S H I M OZ O NO Ei ko
K OGA Yoshi hi ro
S A D OS H I MA Hi roka
M ORI TA Kanako
M A T S U N O Masatom o
K A D E KARU Shi ro
~九州・沖縄アーティストファイル断章 Intuitional Diorama: Finding Our Place in the World
記録集 Catalog
ごあいさつ
本展は『KOA 九州・沖縄アーティストファイル』の出版を記念して開催したもので、九州・ 沖縄各県で活躍する若手アーティスト 6 人を紹介する展覧会です。 『KOA 九州・沖縄アーティ ストファイル』は、これまで福岡や九州のアートマップ等を制作してきた団体 Fukuoka Art Tips が中心となり、九州・沖縄のアーティストやアートシーンをアジア・世界へと発信する
~九州・沖縄アーティストファイル断章 Intuitional Diorama: Finding Our Place in the World
記録集 Catalog
ことを目的に発行した冊子です(2014 年 9 月 1 日発行)。 展覧会のテーマは「 “直観”のジオラマ」 。 “パノラマ”が限りなく広がるヴィジョンや世界の 全景とすれば、ある特定のワンシーンを切り取った“ジオラマ”はその断片といえるのかもし れません。しかし、それは模擬的で閉ざされたイメージとしてのジオラマ世界ではなく、ここ では個の存在を高らかに表明しながら、私たちが生きる実社会へと溶けゆくものと捉えています。 また今日、全国各地でアートイベントやプロジェクトが盛んに開催されていますが、都市圏に 比べて、九州・沖縄地方もアーティストが制作し発表する環境は、充実しているとは言い難い でしょう。その中で、彼らは自己や日々の営みとじっくり向き合い、時の流れに耳を傾け、生 きる土地をつぶさに見つめることで、その時々の“直観”を丁寧に積み重ねて作品化している
C O N T E N T S P1
ごあいさつ
P2 「それぞれのジオラマ」/真武真喜子(キュレーター/ オペレーション・テーブル)
「 “直観”のジオラマ」展 後記/原田真紀(キュレーター)
P4
図版、作家略歴、作家コメント
P10 関連企画
福岡アジア美術館五十嵐理奈さんのコメント
ようです。 それは一見、内向きで個人的経験のようですが、自身の立脚点を模索するその姿勢は、不確か な同時代を生きる私たちに深く響くものがあります。“直観”に裏打ちされた世界のジオラマは、 私たちがいま立っている地点をほのかに照らし、まだ見ぬ景色を予感させてくれるかもしれま せん。 あわせて、九州・沖縄のアーティストがアジアの作家との交流を通じて相互に刺激し合うこと で、新たな展開や視点の獲得につながることを期待して、福岡アジア美術館で開催された「第 5 回福岡アジア美術トリエンナーレ 2014」 (FT5)と連動したイベントも開催しました。 最後になりましたが、本展を開催するにあたり、多大なるご協力をいただきました関係者各位 に厚く御礼申し上げます。 九州・沖縄アーティストファイル実行委員会/Fukouka Art Tips
“直観”のジオラマ ~九州・沖縄アーティストファイル断章 開催概要 参加アーティスト 嘉手苅志朗 古賀義浩 佐土嶋洋佳 下薗詠子 松野真知 森田加奈子 会期 2014 年 9 月 4 日(木)~9 月 28 日(日) ※ 9 月 8、16、22 日休館 入場無料 会場 福岡市美術館・特別展示室 B 会場(福岡市中央区大濠公園 1-6) 主催 九州・沖縄アーティストファイル実行委員会 / Fukuoka Art Tips 共催 福岡市美術館 協力 福岡アジア美術館 後援 福岡市、(公財)福岡市文化芸術振興財団 助成 (公財)福岡市文化芸術振興財団「FFAC ステップアップ助成プログラム」
公益財団法人福岡文化財団
This exhibition of the work of six young artists based in Kyushu and Okinawa coincided with the recent release of Kyushu Okinawa Artist File. Its theme was "Intuitional Diorama". It refered not to a world of hidden simulated images, but sought to merge with our everyday lives. The dioramas that underpin the intuition of these artists cast a light on our present position, as if to predict scenes that we have not yet witnessed. Also accompanying this exhibition and were several other events, held in collaboration with the 5th Fukuoka Asian Art Triennale 2014, held at Fukuoka Asian Art Museum. We hope these events not only propel the art scene of Kyushu and Okinawa to greater heights,
協賛 オリンパスイメージング株式会社
through art exchanges that have a global reach, but also that they serve as an opportunity to
企画 原田真紀(キュレーター)
rethink the art of the regions.
制作 宮崎由子 来場者数 3,674 名(22 日間)
Kyushu Okinawa Artist File/Fukuoka Art Tips ※本文は展覧会の挨拶文を再掲載したものです(一部変更)
1
ごあいさつ
本展は『KOA 九州・沖縄アーティストファイル』の出版を記念して開催したもので、九州・ 沖縄各県で活躍する若手アーティスト 6 人を紹介する展覧会です。 『KOA 九州・沖縄アーティ ストファイル』は、これまで福岡や九州のアートマップ等を制作してきた団体 Fukuoka Art Tips が中心となり、九州・沖縄のアーティストやアートシーンをアジア・世界へと発信する
~九州・沖縄アーティストファイル断章 Intuitional Diorama: Finding Our Place in the World
記録集 Catalog
ことを目的に発行した冊子です(2014 年 9 月 1 日発行)。 展覧会のテーマは「 “直観”のジオラマ」 。 “パノラマ”が限りなく広がるヴィジョンや世界の 全景とすれば、ある特定のワンシーンを切り取った“ジオラマ”はその断片といえるのかもし れません。しかし、それは模擬的で閉ざされたイメージとしてのジオラマ世界ではなく、ここ では個の存在を高らかに表明しながら、私たちが生きる実社会へと溶けゆくものと捉えています。 また今日、全国各地でアートイベントやプロジェクトが盛んに開催されていますが、都市圏に 比べて、九州・沖縄地方もアーティストが制作し発表する環境は、充実しているとは言い難い でしょう。その中で、彼らは自己や日々の営みとじっくり向き合い、時の流れに耳を傾け、生 きる土地をつぶさに見つめることで、その時々の“直観”を丁寧に積み重ねて作品化している
C O N T E N T S P1
ごあいさつ
P2 「それぞれのジオラマ」/真武真喜子(キュレーター/ オペレーション・テーブル)
「 “直観”のジオラマ」展 後記/原田真紀(キュレーター)
P4
図版、作家略歴、作家コメント
P10 関連企画
福岡アジア美術館五十嵐理奈さんのコメント
ようです。 それは一見、内向きで個人的経験のようですが、自身の立脚点を模索するその姿勢は、不確か な同時代を生きる私たちに深く響くものがあります。“直観”に裏打ちされた世界のジオラマは、 私たちがいま立っている地点をほのかに照らし、まだ見ぬ景色を予感させてくれるかもしれま せん。 あわせて、九州・沖縄のアーティストがアジアの作家との交流を通じて相互に刺激し合うこと で、新たな展開や視点の獲得につながることを期待して、福岡アジア美術館で開催された「第 5 回福岡アジア美術トリエンナーレ 2014」 (FT5)と連動したイベントも開催しました。 最後になりましたが、本展を開催するにあたり、多大なるご協力をいただきました関係者各位 に厚く御礼申し上げます。 九州・沖縄アーティストファイル実行委員会/Fukouka Art Tips
“直観”のジオラマ ~九州・沖縄アーティストファイル断章 開催概要 参加アーティスト 嘉手苅志朗 古賀義浩 佐土嶋洋佳 下薗詠子 松野真知 森田加奈子 会期 2014 年 9 月 4 日(木)~9 月 28 日(日) ※ 9 月 8、16、22 日休館 入場無料 会場 福岡市美術館・特別展示室 B 会場(福岡市中央区大濠公園 1-6) 主催 九州・沖縄アーティストファイル実行委員会 / Fukuoka Art Tips 共催 福岡市美術館 協力 福岡アジア美術館 後援 福岡市、(公財)福岡市文化芸術振興財団 助成 (公財)福岡市文化芸術振興財団「FFAC ステップアップ助成プログラム」
公益財団法人福岡文化財団
This exhibition of the work of six young artists based in Kyushu and Okinawa coincided with the recent release of Kyushu Okinawa Artist File. Its theme was "Intuitional Diorama". It refered not to a world of hidden simulated images, but sought to merge with our everyday lives. The dioramas that underpin the intuition of these artists cast a light on our present position, as if to predict scenes that we have not yet witnessed. Also accompanying this exhibition and were several other events, held in collaboration with the 5th Fukuoka Asian Art Triennale 2014, held at Fukuoka Asian Art Museum. We hope these events not only propel the art scene of Kyushu and Okinawa to greater heights,
協賛 オリンパスイメージング株式会社
through art exchanges that have a global reach, but also that they serve as an opportunity to
企画 原田真紀(キュレーター)
rethink the art of the regions.
