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になってきて、個々の製品のすべてが 追跡可能、トレーサブルになってくる ということがイメージされます (図④) 。 たとえば、 JR東日本の線路の検査は、 ドクターカーというのが走って、たと えば数カ月に1回検査していました。 それが新しい線路設備モニタリング装 置では、普通に走っている電車の下に 測定装置を付けて、電車が往復する間 に1日数回測ることができます。リア ルタイムで変化が分かり、あとどのぐ らいもつかということが即座に分かっ てくるわけです。そのように情報が桁 違いにたくさん集まってくるようにな り、あらゆることがそれこそ秒単位で 把握できるような世の中に向かうので はないかと思うわけです。

これからのものづくり 以上のような価値観の変化と情報化 の変化を合わせて、そこに環境の話も

もってくると、ものづくりの今後の姿 が大きく変わってくると考えることが できます(図⑤) 。われわれはそれをラ イフサイクル価値創造と呼んでいます。 まず、サステイナビリティをきちんと 真ん中に置かなければ、ものづくりは 世界的には受け入れてくれないような 世の中になると思います。日本は欧米 と比べるとそこのところがとても弱い のです。資源やエネルギーや人的資源 などの生産性が1桁ぐらい上がるよう な高生産性の超サステイナブル生産に なるでしょう。そして、所有にみんな がこだわらなくなれば、ものはシェア リングされて、何時誰がそれを使うか 日々刻々変わるようになって、所有と 使用が分離されるでしょう。使用され ているものはいまどのように使われて いて、どのぐらい劣化して、あとどの ぐらい使えるのか、再利用するために はいつ交換すればいいのかといったこ とが完全にトレースされて見えるよう

になるでしょう。そうすると、生産す るということは、 「もの」に加えて「こ と」も生み出すことが中心になってい きます。ものを売るということ自体が それほど価値をもたなくなり、むしろ アフターマーケットなどいろいろな形 で製品に対してプラスアルファのサー ビスを提供するというのが、ライフサ イクル価値創造ビジネスの主戦場にな ってくると思います。

アジアの変化

今日の話のもう1つの背景として、 平尾先生が代表になって進めている環

境省の総合推進費S 1 −6というもの があります(図⑥) 。 「アジア地域にお ける持続可能な消費・生産パターン定 着のための政策デザインと評価」とい う非常に難しいタイトルですが、アジ ア地域でSCPを考えるというのがミ ッションになっています。先ほどの話

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サステナ第47号  

気候変動、持続可能な消費と生産、自然資本と生態系サービス

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気候変動、持続可能な消費と生産、自然資本と生態系サービス

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