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全国医師ユニオン

ーJapan Doctor’s Unionー


EUの最新 労働基準 オンコールを含めて 週48時間労働


EU圏内の主な医師の団体 CPME(The Standing Committee of European Doctors )ヨーロッパの医師200万人を代表する組織。  AEMH(European Association of Senior Hospital Physicians)ヨーロッパの勤務医団体であり、医師の良好な 労働条件は質の確保と患者の安全に不可欠であるとし、勤務 医の利益を守ることを明確に述べている。  UEMS (European Union of Medical Specialists)  FEMS(European Federation of Salaried Doctors )  PWG (Permanent Work Group of Junior Doctors) 


ドイツの医師組合 マールブルグ同盟

22000人の大学病院勤務医

は労働条件の改善と給与の 30%引き上げを要求。


次々と起こるストライキ 2005年8月、ドイツ全土のストライキに

25000人の医師が参加。

2006年3月、ベルリンで3万人の医師が

デモ行進を行なった。

2006年ストライキは、3ヶ月間断続的に

続いた。


ストライキの成果 州立大学病院勤務医の特別協

定では、初心者は15-17%、上 級医師は20%の給与引き上げ となる。

法廷休日の当直勤務には25%

の特別手当が定められている。


韓国インターン・レジデント 医師協会(KIRA) 

2006年7月3日、韓国労働部はインターン・レジデント(研修 医)が組織する労働組合に対し許可証を発行した。

研修医たちが組織化に三年を費やしたのち、ようやくの認定 となった。

KIRAによれば、同組合設立の目的は組織化による研修医 の福祉及び法的地位の向上のほか、病院における研修の標 準化であるとする。


韓国の研修制度 

韓国の医師制度では、医学部卒業後、医師免許を取得し た医師は、一年間インターン、四年間レジデントとして研修 を積まなければならない。

組合への妨害 

一方、病院側は彼らがストに訴えた場合の医療サービスへ 与える大きな影響を特に心配している。このため、病院側は 研修・実習医が組合に参加しないよう説得を始めたところで ある。


医師の健康に関する国際会議 (INTERNATIONAL CONFERENCE ON DOCTORS' HEALTH)

テーマ

医師の生活習慣,  バーンアウト,  仕事の満足度,  薬物依存,自殺,  医師の健康支援のプログラム,  ワークライフバランス,  医師が患者となった際の対応等であった。 


医師の健康を支援するセンター 

それぞれの国では,医師会が医師の健康確保や健康増進を 支援するためのセンターを設置している。 英国医師会はDoctors' for Doctors' unitを開設し,医師から のさまざまな相談に匿名で応じるホットラインを開設している。 ホットラインは24時間提供され,登録した医師や臨床心理士 が迅速に対応する。


医師の精神疾患への取り組み 

医師がなんらかの疾患(うつ病や認知症など)に罹患している ことで患者に適切な治療を提供できていない際にはどのよう に対応するかということが討論された。


パイロットの労働制限 

パイロットの場合、乗務に関わる時間は月当たり85時間に制 限されている。

日本乗員組合連絡会議 (Air Line Pilots’ Association of Japan) 日本の各航空会社のパイロット組合の連合体


イギリスの医療崩壊 1)サッチャーによる 医療費抑制政策 2)ブレアによる医療再生


イギリスにおける待機患者の惨状 

超音波(エコー)検査。・・・ロンドンのある病院では2700人が 待機しており、一番古いのは2年も前の患者であったと言う。 全英の平均でも実に8週間は待つという。

手術を1年半もまっている人が全国で180人であったという保 健省のデータが公表されていた。

ある調査によれば、肺がん患者の20%は手術前放射線療法 の待機期間の間に手術不能な状態になっていたという。


医師の減少 

新規登録医師数を見ると、1995年には年間1万1000人ほど 登録されていたが、2000年には8700人と26%も減少し た。・・・イギリスで医師になってから、米国やカナダ、オースト リアなどに転出してしまうのだという。