制作 宮崎由子 来場者数 3,674 名(22 日間)
Kyushu Okinawa Artist File/Fukuoka Art Tips ※本文は展覧会の挨拶文を再掲載したものです(一部変更)
1
「それぞれのジオラマ」 真武真喜子 � キュレーター/ オペレーション・テーブル 展覧会のタイトルがイカしてると思った。初日のア
ジオラマは断片であり立体的な縮図である。実景と
ーティスト・トークをきいて印象的だったのは客席
の距離感が、見ている人々を想像の隙間、連想の展
からの質問「タイトルを意識したか?」に対してト
開へと手引する。ジオラマは見る人がその中にある
ーク席に座っていたほぼすべての作家が no と答え
はずの自分の位置を確かめたくなるような装置だ。
たこと。そのあとで展覧会を見たわたしは、ところ
異なる時間が実は持続するものであったとわかる、
が作品の中に各自のジオラマを探していて、それは
目眩く光の氾濫のなかで回転するイメージが実は見
確かに見えてきたと思えた。ただし全体が一つのジ
慣れたものだったと気づく、そして切り取られた一
オラマを結んでいるのではなく、作家の数だけジオ
瞬が背後の見えないものを暗示する。このようにジ
ラマが拡がっていたということか。
オラマがリアルな世界の一端に直結していく経路を
全体像はつかめないのに瞬間や断片の連なりが不透
この展覧会で通過できたと思う。
明な世界像を形成する。その不透明さが少しの不安 とあとびきを誘発した。
「“直観”のジオラマ」展 後記 原田真紀 � 本展キュレーター ほぼ同時期に開幕した「第 5 回福岡アジア美術トリ
生き抜く共同体の現況を詩情豊かに提示した。3.11
エンナーレ」 (以降 FT5)のテーマ「未来世界のパノ
以降、東京から鹿児島へ戻った下薗詠子は以前とは
ラマ:ほころぶ時代の中へ」に対し、「“直観”のジ
異なる距離感を持って地元を捉えており、その自然
オラマ」と題した本展は九州・沖縄在住の若手作家
や歴史など土地が持つ多面的な表情をかけ合わせ、
6 人により、地方に暮らすそれぞれが切り取った、
幾重もの物語性を孕んだ幻想世界は、 「地方/都市」
いわば“現在形のジオラマ”を新作および未発表作
という領域を超えた新たな視座を生みだした。
品で構成したものである(趣旨の詳細は P1 参照)。
時代の閉塞感の中に漂う揺らぎや不確かさを捉えつ
私小説風な切り口で、見る者に「当事者」と「傍観者」
つ、土地に生きる自己を取り巻く現状をつぶさに見
の 2 つの異なる視点を往還させた森田加奈子。人物
つめ、その確かな感触を表現の糧へと転換し続ける
の背景の滲み、白とびした蜜柑の木に現実と記憶の
若手作家はここ九州・沖縄にも確実に見受けられる。
交錯が瞬く。佐土嶋洋佳は、ほころび縺れつつも重
アートプロジェクトやアーティスト・ラン・スペー
なりあう複数人の記憶を可視化した。更に見る者が
ス等も含め、この地域を沸かしているアートの動向
他者の記憶をなぞることで、掴みどころのない緩や
に今後も目が離せない。
かな関係性の気配を浮かび上がらせている。嘉手苅 志朗は、ネット社会に象徴される限定的な「場」に おける姿の見えない相手とのコミュニケーションが 浸透し、常態化するあり様を美しいポリフォニーよ って織なし、古賀義浩の熱で溶けゆくパラフィンに よる団地の集積は、すでに辻褄が合わなくなった今 日の社会制度や状況に目を背け、あるいは諦め立ち 尽くす我々の姿を俯瞰させてみせた。酪農家でもあ る松野真知は、土地の農業に関わる百人あまりの手 跡を使いなれた農具とともに展観することで、相互
後記の後記 本展が関連イベントも含め積極的に FT5 と連動した狙いは、 この地域が福岡アジア美術館を通してアジア美術の動向をす ぐさま知り得る環境にあり、更には作家や研究者同士の交流 によって他の地域にはない独自のアートの現場を生みだす可 能性があることだ。人的流動は情報伝達の最たるものだろう。 今回、FT5 を盛り上げるため様々な公式、非公式イベントが 開催されたことからも、それを一つの個性や強みとした興味 深いアートの磁場が福岡で胎動しつつある。 (本当に終わり)
に支え合いながら、自然と世界経済の動向を相手に
2
3
photo: Fujino Takuto
「それぞれのジオラマ」 真武真喜子 � キュレーター/ オペレーション・テーブル 展覧会のタイトルがイカしてると思った。初日のア
ジオラマは断片であり立体的な縮図である。実景と
ーティスト・トークをきいて印象的だったのは客席
の距離感が、見ている人々を想像の隙間、連想の展
からの質問「タイトルを意識したか?」に対してト
開へと手引する。ジオラマは見る人がその中にある
ーク席に座っていたほぼすべての作家が no と答え
はずの自分の位置を確かめたくなるような装置だ。
たこと。そのあとで展覧会を見たわたしは、ところ
異なる時間が実は持続するものであったとわかる、
が作品の中に各自のジオラマを探していて、それは
目眩く光の氾濫のなかで回転するイメージが実は見
確かに見えてきたと思えた。ただし全体が一つのジ
慣れたものだったと気づく、そして切り取られた一
オラマを結んでいるのではなく、作家の数だけジオ
瞬が背後の見えないものを暗示する。このようにジ
ラマが拡がっていたということか。
オラマがリアルな世界の一端に直結していく経路を
全体像はつかめないのに瞬間や断片の連なりが不透
この展覧会で通過できたと思う。
明な世界像を形成する。その不透明さが少しの不安 とあとびきを誘発した。
「“直観”のジオラマ」展 後記 原田真紀 � 本展キュレーター ほぼ同時期に開幕した「第 5 回福岡アジア美術トリ
生き抜く共同体の現況を詩情豊かに提示した。3.11
エンナーレ」 (以降 FT5)のテーマ「未来世界のパノ
以降、東京から鹿児島へ戻った下薗詠子は以前とは
ラマ:ほころぶ時代の中へ」に対し、「“直観”のジ
異なる距離感を持って地元を捉えており、その自然
オラマ」と題した本展は九州・沖縄在住の若手作家
や歴史など土地が持つ多面的な表情をかけ合わせ、
6 人により、地方に暮らすそれぞれが切り取った、
幾重もの物語性を孕んだ幻想世界は、 「地方/都市」
いわば“現在形のジオラマ”を新作および未発表作
という領域を超えた新たな視座を生みだした。
品で構成したものである(趣旨の詳細は P1 参照)。
時代の閉塞感の中に漂う揺らぎや不確かさを捉えつ
私小説風な切り口で、見る者に「当事者」と「傍観者」
つ、土地に生きる自己を取り巻く現状をつぶさに見
の 2 つの異なる視点を往還させた森田加奈子。人物
つめ、その確かな感触を表現の糧へと転換し続ける
の背景の滲み、白とびした蜜柑の木に現実と記憶の
若手作家はここ九州・沖縄にも確実に見受けられる。
交錯が瞬く。佐土嶋洋佳は、ほころび縺れつつも重
アートプロジェクトやアーティスト・ラン・スペー
なりあう複数人の記憶を可視化した。更に見る者が
ス等も含め、この地域を沸かしているアートの動向
他者の記憶をなぞることで、掴みどころのない緩や
に今後も目が離せない。
かな関係性の気配を浮かび上がらせている。嘉手苅 志朗は、ネット社会に象徴される限定的な「場」に おける姿の見えない相手とのコミュニケーションが 浸透し、常態化するあり様を美しいポリフォニーよ って織なし、古賀義浩の熱で溶けゆくパラフィンに よる団地の集積は、すでに辻褄が合わなくなった今 日の社会制度や状況に目を背け、あるいは諦め立ち 尽くす我々の姿を俯瞰させてみせた。酪農家でもあ る松野真知は、土地の農業に関わる百人あまりの手 跡を使いなれた農具とともに展観することで、相互
後記の後記 本展が関連イベントも含め積極的に FT5 と連動した狙いは、 この地域が福岡アジア美術館を通してアジア美術の動向をす ぐさま知り得る環境にあり、更には作家や研究者同士の交流 によって他の地域にはない独自のアートの現場を生みだす可 能性があることだ。人的流動は情報伝達の最たるものだろう。 今回、FT5 を盛り上げるため様々な公式、非公式イベントが 開催されたことからも、それを一つの個性や強みとした興味 深いアートの磁場が福岡で胎動しつつある。 (本当に終わり)
