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世界に広がる多様性 ――一つは梅田先生に、先ほどの質問 にも関連するのですが、環境問題の議 論は雁行型発展理論といいますか、欧 米が先に進んで、みんなでそれに向か ってついていくみたいな議論についつ いなると思うのですが、ゲーム理論的 に、ここの部門については欧米が進ん でいるから、日本は他のポジショニン グを取らないと生き残っていけないの ではないかみたいな打ち出し方はない のかというのが一つの質問です。経済 でなぜ雁行理論が駄目になったかとい うと、たとえばインドネシア、マレー シアは経済成長を目指していたのだけ れど、中国で製造業が伸びてきたため に、別のポジショニングを取らざるを 得なくてなって、もう1回第一次産業 が増えています。日本も環境政策でそ のようなポジショニングを取らざるを 得ないのではないかなと思っているの

ですが、どうでしょうか。

梅田 雁行的発展理論のような話で は駄目だというのは間違いないと思い ます。今後、あらゆる意味で多様性が 世界的に広がっていくでしょう。その 中で日本の環境技術のポジショニング はよく分からないですが、それぞれの 特徴を生かしたようなSCPを作りた いというのがここでやりたいことです。 そのときにゲーム理論は発想としてい いと思います。欧米とは違う日本の環 境政策というのは、ここIGESが考 えるのではないでしょうか。 さいたま市の事情 ――もう一つは中谷さんに伺います。 私はさいたま市出身で、さいたま市は 日本で有数の水道料金が高い市です。 先ほどはダムほどの利害関係はないと おっしゃっていましたが、埼玉県は何

千人もの群馬県の人に立ち退いてもら ってダムを造って水を買っているので 高いのです。これから森林環境税とか も入ってくるので、それをさいたま市 もどのように分配していくか、群馬県 にどうお金を払っていくか、先ほどの 研究などが関係していくのかなと思い ました。

中谷 大変貴重なご質問ありがとう ございます。ご指摘の観点は認識をし ていて、非常に重要な観点だとは思う のですが、今回の市民討議会ではそう いった情報は提示していません。あな たが生活者として、こういったシステ ムだとあなたの負担は何割増えますよ ということは言いましたが、増える理 由はなぜかというところまでの説明は しっかりしていませんでした。 それは、 もしかすると合意形成の場という意味 では足りないところがあったかもしれ ません。

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サステナ第47号  

気候変動、持続可能な消費と生産、自然資本と生態系サービス

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