患者の暴力 

あまりに長時間待たされイライラした患者などにより、NHSス タッフが受ける(言葉のみを含む)暴力事件も増えている。報 告されている事件だけで、2001年度には前年度比で13%も 増えて、9万5501件に上っている。


医師の自殺と退職 

医師の自殺率は、同学歴である専門職の2倍である。

また、一般医4人のうち3人までは『60歳になるまでに辞 めたい』と思っているというノッチンガム大学による報告 がある。


マスコミの対応と世論 

イギリスのマスコミは日本のマスコミの論調とは正反対に、 NHSの危機は医療費抑制政策の当然の結果であると いう立場からの論陣を1980年代からはっていた。

国民の間にも、NHSをよくするためには、医療費の拡 大が必要だという意見が高まってきていた。


ブレアによる医療費増額の公約 

2000年当時、GDP比で7.3%であった医療費を5年間で実質 額で1.5倍とし、GDP比ではフランス・ドイツ並みの10%程度 に引き上げるとういNHSプランを発表した。実績を見るとNHS 医療費の額は、ほぼ計画通りの伸びである。 1997年度の9.6兆円(1ポンド210円として)から、2006年度に は21.9兆円へと2.28倍に拡大している。 同時期の日本の国民医療費が、28.9兆円(1997年)から 33.1兆円(2005年)への1.15倍


医療費拡大によるスタッフの充実 

医療費拡大によって、医師やスタッフ数の拡大、給与の引き上げ、病 院・設備の拡充などの両立が可能になった。

医師数の増加 

例えば、医学部の定員は、3972人から6326人へと実に2354人 (59%)も増やしている。海外から医師を受け入れたこともあり、1999年 から2004年の5年間に、医師数は9.4万人から11.7万人へと(25%)も 増えている。

医師給与の引き上げ

GP(一般医)の平均報酬は、2002年度に7万2011ポンド(約1512万 円)から、PbRの導入などで2005年度には11万3614ポンド(約2386 万円)へと1.5倍に増えた。


医療内容の向上 糖尿病患者のカルテ記載率を見ると、2004年から06年の間 に、HbA1c(・・・)75%➔94%、網膜症スクリーニング47% ➔84%、微量アルブミン検査7%➔77%に改善している。  治療状況でも、HbA1c7.4以下の者41%➔62%、血圧 145/85mmHg以下の者47%➔65%など望ましい状態を達 成している者の割合が増加している。 

98年4月に130万人いた入院待機者は2005年3月までに、 82人へと約50万人も減少した。  診断のために6週間待つ者をみると、2006年1月には90万 近くいたが、08年2月には10万人をきっている。  院内感染では、MRSA(・・・)敗血症が2003年度に比べて 43.5%減少した。 


「安くて、早くて、質の良い医療」 はありえない ・ 医療サービス研究の分野では医療制度や政策を評価する際 に、3つのモノサシ(基準)でバランスよく評価すべきであること が常識になっている。 ①効果(Effectiveness) ②効率(Efficiency) ③公正・公平(Equity) ・ この3つの基準をすべて同時に満たすことはできない。満た すことができるのは、『3つのうち2つまで』というのがコンセン サスになっている。


日本の医師労働の 実態 医療崩壊の主な原因

①低医療費政策 ②マンパワー不足


医師の1週間の勤務時間


東京都医師会 勤務医委員会答申 (2005年3月) 

当直時の平均睡眠時間が4時間に満たない回答者が 51.4%

当直翌日に何らかの形で休養を取ることができるのは、 1.6%


日本病院協会の勤務医に関する 意識調査(2007年4月) 

当直の翌日も普通の勤務をしている医師は88.7%である。

71%の医師が慢性疲労を訴えている。

勤務医不足の要因は「過酷な労働環境」と回答した医師が 最も多く61%である。


医労連「医師労働実態調査」 (2007年4月) 3割の医師が「過労死ライン」  3割近くが「前月の休みゼロ」  勤務医の5割が「職場を辞めたい」  4割以上の医師が「健康不安・病気がち」 (「別に疲れを感じない」医師は6.7%) 


