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Japan Pension Conference

2016.4

開催報告特集

ジャパンペンションコンファレンス 2016 シリーズ I ベンチマークからの解放 オポチュニスティック運用拡大に向けて


当ウェブマガジンで掲載される情報は株式会社 マーケットメーカーズ(以下「マーケットメー カーズ」という)が作成・表示したものですが、 その内容及び情報の正確性、完全性、適時性に ついて、マーケットメーカーズは保証を行なって おらず、いかなる責任を持つものでもありません。 また、当ウェブマガジンに記載された内容は、 表示時点において作成されたものであり、予告 なく変更する場合があります。 当ウェブマガジンが提供する情報は、あくまで 情報提供を目的としたものであり、投資その他の 行動を勧誘するものではありません。投資にか かる決定は、必要に応じて専門家とご相談の上、 ご自身の判断でなさるようにお願い致します。


ご挨拶 2016年5月 株式会社マーケットメーカーズ 取締役社長 兼 CEO

佐倉 和明

『佐倉 で す 。』  お蔭様を持ちまして、第5回ジャパンペンションコンファレンスを 『ベンチマークからの解放 オポチュニスティック運用拡大に向けて』 と題しまして開催をさせて頂きました。  誰も経験したことのない投資環境。 「過去の体験が活かせない」と する向きにも、チャレンジ志向を強めるもの、逆に保守性を強めるも のも・・・。しかし、年金基金の本来的な役割を思い起こせば、 『従 前通りにサステナブルな給付を継続すべく、将来キャッシュフロー・ 絶対収益をより重視してマネジャーを選別して行く』ことが最重要 テーマと申せましょう。  コンファレンス後記として、The Managersを刊行致します。当 コンファレンスにご参加下さいました皆様、あるいはご参加出来な かった皆様にもご高欄を賜り、企業年金制度のサスティナビリティの 一助となる新たな知見を得るヒントとなれば幸いです。


プログラム 開  会

ご挨拶

10 : 40 ~ 11 : 00

基調講演

混迷する環境下、ベンチマークにとらわれないオポチュニ スティック運用を考察する

11 : 00 ~ 11 : 30

プレゼン

10 : 30 ~ 10 : 40

①野村證券株式会社 フィデューシャリー・マネジメント部  シニアコンサルタント 清水 信行

リスク抑制を重視した、38年間継続する真のバリュー投資 ①(アムンディ・ジャパン株式会社)  ファースト・イーグル コンサルタント

ベンチマークにとらわれない株式戦略 11 : 30 ~ 12 : 15

パネル①

①前日本経済新聞企業年金基金 理事長 ②あすか コーポレイト アドバイザリー株式会社  代表取締役COO ③(アムンディ・ジャパン株式会社)  ファースト・イーグル コンサルタント

安  治郎

久保 俊一 田中 喜博 安  治郎

12 : 15 ~ 13 : 00

ランチ

13 : 00 ~ 13 : 30

キャピタル・グループが40年以上にわたり実践してきた 厳選投資

プレゼン

13 : 30 ~ 14 : 00

プレゼン

14 : 00 ~ 14 : 10

休  憩

①キャピタル・インターナショナル株式会社  インベストメント・スペシャリスト

雨宮 弘明

クレジット投資で安定したインカム~カギは地雷を踏まな い厳選投資

①アリアンツ・グローバル・インベスターズ・ジャパン株式会社  クライアント・サービス部 部長 横山 真一


14 : 10 ~ 14 : 40

プレゼン

国債依存からの脱却 -債券収益源泉の拡大 ①インベスコ・アセット・マネジメント株式会社  プロダクト・マネジメント本部 外国債券部長

有村 健一

低金利環境下における債券マネージャーストラクチャー 14 : 40 ~ 15 : 20

パネル②

15 : 20 ~ 15 : 30

休  憩

15 : 30 ~ 16 : 00

プレゼン

①野村證券株式会社 フィデューシャリー・マネジメント部  シニアコンサルタト 清水 信行 ②インベスコ・アセット・マネジメント株式会社  プロダクト・マネジメント本部 投資戦略部長 中島 奈穂

学術研究に基づく運用戦略 ~ベンチマークに依存しない、収益源泉にフォーカス~

①ディメンショナル・ジャパン・リミテッド 日本における代表者 兼  CEO ジョン・アール・アルカイヤ インスティテューショナル  サービス部 リージョナル・ディレクター 窪 誠一郎

