Asia Research News 2021

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PEOPLE

後は熱伝導度以外の物理的性質を調べ ていきたいと考えています。

Q:地球科学者になろうと思ったきっか けは何ですか? 単純に高圧の地球科学の研究が面白か ったからです。世の中に興味深い研究対 象というのは色々あると思いますが、高 圧の地球科学という分野は 「まだ全然分 かっていないけれど、 ちょっと頑張れば分 かりそう」 と感じる研究テーマが、 とにかく 沢山ある印象です。重要な研究テーマで あっても、手も足も出なければ楽しめませ ん。 そういう意味で、高圧地球科学は私に とってちょうどよいバランスだと思ってい ます。

Q:ラボマネージャーとはどんな職種で すか?

私が担当しているUnit-Dは、高圧鉱物物 理学、 アストロバイオロジー、古地磁気学 を専門領域とする3つの研究室から構成 されており、各研究室のオーバーラップ は比較的少なめです。

Credit: Hitoshi Gomi

利用されています。 こういった外部の研 究者の受け入れもラボマネージャーの 仕事の一環です。

点でもあり、難しい点でもあると思いま す。 この点の良さを活かせるように、 自分 の実力向上をすることが目下の目標です。

それから、 ラボマネージャーや実験室運 用に関わる研究者たちで組織されてい るLab Manager Committee (LMC)で は、 メーリングリストなどを通じて、研究 所全体での実験の方針を決めたりしま す。例えば、 コロナ禍において、研究者 や学生の感染リスクと、研究遂行のバラ ンスをどのようにとるかなどについて議 論します。

Q:最も達成感を感じる時と、 これまで の最大の教訓を教えてください

Q:ラボマネージャーになって新たに 身についたスキルはありますか?

Unit-Dの管理下で一番有名な実験装 置は、電子プローブマイクロアナライザー (EPMA) です。 これは、いわゆる電子顕 微鏡の一種で、Unit-Dの研究室に限らず、 ラボのマネージメントを行うという立場 地球生命研究所外の研究室の方にも広く 上、私個人の裁量が大きいのは、良い

研究活動やラボマネージャーとしての活 動ともに反省点は幾つもありますが、未 だに何もかも手探りでやっている状況な ので、 これが私の最大の教訓ですと言え るようになりたいです。

Q:地球科学者を目指す・ラボマネージ ャーになる研究者にアドバイスをお願 いします 地球科学の研究も、 ラボのマネージメント もどちらもやりがいがある仕事です。いつ か一緒に働ける日を楽しみにしています。

五味先生の研究について、 さらに知りましょう。 Asia Research Newsのポッドキャストでお待ちしています。

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ラボの実験装置を管理する上で、すべ ての実験装置を深く理解して、すべての 問題を一人で解決できる、 というのが理 想なのかもしれません。 ですが、複数の 研究室にまたがるUnitでそれは現実的 ではありません。 それぞれの実験装置に は、 その装置を深く理解しているユーザ ーがいるものです。 なにか問題が起きた とき、 そういった上級ユーザーの人たち と、問題解決のために上手にコミュニケ ーションをとれる、 というのが重要なスキ ルだと思います。

やはり一番楽しいのは、 自身の研究活動 です。論文が受理された時、研究室内の セミナーや学会で発表を面白いと言って もらえた時など達成感を感じる場面は色 々あります。滅多にないのですが、 自分の 新しいアイデアが、 これまでよく分かって いなかった問題点・矛盾点をピッタリ説 明できることに気づいたときは、最高です。

ASIA RE SEA RC H N EWS

地球生命研究所では、大まかな分野ご とに研究室がUnitというグループに分 けられています。例えば、Unit-Aは天文 学、Unit-Bは生物学といった感じです。 複数の研究室をグループ分けすることで、 共同で利用する実験装置の管理などが 円滑に進められるようになっています。 こ れらの各Unitにラボマネージャーが配置 されており、実験装置などの管理を任さ れています。

パソコンを20台並列接続したPCクラスタで数値シミュレーションを行い、高 温高圧状態にある物質の性質を調べる。

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