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BAKER, DONELSON, BEARMAN, CALDWELL&BERKOWITZ,PC MONARCH PLAZA SUITE 1600 3414 PEACHTREE ROAD N.E. ATLANTA, GEORGIA 30326 PHONE:404-577-6000 FAX:404-221-6501 EMAIL: MOKURA@BAKERDONELSON.COM 雇用法・ 雇用法・移民法ニュース 移民法ニュース 2011年7月 ジョージア州不法移民取締法 ジョージア州不法移民取締法一部 州不法移民取締法一部差止 一部差止命令 差止命令 ジョージア州では2011年4月15日に、不法移民取締法HB87 “Illegal Immigration Reform and Enforcement Act of 2011”が成立したが、米国自由人権協会と米国移民法センターが地元の弁護士と共同で、HB87の違憲性 を訴え、6月27日には、そのうち最も注目されていた項目に対し、連邦裁から差止命令が言い渡された。アリ ゾナ、ユタ、インディアナ州の同様な法律に対しても差し止め命令が言い渡された。しかしながら、特定条件 を満たす企業に対するE Verifyシステムの導入の義務は予定通り施行される。 差止命令をうけたのは、不法移民の移送行為と地元警察の移民法上の権限に関する規定である。まず、不 法移民の移送行為であるが、何らかの犯罪行為の疑いがあれば、故意なる不法移民の移送行為に対し、罰 則が与られるという法律の施行に歯止めがかかった。法廷審問では、アメリカ市民であるティーネージャーが 滞在資格のない母親をスーパーまで運転している最中にスピード違反で捕まった場合、その子も犯罪人とし て逮捕されるのか、というトーマス・スラッシュ判事の質問に対し、ジョージア州法務官補佐は、その子はコカ イン所持者を麻薬密売人のところに移送しているのと同罪であり逮捕されるべきである、と主張した。これに 対し、判事は判決で以下のように説明した。ジョージア州への不法移民の流入は、長年にわたる農家と建設 業における多大な労働力不足に起因している。さらに、連邦移民法は重罪を犯した不法移民を取り締まるの を優先的にかかがえているものであり、合法な滞在資格をもたない友人や隣人を車に乗せただけで、連邦移 民法違反として取り締まるのを優先目的としているものではない。さらに、HB87は不法移民が奴隷のように搾 取されないよう彼らを守るものである、との法務官補佐の主張に対し、判事は、HB87の真の立法目的は住民 間に敵意、恐怖、不信、不安な風潮を作り出すことではないかと述べ、この主張を退けている。 また、何らかの犯罪行為を疑う相当な理由があれば、地元警察は被疑者の滞在資格を調査してよいという法 律の施行にも歯止めがかかった。HB87は、警察にその場で滞在資格を証明できない被疑者を拘束する権 限を与える。したがって、何らかの違法行為の疑いがかかったら、米国市民や合法住民であっても、その場 で滞在資格を示す書類を提示できなければ、拘束されることも考えられる。地方の警察にこのような多大な移 民法上の権限を与えることにより、連邦法と州法の食い違いだけでなく、同じ州内においても、地域によって 警察の方針や対応が異なってくることが考えられる。これに対し、スラッシュ判事は移民法取締権限に関して は、連邦政府の管轄であると、この条項の施行に対し差止命令を下した。 HB87の条項の中でもE Verifyというオンライン・システムの導入義務は法律通りに施行される。社員を500名 以上をかかえる企業は2012年1月、社員を100名以上をかかえる企業は2012年7月、社員を10名以上をかか える企業は2013年7月までにE Verifyというオンライン・システムの導入し、新規雇用者のソーシャル・セキュリ ティー番号の照合を行い、就労資格の確認を義務付けられる。 ジョージア州では、HB87 の可決に伴い、すでに大量の滞在資格をもたない労働力が流出しており、農家で は深刻な労働力不足から億単位の損失が報道されている。このまま労働力を補充できなければさらに多大 な損失が計上されると見込まれている。また、このような州レベルでの移民法の施行は、米国の他国との友好 関係に影響を及ぼしかねないと批判の声もでている。すでに、メキシコを含め数カ国は貿易、観光や外交問 執筆:大蔵昌枝弁護士, ベーカー・ドネルソン法律事務所 * Copyright reserved. 著作権所有


題など、HB87 の国際関係への影響について懸念を示している。 HB87のうち最も批判されていた上記2項目の施行は差止されたものの、HB87の中には、州政府機関に対し、 287(g)という連邦政府主催の不法移民取締りプログラムへの加入を強制する条項がもりこまれている。地元の 警察が連邦政府と契約することにより、本来ならば移民局が行う不法移民捜査の役割を、地元警察にも協力 してもらうという趣旨である。ジョージア州ではHR87に先駆けて、すでにGwinnet, Cobb, Hall, Whitfield など4 つのカウンティーで287(g)を実施している。また、HB87は、地元政府機関への補助金提供など、ジョージア州 にあるすべてのカウンティーが連邦政府と協力するような刺激対策を練るように、州政府機関に呼びかけて いる。したがって、米国に滞在する皆様は、万が一に備え、外出時は必ず身分証明書を持参し、いつでも自 分の身分を示すことができるよう、心がけていただきたい。

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執筆:大蔵昌枝弁護士, ベーカー・ドネルソン法律事務所 * Copyright reserved. 著作権所有

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