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は数十の変数があります。基本的にシ ナリオ分析に反応するのは図⑨に示し た12の変数です。オレンジが土地利 用に関連するもの、黄色が食料生産に 関連するものです。森林管理では炭素 を、気候変動ではいろいろ関連するも のを取っていて、一番下のNoxが栄 養塩除去に関連するものです。 基本的には先ほどから申し上げてい るように、土地利用がすべての生態系 サービスに影響するので、オレンジで 示した6つの変数がいろいろな生態系 サービスの評価に関連してきます。こ の表では、矢印で、大きく増加から大 きく減少まで5段階で示していますが、 もともとはここに数字が入ります。 分析の結果です(図⑩) 。あまり変化 がない部分は除いて、赤枠で囲まれた ところと青枠で囲まれたところの結果 だけを表示しています。土地利用が色 で分けられていて、赤が市街地、緑が 森林、黄色が農地、水色が水域です。

一番左側のリファレンスが2020年 の土地利用で、右側の6つがシナリオ の結果です。市街地が最も大きくなる のはERで、先ほどのシナリオの図を 見ていただくと、ERは一番右上にあ って、人口は現状を維持し、かつ商業 が重視されるシナリオです。農地が最 も大きくなるのがLAで、森林が最も 大きくなるのがTIで、LAもTIも どちらも人口が減って、LAは農業が 重視され、 TIは観光が重視されます。 基本的に直観に近い結果が出ています。 これらの土地利用に基づいて生態系 サービスを評価して、全島で合計した 結果が図⑪です。点線で囲まれたとこ ろが2020年のリファレンスで、黒 線がそれぞれのシナリオの2050年 の計算結果です。 ごらんをいただくと、 これも直観通りで、食料生産は農業を 重視するGG、OK、LAというシナ リオで2020年より大きくなってい ます。一方で、それらのシナリオでは

炭素固定は少なくなっていて、ER、 SS、TIのシナリオでは基本的に森 林が増えていくので炭素固定が大きく なっています。 当たり前のことですが、 トレードオフの関係となっていて、地 図でそれを示すことができたというこ とです。 一方で、食料生産と栄養塩除去、生 息地の提供は、基本的にはシナジーが 生まれるような感じになっています。 ここまで生態系サービスについて食 料生産、炭素固定、栄養塩除去、生息 地提供の4つで示してきましたが、そ れらを1つに統合する指標を作りまし た。図⑫の上にある数式で示したもの です。これは佐渡の人たちに佐渡市が アンケートを採った結果を利用してい て、佐渡の人たちが重視するものほど 高い重みが与えられています。佐渡の 人たちは食料を最も重視しているので、 それが高い重みを得ています。このよ うな重み付けで指数を計算した結果が

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サステナ第47号  

気候変動、持続可能な消費と生産、自然資本と生態系サービス

サステナ第47号  

気候変動、持続可能な消費と生産、自然資本と生態系サービス

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