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ハードなインフラに頼りすぎるあまり、災害時にもろさを露呈する現代社会。都市が粘り強く災害に応答するためには、より柔軟なインフラの創造が求められる。 鉄道沿線に配された自転車のネットワークは、リニアなコミュニティを形成し、災害への社会的な抵抗力を醸成する。災害時には、ここが物資の輸送・供給の拠点と なるだけでなく、自然エネルギーを利用したエコシェルターとなり、避難者を受け入れる。

No.11007

life rail の2重構造 ・レンタサイクルの拠点となるキオスクが点在す る。災害時には物資供給の拠点として働く。 ・広いレーンは歩行者及び自転車のための動線で ある。線路に寄り添って配置されることで災害時 にも機能するラインとなる。 ・広いレーンと並行して狭いレーンが走る。自転 車専用で、高速での移動を可能にする。 ・レーンに沿ってソーラーパネルが設置され、災 害時のシェルターへの電力供給のために常時蓄電 を行っている。 ・レーンに沿って配置される緑地層は保水機能を もち、豪雨時の下水道への排水を抑制すると共に、 浄水機能を持たせて下部の貯水槽へ上質の中水を 貯留する。 ・構造体内部は貯水槽になっており、上記の雨水 を常に溜めておくことができる。雨水放流調節と 非常用水槽としての機能を併せ持つ。 ・シェルター内部は平時は備蓄倉庫であるが、短 期宿泊用の施設が備え付けられており、災害時に は避難所となる。 ・貯留した水とレーン表面で発生する熱を利用し て災害時でも風呂に入ることができる。

Reflection/ 16 年前の神戸を振り返る 脆弱なインフラ 災害時にはもろさを露呈するイ ンフラ。移動手段の役割を失っ た鉄道網は、災害時には都市空 間から取り残される。 持続的なコミュニティ 災害によって切断されたコミュ ニティは、再形成することが難

Potentiality of railway / 鉄道空間の可能性 動脈 / connect urban and suburb

都市の余白 / urban void

都市に貼りめぐらされた鉄道網は

線路近傍には、都市の変遷にかか

都心・郊外を結び、災害時の物資

わらず、取り残された空間が存在

供給ルートとなる。

する。そこは密集した都市空間の

沿線に建つ公的機関・病院等の施

中に取り残された「余白」である。

設と接続することで災害時の線的

風・光・視線の通り道となり、都

拠点となりえる。

市生活を豊かにする可能性を秘め ている。

New Life-Line / 新しい都市インフラ store station

■災害時の働き

station bike

way

en

gre

way

ay

w rail

鉄道の沿線に新たな都市インフラを構築する。 自転車による人的交通網は、近隣住民の豊かなコミュ ニティを醸成し、災害時にも物資供給ルートとなる。 太陽光パネル、貯水のシステムが組み込まれた新しい 都市インフラは災害時の新たなライフラインとなり、 避難者を受け入れる。 ■コミュニティの変化

・災害時の拠点となる、線路沿いの公 的機関と接続され、物資の供給ルート となる。

・線路は緊急車両のための同 線を確保する。

・より迅速に地域の人々に物資を届け るためマーケットが展開される。

・雨水は保水性をもつ土で濾 過 さ れ、災 害 時 に 飲 料 水 と して利用できるようにする。

・運搬された物資は下層部の空間に備 蓄され、災害時に利用される。 自転車道

・ソーラーパネルによる発電装置 緊急時にはシェルター内部に電力が供給

ティを持続させる空間を再考す る。 駅周辺に点的に形成されるコミュニティ

一度破壊されたまちは、通勤・

・線路と自転車道は緊急時には一体となっ て使用され、避難場所を供給 ・自転車道の下部スペースは物資の倉庫と なり緊急時にはシェルターとして機能

通学・生活といった近代的生活 の機能的利便性を追求した結果、 均質的なまちなみが復元された。

・交通機関が遮断された時も 沿線の病院との接続は保た れる。

■自然エネルギーを活用する

しい。災害でも豊かなコミュニ

均質な風景

・鉄道が止まっても、自転車のルート は維持され、物資の輸送や移動に利用 される

新しいインフラで線的に構築されるコミュニティ

・日中線路の表面に吸収された熱を蓄熱し、 シェルター内部の空気や水を温めるために 利用

線路

・線路や自転車道表面で発生する振 動を利用して蓄電し、災害時の電力 供給源とする。 ・太陽エネルギーが変換され、蓄電 池内部に蓄えられる。

シェルター

・線路面に降った雨水を貯蓄し、時 間差で放水することで水災害を防 ぐ。都市における線的なダム機能を 果たす。


AfterEarthQuake: Big Ideas for Japan Competition  

This is a competition entry I was a part of while working for Takenaka Corporation in Osaka, Japan

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