Page 169

ラヴァ城への石畳みの道を登ります。この丘は、小 カルパティア山脈の孤立した岩丘で、古くはブナ科 樹木の森で知られていたところです。しかし、残念 ながらこの辺りに、もうオークはほとんど見かけま せん。 ブラチスラヴァ城からドナウ川が一望でき、左に 工業地帯 (化石燃料地帯で黒々噴煙を上げている) 、 中が共産主義時代の箱形アパート、そして右が森林 と風力発電タワーが立ち並ぶ再生エネルギー地帯で す。ドナウ川の対岸は急ごしらえの資本主義植民地 のパノラマ公園のごとくで、中世の古都との対比が 見事に見られます。そう、ここブラチスラヴァ全体 が、歴史の動態博物館なのです。

):ブダ王宮は、1 Budavári Palota

( 3) ハンガリーのブダペスト ブダペストは、西岸のブダとオーブダと、東岸の ペストが合併してできた街で、ヨーロッパでも最も 美しい街の一つともいわれています。 カルスト台地に王宮の丘があり、文化的な施設が 集中してあります。どこの国よりもドナウ川が美し くみえ、悠久の時が流れ続けている感じです。 ( a) ブダ王宮(

241年、モンゴル軍の攻撃を受け、木造城壁だっ たブダ城が破壊され、石造で再建されたそうです。 14世紀にはラヨシュ1世によってゴチック様式の 王宮に改造されましたが、17世紀にオスマン帝国 軍の攻撃で再び破壊され、18世紀にハプスブルク 家の支配下で再建され、バロック様式へ改造されま した。城壁跡の王宮地下迷路を通り、中にゴチック 様式の小教会がありましたが、まるで質素で、オー クの柱・枝様式のみがそれと認められます。 どうも、 魔女弾圧のあった、ドイツやフランスのゴチック様 式とは根本的に違うような気が深まります。

(b)王 宮 中 央 のハンガ リ ー 国 立 美 術 館( Magyar ) :ハンガリー国立美術館は中世、 Nemzeti Galéria ルネッサンス、ゴシック、バロック期のハンガリー 美術の作品を収蔵していて、さらに19世紀から2 0世紀にかけてパリ等の西欧で活躍したハンガリー 美術家の作品も多く含まれています。ほとんどハン ガリー美術で占められていて、あたり前のようです が、ヨーロッパにおいて、自国の美術品による美術 館というのにはほとんど巡りあえませんので、素朴 な感動を引き起こします。 また、中世、ルネッサンス、ゴシック、バロック

166

サステナ第47号  

気候変動、持続可能な消費と生産、自然資本と生態系サービス

サステナ第47号  

気候変動、持続可能な消費と生産、自然資本と生態系サービス

Profile for ir3s
Advertisement