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「 微地形のランドスケープ 」 地面を共有する事で生まれる集合住宅の新たな価値


summary

鉄道と商店街の関係性について取り上げる。駅を起点とした商店街が街の中心となるために、東京の膨大な駅

東京のリング状の木密地域の中にある商店街について着目する

の数だけ地区やコミュニティが存在する。その関係性を4つのタイプに分類した。もっとも多いタイプは鉄道

線状の駅前商店街は東京の都市構造の中で都市の骨格をつくる大きな強みであり、商店街の数だけコミュニティが存在する

軸と商店街の軸が直行する Cross タイプである。駅を起点として両側に街が発展していく特徴があり、駅か ら近いほどにぎわいが見られる。また、 T type は伝統的な西欧の都市に多く、 片側にしか街が発展しない 特徴がる。今回は特殊解ではあるが、 Parallel のタイプに焦点をあて計画する。

T type

鉄道

T t y pe

商店街

Cross

Cro s s

鉄道

商店街

P ar a l l el

Parallel Insid e

商店街

鉄道

Inside

商店街

鉄道

整備地域

重点整備地域

27 areas/6500hectares

11 areas/2400hectares

東京の商店街の分布と木密エリアとの重ね合わせ

商店街


荒川仲町通り商店街の現状 小学校

消防署

法界寺 保育園 浄正寺

神社 教会 郵便局

警察署

保育園

生涯学習センター

荒 川 区 荒 川 三 丁 目 体育館

プール

Parallel

荒 川 仲 町 通 り 商 店 街 商店街

鉄道

商店

住宅

オフィス

空き家

25

50

JR 三河島駅

site

〈 総住宅数における空き家率の推移 〉

地域の生活の中心となる線状の商店街を取り上げる

荒川区荒川三丁目。線路と平行して走る商店街、荒川仲

ンの生活の中心軸として昔から地域の人たちの生活に直 面するインフラであるが、空き店舗や商店の跡継ぎ問題

所を敷地にとることで、ここを開発することで商店の連 続性を取り戻し、同時に商店街の滞在拠点とする。

総住宅数(左目盛) 空き家数(左目盛) 空き家率(右目盛)

9

織物 / 衣服小売業

1 2 . 4% が空き家 32

飲食料小売業

13

一般飲食店

を抱えることから、次の商店街の担い手を引き入れなけ れば街全体が衰退する。商店街の歯抜け状態となった場

〈 荒川区について 〉

30

各種商品小売業

町通り商店街沿いをエリアとする。商店街はコリアタウ

〈 総住宅数における空き家率の推移 〉

6

洗濯 / 理美容 / 浴場業

4

町工場 / 会社

その他

2 0 5 0 年、空き家は 2 0 % 近くになる

区内は高齢者世帯持ち家率が高いこ

1 total 94

とから、今後それらの住宅が新たに 空き家になる。

100

200

S: 1/2000


現状の商店街の構造は、それぞれの商店が道に張り付く線状の構造である。人口減少から商店街の中に今後空き家が増え、都市に空隙や歯抜けができるとき、それを地

現状の分析と提案

2011

域を再生するポテンシャルと捉える。こうした都市の小さな空地を商店街全体で使えるような施設に変えていくことで、今の商店街を売り買いだけの商店が並ぶ構造で はなく、デイケア施設や託児所、休憩スペースなど今、商店街にはない公共的なサービスを提供する空間とともにあるような構造に変換する。

2050

道に商店が張り付く線状の商店街の都市構造

面状の滞在空間を貼付けることで公共的なサービスを提供する 〈 都市の空隙や歯抜けを商店街を変えていくポテンシャルと捉える 〉

墓地 公園

生涯学習センター ( 旧小学校 )

生涯学習センター ( 旧小学校 )

小さな歯抜け部分 レストラン兼テラス

空き室

不動産 居酒屋

歯抜け部分

体育館

菓子屋

薬局

花屋

空家

(商店の連続性を欠 く )