に支え合いながら、自然と世界経済の動向を相手に
2
3
photo: Fujino Takuto
下薗詠子
古賀義浩
SHIMOZONO E i ko
KO G A Yoshihi ro
私たちが日常の中で絶対的に身をゆだねているもの が、ある日突然溶けてなくなっているとしたらどう でしょうか。今日まで存在していて明日もまたそこ に必ずあるはずのものがなくなっていたとしたら。 私たちの生活はいつもゆらいでいて、その時がくれ ば儚くも消滅してしまうものです。それは普段では 気にも留めないほんの少しの作用で起こってしまう ものかもしれません。 積み上げたアパートの群れは不安定で不確かな日常 を表しています。そしてそれは電球の熱によって溶 け、あらたな形を生み出します。そこにあるはずの 無い現実がうまれてきます。
〈あふるる〉
写真(デジタルプリント)
“overflowing”
photograph (digital print) 2014
1979 年 鹿児島県いちき串木野市生まれ 2000 年 九州ビジュアルアーツ専門学校 写真研究科 現在 鹿児島県いちき串木野市在住 個展 2010 年~2011 年 Visual Arts Photo Award 2010 大賞受賞巡回展「きずな」 (東京・大阪・名古屋・福岡) 2011 年 第 36 回木村伊兵衛写真賞受賞作品展「きずな」コニカミノルタプラザ(東京) グループ展 2009 年 国際展「窓の表面 / スロー&テンスアトモスフィア」京都市国際交流会館(京都) 2010 年「KOBE ART COLLECTION 2010」神戸ファッション美術館(神戸) 2014 年「原点を、永遠に。」東京都写真美術館(東京) http://shimozono115.wix.com/homepage
http://www.yoshihiro-koga.com
profile ある日、水色の雫(インコ)が犬に噛まれて死んだ。 死んだその日から、天からのインスピレーションが直通になって、 色彩の生命力を通して、生かされている喜び、地球に生まれてきた 意味などを体得するような感覚を覚えた。わたし自身も、ある事故 で生死を彷徨い生き残った。ご縁あって出会った魂を無駄にせぬよ うにと自らの魂を磨いていくうちに、次第に「生きている」から「生 かされている」という感謝に変わり、次元がガラリと変わり、世の 中が今までとまるで違ってみえるようになった。 赤ちゃんの産声のようなあふれる想いを作品にした。
profile 1986 年 福岡県生まれ 2009 年 多摩美術大学美術学部彫刻学科 卒業 現在 福岡県福岡市在住 個展 2014 年「どんな残酷な想像よりも残酷なこと」art space tetra(福岡) 2012 年「見なれた海岸線」art space tetra(福岡) 2008 年「fence 展」gallery space 1/3(東京) グループ展 2014 年「信濃の国 原始感覚美術祭ー水のうたがき」木崎湖湖畔 (長野) 2013 年「シゲキバアルテ」シゲキバ(福岡) 2012 年「Art Planning in Yusui2012」栗野駅(鹿児島) 2012 年「まちなかアートギャラリー福岡 2012」 福岡市市街(福岡) 2010 年「のこぎり屋根のアート展・アーティストと遊ぶ子どもたち」 (埼玉) 2009 年「nikkin 展」key gallery・精華画廊(東京) 2008 年「Art Program Ome 2008 6th ポストシアター」青梅市市街 (東京) 2008 年「field one third」多摩美術大学八王子キャンパス(東京) レジデンスプログラム 2014 年「信濃の国 原始感覚美術祭 2014 ー水のうたがき」 (長野) 2013 年「espace des art sans fronciez」 (パリ) 2009 年「小豆島アーティスト・イン・レジデンス(小豆島 AIR)2009/ Autumn」 (香川)
4
〈melted apartments〉
パラフィン、鉄、電球 paraffin wax, iron, light bulbs 2014
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下薗詠子
古賀義浩
SHIMOZONO E i ko
KO G A Yoshihi ro
私たちが日常の中で絶対的に身をゆだねているもの が、ある日突然溶けてなくなっているとしたらどう でしょうか。今日まで存在していて明日もまたそこ に必ずあるはずのものがなくなっていたとしたら。 私たちの生活はいつもゆらいでいて、その時がくれ ば儚くも消滅してしまうものです。それは普段では 気にも留めないほんの少しの作用で起こってしまう ものかもしれません。 積み上げたアパートの群れは不安定で不確かな日常 を表しています。そしてそれは電球の熱によって溶 け、あらたな形を生み出します。そこにあるはずの 無い現実がうまれてきます。
〈あふるる〉
写真(デジタルプリント)
“overflowing”
photograph (digital print) 2014
1979 年 鹿児島県いちき串木野市生まれ 2000 年 九州ビジュアルアーツ専門学校 写真研究科 現在 鹿児島県いちき串木野市在住 個展 2010 年~2011 年 Visual Arts Photo Award 2010 大賞受賞巡回展「きずな」 (東京・大阪・名古屋・福岡) 2011 年 第 36 回木村伊兵衛写真賞受賞作品展「きずな」コニカミノルタプラザ(東京) グループ展 2009 年 国際展「窓の表面 / スロー&テンスアトモスフィア」京都市国際交流会館(京都) 2010 年「KOBE ART COLLECTION 2010」神戸ファッション美術館(神戸) 2014 年「原点を、永遠に。」東京都写真美術館(東京) http://shimozono115.wix.com/homepage
http://www.yoshihiro-koga.com
profile ある日、水色の雫(インコ)が犬に噛まれて死んだ。 死んだその日から、天からのインスピレーションが直通になって、 色彩の生命力を通して、生かされている喜び、地球に生まれてきた 意味などを体得するような感覚を覚えた。わたし自身も、ある事故 で生死を彷徨い生き残った。ご縁あって出会った魂を無駄にせぬよ うにと自らの魂を磨いていくうちに、次第に「生きている」から「生 かされている」という感謝に変わり、次元がガラリと変わり、世の 中が今までとまるで違ってみえるようになった。 赤ちゃんの産声のようなあふれる想いを作品にした。
profile 1986 年 福岡県生まれ 2009 年 多摩美術大学美術学部彫刻学科 卒業 現在 福岡県福岡市在住 個展 2014 年「どんな残酷な想像よりも残酷なこと」art space tetra(福岡) 2012 年「見なれた海岸線」art space tetra(福岡) 2008 年「fence 展」gallery space 1/3(東京) グループ展 2014 年「信濃の国 原始感覚美術祭ー水のうたがき」木崎湖湖畔 (長野) 2013 年「シゲキバアルテ」シゲキバ(福岡) 2012 年「Art Planning in Yusui2012」栗野駅(鹿児島) 2012 年「まちなかアートギャラリー福岡 2012」 福岡市市街(福岡) 2010 年「のこぎり屋根のアート展・アーティストと遊ぶ子どもたち」 (埼玉) 2009 年「nikkin 展」key gallery・精華画廊(東京) 2008 年「Art Program Ome 2008 6th ポストシアター」青梅市市街 (東京) 2008 年「field one third」多摩美術大学八王子キャンパス(東京) レジデンスプログラム 2014 年「信濃の国 原始感覚美術祭 2014 ー水のうたがき」 (長野) 2013 年「espace des art sans fronciez」 (パリ) 2009 年「小豆島アーティスト・イン・レジデンス(小豆島 AIR)2009/ Autumn」 (香川)
4
