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症例

クロイツフェルト-ヤコブ病(遺伝性) 解説 画像所見:FLAIR 画像で右尾状核と前部被

に高信号領域を認め,T 2強調画像では右優位に両側

尾状核,被 前部に高信号領域を認める.大脳基底核の萎縮はなく,皮質に大きな萎縮はなく,異常信 号強度を認めない.クロイツフェルト-ヤコブ病(CJD)である.拡散強調画像を施行すればより明瞭に 高信号を指摘できたと える.拡散強調画像は施行されていなかった.ほぼルーチンに拡散強調画像を 施行する必要がある.症状は急速に進行し入院.9月 14日に MRI の再検.拡散強調画像でより明瞭に 左右の尾状核と被

に高信号を認め(図 4,5),さらに左右の帯状回にも高信号を認める.翌年 2月に

死亡し,CJD の確認がとれた.兄が 77歳で CJD で死亡し,本人には Codon 200 Glu/Lys の遺伝子変 異があった.

拡散強調画像

拡散強調画像

臨床 プリオン蛋白(PrP)の異常で発症する神経疾患群をプリオン病という.何らかの原因で PrP の高次構 造が変化して難溶性の異常プリオン蛋白が生成され,脳に蓄積してプリオン病を起す.プリオン病は発 症機序により,①特発性,または孤発性(原因不明),②遺伝性,③感染性(異常 PrP に感染)の 3つに けられる.①がクロイツフェルト-ヤコブ病と呼ばれる. 臨床症状は急速に進行する認知症であり,ミオクローヌスおよび無動無言である. 遺伝性プリオン病には遺伝性クロイツフェルト-ヤコブ病,Gerstmann-Straussler-Scheinker 症候群, 及び致死性家族性不眠症が含まれ,遺伝子変異を示す. ヒト

膜移植後の CJD(医原性 CJD)が各国に比べ極めて多数例の発症が日本にはある.

変異型クロイツフェルト-ヤコブ病(vCJD)はウシ海綿状脳症がヒトに経口感染したものとされてい る.ヨーロッパ,特に英国に多い. (CD-ROM 参照)


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