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けるための方法のいくつかに気づかれる。これ までの学問には、小さな枠組がたくさんあって、 そんなのばかりの中にいるとなんでも当ては まってすぐ答えが出てくる。そういうやり方で やってきたのは、自分に何かを背負っていない からだとお考えになって、内発的発展というお 考えが出てきて、いまもずっと内面の構築がな されていると思うんですけれども、もうだいぶ、 お書きになっていらっしゃいますね。肉声でも 語っておられて……。 鶴見 内的発展論というのがどうして出てきた かというと、まったく言葉として出てきた。結 局、いまになってそれが言える。私の魂から内 発的に出てきたんじゃない。 述べる言葉」と して出てきた。(中略) パーソンズがいうには、近代化には二つあり ます。一つはアメリカとかイギリスとか、そう いう西欧の先進国。それは自前で、ほかの国が どこも近代化されていないとき、たとえば十七 世紀のイギリスの産業革命、これが近代化の発 祥です。どこにも近代社会というのがないとき に、自前で自分たちの近代の社会の形をつくっ

てきました、理論をつくってきました。これは 内的発展です。 (中略)イギリスが三百年かけ たところを日本は百年でやった。 (中略)だか らこれは内的発展ではなく外的発展です。(中 略)

日本に帰ってきて、日本は公害先進国、水俣 病が起きる。そして日本は公害先進国になった。 ちょっとおかしいんじゃないかという感じが してくるわけです。アメリカ流の近代化論をあ てはめると、公害問題が最初に近代化のはっき りしたアンチテーゼを示しているのに、水俣の ようになっていくのがいいことになるわけで すよ。水俣のようなところはどんどん捨てちゃ って、どんどん大工業化して、自然をどんどん 破壊していけばいいことになる。そしてどんど ん経済成長していく。じゃあ、人間はどこへ行 くんだろうって、わからなくなるわけよ。そこ で考えたのが、先進国は内発的、後発国は外発 的じゃなくて、後発国もまたすべて内発ではな く、内発と外初と、両方がある、ということで はないのか。 (中略)内発と外発と両方あると いうことが後発国の一番大きな問題で、自分た

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サステナ第47号  

気候変動、持続可能な消費と生産、自然資本と生態系サービス

サステナ第47号  

気候変動、持続可能な消費と生産、自然資本と生態系サービス

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