〈melted apartments〉
パラフィン、鉄、電球 paraffin wax, iron, light bulbs 2014
5
佐土嶋洋佳
森田加奈子
SA DO SHIMA Hi rok a
MORI TA Ka n a ko
〈風が吹く〉 油彩、画布
“perceive” oil on canvas 162×194cm 2014
〈ルーティン〉 油彩、画布
“routine”
oil on canvas 162×194cm 2014
〈1 月 19 日、早くめがさめた。雪は降っていなかった。〉 ミクストメディア
“19 January, I woke up early. It was not snowing”. mixed media 2014
profile 自分や誰かをめぐる時間や、周囲のもろもろが折り重なっ てできる、ある状況を作ることで、目に見えない確かな存 在が、ぼうっと浮かび上がればいいなと思っています。 今回の作品は、私が住む福岡県の田川にいる人たちからも らった、その辺にあるものたちや、歩いて見た断片的な風 景、拾った音を使っています。タイトルは、誰かのいつか の日記から拝借しました。 ぼんやりとしたまま記憶すること。その集積で、浮かび上 がってくる、目に見えない確かな存在を作りました。誰か の輪郭です。
1984 年 福岡県田川郡生まれ 2007 年 福岡教育大学美術科卒業 現在 福岡県田川市在住 展覧会 2007 年「台北・福岡 現代美術交流展」台北芸術大学美術館(台湾・台北) 2008 年「女の子展」現代美術ギャラリーTOKOPOLA(福岡) 「mook tank」旧百三十銀行ギャラリー(福岡) 「筑豊アートシーン」直方谷尾美術館(福岡) 2010 年「有田現代アートガーデンプレイス ARITA-mobile」旧富右衛門窯(佐賀) 「筑豊アートシーン 2010」直方谷尾美術館(福岡) 2011 年「呉服万博 2011」呉服元町商店街空き店舗(佐賀) 2012 年「エコール・ド・チクホウ」料亭あをぎり(福岡) 「GOTTON ART MAGIC」後藤寺商店街空き店舗「酔族館」 (福岡) 2014 年「第 9 回津屋崎現代美術展」玉乃井旅館(福岡)
「風が吹く(perceive)」は、男の子がわたしに気づき凝視 した瞬間を捉えようとしたものです。無意識に何かを見つ める姿に惹かれます。 「ルーティン(routine)」は、農園の蜜柑の樹を描いています。 木々は風に揺れ、自ら実を落とし、日差しを受け、太陽に 向かう。その様子が、ただオートマチックに感じられました。 わたしの原風景の背景にある、恐怖や孤独、促された自立 が、男の子の視線や樹のありのままの姿に重なったのだと 思います。しかしながら、現実の対象というものは、私情 の対岸に位置するようで別世界に在ると感じられ、それら には触れられない尊厳があることに気付かされます。
profile 1979 年 香川県生まれ 2002 年 九州造形短期大学 美術科絵画コース 卒業 2003 年 九州造形短期大学 美術科絵画コース 研究生修了 2003 年~2005 年 共同アトリエ・3 号倉庫 第 2 期メンバー 現在 福岡県福岡市在住 個展 2003 年、2004 年、2005 年、2010 年 共同アトリエ・3 号倉庫(福岡) 2004 年、2006 年、2007 年、2009 年、2011 年、2013 年 ギャラリー58(東京) 2009 年、2012 年、2013 年 ギャラリーとわーる(福岡) 主な展覧会 2012 年「2012 WATAGATA ARTS FESTIVAL“NET-CO”」釜山湾沿岸旅客ターミナル、カフェ ビョ ルナダ(釜山) 「第 2 回中区まちなかギャラリー美術際」釜山市中区東光洞印刷通り(韓国・釜山) 2013 年「わたしの街の知らないところ シンガポールと日本」福岡アジア美術館(福岡) 2014 年「konya2023 New Yearʼs art mart-Treasure Ship-」konya-gallery(福岡) 「画廊からの発言 新世代への視点 2014 森田加奈子展 柔らかい日」ギャラリー58(東京)
http://sadohiroo.blog.fc2.com
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佐土嶋洋佳
森田加奈子
SA DO SHIMA Hi rok a
MORI TA Ka n a ko
〈風が吹く〉 油彩、画布
“perceive” oil on canvas 162×194cm 2014
〈ルーティン〉 油彩、画布
“routine”
oil on canvas 162×194cm 2014
〈1 月 19 日、早くめがさめた。雪は降っていなかった。〉 ミクストメディア
“19 January, I woke up early. It was not snowing”. mixed media 2014
profile 自分や誰かをめぐる時間や、周囲のもろもろが折り重なっ てできる、ある状況を作ることで、目に見えない確かな存 在が、ぼうっと浮かび上がればいいなと思っています。 今回の作品は、私が住む福岡県の田川にいる人たちからも らった、その辺にあるものたちや、歩いて見た断片的な風 景、拾った音を使っています。タイトルは、誰かのいつか の日記から拝借しました。 ぼんやりとしたまま記憶すること。その集積で、浮かび上 がってくる、目に見えない確かな存在を作りました。誰か の輪郭です。
1984 年 福岡県田川郡生まれ 2007 年 福岡教育大学美術科卒業 現在 福岡県田川市在住 展覧会 2007 年「台北・福岡 現代美術交流展」台北芸術大学美術館(台湾・台北) 2008 年「女の子展」現代美術ギャラリーTOKOPOLA(福岡) 「mook tank」旧百三十銀行ギャラリー(福岡) 「筑豊アートシーン」直方谷尾美術館(福岡) 2010 年「有田現代アートガーデンプレイス ARITA-mobile」旧富右衛門窯(佐賀) 「筑豊アートシーン 2010」直方谷尾美術館(福岡) 2011 年「呉服万博 2011」呉服元町商店街空き店舗(佐賀) 2012 年「エコール・ド・チクホウ」料亭あをぎり(福岡) 「GOTTON ART MAGIC」後藤寺商店街空き店舗「酔族館」 (福岡) 2014 年「第 9 回津屋崎現代美術展」玉乃井旅館(福岡)
「風が吹く(perceive)」は、男の子がわたしに気づき凝視 した瞬間を捉えようとしたものです。無意識に何かを見つ める姿に惹かれます。 「ルーティン(routine)」は、農園の蜜柑の樹を描いています。 木々は風に揺れ、自ら実を落とし、日差しを受け、太陽に 向かう。その様子が、ただオートマチックに感じられました。 わたしの原風景の背景にある、恐怖や孤独、促された自立 が、男の子の視線や樹のありのままの姿に重なったのだと 思います。しかしながら、現実の対象というものは、私情 の対岸に位置するようで別世界に在ると感じられ、それら には触れられない尊厳があることに気付かされます。
profile 1979 年 香川県生まれ 2002 年 九州造形短期大学 美術科絵画コース 卒業 2003 年 九州造形短期大学 美術科絵画コース 研究生修了 2003 年~2005 年 共同アトリエ・3 号倉庫 第 2 期メンバー 現在 福岡県福岡市在住 個展 2003 年、2004 年、2005 年、2010 年 共同アトリエ・3 号倉庫(福岡) 2004 年、2006 年、2007 年、2009 年、2011 年、2013 年 ギャラリー58(東京) 2009 年、2012 年、2013 年 ギャラリーとわーる(福岡) 主な展覧会 2012 年「2012 WATAGATA ARTS FESTIVAL“NET-CO”」釜山湾沿岸旅客ターミナル、カフェ ビョ ルナダ(釜山) 「第 2 回中区まちなかギャラリー美術際」釜山市中区東光洞印刷通り(韓国・釜山) 2013 年「わたしの街の知らないところ シンガポールと日本」福岡アジア美術館(福岡) 2014 年「konya2023 New Yearʼs art mart-Treasure Ship-」konya-gallery(福岡) 「画廊からの発言 新世代への視点 2014 森田加奈子展 柔らかい日」ギャラリー58(東京)