空き室

空家

韓国 韓国 料理 料理

空家

信用金庫 魚屋 歯科 医院

商店街の滞在空間

眼鏡屋 花屋 韓国

スーパー

料理

会社

商店

茶屋

靴屋

文具店 喫茶店

商店

酒屋 寿司 肉屋 喫茶店

靴屋

パン屋

空き室

空き室

和菓子屋

弁当屋

総菜

商店

商店 商店 商店 米酒屋 クリー 鞄屋 服屋 ニング

空き 室

薬局

総菜

薬局

青果 青果

総菜

パン屋

空き室

空隙部分

商店

魚屋 肉屋

research

空き室

大きな歯抜け部分

韓国商店

服屋

銭湯

コミュニティボイド

体育館

空家

空家

共有の庭

共有のリビング

デ イケア施設

各商店の空間の使われ方について

居住

居住

空き室

居住 居住

居住

居住

空き室

居住

居住

商店

商店

商店

空き室

商店

空き室

職住同 一 タ イ プ 土 地と建物の所有者が同 一。住みながら働く。

居住 空き室 住宅のみ の タ イ プ 職住同一から職のみ取り除いたタイプ。

職住別々タイプ 働く場所と 住 む 場 所 が 別 。 2 階 を 賃 貸 に す る 。

間 貸 し タ イプ 土地のみ所有。建物は1階も含め貸し出す。

空き家タイプ

マンションタイプ

土地も建物も誰が所有しているの分からない。

職住別々タイプからの発展。高層化して間貸しする。

マンション(空き家)タイプ マ ン シ ョ ン タ イ プからの派生。商店街が衰退すると増える。

居住

オフィス

商店街の各々の商店について、空間の使われ方を取り上げる。

居住

オフィス

おおよそ9つのタイプに分類され、商店街の衰退が進むにつ 居住

空き室

商店

間貸し(空き家)タイプ

職のみのタイプ

間貸しタイプか ら の 派 生 。 商 店 街 の 衰 退 に つ れ て 増 え る 。

住む場所は別に設け、職のみに特化させるタイプ。

居住

分断が強い

れて、一階部分での空室が増えたり、一体開発してマンショ ン化する。現状では、商店それぞれの関係は空間の使われ方

商店

通り

商店

も含めて薄く、一階部分は豊かでにぎわいを持てても、2階 以降が分節している下駄履き状の都市構造となっている。


多人数で使うホールとして 対象敷地

カフェ

オフィス 10

家単位

倉庫

10

12

4

12

半外部空間

部屋単位

専有して使う賃貸として

を引き込む

オフィス

13

カフェ

構成 拡張して使う

異常なほど高密度に建て込むことを魅力と捉える

部屋の連続で高密度な街並みを形成する

空間の使い方を制限されない構成を目指す

2 1 0 並 ぶ こ1と 部屋が連続して で可能なフレキシビリティ

商店街を中心とする木密は、高密度に建物が建ち込む中に

商店街の建物を観察すると、必ずしも家一軒が建築の大き

美術館の展示室のような部屋から小屋のような部屋まで、

3 に 2 る こ1と 大 小 さ ま ざ ま な 部 屋 の 境 界 を 可 動 間 仕 切 り で 仕1切

住居だけでなく、商店や働く場所等があるため、街区内で

さを形作っているのではなく、むしろ高密度に集中するこ

大きさの違う部屋が同時に存在することで、既存の木密の

よって、ある時は商店街の共有の倉庫として細かく空間を

小さな都市を作っている。限られた住む場所だけが並ぶよ

とから間口の狭い部屋の連続で都市ができているように見

街並みにはないスケール感が生まれる。大きな部屋はホー

使ったり、別では併設するカフェを拡張するように空間を

うな街ではなく、様々な街の要素が入り交じり近い距離に

える。また、空き家の増加や世帯人口の減少から、家の大

ルや図書室のように多人数が集まる場所となったり、背の

使ったりと、日本の伝統的な民家の構成のように、時間や

ある、

きな単位ではなく、小さな単位の方が管理や利用が容易で

高い賃貸として専有する使われ方もできる多様性を持つ。

目的に合わせて空間をフレキシブルに使える。

ある。そこで大小様々な部屋が連続して並ぶ構成で全体を

プログラムが建築の大きさを決めるのではなくて、空間の

つくる。

大きさが人の空間の使い方を制限せず、自由に使える構成

混在する街の魅力

について考える。

でできている。


1. 図書室 2. 託児所 3. カフェ 4. コモンリビング 5. 倉庫 6. ホール 7. トイレ 8. 自治会オフィス 9. オフィス 10.

