[JAPANESE] Fashion Transparency Index 2020

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FASHION REVOLUTION | FASHION TRANSPARENCY INDEX 2020

一般的に監視の目が厳しく、外圧のあ る問題については、主流ブランドが情 報公開するための対策をとるために、 企業ポリシーに反映される可能性が 高い傾向にあります。項目として、 強制・拘束労働(92%)、児童労働 (91%)、工場の安全衛生(91%)が あります。 ブランドが企業のポリシーを公開をす る割合は、以前の調査と比べて、下記 の項目が大きく増加しました。 •

贈収賄や汚職への反対:2020年は 75%へ増加。2019年は68%、2017年 は61%。

解雇及び懲戒処分:2020年は57%へ 増加。2019年は48%、2017年は26%。

賃金平等:2020年は61%へ増加。2019 年の68%よりかは下回るが、2017年の 49%を上回る。

外国人や移民の労働:2020年は42% へ増加。2019年は36%、2017年は 32%。

生活条件・寮:2020年は63%へ増 加。2019年は52%、2017年は51%。

現在、29%のブランドは年次報告書に サステナビリティに関する項目があ り、2019年の26%より増加していま す。一般的に、報告書に関する監査・ 検証は、第三者機関である大手会計事 務所のDeloitteやErnst & Young、PwC によって行われています。

現地語でサプライヤーの行動規範を開 示するブランドは、全体の3分の1以下 ほとんどのサプライヤーのポリシーは、 ブランドのサプライヤー行動規範(CoC) に定められています。多くの場合、ブラ ンドはCoCを英語で発行していますが、 ほとんどのサプライヤーや労働者は英語 を母国語としないので、労働者が関連情 報にアクセスし理解できるようになるこ とが必要です。そのため、ブランドが商 品を調達する最大の国の言語で、行動規 範の発行を求めていますが、CoCの翻訳 を公開しているブランドは30%しかあり ませんでした。しかし、ポジティブに捉 えると、2019年の23%からは増加して います。

ブランドは現実の実践より、過剰なポリ シーを公開しています これまでに発行したインデックスからも 分かるように、主流ブランドは、実際の ポリシーの実行や、社会的・環境的問題 の取組成果より、ポリシーの内容自体を 多く公開する傾向にあります。 たとえば、91%のブランドが児童労働 に関するサプライヤーのポリシーを公 開しているにも関わらず、このポリシー に対する特別な手順や過程、このポリシ ーの実行方法を公開しているブランドは 46%にとどまっています。 また、ブランドの73%は多様性につい ての企業ポリシーを公表していますが、 どのようにそのポリシーが実行されてい るのか公表しているのは59%にすぎま せん。

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そして、少なくとも4分の3のブランド が次の項目に関する、特定の焦点を絞っ た活動や手順を通してどのように企業や サプライヤーのポリシーを実行している のかを説明しています。その項目は、地 域社会とのかかわり(88%)、エネルギー や二酸化炭素排出量(79%)、そしてオフ ィスや包装の廃棄物やリサイクル(75%) です。 一方で、次の項目に関するポリシーの実 行方法を説明しているブランドは5分の 1以下でした。その項目は、年次休暇と 祝日(20%)、サプライヤーの生活条件と 寮(16%)、そして解雇や懲戒処分(16%) です。 ブランドは企業やサプライヤーのポリシ ーの実行方法を公開するために多くの対 策を取っています。しかし来年は、より 広範囲の問題に対処できるようなさらな る進展を期待しています。今年、前年比 から最も進んだ項目はこちらです。 •

アニマルウェルフェア:2020年の52% 。 2019年の47%、 2017年の34%からの 向上

強制・拘束労働:2020年の66%。 2019年 の62%、 2017年の52%からの向上

外国人や移民の労働:2020年の43% 。 2019年の32%、 2017年の30%からの 向上

非常に多くのブランドが、 人権より環境 に与える影響の改善に向けた目標を公 表している 57%のブランドが環境改善対策として、 期間を定め、数字で評価できる目標や対 象を公表しており、その内52%は、目標 達成に向けた毎年の進捗状況を報告して います。その一方で、人権の改善に関す る目標を公表しているのは38%に過ぎ ず、毎年の進捗状況を報告するブランド も36%に止まります。2020年は、公表 されている目標達成の期限としていると ころが多く、ブランドが今後、どのよう に意欲的で総合的な目標を作るのか、ア ップデートを期待をしています。 さらに前年同様、半数以下の42%のブ ランドが、様々なステークホルダーと話 し合い、最も重要である人権や環境に与 える影響を判断する、重要性評価につい て公表しました。この情報は、ブランド がどのようにビジネスにおいて優先順位 を決めているかを理解するのに役立つ情 報です。


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