http://sadohiroo.blog.fc2.com
6
7
松野真知
嘉手苅志朗
MAT SUNO Ma sa tomo
KA DEKA RU Shi ro
〈この地を掴む〉
牧草、ステンレス容器、紙粘土による手跡、牛乳配達コンテナ、ロー プ、脚立、掃除道具の柄、道具置き、餌布袋、生乳入れ、写真
“grasp the ground”
grass, stainless steel trays, hand shaped stamps on paper clay, containers for delivering milk, rope, stepladder, broomstick, tool stand, feeding bag, milk pitcher, photographs 2014
〈3 つの声〉
3 チャンネル映像、音声
“Three voices”
3 channel video, sound 2014
profile 私は家族で酪農を営んでいる。今展示はアイディア(日々 の営み)とフォルム(日々の痕跡)がどう繋がるのかを考 えるものだった。私や私の家族、関わり合う周辺の農家の 人たちの手跡も集め、それらと普段使っている道具を持ち 寄り、その中に牧草と一緒におさめた。私自身の日常の状 況そのものを示すことができると思ったからだ。酪農とは 周囲の繋がりの中にある。これは私の暮らす集落を眺める ための一つの方法でもあり、私自身を知るための手掛かり のようでもある。私は私の暮らす集落を通して、世界その ものとの関わりを感じながら私の居場所を確かめるものと なった。
1983 年 福岡県北九州市生まれ 2007 年〜2008 年 松野牧場 就農 2010 年 名古屋芸術大学美術学部絵画学科 卒業 現在 松野牧場 就農 福岡県うきは市在住 個展 2011 年「消えては、浮かぶ」Gallery YANYA(福岡) 2012 年「LIGHT OF DAY」千草ホテル中庭アートプロジェクト(福岡) 2013 年「Fragment」N3 アートラボ1F(山口) グループ展 2008 年「IMPROVISATION」名古屋芸術大学 Art & Design センター(愛知) 2008 年「楽園の知恵」名古屋芸術大学 Art & Design センター(愛知) 2009 年「記憶の庭」旧加藤邸アートプロジェクト 旧加藤邸(愛知) 2012 年「とらんしっと:世界通り抜け」 (うきはの牛飼いアーティスト)オペレーション・テーブル(福岡) 2012 年「境界線の pt の はば」トランジットビル(愛知) 2013 年 YCAM10anniversary「Eco Art Village Project 2013」N3 アートラボ(山口) 2014 年「Eco Art Village Project 2014」@「clas」名古屋大学教養教育院ギャラリー(愛知) http://www.peeler.jp/people/matsuno/index.html
8
profile 3 人の人物に同じ建物内の別々のルートを移動してもらい ながら 3 つの声部からなる声楽曲を歌ってもらう。それを 1 人に付き 1 台のカメラに納め、得られた 3 つの映像を同 時に流すという作品。歌い手はそれぞれ違う入り口から入 り、お互いの姿が見えないままその空間内に響き渡る声を たよりに1つの曲を歌い、別々の出口からでていく。3 人 の人物が、互いを一時的に結びつけるフレームとしての曲 と建物を通り抜ける。それぞれが違う方向を向いていなが らも1つの物を共有することを通して一時的に共鳴し合う ということ。それは、個々をあるつながりの中に固定して しまうのではなく、別の方向へと向かって離れていくこと のできるような弱々しい関係。
1985 年 沖縄県与那原町生まれ 2014 年 沖縄県立芸術大学大学院修了 現在 沖縄県那覇市在住 個展 2013 年「in a Box」沖縄県立芸術大学(沖縄) グループ展 2009 年「絵画ゴラク」沖縄県立博物館美術館 県民ギャラリー2、3(沖縄) 2013 年「第 9 回ユッカヌヒーアート展」那覇市立壺屋焼物博物館企画展示室(沖縄) 「ここで、何かを、どうにかするために」沖縄県立芸術大学(沖縄) 「Contemporary art show - 新都心景 -」カラオケシダックス那覇新都心クラブ(沖縄) 公募展 2008 年「沖縄アートフェスティバル」浦添市美術館(沖縄) レジデンスプログラム 2011 年 コマンド N 企画「巡回型アーティストインレジデンス」 (別府、大館、札幌) 同企画成果発表展 Arts Chiyoda 3331(東京) http://shirokadekaru.main.jp
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松野真知
嘉手苅志朗
MAT SUNO Ma sa tomo
KA DEKA RU Shi ro
〈この地を掴む〉
牧草、ステンレス容器、紙粘土による手跡、牛乳配達コンテナ、ロー プ、脚立、掃除道具の柄、道具置き、餌布袋、生乳入れ、写真
“grasp the ground”
grass, stainless steel trays, hand shaped stamps on paper clay, containers for delivering milk, rope, stepladder, broomstick, tool stand, feeding bag, milk pitcher, photographs 2014
〈3 つの声〉
3 チャンネル映像、音声
“Three voices”
3 channel video, sound 2014
profile 私は家族で酪農を営んでいる。今展示はアイディア(日々 の営み)とフォルム(日々の痕跡)がどう繋がるのかを考 えるものだった。私や私の家族、関わり合う周辺の農家の 人たちの手跡も集め、それらと普段使っている道具を持ち 寄り、その中に牧草と一緒におさめた。私自身の日常の状 況そのものを示すことができると思ったからだ。酪農とは 周囲の繋がりの中にある。これは私の暮らす集落を眺める ための一つの方法でもあり、私自身を知るための手掛かり のようでもある。私は私の暮らす集落を通して、世界その ものとの関わりを感じながら私の居場所を確かめるものと なった。
1983 年 福岡県北九州市生まれ 2007 年〜2008 年 松野牧場 就農 2010 年 名古屋芸術大学美術学部絵画学科 卒業 現在 松野牧場 就農 福岡県うきは市在住 個展 2011 年「消えては、浮かぶ」Gallery YANYA(福岡) 2012 年「LIGHT OF DAY」千草ホテル中庭アートプロジェクト(福岡) 2013 年「Fragment」N3 アートラボ1F(山口) グループ展 2008 年「IMPROVISATION」名古屋芸術大学 Art & Design センター(愛知) 2008 年「楽園の知恵」名古屋芸術大学 Art & Design センター(愛知) 2009 年「記憶の庭」旧加藤邸アートプロジェクト 旧加藤邸(愛知) 2012 年「とらんしっと:世界通り抜け」 (うきはの牛飼いアーティスト)オペレーション・テーブル(福岡) 2012 年「境界線の pt の はば」トランジットビル(愛知) 2013 年 YCAM10anniversary「Eco Art Village Project 2013」N3 アートラボ(山口) 2014 年「Eco Art Village Project 2014」@「clas」名古屋大学教養教育院ギャラリー(愛知) http://www.peeler.jp/people/matsuno/index.html