インカム戦略としてのコア不動産運用 ~債券代替として~ 16 : 00 ~ 16 : 30

16 : 30 ~ 17 : 00

プレゼン

パネル③

17 : 00 ~ 18 : 45 閉会&懇親会

①ナティクシス・アセット・マネジメント株式会社  クライアント・サービス& マーケティング部  ヴァイス・プレジデント

池田  譲

低流動性資産のPlan Do See:低流動性資産の導入に向け ての位置づけ ①岡山県機械金属工業厚生年金基金 運用執行理事 ②アーク東短オルタナティブ株式会社 取締役

木口 愛友 鈴木 英典


Japan Pension Conference 2016 Jun.

10:40~11:00

基調講演

混迷する環境下、 ベンチマークにとらわれない オポチュニスティック運用を考察する 野村證券株式会社 フィデューシャリー・マネジメント部  シニアコンサルタント

清水 信行

日銀の政策により突如「低金利からマイナス金利」環境に。円債の期待収益率もマイナスとな る異常事態である。「過去の体験が活かせない」この有事に基調講演を野村證券株式会社 フィ デューシャリー・マネジメント部 清水 信行氏にお願いした。同氏の意見は簡潔で明快であった。


ベンチマークを意識しない運用は、メリットだけでなく デメリットも十分認識した上で投資すべきである。

Q:ここ数年、時価総額ベンチマー クの問題点が指摘されているが その役割は見直されるべき時期 が来たのか?

する一方、デュレーションの長期化が進み、 将来のリターンについて先行き不透明感が高 まったことも大きかったと考えている。

が広く認識されるようになったが、ベンチ

Q:年金基金には新しい取り組みと なると、その留意点は?

マークそのものの意義や役割(①政策アセッ

 運用担当者がしっかり理解することはもち

ト・ミクス策定上、②マネジャー・ストラク

ろんであるが、代議員、理事、資産運用委員

チャー構築上、③個々の運用機関のパフォー

会委員、その他母体の年金関係者からその取

マンス評価実施上、欠かすことのできない

り組みに対する理解が得られるよう、メリッ

ツールであること)は、これまでも今後も変

ト、デメリットをしっかり説明することが重

わりがないだろう。

要である。また流動性の低い資産への投資の

 たしかに時価総額ベンチマークの非効率性

場合、制度面、給付面で問題ないか確認する

Q:時価総額ベンチマークに拘らな い株式戦略・債券戦略は普及し 始めた背景はそこでしょうか?  時価総額ベンチマークの非効率性が認識さ れたこともあるが、株式では時価総額ベンチ マークのリターンが直近10年間ほど振るわ なかったこと、債券では世界的に金利が低下

ことも欠かせない。


Japan Pension Conference 2016 Jun.

10:40~11:00

プレゼンテーション

リスク抑制を重視した、 38年間継続する真のバリュー投資 アムンディ・ジャパン株式会社 ファースト・イーグル コンサルタント

安 治郎

ベンチマークにとらわれない厳選バリュー株投資で有名なファースト・イーグルに時期を得た 参加を頂いた。Agnostic運用の老舗である。ベンチマーク運用見直しの世界的な潮流の最中、 ファースト・イーグル コンサルタント 安氏に再度その戦略を整理して頂いた。


長期的な視野で忍耐強く投資を行う事が非常に重要です。 当社では、多くの企業に10年以上投資しています。 長期投資で理解を深め、その間、その企業が世界的に発展、 拡大した結果、当ファンドに大きなリターンをもたらしました。 投資を検討される投資家の方々にも、 同様の時間軸を持って頂きたいと願っています。

Q:なぜバリュー投資なのか? (当 社は集中投資ではないので、厳 選は消しました)

Q:御社の戦略が有名でもある理由 として、御社ならではの下方抑 制手法について改めて。

 当社では、長期的に資産を増やすためには、

 まず、投資機会に恵まれない時には、無理

資産の保全する事が最も重要だと考えていま

に投資をしないことが重要です。その為、当

す。将来は何が起こるか分かりませんので、

ファンドでは時に多くの現金を保有する事が

どのような事業に投資をする際にも、何が起

あります。更に、当ファンドでは、将来の予

きても大きな損失を追わないためには、十分

期せリスクに備えるために、金関連資産にも

に割安な水準で投資する事が重要でであると

投資しています。金は株式市場の急落、 戦争、

考えています。

インフレ、政情不安といった時に価格が上昇 する傾向があります。

Q:ファースト・イーグルが追う「質 の高い」企業、希少価値のある 企業とは?  割安とは価格面の話ですが、資産を守るた めには、逆境にも耐えうる事業に投資する事 も大事です。当社でいう質の高い事業とは、 外部環境の変化にあまり左右されずに、高い 利益率を維持している企業です。こういった 企業は他社がまねる事の出来な何か特別な技 術や資産を有している事が多いので、希少で あると考えています。


Japan Pension Conference 2016 Jun.