医師確保・退職防止に必要な 条件・環境(医労連調査) 

「賃金や労働条件の改善」 85.6%

「診療科の体制充実」 50.4%

「医療事故防止対策の充実」 41.9%


医師を守る運動の歴史 医師の過労死の第1号は1970年に始まる。  1998年の「研修医過労死裁判」を契機に、勤務医は労働 者であるとの法的な解釈が医療界にインパクトを与えた。  厚生労働省は、2001年以降医師の労働条件に関する通 達を出すようになった。  しかし、勤務医が労働者であるという意識は、国民にも医師 にも浸透していない。 


研修医過労死裁判 「研修医」労働者と認めた画期的な事件  1998年 研修医 森大仁さんが過労死。  社会保険労務士の父が労災を申請。  過労死裁判を大阪地裁に起こす。  1999年労基署が関西医大に研修医を労働者として扱うよ うに是正勧告を行う。  大学と前学長・総務部長を労基法違反で書類送検。 


父である森さんの闘い 

社会保険労務士の知識をフルに生かして、4つの裁判を 起こす。

「研修医・医師 労働条件を改善する会」を結成する。(20 02年)  しかし、会は成功しなかった。  原因の一つは医師が立ち上がらなかった点にある。 


厚労省・文部科学省の対応-1 

・2001年4月6日:「労働時間の適正な把握のために使用者が講 ずべき措置に関する基準について」厚労省労働基準局長

・2002年3月19日:「医療機関における休日及び夜間勤務の適 正化について」労働基準局長

・2003年5月23日:「賃金不払い残業の解消を図るために講ず べき措置等に関する指針について」厚労省労働基準局長

・2003年12月26日:「医療機関の休日及び夜間勤務の適正化 に係る当面の監督指導の進め方について」厚労省労働基準局 監督課長


厚労省・文部科学省の対応-2 

2007年12月28日:「医師及び医療関係者と事務職員との間 等での役割分担の推進について」厚労省医政局長

2008年3月21日:「病院勤務医の労働環境改善の推進につ いて」厚労省医政局長・保険局長

2008年6月30日:「医師及び医療関係職と事務職員等との 間等での役割分担の推進及び診療に従事する大学院生等 の処遇改善について」文部科学省高等教育局長


医師自らの運動の始まり-1 

2000年「沖縄県公務員医師労働組合」の結成。 江原朗氏の医療労働研究および労働基準監督署への是正 勧告の開示請求活動。 2006年12月4日奈良県立奈良病院の産婦人科医2人が、 未払いだった「時間外・休日労働に対する割増賃金」(以下、 時間外手当)の支給を求めていた裁判で2009年4月22日 に一審判決。


医師自らの運動の始まり-2 

滋賀県成人病センター2008年4月18日に労基署が是正勧 告。その後、働基準監督署が労働基準法違反の疑いで、同 センターを運営する県病院事業庁と幹部らを書類送検。

労働基準監督署による国立病院(独立行政法人国立病院 機構)への是正勧告:2007年度は全国で11件。

2008年6月:全国医師連盟結成


全国医師ユニオン 結成 2009.5.16

ーJapan Doctor’s Unionー


ユニオンの加入対象 

第6条(会員の資格)次の者は会員となる資格を有する。

(1)日本の医師資格をもつ医師で、この規約を認め下記に該当す る者 ①勤務医、ただし使用者および使用者の利益を代表する者は除く ②開業医および病院経営者であっても被使用者として医療に従事 することがある者 ③被使用者である医学研究者 ④身体的事情や育児等の事情により、現在医療に従事していない 医師 (2)運営委員会が特に会員になることを認める者


ユニオンの基本姿勢 ①全医連との協力・共同を重視する。  ②勤務医は労働者であるという立場にたつ。  ③政治的な中立性を守る。  ④弱い立場の医師への配慮を重視する。  ⑤各学会や他団体の勤務医部会との協力共同を追求す る。  ⑥他業種の労働組合との連携も積極的に行なう。 


ユニオンの長期的な目標-1 EUの労働基準を目標にする。

最新のEU基準は オンコール時間も含めて 週48時間!