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profile 3 人の人物に同じ建物内の別々のルートを移動してもらい ながら 3 つの声部からなる声楽曲を歌ってもらう。それを 1 人に付き 1 台のカメラに納め、得られた 3 つの映像を同 時に流すという作品。歌い手はそれぞれ違う入り口から入 り、お互いの姿が見えないままその空間内に響き渡る声を たよりに1つの曲を歌い、別々の出口からでていく。3 人 の人物が、互いを一時的に結びつけるフレームとしての曲 と建物を通り抜ける。それぞれが違う方向を向いていなが らも1つの物を共有することを通して一時的に共鳴し合う ということ。それは、個々をあるつながりの中に固定して しまうのではなく、別の方向へと向かって離れていくこと のできるような弱々しい関係。
1985 年 沖縄県与那原町生まれ 2014 年 沖縄県立芸術大学大学院修了 現在 沖縄県那覇市在住 個展 2013 年「in a Box」沖縄県立芸術大学(沖縄) グループ展 2009 年「絵画ゴラク」沖縄県立博物館美術館 県民ギャラリー2、3(沖縄) 2013 年「第 9 回ユッカヌヒーアート展」那覇市立壺屋焼物博物館企画展示室(沖縄) 「ここで、何かを、どうにかするために」沖縄県立芸術大学(沖縄) 「Contemporary art show - 新都心景 -」カラオケシダックス那覇新都心クラブ(沖縄) 公募展 2008 年「沖縄アートフェスティバル」浦添市美術館(沖縄) レジデンスプログラム 2011 年 コマンド N 企画「巡回型アーティストインレジデンス」 (別府、大館、札幌) 同企画成果発表展 Arts Chiyoda 3331(東京) http://shirokadekaru.main.jp
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関 連企画
Rel at e d Progra m s
01
文:宮崎由子
プレイベント
アーティストのための英語講座 日時: 〈初級編〉7 月 16 日(水)
〈中級編〉7 月 30 日(水)
いずれも19:00〜20:30
FT5 のためにたくさんのアジアの作家が来福する
この機会に、地元の作家にも彼らとぜひ作品を通 して交流を深めてほしいという思いから企画。共 同制作や公開クリティックに向けた予習の意味も 込めた。英語に慣れることを目標に、自己紹介や
〈上級編〉8 月 12 日(木)・8 月 22 日(金) ※同内容で 2 回に分けて実施
ロールプレイを行いながら英語を聞いて話す練習
会場:konya-gallery(福岡市中央区大名 1-14-28-2F)
をする初級編から、形、色、テーマ、動機、制作
対象:若手作家もしくは作家志望の方
を目指す中級編、クリティックを実践してみる上
講師:神保明香(福岡市美術館学芸員)、柏尾沙織(福岡アジア美術館学芸員)
方法など、自作に即しながら英語の表現力アップ
参加人数(定員):10 名
級編と全 3 回の講座を行った。
参加費:1 講座 1000 円
03
オープニングイベント
アーティストトーク
02
日時:9 月 5 日(金) 14:00~15:30 会場:福岡市美術館 教養講座室
出演:嘉手苅志朗、古賀義浩、佐土嶋洋佳、下薗詠子、松野真知、森田加奈子 司会:原田真紀、宮崎由子 参加人数:43 名 ※参加無料
出品作家全員が参加し、過去作と今回の出品作品のコンセプトなど について話した。
FT5・福岡アジア美術トリエンナーレ交流イベント1
FT5 参加作家のローヒニーと、募集に応じた福岡の若手作家 5 名によ
ワークショップ:ローヒニー・ディヴェーシャルとの壁画共同制作 日時・会場:
9 月 13 日(土) 10:00〜11:00 福岡アジア美術館にて、ローヒニーの作品説明
9 月 14 日(日) 10:00〜17:00 福岡市美術館にて、終日制作
る壁画の共同制作。事前に「landscape, geography, map」というテー マがローヒニーから伝えられ、福岡の作家たちが描きたいものの参考 写真などを持ち寄った。初日はまずローヒニーの作品を鑑賞し、制作 のスタイルやコンセプトについての説明を受けた上で福岡市美術館へ
13:00〜17:00 福岡市美術館へ移動し、ディスカッションの後共同制作
移動。福岡の作家もそれぞれポートフォリオを見せながら自身の制作
参加作家(FT5):ローヒニー・ディヴェーシャル(インド)
について話した後、共同制作の進め方を皆でディスカッションした。
通訳:石松紀子、足羽アリス
という福岡の作家からのアイデアに基づき、それぞれが少しずつ描き
最初に核となる大河のようなものを描いた上で、そこから広げていく
参加作家(福岡):石原雅也、福田沙千代、母里大徳、マツミシンノスケ、渡邊瑠璃
入れては場所を変えてを繰り返す。ローヒニーは少し離れて見ながら、
見学者数:13 日 / 110 名 14 日 / 117 名
「他の人が描いたものを見ながら慎重に進める」 「具象的すぎるものは
※参加・見学無料(見学者は FT5 会場内のみ FT5 チケットが必要)
避ける」などのアドバイスをしていった。壁画は 1 日半かけて、時折 思い切った方向転換もしながら、各作家の個性が融け合う一つの作品 へと形作られていった。完成した壁画は会期終了までそのまま展示し、 終了後は FT5 会場に移設して展示した。
〈どこにでもある〉木炭、アクリル絵具、ボールペン、鉛筆 “Something Thatʼs Anywhere”charcoal, acrylic paint, pen and pencil on paper 2014
「第 5 回福岡アジア美術トリエンナーレ2014」 (FT5) テーマ:未来世界のパノラマ ──ほころぶ時代のなかへ
PANORAMA OF THE NEXTWORLD: Breaking out into the Future
会期:2014 年 9 月 6 日(土)-11 月 30 日(日)10:00-20:00 会場:福岡アジア美術館全館 及び周辺地域
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関 連企画
Rel at e d Progra m s
01
文:宮崎由子
プレイベント
アーティストのための英語講座 日時: 〈初級編〉7 月 16 日(水)
〈中級編〉7 月 30 日(水)
いずれも19:00〜20:30
FT5 のためにたくさんのアジアの作家が来福する
この機会に、地元の作家にも彼らとぜひ作品を通 して交流を深めてほしいという思いから企画。共 同制作や公開クリティックに向けた予習の意味も 込めた。英語に慣れることを目標に、自己紹介や
〈上級編〉8 月 12 日(木)・8 月 22 日(金) ※同内容で 2 回に分けて実施
ロールプレイを行いながら英語を聞いて話す練習
会場:konya-gallery(福岡市中央区大名 1-14-28-2F)
をする初級編から、形、色、テーマ、動機、制作
対象:若手作家もしくは作家志望の方
を目指す中級編、クリティックを実践してみる上
講師:神保明香(福岡市美術館学芸員)、柏尾沙織(福岡アジア美術館学芸員)
方法など、自作に即しながら英語の表現力アップ
参加人数(定員):10 名
級編と全 3 回の講座を行った。
参加費:1 講座 1000 円
03
オープニングイベント
アーティストトーク
02
日時:9 月 5 日(金) 14:00~15:30 会場:福岡市美術館 教養講座室
出演:嘉手苅志朗、古賀義浩、佐土嶋洋佳、下薗詠子、松野真知、森田加奈子 司会:原田真紀、宮崎由子 参加人数:43 名 ※参加無料
出品作家全員が参加し、過去作と今回の出品作品のコンセプトなど について話した。
FT5・福岡アジア美術トリエンナーレ交流イベント1
FT5 参加作家のローヒニーと、募集に応じた福岡の若手作家 5 名によ
ワークショップ:ローヒニー・ディヴェーシャルとの壁画共同制作 日時・会場:
9 月 13 日(土) 10:00〜11:00 福岡アジア美術館にて、ローヒニーの作品説明
9 月 14 日(日) 10:00〜17:00 福岡市美術館にて、終日制作