11:30~12:15

特別パネル①

ベンチマークにとらわれない株式戦略 前日本経済新聞企業年金基金 理事長

久保 俊一(左側)

あすか コーポレイト アドバイザリー 株式会社 代表取締役COO

田中 喜博(中央)

(アムンディ・ジャパン株式会社) ファースト・イーグル コンサルタント

安 治郎(右側)

「ベンチマークにとらわれない株式戦略」が新たな潮流となってきたが、アルファ創出手法も 幅広い。今回はAgnostic運用代表として、 「エンゲージメント」 運用のあすかアセットとバリュー 投資で名高いファースト・イーグルにお声がけをさせて頂いた。改めて2社に株式運用の今日 的テーマを整理して頂いた。


当社は保守的なグローバルバリュー戦略を38年間 続けていますが、累積利回りは130倍にも達し、 リスクは10.40%とMSCIワールドの14.93%よりも かなり低くなっています。 避けるべき企業を避け、これだと思った企業に長期投資する。 フル投資にはこだわらず、いざという時の為に 金ETF等も保有する、こう言った運用をブレずに継続する、 これが他社には真似のできない当社の一番の特色です。 (アムンディ・ジャパン株式会社)

Q:田中さん、御社の「パートナー シップ型投資」と「独自性のあ るα」を再度簡単に解説して欲 しい。

Q:安さん、ファースト・イーグル おける「長期・集中投資」の意 義、特徴は?

 株主として同じ船に乗り、相互の信頼を基

準で投資をしていますが、保有期間が10年

に変化のための方法論を提示し、経営の質的

を超える銘柄も珍しくありません。長期で保

改善のお手伝いをする投資です。対話の分野

有し、割安解消と企業価値の成長からリター

が広く、投資テーマもバリューからグロース

ンを生み出します。そう言った銘柄をポート

迄多岐に渡ります。投資先企業に集中投資と

フォリオに多く積み上げ、ファンド資産を複

価値創造活動を行うことで、市場の変動や同

利の効果で大きく成長させていく、それが当

種の運用戦略とも異なる独自のα創出が出来

社の目指す長期投資です。

ると考えています。

 当社では世界中の質の高い事業に割安な水


対話を通じた企業価値向上は、 日本株において中期に渡ってその有効性が期待できる数少ない テーマであると強く感じております。 あすかはその中でも特徴ある投資哲学と価値創造手法を持って、 独自性のあるαを継続的に創出していくことの出来る運用者の 一人であると自負しております。 これからもご指導宜しくお願い致します。 (あすかコーポレイトアドバイザリー株式会社)

Q:田中さん、年金基金は久しく 「金利を軸とした運用」に傾斜 して来たが、それが行き詰まる 中、エクイティによる「独自性 のあるα」の創造も一考では?  αの「独自性」と「継続性」が重要である と感じます。独自性の無いαは時が経つにつ

Q:安さん、株式のアップサイドに 異論を唱える向きは少ないが、 当然危惧するのはそのドローダ ウン。リスクの定義とその管理 手法、ファースト・イーグルは シンプルでかなり面白いです ね。

れてコピーされ陳腐化してしまいます。また

 当社の考えるリスクは取り返す事の出来な

長期投資の観点からは、αの継続性も重要な

い損を出す事です。その為、銘柄選択では、

視点であると考えます。

割高な銘柄、事業や財務諸表が理解できない

対象とするαの組立がしっかりしており、将

会社、負債の大きい会社を避けています。ま

来に渡って再現・継続可能であるという納得・

た、ポートフォリオレベルでは、分散を心が

腹落ちを得られる事が肝要かと思います。

け、投資機会が少ない時は、無理に投資せず 現金を保有します。また、 予期せぬリスク (イ ベント)に備える為、金ETF,金鉱株にも投資 しています。


Japan Pension Conference 2016 Jun.

