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かしん

KOHSIN/ 旅人

文⋮

/ ニュージーランド・ギズボーン


自由に生きて 参りました�

年目。アジア放浪中に音 信不通になってしま った元恋人を探すべ く、根拠もヒントもな いのに、ボーナスと有給を 惜しげもなく使ってインドを旅 れながら、牛に行く手を阻まれなが

しました。 怪しげな人々に拐かさ

て、ガンジス川を眺め、おつりに破れ

ら、夜は孤独という毛布にくるまっ

彷徨いました。募らせた想いも虚しく、ただ日に日に日焼けし

たお札を混ぜられながら、灼熱のインドを

局再訪するのだけど︶ 、と帰りの飛行機に一人乗り込む、切な

てゆき、さようならインド、もう来るまい⋮︵二⃝一五年に結

精神的に追い詰められた自分のことをすごく﹁面白い!﹂と思

い結末を迎えることになりますが、ただその時も、異国の地で っていました。

手当たり次第に祈り散らかす自分。一⃝ルピーに対して恐ろし

 時間が万物に平等に過ぎると分かっているはずなのに、夜が 早く明けますようにと阿弥陀仏、シヴァ神、ご先祖に至るまで

押しされ、きっとスパイスなんかも足され、日本では無意識に

い執着を見せる自分。インドに渦巻く鮮やかなエネルギーに後


一期一会 ロクコ/空港職員

文⋮

/住所非公開

瞬間のひとつだろう。 見送る側でありながら、彼らが生んだ

旅に出るという青年の背中を見送ることができるのも、良き

﹁出会い﹂なのだろう。

﹁瞬間﹂にパワーをもらっていることもある。 その瞬間とも

たいと思った。何かとの出会いは偶然ではなく必然だと聞く。

 一歩、空港から出てみても、人、もの、瞬間も含めて総て が一期一会だと思う。 生活は、それからつくられているとも

 私は一日の多くを空港で過ごしている。そこには多くの一期 一会がある。タイヤを出して見事に着陸してきた機体に感心し

そして、存在するもの総てが何らかの影響力を持っていると

ていると、一方で、力強く空へと飛び立つ飛行機がある。ター

感じる。黄色い花ようにハツラツとした友達や、隣の庭で

気感、言葉⋮様々なことへ、一期一会を感じる心を持ち続け

なところから生まれているのかもしれない。 彼らを背景に記念

青々と茂る芝のような友人との出会い。思わず目を細めたく

言える。いい人生とは何かを考えた時、私は、人、モノ、空

写真を撮れば、なんとなく表情があるような気さえする。それ

なるような緑の風との出会い。 田舎に帰った時の茶色い土の

だとまだ見ぬ世界を想像する。空港で体感する高揚感は、そん

らも一期一会のようだ。

匂いとの再会。力が抜けてしまうような絶景との出会い。す

ミナルビルから見る彼らの尾翼の模様の数だけ、世界は広いの

う小さな小さな少年。海外挙式のためにドレスと一緒に出発す

 訪れる人もまた様々だ。大きな仕事を抱えたビジネスマン。 初孫に会いに来たというおばあちゃん。初めての一人旅だとい

れ違う人々が作り出す空気感。人、モノ、空気感、言葉、夢

ようだが、一期一会が私の生活を彩っている。いい人生とは

ものがあってとしても、それはそれで色を生む。当たり前の

しかすると、今あなたが読んでいるこれに登場する旅人と私は、 ⋮これからもきっと、多くのものと出会う。 例え、なくした

る人もいれば、家族が危篤だと先を急ぐ人。本当に様々だ。も すでに出会っているのかもしれない。

じる。人々の生活を垣間見ることで生きていることを実感する

らのほんの一部でしかないが、 その瞬間にも多くのことを感

 今日もまた彼らは翼を広げ、飛び立つ﹁瞬間﹂を待っている。

るような気がしている。

に繋が の足音に耳を澄ましていきること。それが、 Good Life

何かを悟るほどの経験値はまだない。でも、多くの必然たち

 それぞれの生活背景を持った人々が集う空港には、一日の中 に多種多様な瞬間が混在する。私が目の当たりにするのはそれ

こともあれば忘れられない一瞬にも遭遇する。これから海外へ


とくし


台湾台中/徳志

贅沢のない幸せ 福岡県福岡市/ウエダズンイチ

No Sports No Life 東京都小金井市/ニサ

Jumpa Lagi! 滋賀県大津市/吉島賢一

生きてきた道と さきの道 カナダ・バンクーバー/ミヤウチマイコ

Mimamimalife


FLOPS & LINES Second Issue, 2016 Spring / 10 Stories About "Good Life"


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FLOPS & LINES Second Issue 10 Stories about "Good Life" / Shinya Fukuda, 2016  

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