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早稲田大学創造理工学部建築学科古谷研究室

Carlo Scarpa 研究 2011

山口 舞  1X08A167-2

第二章 部分から全体に繫がる設計手法について

第三章 空間分析

ドローイングに記譜される人から読む空間統合手法 研究背景

研究目的

カステロベッキオ 847 枚のドローイングから4つの設計過程を

10 種類のドローイングの中で5種類が空間のヒンジの機能を持つ。

追う事ができた。

頭上起点

1930-1970 年代までイタリアのヴェネト地方を中心にして活躍した

「私の建築は建築家の媒体つまりドローイングで、 2

Carlo Scarpa は装飾的要素を悪とした近代建築以降の流れの中で常に微

 しかもドローイングのみで済む」

細な物の連結により印象深い空間を作り上げる。その手法は細部のみ

 「私の作品は今日まで残っているシークエンスを再構築する」

の興味ではなく、全体の中での空間の一部を構成する、連鎖された空 間設計手法である。ミースはディテールに神が宿ると言ったがその美

                   

4

Carlo Scarpa

■「言葉と建築 - 語彙体系としてのモダニズム」 2006,1,7 ■I desegni di Carlo Scarpa per Castelecchio 2006

学に於ける部分、部分による多視点的空間ではなく、あくまで全体の 中の単視点的空間でシークエンシャルな設計である。

3

The saint in the second room

Fifth room

次のような傾向が見られた。

奥の空間図面にはかかれてい

仮説

視線を気にしながら

ない開口部を意識している

スカルパのドローイング上に描く人は次なる空間をつなぐ

序論 研究背景  研究目的 仮説 研究対象 既往論文考察

ヒンジとして働いていたのではないだろうか。

第一章 Scarpa のドローイング上の人が示唆する     平面の中の空間の重層性・遷移性

頭上からプロポーションを考えている

第一章 Scarpa のドローイング上の人が示唆する     平面の中の空間の重層性・遷移性

部分を考える

台座

1.1 ドローイング上に現れる方向性を持つ人 1.2 類型化 - 視差を表す Scarpa のドローイング

第二章 部分から全体に繫がる設計手法について

注視

2.1 代表作の中で限定的に使われる人のマーキング 2.2 部分から全体に繫がる設計手法  2.2.1 設計過程上に観られる傾向  2.2.2 設計過程前後にみられる設計変更の分析  2.2.2.1 The saint in the second room 2.2.2.2 The saint in the third room 2.2.2.3 Cangrande 2.2.2.4 Torre del Mastio  2.3 鉛筆での描かれ方で分けたときのドローイングの傾向  2.3.1 Cangrande 2.3.2 Sacello  2.3.3 人が描かれたドローイング 2.4 小結 ー 空間の設え及び部分の統合の基軸となる人のドローイング

手前の空間はプロポーションを考えている

階段

距離による視差

開口

くくり付け

角度による視差

■奥の開口 スカルパが描く人

じーっと見る

開口

頭上起点

具象化

部分が派生し一つの空間ができる。

人が一箇所にマーキングされ、 部分が派生し一つの空間

!

空間に差異を与える。

■手前のプロポーション

ができる。

スカルパはドローイングという平面の媒体に、 オブジェクトとしての情報や空間の重層性、人が動く事で生じ

人が一箇所にマーキング され空間に差異を与える。

る視差や視野の変化などの空間の遷移性を表現している。

第三章 空間分析 3.1 空間分析  3.1.1 museo di castelvecchio 3.1.2 tomba brion 3.1.3 olivetti showroom 3.2 類型化 3.3 空間構造とドローイングの分析

注視

視差 ( 距離 )

注視

視差 ( 距離 )

ング

視差 ( 角度 )

視差 ( 角度 )

同じ描かれ方をした人が少

絵画 ,detail, 彫刻などに対 して方向性を示すドローイ

同じ描かれ方をした人が同 じ場所で頭の向きを変えて

し移動した場所に描かれて いるもの 奥行きや少しず れた見え方を確認している

37%

描かれている

23%

17%

27/150 人 =22.5%

49/100 人 =37.3%

20/150 人 =16.6%

16.6% 22.5%

37.3%

22.5% 16.6%

! !

じーっと見る

角度を変えて見る

距離を変えて見る

ボキャブラリーやヒンジを表す

頭にスケールを合わせる

第四章 考察及び結論

人が描かれたドローイング

じーっと見る

ドローイング         実空間 ■距離による視差   光 ・ 開口部への意識 ■行為          風景の移ろう場所

1. ドローイングに記譜される人の機能 2. 実空間との関係性 3. 本論の展開性

頭上起点

開口

開口

大きな立面図や断面図に

具象化

具象化

頭上を起点にしてプロポー ションを整えているもの

マーキングしてあり、奥を

37%

detail などが詳細に描かれ

参考文献・既往論文

5%

4%

謝辞

頭にスケールを合わせる

■注視 ・ 二箇所    特徴のあるデザイン

人をマーキングすることで、 実空間のデザインへと反映されている事がわかった。

4.66% 空間の境に描く

結論

それぞれの人には機能がありボキャブラリーや視線による空間をつなぐ役割をもっていた。

7/150 人 = 4.66%

6/150 人 = 4%

8%

!

たドローイングに描かれる

認識させている

12/150 人 = 8%

複数の差異のある空間が広がっていく。 人が複数の箇所に描かれる。

どんな人かわかる

!

既往論文 篠田朝日 (Carlo Scarpa 研究ー仮説展示計画における最小限要素 ( 展示パネル ) による空間構成の分析) 荒木聡 ( カルロ・スカルパ研究 2007 ー「ブリオン家の墓」にみる所与と既存ー) 田辺 泰 ( カルロ・スカルパの展示空間にみる差異化と統合その2) 渡辺祥代 (Carlo Scarpa 研究 ースケッチから読む質感差異ー ) 小林玲子 (Carlo Scarpa 研究 2008 C.Scarpa のスケッチから読む二次元的空間確立の経緯) 田村正 (Carlo Scarpa 研究 2010 ガラス器デザインに見る創作の発露 )

Carlo Scarpa 研究2011 ドローイングに記譜される人から読む空間統合手法  

1930-1970 年代までイタリアのヴェネト地方を中心にして活躍したCarlo Scarpa は装飾的要素を悪とした近代建築以降の流れの中で常に微細な物の連結により印象深い空間を作り上げる。その手法は細部のみの興味ではなく、全体の中での空間の一部を構成する、連鎖された空間設計手...

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