13:30~14:00

プレゼンテーション

クレジット投資で安定したインカム ~カギは地雷を踏まない厳選投資 アリアンツ・グローバル・インベスターズ・ジャパン株式会社 クライアント・サービス部 部長

横山 真一

利回りを世界中駆け巡って探す機関投資家。 「低金利からマイナス金利」の劇薬療法に戸惑う本 邦の年金基金、枯渇する利回りを必死に探す姿がいたるところに見える。クレジットの大海原 に漕ぎだす時は来たようだ。プレゼンのポイントを改めて横山氏にインタビューした。


国債がマイナス利回りの今、債券運用ではクレジットリスクを とっていく必要がありますが、徹底して下落銘柄を避ける運用 をしているかどうかが、最大のポイントになると考えています。 Q:前回のコンファレンスで は、債券マルチアセット 戦略を解説頂いた。今回 は、その中のアセットク ラスの一つでもある「ク レジット投資」 、特に「米 国短期ハイ・イールド債 券」の魅力をご説明頂い たが、その魅力を今一度 整理してほしい。  ハイ・イールド債券の持つ高いイン カム収入を、リターンのブレを小さくしつつ

ことが可能になる。例えば、昨年度は我々は

獲得できること。マイナス金利環境において

エネルギー関連の銘柄にほとんど投資をして

ヘッジ後でも十分なリターンを獲得できるだ

いなかったためにプラスのリターンで終える

けでなく、米国金利の上昇に強いというのも

ことができた。

魅力だ。米国経済は堅調にも関わらず、昨年 来の市場下落で利回りが拡大し、その魅力度 はより高まったと言える。

Q:今回のコンファレンスも「オポ チュニスティック」をテーマに しているのだが、御社の「米国 短期ハイ・イールド債券戦略」 はどの点でオポチュニスティッ クか、 哲学をお聞かせ頂きたい。

Q: な る ほ ど、「 地 雷 を 踏 ま な い 」 厳選投資こそが、ベンチマーク べったりな運用には無い最大の リスク管理なのですね。  地雷を踏まないというのは、最終的にデ フォルトしないというのはもちろんのこと、 それに加えて、下落しにくい銘柄を如何に選 択できるかということも含まれる。我々は徹 底した調査を通じて、ファンダメンタルに全 く問題ないと信じた高確信度の銘柄だけに投

 ハイ・イールド債券市場には経済環境に

資を集中させることで、それを可能にしてい

よって業況が大きく不安定化する産業や銘柄

る。

があるが、それらを避けることが何よりも重 要だ。それによってリターンのブレを抑える


Japan Pension Conference 2016 Jun.

14:10~14:40

プレゼンテーション

国債依存からの脱却 -債券収益源泉の拡大 インベスコ・アセット・マネジメント株式会社 プロダクト・マネジメント本部 外国債券部長

有村 健一


マイナス金利の環境下、極端なリスクを取るのではなく、 許容できるリスクのなかに、まだ投資機会が残っています。 グローバル債券総合型、米国地方債をはじめ、 旧来からある資産や戦略へも目を向けては。 Q: 「低金利からマイナス金利へと」 風雲急を告げる債券市場環境だ が、大きな節目を迎え、ベンチ マークも含め抜本的な見直しの 必要性を感じさせられた今回の 御社のプレゼンだった。ポイン トを再度整理してほしい。  マイナス金利の下、無作為でいることは資

見て、米国における主要な債券市場の1つで あり、検討対象に加えることは妥当ではない でしょうか。

Q:ベンチマークの見直し、新戦略 の勉強・追加的な管理体制の見 直し・・基金の仕事は増えるが インベスコとしては?