ユニオンの長期的な目標-2

①勤務医の過半数を会員とする。 ②複数の勤務医がいる全ての医療機関 に支部を作る。 

上記により、医師のナショナルセンターとして労働環境改善 で大きな役割を果たす。


当面のスローガン ①過労死を引き起こす過剰勤務をなくそ う!(月80時間を超える時間外労働は過労死との 関連が強いとされている。)

②当直を時間外勤務と認めさせよう! (多くの医療機関では、当直は時間外勤務として認められてい ない。)

③主治医制を担当医制へ変えよう! (24時間365日拘束の主治医制は見直す必要がある。)


公的医療費の大幅増額は 絶対条件 医療費は1割程度の増額が必要

か! これを前提にマンパワーの増強を

中心とした対策が必要。


ユニオン第1期の具体的な活動 1)体制の確立を最優先とする。 ①当面は全医連との協力関係を最重視し、全医連の協力 のもとに組織作りや活動を行なう。 ②ユニオン活動の基盤を確立させるために活動的な会員 の勧誘や医療機関での支部作りを進める。 ③事務所機能を確立・発展させるために医師ユニオンの 活動を支持する医師以外の協力者を集めるとともに財 政基盤を強化し専任事務の配置に力を注ぐ。


会員を支援する活動 

「ユニオン会員7つのメリット」(別スライド参照)に示され るようなシステムやアイテムを作り会員の支援を行なう。

定期的な相談受付日を設定し、医療労働ホットライン作 りを追求する。  定期的な学習会を開催する。 


ユニオン入会 7つのメリット-1 1)組合員として労働法により保護される。 (すでに病院にある組合が協定を結んでいても、ユニオン会員として独 自の協定を結ぶことができます。) 2)ユニオンと会員を結ぶ2つのツール ①会員専用ホームページによる医師の労働関係情報やニュースの紹 介。 ②紙媒体によるユニオン・ニュースの定期発送。 3)ユニオン会員のための4つのアイテム ①ユニオン会員証の発行(ユニオン会員で ることの証明書) ②ユニオンの「医師労働の基礎知識」パンフレットの提供。 ③「ユニオン勤務記録手 」の提供。( あなたの労働時間が一目で分か る) ④「 あなたの病院診断基準マニュアル」の提供。


ユニオン入会 7つのメリット-2 4)会員が行なう36協定等の調査のサポート 病院で交渉を始める前に自分の病院と労組との協定を知 りたい場合などは、ユニオンが調査のサポートを行ないます。 5)会員の労働条件改善システム(別のスライド参照) 6)もしもの時の家族支援システム もしも、 なたが過労で倒れたとき、残された御家族の相談 にのり、場合によっては弁護士費用も100万円を上限にユ ニオンが援助します。 7)組合費が安い ユニオンの年会費は2万円です。全医連会費は1万円です から、合計しても3万円です。 (尚、1年目の研修医にかぎり 会費は5000円です。)


求められる活動-1 ①団体交渉に関するケース・スタディを作る。先進的な事例 を作り、医療機関を匿名にするなどして各会員の活動の参 考となる情報を発信する必要がある。 ②裁判支援の検討 現在も医療労働や過労死関連での裁判が行なわれているが、 医師ユニオンにとって重要な裁判に関しては積極的な支 援を検討する。


求められる活動-2 全国組織として各政党や関係省庁等

への働きかけを行なう。 ユニオンの基礎を作るために、他団体

との友好関係作りをすすめる。


調査・研究活動に関して 今期は、下記の課題の中から可能なものに関して研究 者との協力関係作りを行ない、調査・研究を追求する。 ①ユニオンのあり方や活動方法に関する調査・研究。 ②研修医の労働問題に関する調査・研究や提言作り。 ③大学院生等の労働条件に関する調査・研究や提言作り。 ④国際的な医師労働の調査・研究。


全国医師ユニオンの紹介  

第二回全医連集会での植山直人全国医師ユニオン代表のプレゼン

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