グラウンド

イベント / 休憩スペース 11. 広場 12. 賃貸 13. 商店

12 2

4 5

9

3

12

10 12

6

12

12

12

8

11

10

11

4

12

9

5

5

11

5

13 12

10

13

12 12

13

12

13

12 12

13

13

13

10

13

12 13

13

7

13

荒川仲町通り商店街

2.5

5

10

20

1 f l o o r p l an S : 1 / 2 0 0


シェアオフィス

広場

G.L

広場

0

コモンリビング G.L

0

半外部空間

G .L + 3 5 0 0

G.L

G . L +4 0 0 0

G .L + 2 5 0 0

G . L +4 0 0 0

0

G . L +4 0 0 0

G.L +4000

G.L + 3000

光庭 G.L

G.L +3500

テラス

G . L +3 0 0 0

テラス

G.L +2500

0

G . L +3 5 0 0

G . L +3 0 0 0

G . L +3 0 0 0

G . L +2 5 0 0

半屋外空間のテラス

商店街に向けて開く多段状のテラス

多段状の高低差を横断するように屋根をかける (G.L, テラス部分 )

商店街での人の活動を引き込む ( テラス部分 )

商店と連続する線上の休憩スペース (G.L 部分 )

2 f l o o r p l an( G . L . +4 0 0 0 m m ) S : 1 / 1 0 0

多段状の構成 商店街は線状のパブリックスペースである。

Community Void

それぞれの商店に入ってゆくにつれプライベート性高まるが、 各商店同士のつながりが薄くコミュニティを作りづらい。 商店の 2 階の利用の仕方も建築単体で完結していて街に寄与し ない構成になっている。そこで、パブリックスペースを巻き上

小さな面の多段状のテラス

げるように立体的な多段状のテラスをつくることで、ここが商 店街にとっての新たなパブリックスペースとなり都市の滞在空 間をつくる。外部空間や半外部空間など入り交じる立体的な断 面をもつ新たなテラス空間は、線上の G.L 空間のにぎわいを引

Void が商店街とテラス、テラスとグラウンドをつなぐ 線状のパブリックスペース

Downstairs

既存の木密住宅のスケール

き継ぐ役割を持つ。

NOW

居住

Proposal common private

private

private

商店街通り

tall private

semi-public

public

semi-public

private

public

scale

short

商店


耐力壁を浮かす

ロの字にまわす

耐力壁を浮かすことでできる開放的な G.L

反復

壁柱をくり抜くように構成された耐力壁をロの時にまわし、さ らにロの時を反復してつなぎ合わせていくことで延焼遮断壁の 役割も備えた主構造として用いる。

微地形がつくるランドスケープの屋根面には広場のように人が集う 平らな場所を連続的に設けることで お年寄りの人も登って休憩できる

立体的に屋根を掛けることで人が 集う場所をつくる

商店街からのアプローチ 地面から少しずつ連続するように多段状 の屋根の広場へと徐々にのぼってゆく G.L +10000

登るに連れて、都市の様子が幾重にも見渡せる 既存の木密にはない風や光が通り抜ける心地よい場所

共有のデッキを登ってゆくと若い人たちのための居住がある

サンルーム

居住

風の流れ

コモンテラス

住居

住居

コモンテラス

風の流れ

風の流れ

風の流れ

コモンテラス

G.L +5000

休憩広場(プール)

居住

商店

居住

商店

コモンキッチン

居住

商店

商店

シェアオフィス

住居

コモンダイニング

商店

イベントスペース

G.L

0

section 1/200


Studio Booklet  

2011 Kitayama Studio "Tokyo Urban RIng"project

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