産を損なう可能性があります。その一方で、 安易にクレジットや金利リスクだけを積み重

 インベスコ東京拠点では、法人営業本部、

ねて、リターンを追うことは危険です。許容

プロダクト・マネジメント本部に加え、米国

できるリスクと期待されるリターンを再確認

アトランタにジャパンデスクを配し、日米に

し、最適な資産構成を検討することが重要な

またがるサービス体制を構築しています。ま

時代を迎えていると考えます。

た、 弊社投資戦略部では、 個別のお客様のニー ズに応じたソリューションの提供も行ってい

Q:今回提言頂いた2つの戦略、 「グ ローバル債券(総合型)運用と 米国地方債運用 、得に後者は とても新鮮、ある意味、本邦の 投資家には新天地と思うが・・・  世界的な低金利の環境下、デュレーション・ リスク、もしくはクレジット・リスクをとる ことで、利回り獲得を図る動きが見られます。 これら2つのリスクのバランスや他資産との 相関を考慮すると、グローバル債券(総合型) 運用と米国地方債運用は有望な選択肢です。 特に、地方債市場はその歴史や市場規模から

ます。こからも、日本の投資家の皆様に一層 充実したサービスの提供を行って参ります。


Japan Pension Conference 2016 Jun.

16:30~17:00

特別パネル②

低金利環境下における 債券マネージャーストラクチャー 野村證券株式会社 フィデューシャリー・マネジメント部 シニアコンサルタト

清水 信行(右側)

インベスコ・アセット・マネジメント株式会社 プロダクト・マネジメント本部 投資戦略部長

中島 奈穂(左側)

今回このパネルのテーマを設定した際、果たして具体的な「積極的な提言」をお二人から聞き 出せるのか、主催側には正直想像つかなかったのだが、それは取りも直さず、日銀の荒療法に 振り回されていたからだで、しかし、結果は充分に手応えのある提言、Mission Possibleな内 容となった。ポイントを整理すべく、インベスコの中島さんに再度インタビューした。


“Search for Yield:大海原に漕ぎ出すしかありません。” Q:野村證券株式会社 フィデュー シャリー・マネジメントの清水 さんは円債のテールリスクの高 まり、収益性の著しい低下、リ スク性資産との相関の高まりな ど、円債のプロフィールが大き く変る中、債券投資の進むべき オプションは3つあると仰って ましたね。

Q:中島さんの使われた表現、「債 券分散の大海原」とは?どんな 海でしょうか?

 はい、オプションの1つめ、①「国内債券

原に漕ぎ出せるかどうかが、さらなる分散へ

枠内での対応」ではローリスク絶対収益戦略

の櫂が鍵となります。

 マイナス金利となり、慣れ親しんだ湾での 将来リターンを見切り、海外への大航海時代 を迎えたことに例えてみました。嵐の予兆を 感じてはいるものの、帆を掲げることをため らっていた投資家も、いよいよ債券ワールド 化を迎え、クレジット債の見識を広げ、大海

等への代替、分散した投資アイディア、アル ファ戦略の力量を問う目利きが大事になりま す。②の「グローバル債券の新設」では論理 ズ総合へシフトすることで、クレジット債券

Q:BPI代替戦略はどこまで多様 化するのでしょう?

にも自然に取り組めます。③の「オルタナティ

 海外投資家の事例を踏まえ、利回り向上の

ブへのスイッチ」は既存の代替資産から、さ

取り組み、モーゲージ債、米国地方債、グロー

らなるサテライト・アルファへの見直しが重

バル総合のマネストが、 常連となるでしょう。

要です。

ハイブリッド、実物資産、オルタナティブへ

的にBPIの配分が減らせますし、バークレイ

の積極的な配分も定位置となり、10年債利 回りが2.5%へ上昇する時間軸を考えると多 様化の波は今の想像を超えるものとなるかも しれません。


Japan Pension Conference 2016 Jun.

15:30~16:00

プレゼンテーション

学術研究に基づく運用戦略 ~ベンチマークに依存しない、 収益源泉にフォーカス~ ディメンショナル・ジャパン・リミテッド日本における代表者 兼 CEO

ジョン・アール・アルカイヤ(右側)

インスティテューショナル サービス部 リージョナル・ディレクター

窪 誠一郎(左側)

今回のコンファレンスのテーマは「ベンチマークからの解放 オポチュニスティック運用拡大」 である。Agnosticな戦略を「集中・厳選」の切り口で提言する機関がいる一方、今回参加頂 いたディメンショナルには、「集中」とは逆に「圧倒的な拡散による優位性」を説いて頂いた。 根底には、低迷する伝統的なアクティブ(Old Active)への対立軸があるようだが、自社独自の インデックスも組成するクオンツの雄、ディメンショナルの参加を得たことは「オポチュニス ティック運用」の裾野を広げ、New Activeの到来を告げている様にも感じた。


