアルアー ツフォトアワード大賞受賞。2004 年度、 日本写真家協会新人賞。 写真集に 『WWWWW』 (青幻舎) 、 『 PIPELINE-ALASKA』 (プチグラパブリッシング) など。2008 年最新作『INNER PASSAGE』 (エスプレ) を発表。

この日、靴の新しい歴史が始まる。激しく歩き、激しく走り、そして激しく蹴りあげる。 ビスポークスニーカーブランド「N.G.R.」Debut!! 11月27日の60 年代ロックとテーラーメードカルチャーを融合させたイベント、 「A Hard Day's Night」がメイン会場SMOKEにて開催される。 その中で、 「ビスポークスニーカー」 という新しい領域を切り開いた「N.G.R.」 と、 靴磨きの新しいイメージを提唱する 「Brift H(ブリフトアッシュ)」、革靴にまつわる二つの新しい流れを紹介する。 両者に共通するのは、生活に根付き、歴史ある革靴というプロダクトを現代生活に見合う新しいスタイルへと昇華させ、提案している点である。

あんきょ

地形図と古地図で暗渠を探る 渋谷はほんとに谷だった!

東京、 そして渋谷には塞がれてしまった川、 「暗渠」が多い。 あなたが普 段歩いているまさにその下に、 縄文時代から流れ続ける隠された川があ るかもしれない。 曲がりくねった道やマンホールの多い小道、 交差点に橋 の名前の付いた石碑があったら注意して見てみてください。 そこは暗渠 である可能性大です。 

Kick It Hard.

明治初期の渋谷 原宿村、 隠田村のあたりを通るのが渋谷川、今のキャットストリー ト。宮益坂下を通り渋谷駅東口の先からまた顔を出す。源流は新宿御苑。

写真中央が渋谷。 白い部分は川の流れを表している。  渋谷は川が合流する深い谷だということが 分かる。

N.G.R. 名倉 誠

Brift H 長谷川裕也

靴は様々なプロダクトのなかで一番生活に根付いているもの。だからこそ、良い悪いがはっきり分か るプロダクトです。ファッション性だけではなく、いかに本質的なことを追求出来るかが大切で、嘘の つけないプロダクトだからこそやりがいがあります。「N.G.R.」とは、 「New Gravity Revolution」の 略で、革靴といえば重く、歩きにくいイメージを持たれがちだからこそ、その様なイメージからの解放、 履いたときに感じてもらえる開放感という2 つの意味を込めています。スニーカーで育ってきた若い世 代の多くは、歴史ある革靴の文化や価値観に興味をあまり抱きにくい。それと言うのも、都会のアス ファルト路面では革靴の機能性が引き出されづらく、革靴に親しむきっかけを失いがちだからではな いかと思っています。だからこそ、彼らの為にも革靴とスニーカー、両方の魅力を引き継いだ靴を創 ろうと思いました。「N.G.R.」初の受注会を下記 2日間、SMOKEにて行います。今回はクラシックな 形を重視して作りました。 その場で採寸し、オーダーを取らせて頂きます。 是非お越し下さい

僕が 20 歳のころ、無一文状態になり元手のかからず すぐお金になる仕事はないか? ?と考えて出た答えが靴 磨きで、100 円ショップで道具を500 円ぐらいで揃えて東 京駅丸の内口の路上で靴磨き屋さんを開いたのがきっ かけです。もちろん靴を輝く事によって良い靴がより魅 力的になるという事はありますが、それよりも靴磨きを通 して人をハッピーに出来ることが一番の魅力です。靴を 磨くと不思議と歩き方も変わります。ピシッとするんです、 自信も湧いてきます。スーツやシャツもよれよれは嫌にな りオシャレにも気を使うようになり、靴だけでなくその人も 輝き始めます。本当に大事な事は小さい所 (ここでいう 足元 )に詰まっているという哲学を靴磨きから感じ取って 頂けたらと思います。ぜひ靴を磨いてみてください。何 か発見があるはずです!

日時:11月27日( 木 ) 20:00 ∼ 24:00「A Hard Day's Night」 イベントにて 11月28日( 金 ) 12:00 ∼ 19:00 場所:SMOKE Bar & Grill

A Hard Day's Night!! 日程: 11月27日( 木) 場所:SMOKE Bar & Grill( . 表参道 GYRE 4F) コンテンツ: 20:00 ∼ 24:00「N.G.R.」&「Brift H」紹介 20:00 ∼ ジム・アヴィニョン (アーティスト) LIVE PAINTING&PERFORMANCE 21:00 ∼ DJ MILLA(アルマーニラウンジセレクター DJ) 22:00 ∼ 大貫憲章 (ロンドンナイト) 23:15 ∼ SARO(タップダンサー) PERFORMANCE


