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きた。当番として主催するのが「当家」 であり、大変な準備を取り仕切らなけ ればならない。詳細は省略するが、あ らかじめ稲藁を保管しておいて鳥居に 掛ける標縄 (しめなわ)を撚ったり、竹 筒を作ったりと大変な作業だ。 「当家」 の大役が回ってくるのは23年に1回 である。一代で2回やれるかどうかは 微妙であり、また、とても「当家」だ けで大役を果たすことは困難である。 そこで、前年に「当家」だった人が「上 」 、次の年に「当家」をやる 戸 (うわど) 予定の人が「下戸 (したど)」として「当 家」と一緒に準備をする仕組みが重要 となる。いわば、アドバイザーと見習 いがつくのだ。私が「当家」を務めた のは2008年の祭礼だった。ちょう ど10月の第2日曜日という新方式に 変わった最初の年であったので仕事を 休まずに済んだ。 元来、祭礼の日には「鍋かけず」と いって氏子の家族全員が「当家」に集 図 8 香取神社の鳥居(2017 年 10 月).

まってご馳走になる風習があった。「当 家」の準備はかなり大変だったことが 想像できる。それが、昭和初期には「鍋 かけず」が廃止され、1戸から1名(世 帯主あるいはその代理人)が参加して 食事をするという形式に変わった。ま た、昭和30年頃からは個別の本膳を 出しての食事から普通のテーブルを並 べての食事へと簡素化した。さらに、 私が「当家」を務めた2年前からは、 食事の場所が「当家」の自宅から集落 センターへと変更された。これらの簡 素化・合理化も全国で見られた変化で ある。 さて、香取神社には神主がいないの で、近くの月讀神社の神主さんにお願 いして祭礼当日の昼前くらいに来ても らう。氏子の男性たちが神主さんと一 緒に「当家」の神棚の前で祈願をし、 それから香取神社にお参りに行く(図 8、図9) 。その間に、 「当家」と「上 戸」と「下戸」の3戸の女性たちが集

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サステナ第47号  

気候変動、持続可能な消費と生産、自然資本と生態系サービス

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