Q:窪さん、御社=ノーベル経済学 賞受賞者のスター軍団のイメー ジだが、今回のプレゼンはとて も「ユーザーフレンドリー」で 御社の投資アプローチ、3つの ポイントも分かりやすかった。

 「信頼性の高い収益源泉」をディメンショ

 最重要なのは、 「学術研究に基づき、信頼

年プロセスを進化させてきました。

ンと言います。ディメンションは「絵に描い た餅」です。効率的にその収益を獲得するプ ロセスが最重要です。例えば、余り重視され ませんが、弊社の研究では「売買コストや運 用報酬などのコスト」は長期的な収益獲得の 阻害要因です。1BPでもコスト削減に、毎

性の高い収益源泉を特定すること、それらの 源泉から効率的に収益を獲得するプロセス」 です。資産運用には様々な収益源泉が存在し ますが、弊社では信頼性の高い収益源泉にの みフォーカスします。銘柄選択は、弊社では 信頼性が低いと考えており、収益源泉として おらず、徹底的に銘柄分散を行います。

Q:ディメンションを捉えることに 加えて、トレーディング手法に もユニークなプロセスを感じた が・・  弊社では市場価格に含まれる情報を活用す

Q:社名にもある 「ディメンション」、 これは種々の市場、例えば日本 株とか米株などの市場における 「期待リターンの濃淡」 、 「期待 リターンの差」を学術的検証で あぶり出して、 「ディメンショ ン」として可視化(面的な量・ 数値可)する、御社の類まれな 運用プロセスなのですね。

るため、ミスプライスの特定や銘柄選択はし ません。売買コストは、特定の銘柄を一定期 間内に売買することにより高くなりますが (購入価格はより高く、 売却価格はより低く) 、 弊社では特定の銘柄やタイミングにこだわら ない柔軟な売買により、1売買当たりコスト を最小化させています。


Japan Pension Conference 2016 Jun.

16:00~16:30

プレゼンテーション

インカム戦略としてのコア不動産運用 ~債券代替として~ ナティクシス・アセット・マネジメント株式会社 クライアント・サービス&マーケティング部 ヴァイス・プレジデント

池田 譲

低金利から本邦初のマイナス金利下、債券戦略に大きな障害が立ちはだかる年金資産運用。こ の逆風下で目下注目を集めるのが、コア不動産投資だ。なかでも米国の案件は人気度も高い。 その一翼を担うナティクシス。長年幅広い不動産投資に従事してきた池田氏にプレゼンのポイ ントを改めて伺った。


債券代替として、株式と相関が低く、 安定したインカムを獲得するための手段として、 米国のコア不動産は長い実績にも裏付けされた安定性が魅力。 Q:リートは本邦の年金基金にも周 知されているが、今回解説頂い た債券代替としてのコア不動産 運用の最大の魅力は?なぜ、今、 コア不動産運用か?

Q:ナティクシスのグループである AEW社はコア不動産運用では 世界的なリーダーの一つと伺う が、最近の業績は?

 最大の魅力は「安定したインカムの享受」 。

動産関連の実績はグローバルで豊富。旗艦

債券の低利回り環境が長引く中、5%近くの

ファンドは2007年設定来、その運用資産は

配当利回りが得られるのは非常に魅力的。ま

急速な成長を遂げ、どの期間においてもイン

た、上場リートと違い株式との相関も低いた

カムリターンはベンチマークを上回る実績。

め安定した運用を期待する事ができる。ト

本邦を含む多くの米国外投資家からの資金も

ラックの長いインデックスが存在し、過去の

運用し、情報提供も含めた様々なリクエスト

様々な景気サイクルにおけるパフォーマンス

に対応可能。

を確認できる点も魅力。

Q:コア不動産投資の流動性をどう 見るか?「低流動性の中の流動 性」なる表現も耳にするが・・  日次での流動性はないものの多くのファン ドで四半期での売買が可能。但し、ファンド によっては実際に投資するまでに長時間を要 するファンドもあり、新規投資・解約に実際 どの程度時間が掛かるのかの確認は重要。多 少の流動性を犠牲にしてもインカムの確保を 狙うという観点でポートフォリオへの一部組 入れは効果的と考える。

 1981年設立のAEW社は当該資産を含む不


株式会社マーケットメーカーズ ジャパンペンションズ事業本部

www.japanpensions.net

The Managers Vol 6  

ジャパンペンションコンファレンス2016シリーズⅡ 開催報告特集

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