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『INNER PASSAGE』 カヌーから見た東京

©Setaka Mizuno

石塚元太良(いしづか・げんたろう) 1977 年生まれ。大学中退後、 世界を放浪。 アフリカ縦断、 アジア横断の後に編んだ「worldwidewonderful」で2000 年エプソンカラーイメージングコンテストグランプリ受賞。世界を2 周しながら撮影した「worldwidewarp」で2003 年、 ビジュアルアー ツフォトアワード大賞受賞。2004 年度、 日本写真家協会新人賞。 写真集に 『WWWWW』 (青幻舎) 、 『 PIPELINE-ALASKA』 (プチグラパブリッシング) など。2008 年最新作『INNER PASSAGE』 (エスプレ) を発表。

この日、靴の新しい歴史が始まる。激しく歩き、激しく走り、そして激しく蹴りあげる。 ビスポークスニーカーブランド「N.G.R.」Debut!! 11月27日の60 年代ロックとテーラーメードカルチャーを融合させたイベント、 「A Hard Day's Night」がメイン会場SMOKEにて開催される。 その中で、 「ビスポークスニーカー」 という新しい領域を切り開いた「N.G.R.」 と、 靴磨きの新しいイメージを提唱する 「Brift H(ブリフトアッシュ)」、革靴にまつわる二つの新しい流れを紹介する。 両者に共通するのは、生活に根付き、歴史ある革靴というプロダクトを現代生活に見合う新しいスタイルへと昇華させ、提案している点である。

あんきょ

地形図と古地図で暗渠を探る 渋谷はほんとに谷だった!

東京、 そして渋谷には塞がれてしまった川、 「暗渠」が多い。 あなたが普 段歩いているまさにその下に、 縄文時代から流れ続ける隠された川があ るかもしれない。 曲がりくねった道やマンホールの多い小道、 交差点に橋 の名前の付いた石碑があったら注意して見てみてください。 そこは暗渠 である可能性大です。 

Kick It Hard.

明治初期の渋谷 原宿村、 隠田村のあたりを通るのが渋谷川、今のキャットストリー ト。宮益坂下を通り渋谷駅東口の先からまた顔を出す。源流は新宿御苑。

写真中央が渋谷。 白い部分は川の流れを表している。  渋谷は川が合流する深い谷だということが 分かる。

N.G.R. 名倉 誠

Brift H 長谷川裕也

靴は様々なプロダクトのなかで一番生活に根付いているもの。だからこそ、良い悪いがはっきり分か るプロダクトです。ファッション性だけではなく、いかに本質的なことを追求出来るかが大切で、嘘の つけないプロダクトだからこそやりがいがあります。「N.G.R.」とは、 「New Gravity Revolution」の 略で、革靴といえば重く、歩きにくいイメージを持たれがちだからこそ、その様なイメージからの解放、 履いたときに感じてもらえる開放感という2 つの意味を込めています。スニーカーで育ってきた若い世 代の多くは、歴史ある革靴の文化や価値観に興味をあまり抱きにくい。それと言うのも、都会のアス ファルト路面では革靴の機能性が引き出されづらく、革靴に親しむきっかけを失いがちだからではな いかと思っています。だからこそ、彼らの為にも革靴とスニーカー、両方の魅力を引き継いだ靴を創 ろうと思いました。「N.G.R.」初の受注会を下記 2日間、SMOKEにて行います。今回はクラシックな 形を重視して作りました。 その場で採寸し、オーダーを取らせて頂きます。 是非お越し下さい

僕が 20 歳のころ、無一文状態になり元手のかからず すぐお金になる仕事はないか? ?と考えて出た答えが靴 磨きで、100 円ショップで道具を500 円ぐらいで揃えて東 京駅丸の内口の路上で靴磨き屋さんを開いたのがきっ かけです。もちろん靴を輝く事によって良い靴がより魅 力的になるという事はありますが、それよりも靴磨きを通 して人をハッピーに出来ることが一番の魅力です。靴を 磨くと不思議と歩き方も変わります。ピシッとするんです、 自信も湧いてきます。スーツやシャツもよれよれは嫌にな りオシャレにも気を使うようになり、靴だけでなくその人も 輝き始めます。本当に大事な事は小さい所 (ここでいう 足元 )に詰まっているという哲学を靴磨きから感じ取って 頂けたらと思います。ぜひ靴を磨いてみてください。何 か発見があるはずです!

日時:11月27日( 木 ) 20:00 ∼ 24:00「A Hard Day's Night」 イベントにて 11月28日( 金 ) 12:00 ∼ 19:00 場所:SMOKE Bar & Grill

A Hard Day's Night!! 日程: 11月27日( 木) 場所:SMOKE Bar & Grill( . 表参道 GYRE 4F) コンテンツ: 20:00 ∼ 24:00「N.G.R.」&「Brift H」紹介 20:00 ∼ ジム・アヴィニョン (アーティスト) LIVE PAINTING&PERFORMANCE 21:00 ∼ DJ MILLA(アルマーニラウンジセレクター DJ) 22:00 ∼ 大貫憲章 (ロンドンナイト) 23:15 ∼ SARO(タップダンサー) PERFORMANCE


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