る壁画の共同制作。事前に「landscape, geography, map」というテー マがローヒニーから伝えられ、福岡の作家たちが描きたいものの参考 写真などを持ち寄った。初日はまずローヒニーの作品を鑑賞し、制作 のスタイルやコンセプトについての説明を受けた上で福岡市美術館へ
13:00〜17:00 福岡市美術館へ移動し、ディスカッションの後共同制作
移動。福岡の作家もそれぞれポートフォリオを見せながら自身の制作
参加作家(FT5):ローヒニー・ディヴェーシャル(インド)
について話した後、共同制作の進め方を皆でディスカッションした。
通訳:石松紀子、足羽アリス
という福岡の作家からのアイデアに基づき、それぞれが少しずつ描き
最初に核となる大河のようなものを描いた上で、そこから広げていく
参加作家(福岡):石原雅也、福田沙千代、母里大徳、マツミシンノスケ、渡邊瑠璃
入れては場所を変えてを繰り返す。ローヒニーは少し離れて見ながら、
見学者数:13 日 / 110 名 14 日 / 117 名
「他の人が描いたものを見ながら慎重に進める」 「具象的すぎるものは
※参加・見学無料(見学者は FT5 会場内のみ FT5 チケットが必要)
避ける」などのアドバイスをしていった。壁画は 1 日半かけて、時折 思い切った方向転換もしながら、各作家の個性が融け合う一つの作品 へと形作られていった。完成した壁画は会期終了までそのまま展示し、 終了後は FT5 会場に移設して展示した。
〈どこにでもある〉木炭、アクリル絵具、ボールペン、鉛筆 “Something Thatʼs Anywhere”charcoal, acrylic paint, pen and pencil on paper 2014
「第 5 回福岡アジア美術トリエンナーレ2014」 (FT5) テーマ:未来世界のパノラマ ──ほころぶ時代のなかへ
PANORAMA OF THE NEXTWORLD: Breaking out into the Future
会期:2014 年 9 月 6 日(土)-11 月 30 日(日)10:00-20:00 会場:福岡アジア美術館全館 及び周辺地域
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FT5・福岡アジア美術トリエンナーレ交流イベント2
FT5 の作家とみる『“直観”のジオラマ』
~英語で!公開クリティック 日程:9 月 21 日(日)
ジアから多数の作家が来福する好機を活用する
17:00〜18:00 福岡アジア美術館 FT5 会場内
参加作家:松野真知(福岡)、古賀義浩(福岡)
海外の作家と互いの作品について意見を交わす 機会はなおさらということで、FT5 のためにア
時間・会場:15:00〜16:00 福岡市美術館「“直観”のジオラマ」展会場内
作家同士が批評しあう機会が少ない、ましてや
べく、公開形式でのクリティック(合評)を開催。 使う言語は全て英語。英語がそれほど自信があ るというわけではなかった福岡側の 2 人も入念
キリ・ダレナ(フィリピン)、プラバカール・パーチュプテー(インド)
進行:柏尾沙織(福岡アジア美術館 学芸員)
に準備して臨み、自身の作品について英語で解 説した。FT5 会場に移動して FT5 作家 2 人のク リティックを終える頃には互いに打ち解け、後
補助通訳:大野和則(福岡アジア美術館 通訳)
記事掲載 ■展覧会+書籍について
西日本新聞(朝刊) 『九州・沖縄の若手アーティスト発信 現代と切り結ぶ 58 人「記録集」発行』南陽子、2014.9.8 ■書籍について
熊本日日新聞(朝刊) 『若手作家 58 人を紹介「KOA 九州・沖縄アーティストファイル」発行』小野由起子、2014.9.15 宮崎日日新聞(朝刊) 『九州・沖縄の現代芸術家紹介 ファイル発刊、世界向け発信』杉田亨一、2014.10.9 日本経済新聞(朝刊)地方版「この一冊」2014.10.11 ■展覧会について
読売新聞(朝刊) 『瓦解してゆく「現実」』 (「美術散策」)元村正信、2014.10.18
日松野氏の家族が営む牧場に FT5 作家たちが
見学者数:福岡市美術館 / 40 名 福岡アジア美術館 / 25 名
※福岡市美術館は入場無料、福岡アジア美術館では FT5 のチケットが必要
KOA 九州・沖縄アーティストファイル
訪問する機会にも発展した。
(発行:九州・沖縄アーティストファイル実行委員会 /Fukuoka Art Tips)
私たち「Fukuoka Art Tips」が、ここ 10 年を振り返ったときに、福岡や九州・沖縄のアートシーンを伝える紙
媒体がほとんど見当たらないという事実に危機感を抱き、九州・沖縄の若手アーティスト、アートスポット・プ
ロジェクトを一冊に纏めることで、未来へとアーカイブできるようにとの願いを込めて制作した書籍です。九州・
沖縄を拠点に活動する58 人・組の若手アーティストの作品図版、言葉を中心に、ほか主要なアートスポット・アー
トプロジェクト128 軒、各県のアートシーンを紹介するインタビュー記事を掲載。「“直観”のジオラマ」展はこ の出版記念展として企画した展覧会です。
Fukuoka Art Tips 福岡を拠点に、九州・沖縄のアートにまつわる情報発信を行うユニット。メンバーは宮本初音(ART BASE 88) 、 木下貴子(CXB)、宮崎由子(紺屋 2023)。
2009 年に「第 4 回福岡アジア美術トリエンナーレ 2009」が開催されるのに合わせて、市内を中心とするギャラ
リーやアートスポットを紹介する「フクオカコンテンポラリーアートマップ 2009」を制作し、以降「九州・沖縄
アートな人々たずねちゃいマップ」 (2011 春)、「九州・沖縄・アジア アート観光ガイド」 (2011 秋) 、 「アートマッ プ 2012」 (2012)を制作してきました。
〈ご協力いただいた方々〉
FT5・福岡アジア美術トリエンナーレ交流イベント3
アジアへ GO!レジデンス相談会 日時:9 月 28 日(日) 15:00〜16:30
会場:FAAMカフェ(福岡アジア美術館 7F) ※参加無料
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五十嵐理奈、柏尾沙織、黒田雷児、正路佐知子、神保明香、真武真喜子
〈会場受付ボランティアの皆さま〉
小松知子、近藤瑞恵、徳田文子、松田みよ子、MAMIMAMI、宮崎育子、宮崎光子、森崎夏子
〈ご支援いただいた方々〉
あじびーず、伊藤尚子、岩佐浩司、江崎祐子、笠井優、川崎麻依子、川浪千鶴、小島ひろみ、齊藤一樹、佐々木喜美代、 佐野昭子、鹿田吏子、(有)ショーソン、田中智子、土岐薫、徳永昭夫、徳永禎久・柚凛、馬場梨香、牧野身紀、松尾美紀、 松永憲明、宮本喜代美
第一部 アジアのレジデンス事情あれこれ(話し手:黒田雷児、五十嵐理奈) 第二部 ここがポイント!申請書の書き方(話し手:松浦仁) 第三部 個別相談会(相談員:黒田雷児、五十嵐理奈)
“直観”のジオラマ ~九州・沖縄アーティストファイル断章 記録集
※話し手、相談員は全て福岡アジア美術館学芸員
福岡アジア美術館が蓄積してきたアジアのレジデンス事情を、福岡の作家に向 けてシェアしてもらう機会として開催。韓国と南アジアのレジデンスを中心に 紹介があった後、実際に福岡アジア美術館のレジデンス応募用紙を見ながら応 募のポイントについてのレクチャーがあった。個別相談のコーナーでは黒田氏 と五十嵐氏を囲み、作家が思い思いに質問を投げかける場面も見られた。
〈福岡アジア美術館 五十嵐理奈さんのコメント〉 これまでたくさんのアジア作家を招聘してきた FT で、福岡の作家を明確に対象として連携イベントを行ったのは初めてだった と思う。「壁画共同制作」に参加した地元若手作家たちは、ローヒニーが伝えることを何とか捉えようと懸命だったし、作家同 士が 1 対 1 で向き合った「英語で! 公開クリティック」では、直接つながる英語で、また見るだけでなく言葉を介することによ って、より深くお互いに入り込めたのではないかと思う。こうした地元の作家へと FT5 が開き、関わっていく場を作ってくれた「 “直 観”のジオラマ」のみなさんとの信頼を大切に、次の FT6 に向けて動いていきたい。(五十嵐理奈/福岡アジア美術館学芸員)
