アジアへの想い 彼はイビザ島のRESISTANCEのレジデントDJだけでなく、世界 中のRESISTANCEのステージに立っている。今年のウルトラ・コリ アでも土曜日のRESISTANCEステージでクロージングセットを 披露した。彼のパフォーマンスは非常に多くの観客を集め、最後ま で素晴らしいエネルギーをキープしていた。彼は日本、韓国、シン ガポール等で完売される様な人気公演に出演できるのは非常に 光栄であるとし、 「アジアの国々に行くのは本当に楽しかった。子 供のころはクラシックな映画に夢中になっていたけど、今はアジア の料理に夢中なんだ。どこに行っても魅力的で、いつも訪れるのが 楽しみなんだ。ダンスフロアーにも驚かされた。凄くアンダーグラ ウンドでサブカルチャーなところがある。それが僕にとっては特別 に感じるんだ。」
る。ここ数年間、世界中を旅したデイリーが感じた事実である。し かし彼の目標だけは変わることはない。 「僕は観客の為にスピン
もちろんアジア圏でのテクノやハウスミュージックの人気は欧米に
する。気持ちのいい曲を流して皆を躍らせる。そもそも僕らDJは
は及ばないだろう。しかし、そのサブカルチャー的な一面を彼は観
観客に踊ってもらう為にプレイしているはず。それが全てさ。」
客から敏感に感じ取っていた。その感覚は、大観衆の前で舞台に 立つ彼にとって、どこか懐かしく、逆に新鮮でもあるのだという。
「世界を旅する機会があること、自分の好きなことを生業として
彼が様々な文化を体験する番組「Even Deeper」で、日本旅行を
やっていけることに日々感謝しているよ。」とデイリーは言った。 「
する姿が観ることができる。
もちろん疲れる時も、プレッシャーを感じる時もあるし、家を留守 にする日も多いかもしれないけど、凄く恵まれた環境にいるんだっ
「去年、日本各地のクラブで回す機会があったんだ。小規模なが
て思っているよ。」
らアメージングなクラブが凄く多かったよ!小さな地方都市の、キ ャパが100人位のクラブに出演したんだけど、皆が音楽に全てを
デイリーが見出した人生のバランスは、彼を動かす主たる原動力と
委ねていたんだ。それも木曜日の夜に!凄く新鮮だった!複数で
なっているようだ。彼にとっては会場が大規模なフェスティバルだ
来て、このジャンルが好きな人がグループの中で一人しかいなくて
ろうが小さな町の小さなパーティだろうが、単に自分の音楽に従う
も、そんなの関係ない様だった。中には会社帰りのサラリーマンが
だけなのだ。恵まれた環境で、与えられる特権に決して満足せず
スーツのままで僕の曲に合わせて身体を揺らしてる。こんな光景
に努力を怠らない。その結果が、哀悼さえ歓喜の踊りに変えてしま
はヨーロッパでもお目にかかれないよ。あと、数年前にプレイした
う力を生み出しているのかもしれない。■
WOMBも素晴らしいクラブだけど、今回プレイしたSound
Mu-
seum Visionはアジア全体で考えても格別だったよ!」
「「そもそも僕らDJは観 客に踊ってもらう為にプ レイしているはず。それが 全てさ。」 大型フェスティバルだけで舞台に立ち感じるものと、世界中の様 々な都市をツアーし、ローカルなシーンで感じるものは大きく異な djmagasia.com
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