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に、 陸のドイツ」はロンドンに肩入れし、結果的に 「 海のドイツ」 :「海のドイツ」では、低地地方 ブルーバナナラインの強化に貢献しました。イニシ に位置するオランダが、商業活動を通じてリュ アチブを取ることはなかったようです。 ーベックをはじめとするドイツの沿岸地域に なお、16世紀のイギリスは、「初期産業革命」 大きな影響を及ぼした。 陸のドイツ」 :内陸都市とはいえ、北海・バル と呼ばれることのあるほど、その経済が活性化しま ト海へのアクセスが比較的容易なケルンはハ した。しかし、当時は、主要産業が毛織物工業で、 ンザ都市でもあった。リューベックよりも早く 国内生産の羊毛を原料としたうえ、人や物の移動や ロンドンに進出していたことから、ケルン商人 動力に用いられた馬の需要も激増して、飼料用牧草 の商館はハンザのロンドン商館の母体となっ が不足しました。このため、いわゆる囲い込みが進 た。リューベックの建設期(12世紀)にここ 行しましたが、他方では、人口も激しく増加したた に移住してきた商人のなかでは、ケルンを中心 め、食糧生産と羊や馬の飼料の生産とが競合した。 とするラインラント、ヴェストファーレン地方 鉄も多用されはじめますが、当時の鉄は木炭を燃料 の出身者が大きな比率を占めていた。かくして、 としてつくられたため、燃料としての木材と造船・ ケルンの北海、バルト海方面との結びつきはハ 建築用のそれも競合しました。こうして食糧をはじ ンザの加盟につながった。 めとする「生態資源」は、いずれも劇的な価格騰貴 に見舞われ、「初期産業革命」は頓挫しました。そ の結果、イギリス経済は、歴史学上「17世紀の危 機」 とよばれる深刻な低成長時代に突入しました (北 川稔 『工業化の歴史的前提─帝国とジェントルマン』 岩波書店)。 なお、この危機が、石炭エネルギーで蒸気機関を

このような 陸のドイツ」のハンザ同盟は、明らか に[シュバルツバルトメカニズム]の補完的コード で、 サブ・コードにしか過ぎなかったと思われます。 結局、資本主義の源となる船の用材の供給源にすぎ ず、また、ハンザ同盟の「海のドイツ」はオランダ

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サステナ第47号  

気候変動、持続可能な消費と生産、自然資本と生態系サービス

サステナ第47号  

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