12
編集
宮崎由子
編集補助 木下貴子 デザイン 大村政之(クルール) 写真撮影 藤野拓人(P3〜9) 、原田真紀、木下貴子、五十嵐理奈、宮崎由子 英文協力 ステファニー・オリー 発行人
宮本初音
発行
九州・沖縄アーティストファイル実行委員会 /Fukuoka Art Tips
〒 810-0041 福岡市中央区大名 1-14-28 第一松村ビル 紺屋 2023 #201+202 TRAVEL FRONT 気付
email fukuokaarttips3@gmail.com http://fukuokaarttips.blogspot.jp/
発行日
2015 年 1 月 23 日
印刷所
株式会社 printpac
©Fukuoka Art Tips、アーティスト、撮影者 2015(禁無断転載・複写)
(敬称略・50 音順)
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FT5・福岡アジア美術トリエンナーレ交流イベント2
FT5 の作家とみる『“直観”のジオラマ』
~英語で!公開クリティック 日程:9 月 21 日(日)
ジアから多数の作家が来福する好機を活用する
17:00〜18:00 福岡アジア美術館 FT5 会場内
参加作家:松野真知(福岡)、古賀義浩(福岡)
海外の作家と互いの作品について意見を交わす 機会はなおさらということで、FT5 のためにア
時間・会場:15:00〜16:00 福岡市美術館「“直観”のジオラマ」展会場内
作家同士が批評しあう機会が少ない、ましてや
べく、公開形式でのクリティック(合評)を開催。 使う言語は全て英語。英語がそれほど自信があ るというわけではなかった福岡側の 2 人も入念
キリ・ダレナ(フィリピン)、プラバカール・パーチュプテー(インド)
進行:柏尾沙織(福岡アジア美術館 学芸員)
に準備して臨み、自身の作品について英語で解 説した。FT5 会場に移動して FT5 作家 2 人のク リティックを終える頃には互いに打ち解け、後
補助通訳:大野和則(福岡アジア美術館 通訳)
記事掲載 ■展覧会+書籍について
西日本新聞(朝刊) 『九州・沖縄の若手アーティスト発信 現代と切り結ぶ 58 人「記録集」発行』南陽子、2014.9.8 ■書籍について
熊本日日新聞(朝刊) 『若手作家 58 人を紹介「KOA 九州・沖縄アーティストファイル」発行』小野由起子、2014.9.15 宮崎日日新聞(朝刊) 『九州・沖縄の現代芸術家紹介 ファイル発刊、世界向け発信』杉田亨一、2014.10.9 日本経済新聞(朝刊)地方版「この一冊」2014.10.11 ■展覧会について
読売新聞(朝刊) 『瓦解してゆく「現実」』 (「美術散策」)元村正信、2014.10.18
日松野氏の家族が営む牧場に FT5 作家たちが
見学者数:福岡市美術館 / 40 名 福岡アジア美術館 / 25 名
※福岡市美術館は入場無料、福岡アジア美術館では FT5 のチケットが必要
KOA 九州・沖縄アーティストファイル
訪問する機会にも発展した。
(発行:九州・沖縄アーティストファイル実行委員会 /Fukuoka Art Tips)
私たち「Fukuoka Art Tips」が、ここ 10 年を振り返ったときに、福岡や九州・沖縄のアートシーンを伝える紙
媒体がほとんど見当たらないという事実に危機感を抱き、九州・沖縄の若手アーティスト、アートスポット・プ
ロジェクトを一冊に纏めることで、未来へとアーカイブできるようにとの願いを込めて制作した書籍です。九州・
沖縄を拠点に活動する58 人・組の若手アーティストの作品図版、言葉を中心に、ほか主要なアートスポット・アー
トプロジェクト128 軒、各県のアートシーンを紹介するインタビュー記事を掲載。「“直観”のジオラマ」展はこ の出版記念展として企画した展覧会です。
Fukuoka Art Tips 福岡を拠点に、九州・沖縄のアートにまつわる情報発信を行うユニット。メンバーは宮本初音(ART BASE 88) 、 木下貴子(CXB)、宮崎由子(紺屋 2023)。
2009 年に「第 4 回福岡アジア美術トリエンナーレ 2009」が開催されるのに合わせて、市内を中心とするギャラ
リーやアートスポットを紹介する「フクオカコンテンポラリーアートマップ 2009」を制作し、以降「九州・沖縄
アートな人々たずねちゃいマップ」 (2011 春)、「九州・沖縄・アジア アート観光ガイド」 (2011 秋) 、 「アートマッ プ 2012」 (2012)を制作してきました。
〈ご協力いただいた方々〉
FT5・福岡アジア美術トリエンナーレ交流イベント3
アジアへ GO!レジデンス相談会 日時:9 月 28 日(日) 15:00〜16:30
会場:FAAMカフェ(福岡アジア美術館 7F) ※参加無料
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五十嵐理奈、柏尾沙織、黒田雷児、正路佐知子、神保明香、真武真喜子
〈会場受付ボランティアの皆さま〉
小松知子、近藤瑞恵、徳田文子、松田みよ子、MAMIMAMI、宮崎育子、宮崎光子、森崎夏子
〈ご支援いただいた方々〉
あじびーず、伊藤尚子、岩佐浩司、江崎祐子、笠井優、川崎麻依子、川浪千鶴、小島ひろみ、齊藤一樹、佐々木喜美代、 佐野昭子、鹿田吏子、(有)ショーソン、田中智子、土岐薫、徳永昭夫、徳永禎久・柚凛、馬場梨香、牧野身紀、松尾美紀、 松永憲明、宮本喜代美
第一部 アジアのレジデンス事情あれこれ(話し手:黒田雷児、五十嵐理奈) 第二部 ここがポイント!申請書の書き方(話し手:松浦仁) 第三部 個別相談会(相談員:黒田雷児、五十嵐理奈)
“直観”のジオラマ ~九州・沖縄アーティストファイル断章 記録集
※話し手、相談員は全て福岡アジア美術館学芸員
福岡アジア美術館が蓄積してきたアジアのレジデンス事情を、福岡の作家に向 けてシェアしてもらう機会として開催。韓国と南アジアのレジデンスを中心に 紹介があった後、実際に福岡アジア美術館のレジデンス応募用紙を見ながら応 募のポイントについてのレクチャーがあった。個別相談のコーナーでは黒田氏 と五十嵐氏を囲み、作家が思い思いに質問を投げかける場面も見られた。
〈福岡アジア美術館 五十嵐理奈さんのコメント〉 これまでたくさんのアジア作家を招聘してきた FT で、福岡の作家を明確に対象として連携イベントを行ったのは初めてだった と思う。「壁画共同制作」に参加した地元若手作家たちは、ローヒニーが伝えることを何とか捉えようと懸命だったし、作家同 士が 1 対 1 で向き合った「英語で! 公開クリティック」では、直接つながる英語で、また見るだけでなく言葉を介することによ って、より深くお互いに入り込めたのではないかと思う。こうした地元の作家へと FT5 が開き、関わっていく場を作ってくれた「 “直 観”のジオラマ」のみなさんとの信頼を大切に、次の FT6 に向けて動いていきたい。(五十嵐理奈/福岡アジア美術館学芸員)
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編集
宮崎由子
編集補助 木下貴子 デザイン 大村政之(クルール) 写真撮影 藤野拓人(P3〜9) 、原田真紀、木下貴子、五十嵐理奈、宮崎由子 英文協力 ステファニー・オリー 発行人
宮本初音
発行
九州・沖縄アーティストファイル実行委員会 /Fukuoka Art Tips
〒 810-0041 福岡市中央区大名 1-14-28 第一松村ビル 紺屋 2023 #201+202 TRAVEL FRONT 気付
email fukuokaarttips3@gmail.com http://fukuokaarttips.blogspot.jp/
発行日
2015 年 1 月 23 日
印刷所
株式会社 printpac
©Fukuoka Art Tips、アーティスト、撮影者 2015(禁無断転載・複写)
(敬称略・50 音順)
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